取材2024.12.26
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | S | R |
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ドクターK | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | - | 5 |
GRADE RIZE 2nd | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | - | 2 |
<ドクターK>
今シーズン彗星のごとく現れたポテンシャル軍団ドクターKだが、チームは2024年、代表黒木による『日本一を獲りたい』という思いから関東草野球界の顔役が集められ結成。メンバーの年代は20代前半から40代までと幅広く、33歳と34歳の世代を中心にチーム構成を行っている。学生時代に甲子園などで活躍したメンバーは殆どおらず、大人になってからトレーニング等で覚醒したメンバーが多数所属。準決勝でも見事なリリーフを見せた吉澤は35歳の年に自身最速140キロを計測し、日々血の滲むような努力をしている事が窺い知れる。また、決勝トーナメントで大車輪の活躍を見せた白鳥は、本業でトレーナーも務める代表の黒木によって『魔改造』され、大人になってからそのポテンシャルが開花する選手もチーム内に多い。打線は言わずと知れた選手が多数在籍し、「まさに草野球オールスターと言っても過言ではないメンバーが集まっている」と自らのチームを分析するが、その言葉通り準決勝ではポテンシャルの高さを遺憾なく発揮し、中でも相手投手の心をも打ち砕く久保の先制スリーランHRは周囲の度肝を抜いた。チームの注目選手は白鳥、郡司、吉澤の3名だが、他にも大会本部が注目する選手は多く、個々のポテンシャルの高さだけ言ったら上部所属チームに引けを取らないだろう。そんなポテンシャル軍団相手に今季サヨナラ勝利を収めたGRADE RIZE 2ndが決勝戦の相手となるが、黒木代表は「サヨナラ負けを喫して、そこから徐々にチームとして形を成した」と冷静に分析し、決勝トーナメントはそのポテンシャルに加えて『チーム力』でここまで勝ち上がってきた。結成初年度の今季は『Victoriaで神宮へ』を目標に戦い、見事に有言実行となったが、次なる目標は『優勝』の二文字で、予選リーグの雪辱を晴らすことを誓う。そして、ここまでチームをまとめあげてきた代表の黒木を中心に神宮で歓喜の輪を作り、最高のスマイルを見せことが出来るか!?(詳しくは決勝進出チーム特集へ)
<GRADE RIZE 2nd>
『VictoriaのリベンジはVictoriaで果たす』と誓って1年、2023年3部リーグで準決勝敗退と悔し涙を呑んだGRADE RIZE 2ndが、今季リベンジを果たし2度目のプロスタ進出を決めた。チームは水・土・日(祝)の週3回活動と草野球界ではトップクラスの年間250試合以上をこなしており、自称『野球変態(大好き)軍団』のGRADE RIZE 2nd。年末は12/29まで、年始は1/3から、真夏の1日公式戦4試合、GW9連戦、大阪遠征の夜に新小岩に帰ってきてVictoria準決勝等々、過酷なスケジュールを毎週乗り越えている。この過酷なスケジュールを乗り越えているからこそ、痺れる試合展開の後半でも衰えない気力と体力、連戦でも変わらない明るい雰囲気、ベンチの声の大きさ(奇声含む)が持ち味だ。そんなプロ野球選手以上の試合数を経験するチームの面々を見てみると、今年からチームのエースへと急成長を遂げた塚本を中心に守備力を重視した守り勝つ野球が基本スタイルで、内・外野の守備範囲の広さはVictoria1部にも負けないと豪語する。攻撃面では怪物の吉澤、小麦を食べない男洲脇を中心に長打、小技、足技等、何でもできる選手が揃い、何をしてくるか分からない色のない不気味な野球を徹底し、その采配は主将の山岡が担い、代表を務める山村もベンチからチームを鼓舞し続ける。昨年のVictoriaは上尾西ブルースカイズに準決勝で敗れ、その試合以降大事な試合で負けることが続いた。あれから1年、チーム皆で野球に熱くなり、自分と向き合い努力を怠らず、成長してきたこの成果をVictoriaファイナルで発揮したいと意気込む。「年間250試合以上こなす草野球大好き病軍団、20代前半~30代前半まで幅広く、様々な年代が活躍し、とにかく明るく元気なチーム」と最後を締め括ったが、貫禄と若さが程よくマッチし、小技から長打まで抜け目のない打線に豊富な投手陣と固い守り、これこそがGRADE RIZE 2nd野球の神髄で、神宮の舞台でも持ち前の経験を活かして最後まで自らの野球を貫いてほしい。ここまで10連勝とチーム状態は最高潮、3部リーグの頂点を目指しGRADE RIZE 2ndがいざ出陣する!!(詳しくは決勝進出チーム特集へ)
