特集2024.12.10
【Aブロック】
4勝2敗が3チーム並んだ中、頭一つ抜けて5勝を挙げた首位アスリーツは今季も好調を維持し、その並んだ3チームのうち3位4位の2チームもワイルドカード争いを勝ち抜き、同ブロックから4チームが決勝Tに進出する珍しい結果となった。紫紺インディアナオスンはブロックトップの得点力で2位に入り、その紫紺インディアナオスン相手に勝ち星を挙げた江戸川GLITTERSは3位、更に4位のBERABOWは取材ゲームで江戸川GLITTERSから勝利を奪うなど混戦を極めたブロックとなった。
【Bブロック】
6戦全勝で首位通過を決めたのはGRADE RIZE 2nd、2021年に4部優勝、昨年3部リーグで3位に立った実力は本物で、初出場のドクターKはポテンシャルの高さを発揮して存在感を示し、2位通過を決めた。OrientalGEARはブラックラビッツとの引き分けが響き3位でシーズンを終え、ブラックラビッツは取材試合で好ゲームを演じていただけに来季に期待する。GENUINEは8年ぶりの復帰を果たし、最終戦で来季に繋がる大きな1勝を挙げており、2025年は予選通過を目指す。
【Cブロック】
首位争いは最終まで縺れ、5勝同士で並んだ「ハリウッドvsユトリジェネレーションズ」の直接対決はハリウッドに軍配が上がり首位に立ち、ユトリジェネレーションズも豊富な投手陣を武器に堂々たる戦いぶりだった。昨年は共に決勝T進出を果たしたChuyansとロッキーズは予選敗退となったが首位のハリウッド相手に互いに1点差ゲームを演じ実力差を感じさせなかった。T.B.Cは初参加で苦戦を強いられたが、ロッキーズ戦で勝ち星を挙げた山下と馬場の1失点投手リレーは見事だった。
【Dブロック】
Aブロック同様に2チームがワイルドカード進出をもぎ取ったDブロック。混戦の中で唯一5勝を挙げて首位に立ち、投打共に好調だったのはジョニーだ。続いて2位には2年ぶりの決勝T進出となる清瀬キャロッツ、ワイルドカードにはGAKU、スパークが入り、中でも取材ゲームで1-0の好ゲームを演じたスパークは伸びしろのある将来性を感じた。ズミズミダイコンズ、 新曽BWは下位に沈んだが、同じく下位でシーズンを終えた白扇社と同様に来季はリベンジの1年となるだろう。
【Eブロック】
5勝1分で首位通過を果たしたのはみつおJAPAN、投打共に輝きを放ち初参戦でEブロックを席巻した。そのみつおJAPANに敗れたがSKグリーターズも強打を武器に3年連続となる決勝Tに進出。friendsは惜しくも3位に終わり初の決勝T進出とはならなかったが来季は打線に磨きをかけリベンジのシーズンとしたい。4位には初参戦の東京シャイニングスターズが入ったが、2025年は代表の鳥海を中心に巻き返しを図る。同じくWisterias、Goingも奮起を誓い、来シーズンは主役の座に躍り出てもらいたい。
【Fブロック】
昨年4部覇者の大翔は昇格後も勢いは衰えず、2023年に4部MVPを受賞した久武を中心に今季も絶好調のシーズンだった。その大翔相手にドローと実力差を感じさせなかったのは2位のホワイトブルズで、3位の松竹梅は最終戦で見せた原のサヨナラHRで意地のリーグ4勝と、Wカードで決勝トーナメント進出を果たした。Victoria初参戦のスティーラーズ、Rascalsは大きな見せ場こそ作れなかったが、互いに1990年代から活動を続ける伝統チームとして来季は侮れない存在になりそうだ。
【Gブロック】
初参戦チームが目立つGブロックで首位に立ったのはドリームス、エース吉國の活躍で6戦負け無しと実りあるシーズンだった。2位には同じく初参戦のCLUTCHが入り、こちらも投手陣が踏ん張り初参戦で決勝T進出と見せ場を作った。BOYCOTTは2022年オータムカップ以来の復帰を果たし、上位相手に互角の戦いを見せるもあと一歩及ばなかった。決勝T常連のTDBC、市川ホーネッツは予選で姿を消したが、それぞれポテンシャルは高く来季も注視したいチームである。
【Hブロック】
4勝1敗で上位2チームが並び、A・Dブロックに続き総勢4チームが決勝Tに進んだHブロック。首位通過を決めたKGLADSは春先から打線が好調でブロックトップの得点力を誇り、そのKGLADSに勝利を収め最終戦でも川上の活躍が光ったピエールズは、2位通過と実力を誇示した。 For Growth BASEBALL CLUBとパンプキンズの両チームは土壇場でWカードによる決勝T進出を決め、梅雨明け前に対峙した両者の一戦は互いに5本のHRが飛び出し、見応えのある空中戦を演じてくれた。
