取材2024.12.24
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | S | R |
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TOMOSAKA | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | - | 2 |
NAYON | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 |
<TOMOSAKA>
Victoria初参戦となった前年の2023年、オータムカップで同年1部覇者相手にジャイアントキリングを達成したTOMOSAKAが、今季はリーグ戦にもエントリーを決め、2部の猛者たちを次々と下しリーグ参戦初年度、見事にファイナル進出を成し遂げた。そんなチームは20代後半の選手で構成され、大学時代のメンバーと共に立ち上げたTOMOSAKAを束ねるのはIQ高めの野球で主導権を握る小島で、『負けたら監督の責任』と言われるほど小島に対するメンバーからの信頼は厚い。2023年からチームを立ち上げ、前述した通りVictoriaには同年のオータムカップから参戦し、初戦となった2023年1部リーグ覇者のブルーサンダース相手に9-2とジャイアントキリングを達成し、強豪相手に奪った白星は大きな話題を呼んだ。最高峰リーグ王者相手に勝利を奪い大きな自信をつけたTOMOSAKAは2024年、カップ戦3大会に加えて2部リーグにも参戦し、予選から自慢の投手陣を次々と投入してGブロックを首位通過。決勝トーナメントに舞台を移してからも今季Victoria4大会に参加した経験値を活かし、初戦のRedBulls戦は7-4、2回戦のグレイトシャークス戦は5-4、セミファイナルのBOOOOON戦は序盤で6-1と大きくリードするもBOOOOONの粘り強い野球で6-5と1点差に詰め寄られるが、リリーフの大柄が粘りのピッチングを見せ、見事にプロスタ進出を決めた。各選手が高い能力を持つTOMOSAKAの面々を見てみると、枚数豊富な投手陣はもちろん、準決勝で見事なリリーフを見せた注目選手・大柄の活躍には期待したい。その大柄と贄は準決勝でも持ち前のバットコントロールでチームの勝利に貢献し、バッターボックスで強打者独特の雰囲気を醸し出す注目選手の奈良場にも熱い視線を送りたい。更にはショート田中の復調もカギを握り、オーバーエイジ枠の石森、迫田の活躍が勝敗を左右すると言っても過言ではない。神原代表の話によるとチームの大半が肩肘を痛めており、満身創痍の中でファイナルを迎えることになるが、『全力疾走を徹底し、冷静と情熱のあいだで戦う』と決戦を前に彼らは平常心を忘れない。参戦2年目、獅子奮迅の勢いでメキメキと力を付けてきたTOMOSAKAが、決戦の地・明治神宮野球場へ出陣する!!(詳しくは決勝進出チーム特集へ)
<NAYON>
昨年3部リーグで初のプロスタ進出を果たしたNAYONが、今季は舞台を2部リーグに変え再び決勝の地へ還ってきた。2020年より千葉県市川市を拠点に結成したNAYONは、メンバーの大半が20代前半で構成され、近年草野球界で頭角を現す若さを売りとした象徴的なチームだ。メンバー全員の仲が良く、代表小暮の野球の繋がりで集結したチームの武器は抜群のチームワークである。Victoriaには2022年よりエントリー、参戦初年度はいきなり3部リーグで3位、続く昨年は同じく3部リーグで見事にプロスタ進出果たし準優勝、そして今年は2部リーグに昇格し今季もプロスタ進出と、Victoria参戦から常に中心的存在としてリーグを盛り上げている。そんなチームは、今季も大車輪の活躍を見せた145キロ右腕のエース石塚、安定感抜群の中山、今季加入した左のエース草間を中心とした予選リーグ4失点の守備力が特徴だ。攻撃力も最高峰リーグの猛者たちと実力的には肩を並べ、シーズン打率が4割を超える1、2番コンビ核弾頭の和田と、Victoriaでも際立った脚力を持つ2番小暮と共に、彼らは準決勝でもマルチ安打の大活躍を見せた。3番には打率、打点でチーム2冠の天野(陸)、4番は昨年Victoriaベストナインにも選出された主砲の天野(航)、そして5番には甲子園球場の中段にホームランを放つほどのパワーを持つ角山など、中軸は相手チームの脅威となるだろう。更には広角にヒットを量産できる6番の川崎、下位打線ではあるが長打も小技もなんでも絡められる大和久、昨年のVictoria準決勝でホームランを放った大部、パワーヒッターの伊藤、今年のセミファイナル黒百合戦でマルチヒットを放った好打者の池原と、切れ目のない打線を形成する。ここには紹介しきれないほど個々のポテンシャルは高く、NAYON一番の魅力は何と言っても『打線』ではあるが、無論投打共に安定感は抜群だ。そこにチーム自らが語る自慢のチームワークが勝利への執念を呼び、その象徴として準決勝はじゃんけんと『運』勝負ではあったが、勝利後にメンバー全員が喜びを爆発し、涙を流す選手がいるほど週末の草野球に想いを捧げる。2023年ファイナルに進出するも僅差で敗れ準優勝と、参戦3年目のこれまでタイトルには無縁だが、ここで優勝を収め来季の最高峰リーグに向け弾みをつけたいところだ。果たして昨年の忘れ物を取り返すべく、NAYONはVictoria初タイトルを手にすることが出来るか!?チーム全員で勝利を掴みに行く!!(詳しくは決勝進出チーム特集へ)