ドクターKは白鳥、GRADE RIZE 2ndは塚本の先発で試合開始。1回表、ドクターKは先頭の水田が試合の口火を切るライトポール直撃の先頭打者アーチを放ち、幸先よく1点を先制する。出鼻をくじかれたGRADE RIZE 2ndは先頭弾に動揺したのか、続く3人の打者に対しても2つのエラーとヒットで無死満塁のピンチを迎える。先発の塚本は続く5番澤田を空振り三振に抑えるが、6番木村に対して制球が定まらず痛恨の押し出しで、この回2点目を献上した。しかし、GRADE RIZE 2nd先発の塚本は2回以降立ち直り、2回から4回までは無失点で切り抜ける好投を見せた。すると4回裏、ドクターK先発の白鳥が突如制球を乱し、6番洲脇、7番川崎と二者連続でデッドボール。続く8番星にもフォアボールを与え、1アウト満塁の場面から1番澤田のセカンドゴロの間に3塁ランナー川崎が生還し、GRADE RIZE 2ndが1-2と1点差に詰め寄る。1点を返されたドクターKは5回表、吉田、鈴木、小高の3連打でこの日2度目となる無死満塁のチャンスを迎える。そして1アウトから途中出場の倉橋がセンター前ヒットを放ち、ドクターKが貴重な追加点を奪い3-1と突き放す。更にGRADE RIZE 2ndは2番手としてマウンドに上がった滝口が、ドクターK代表の黒木に対して押し出しとなるフォアボールを与え4-1、6回表にも3本のヒットが飛び出し、ダメ押しとなる1点を追加した。ドクターKは5回裏から2番手として吉澤がマウンドに上がり、7回2アウトまで一人のランナーも許さない好リリーフを見せるが、後がないGRADE RIZE 2ndもこの日4打席目を迎えた山岡が2アウトから前進していた外野の間を破る鋭い打球を放ち、快足飛ばして一気にホームまで生還、GRADE RIZE 2ndは土壇場で1点を返した。しかし反撃はここまで、ドクターK吉澤は最後のバッターを三振に抑えゲームセット。5-2でドクターKが勝利し、MVPには先頭打者アーチを放った水田が選出された。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)
<ドクターK>
Victoriaファイナル2日間を通じて唯一の2ケタ安打、そして投手陣が許したヒットは僅かに2本と前評判通り、ドクターKがポテンシャルの高さを十分に誇示した結果となった。その中でも電光石火の攻撃でチームを勢いづけ、MVPに輝いた水田の先頭打者アーチは大きなインパクトを残した。更には4回被安打1の好投を見せた先発の白鳥、注目選手としてチームからの信頼も厚い吉澤が見事な好リリーフを見せ、自慢の投手陣もその役目をしっかり果たしてくれた。この日は総勢18名の選手が神宮の舞台で暴れ回り、最後の瞬間まで笑顔を絶やさなかったドクターKの姿は非常に印象的で、この1年間代表としてドクターKを束ねた黒木も途中出場を果たし、チームの優勝に貢献した。きっと来季もその黒木を中心に一層チーム力を高め、彼らは2部のステージでも脅威の存在となるだろう。
<GRADE RIZE 2nd>
予選で下したドクターKとは今季2度目の対戦となり、決勝戦では惜しくも敗れたGRADE RIZE 2ndだが、こちらもその実力を遺憾なく発揮してくれた。先発の塚本は初回こそ相手打線に捕まったが、2回から4回まではほぼ完璧な投球内容で、初回の重苦しい雰囲気を一変させる素晴らしいピッチングだった。攻撃陣は相手好投手陣を前に苦戦を強いられたが、年間250試合以上を消化する経験値から4回裏にはノーヒットで無死満塁のチャンスを作り、真骨頂である相手の隙を突くGR2野球は健在だった。そして今年550打席に立ち、出塁率は脅威の.655を誇る注目選手の山岡が土壇場で放ったランニングホームランは来季に繋がる一打となり、いずれ迎えるであろうドクターKとの3度目の対戦でも山岡は要注意人物となるだろう。彼らの経験値は草野球界でもトップレベルを誇っており、その野球熱を他チームにも伝染させ、これからもVictoriaを盛り上げてほしい。