【Iブロック】
勝ち星が4勝で並ぶも1つの引き分けが順位を分けた中、首位に立ったのは初参戦のぺ~ちゃんず、エース内藤の好投が一際輝きを放っていた。3部リーグ上位常連のパンパースは今季も危なげなく予選通過を決め、こちらはエースの小野田(文)がチームを牽引し、3位の豊山ファルコンズは2戦目こそ大勝を飾るも上位相手の敗戦が響き、初参戦イヤーは予選で姿を消した。新宿十二社MACSもコールド発進を遂げただけに、来季は春先以降の戦い方がポイントとなるだろう。
【Jブロック】
4勝1分けで勝ち点が並ぶも得失点差でトップ通過を決めたのは和田町ヤンキース、初戦の取材試合で見せた集中砲火は目を見張るものがあった。2位の横浜ゴーヘッズは真夏に迎えたKANIC B.Cとの乱打戦で勝利を収め、その1勝が命運を左右し決勝Tに進出した。3位の新横浜シーキャッツは2度の2桁得点を記録するなど初参戦ながら見事ワイルドカードによる決勝T進出を果たし、4位に沈んだKANIC B.Cは取材試合では個々の能力の高さが見られただけに、2025年の活躍が楽しみである。
【Kブロック】
熾烈を極めたトップ争いの中で頭一つ抜けたのはデビルヤンキースで、4試合で完封勝利を飾るなど投打共に絶好調のシーズンだった。2位の紫光倶楽部はエースの矢部(凌)がフル回転の活躍で2年連続の決勝T進出を決め、初参戦の西三田貴族はその紫光倶楽部に勝利を挙げるなど3勝を飾りWカード進出に望みを繋げたが、得失点差で僅か1点届かず予選敗退となった。MR.cherryboysは開幕2連勝と勢いを見せたが中盤以降は失速し、VictorsとROUTEESはシーズン1勝と苦戦を強いられただけに来季は挽回したいところだ。
【Lブロック】
5戦全勝でLブロックの首位に立ったのは東京ラパン、枚数豊富な投手陣が勝利に大きく貢献し、初参戦のジャンバリ相模はシーズン通してエース村田が好調をキープし2位で決勝T進出を決めた。同じく初参戦の相模原シャバリアンズは3敗を喫するが、僅差での惜敗が多く上位チームとの力の差はあってないようなものだ。更に初参戦の湘南ヤンキースも勝利を挙げた2試合が1点差での勝利と、その勝負強さには来季も大きな期待を寄せる。
【決勝トーナメント】
総勢32チームで鎬を削った決勝トーナメントだが、今シーズンは首都圏の東部に拠点を置くチームが多く名を連ねる結果となった。その顔ぶれを見てみると初参戦のドクターKから常連組の紫紺インディアナオスン、GRADE RIZE 2nd、BERABOW、江戸川GLITTERS、アスリーツをはじめ近年実績を残すエリアのチームが中心となり白熱したバトルを展開した。無論、上位に進んだのは前述したチームが中心となったが、東京の中心に位置する文京区から唯一、みつおJAPANがニューヒーローとしてその名を轟かせ、ベスト4進出を果たした彼らの快進撃は大きな話題を呼んだ。更に4強最後の切符を掴んだのは紫紺インディアナオスンで、9月の取材ゲームで見せた劇的サヨナラ勝利が記憶に新しい彼らだが、惜しくもセミファイナルで力尽き、最後に神宮への切符を手に入れたのはGRADE RIZE 2ndとドクターKであった。
2021年の4部リーグ優勝から3年が経ち、昨年準決勝敗退のリベンジを果たしたGRADE RIZE 2ndは3年ぶりの神宮進出、そして予選から無傷の10連勝と向かうところ敵なしの状態だ。一方のドクターKは、清瀬ロングコックスが2020年に成し遂げた『初出場・初優勝(3部)』に王手をかけ、準決勝は9-0の大勝を飾るなど、こちらも初出場ながら飛ぶ鳥を落とす勢いでここまで駆け上がってきた。奇しくも決勝カードはBブロック対決となったが、予選リーグは5-4でGRADE RIZE 2ndに軍配が上がり、彼らは2度目のファイナル進出とアドバンテージはあるが、ドクターKも攻守ともに非常にレベルが高く、ポテンシャル軍団として一線級の選手を揃えており、総合的に判断すると両者互角と言ったところだろう。
いよいよ幕を開ける3部リーグ決勝戦、GRADE RIZE 2ndは2度目のタイトル獲得を目指すが、ドクターKはそれを阻止し初出場・初優勝の偉業達成となるか!?決戦の火蓋は12月15日(日)8時30分に切って落とされる!!