試合はTOMOSAKA迫田、NAYON石塚の両先発で開始され、2回までは互いにランナーを許すも無得点で進む。ゲームが動いたのは3回表、ここまで好投を続けるNAYON石塚に対して、この回先頭の8番古澤が5球目をジャストミート、打球は神宮球場のレフトスタンドに突き刺さるソロホームランとなり、TOMOSAKAが1点を先制する。その後もNAYONはエラーとフォアボールでノーアウト1,2塁のピンチを迎えるが、ここは石塚が圧巻の3者連続三振に切って取り、このピンチを最少失点で切り抜ける。3回裏、何とか追いつきたいNAYONは2アウトから1番和田がレフトの頭上を越える2ベースヒットでチャンスメイク、2回に続いて得点圏にランナーを置くがTOMOSAKA迫田の気迫の投球を前にこの回も無得点。4回表、TOMOSAKAは5番奈良場のライト前ヒット、古澤のフォアボールで2アウト1,2塁と追加点のチャンスを迎えるが、ここは9番飯野の小フライをNAYONサードの角山がダイビングキャッチ、この回は無得点に終わる。5回表、TOMOSAKAはまたしてもチャンスを迎え、相手エラーと3番贄のレフト前ヒットで1アウト1,3塁のチャンスを作ると、この日途中出場の松本がショートゴロを放ち、その間にランナーが生還。中盤に貴重な追加点を奪い、2-0とリードを広げる。 まずは1点でも返したいNAYONは5回裏、先頭の6番川崎が技ありのセンター前ヒットを放つも後続が続かず、この回も無得点。両投手の好投でテンポよく進んだゲームは6回表、NAYONは2番手の中山がマウンドに上がると、強力TOMOSAKA打線を2回1安打に抑える好リリーフを見せ、攻撃陣の奮起を待つ。しかしNAYON打線は6回裏も得点圏にこそランナーを進めるが無得点、続く最終回も1アウトから途中出場の千明が左中間を破る2ベースヒットを放つが、ピンチを迎えるとギアが1段上がるTOMOSAKA迫田を最後まで攻略できず、2-0でTOMOSAKAの勝利。MVPには7回被安打4、9奪三振で完封勝利を飾った迫田が選出された。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)
<TOMOSAKA>
Victoriaファイナル2024の中で唯一の完封勝利、そしてチーム初となるタイトル獲得に大きく貢献した迫田は『無双』と表現するのに相応しいピッチングだった。迫田は得点圏にこそランナーを許すが、ピンチを迎えても動じないメンタル、140キロを超える直球と切れ味鋭い変化球で付け入る隙を与えなかった。TOMOSAKAは来季1部リーグに昇格となるが、並み居る強敵を前に彼らがどう立ち向かうか、2025年も迫田のピッチングには大いに期待したい。
そして3回表に8番古澤が放ったソロホームランはチームに勢いを与え、投手戦となった重苦しい球場の雰囲気を一変させる素晴らしく豪快なバッティングだった。この日チームを通じて放った安打は4本と多少物足りなさを感じるところはあったが、古澤を筆頭にどこからでも一発が飛び出すパワフルな打線は1部リーグでも脅威となり、きっと2025年シーズンもTOMOSAKAは主役の座に躍り出るだろう。
<NAYON>
昨年に続きあと一歩のところでタイトルを逃したNAYONだが、そのポテンシャルの高さは十分に発揮してくれた。まずは先発の石塚が5回を8奪三振2失点(自責点1)とゲームを作り、2年連続プロスタの舞台でも堂々たるピッチングを見せた。更には2番手としてマウンドに上がった中山も神宮のマウンドに上がる高揚感を抑えつつ、2回を被安打1無失点と完璧な投球を披露し、中山らしい安定したピッチングでチームに勢いをもたらした。一方の打線は和田と千明に長打が飛び出し、得点圏には5度ランナーを進めるも、残塁が『7』と好投手からあと一本が出なかった。天野(陸)、角山、天野(航)の注目選手3人から放たれた安打も僅かに『1』と、今回は自慢の打線は鳴りを潜めたが、代表小暮を中心に来季の更なる巻き返しに期待したい。そして3度目の正直として、来季こそはVictoriaファイナルで歓喜の輪を咲かせてくれることだろう。