今シーズン彗星のごとく現れたポテンシャル軍団ドクターKだが、チームは2024年、代表黒木による『日本一を獲りたい』という思いから関東草野球界の顔役が集められ結成。メンバーの年代は20代前半から40代までと幅広く、33歳と34歳の世代を中心にチーム構成を行っている。
学生時代に甲子園などで活躍したメンバーは殆どおらず、大人になってからトレーニング等で覚醒したメンバーが多数所属。準決勝でも見事なリリーフを見せた吉澤は35歳の年に自身最速140キロを計測し、日々血の滲むような努力をしている事が窺い知れる。また、決勝トーナメントで大車輪の活躍を見せた白鳥は、本業でトレーナーも務める代表の黒木によって『魔改造』され、大人になってからそのポテンシャルが開花する選手もチーム内に多い。
打線は言わずと知れた選手が多数在籍し、「まさに草野球オールスターと言っても過言ではないメンバーが集まっている」と自らのチームを分析するが、その言葉通り準決勝ではポテンシャルの高さを遺憾なく発揮し、中でも相手投手の心をも打ち砕く久保の先制スリーランHRは周囲の度肝を抜いた。チームの注目選手は白鳥、郡司、吉澤の3名だが、他にも大会本部が注目する選手は多く、個々のポテンシャルの高さだけ言ったら上部所属チームに引けを取らないだろう。そんなポテンシャル軍団相手に今季サヨナラ勝利を収めたGRADE RIZE 2ndが決勝戦の相手となるが、黒木代表は「サヨナラ負けを喫して、そこから徐々にチームとして形を成した」と冷静に分析し、決勝トーナメントはそのポテンシャルに加えて『チーム力』でここまで勝ち上がってきた。
結成初年度の今季は『Victoriaで神宮へ』を目標に戦い、見事に有言実行となったが、次なる目標は『優勝』の二文字で、予選リーグの雪辱を晴らすことを誓う。そして、ここまでチームをまとめあげてきた代表の黒木を中心に神宮で歓喜の輪を作り、最高のスマイルを見せことが出来るか!?
≪注目選手≫
#8 白鳥 克弥(投手) 1993年3月16日生まれ 上伊那農業高校~東京農業大学
高校時代の1年冬にアンダースローへ転向。その後大学途中で退部するも6年のブランクを経てドクターKに入団。決勝Tでは全試合に先発し決勝進出に大きく貢献。彼の好投が最強打線を勢いづけ優勝へと直結する。
『ここまではチームの皆さんに助けられて勝ち上がってきました。決勝では最高の仲間と最高の舞台で今年一年を良い形で締めくくれるよう、自分が勝利に導くピッチングでリベンジを果たし優勝します!!』
#25 郡司 佑馬(外野手) 1991年6月14日生まれ 市川高校~帝京大学
実力者が揃うドクターKを牽引するキャプテン。高校野球までは熱量高く野球をやっていたが、ドクターKでもう一度本気で野球をやろうと決意。プレー面だけでなくメンタル面でもチームに無くてはならない存在だ。
『野球を楽しみつつ全員で勝ちにこだわって行きます!』
#44 吉澤 一浩(投手) 1987年5月5日生まれ 都立科学技術高校~神奈川工科大学
学生時代満足のいく結果が残せなかった苦労人だが、3年前から代表の黒木と共に肉体改造に着手し35歳にして自己最速140キロを計測。最年長投手ながら予選から大車輪の活躍。彼の奮起なくしてタイトル獲得はない。
『神宮球場で野球をするのは高校3年夏ぶりなので久しぶりのマウンドを楽しみたいです。また、決勝のお相手、GRADERIZE2ndさんは予選でサヨナラ負けを喫して悔しい思いをしたので、リベンジを果たしたい。やられたらやり返す、倍返しだ!!』
『VictoriaのリベンジはVictoriaで果たす』と誓って1年、2023年3部リーグで準決勝敗退と悔し涙を呑んだGRADE RIZE 2ndが、今季リベンジを果たし2度目のプロスタ進出を決めた。
チームは水・土・日(祝)の週3回活動と草野球界ではトップクラスの年間250試合以上をこなしており、自称『野球変態(大好き)軍団』のGRADE RIZE 2nd。年末は12/29まで、年始は1/3から、真夏の1日公式戦4試合、GW9連戦、大阪遠征の夜に新小岩に帰ってきてVictoria準決勝等々、過酷なスケジュールを毎週乗り越えている。この過酷なスケジュールを乗り越えているからこそ、痺れる試合展開の後半でも衰えない気力と体力、連戦でも変わらない明るい雰囲気、ベンチの声の大きさ(奇声含む)が持ち味だ。
そんなプロ野球選手以上の試合数を経験するチームの面々を見てみると、今年からチームのエースへと急成長を遂げた塚本を中心に守備力を重視した守り勝つ野球が基本スタイルで、内・外野の守備範囲の広さはVictoria1部にも負けないと豪語する。攻撃面では怪物の吉澤、小麦を食べない男洲脇を中心に長打、小技、足技等、何でもできる選手が揃い、何をしてくるか分からない色のない不気味な野球を徹底し、その采配は主将の山岡が担い、代表を務める山村もベンチからチームを鼓舞し続ける。
昨年のVictoriaは上尾西ブルースカイズに準決勝で敗れ、その試合以降大事な試合で負けることが続いた。あれから1年、チーム皆で野球に熱くなり、自分と向き合い努力を怠らず、成長してきたこの成果をVictoriaファイナルで発揮したいと意気込む。「年間250試合以上こなす草野球大好き病軍団、20代前半~30代前半まで幅広く、様々な年代が活躍し、とにかく明るく元気なチーム」と最後を締め括ったが、貫禄と若さが程よくマッチし、小技から長打まで抜け目のない打線に豊富な投手陣と固い守り、これこそがGRADE RIZE 2nd野球の神髄で、神宮の舞台でも持ち前の経験を活かして最後まで自らの野球を貫いてほしい。ここまで10連勝とチーム状態は最高潮、3部リーグの頂点を目指しGRADE RIZE 2ndがいざ出陣する!!
≪注目選手≫
#23 白壁 朔弥(内野手) 2004年1月2日生まれ 有明高校~駒澤大学
チーム最年少ながらも闘志溢れるプレーやウィットに富んだ声掛けでチームを引っ張る姿は、まるで漫画の主人公。今年から挑戦している内野の守備範囲など若きプリンスの走攻守での活躍が期待される。
『やさられるはこの世の地獄、やりたいはこの世の極楽。聖地で山村GMを胴上げできるように頑張ります。』
#42 吉澤 直也(外野手、投手、捕手) 1995年3月6日生まれ 墨田工業高校
勝負強いバッティング、超瞬足、投げては130km後半のストレートと切れ味抜群の変化球を併せ持つ。某プロ草野球チーム監督にも認められた経験を持つメガネ坊主リアル3刀流怪物男が神宮の舞台で大暴れする。
『神宮の朝空に白球のドデカイ花火を打ち上げちゃる。』
#44 山岡 将士(内野手) 1990年8月24日生まれ 木更津総合高校
セフティーや叩きなど、相手が嫌がるプレーを常に狙っている打者。今年550打席に立ち出塁率は脅威の.655を誇り、加えて1塁までの到達タイム3.8秒の走力を備える。堅実な守備も光る男の出塁が優勝の鍵を握る。
『グレライらしく野球に熱く仲間に優しく、野球を心の底から楽しんで優勝し、みんなで喜びを分かち合いたいです!』