取材2024.12.23

TEAM 1 2 3 4 5 6 S S R
湾岸ベースボーイズ 2 0 0 0 0 0 1 0 3
下町Tempest 2 0 0 0 0 0 1 0 3

2イニングにおよぶサドンデスでも決着つかず! 最高峰リーグ史上初のじゃんけん決着は下町Tempestに軍配!!

チーム紹介

<湾岸ベースボーイズ>
チーム結成は2008年、今年で16年目を迎えた湾岸ベースボーイズだが、Victoriaには2016年に初参戦を果たした。今季でVictoria9年目のシーズンを迎える品川の雄は、ファイナル5度出場のうち優勝3回、準優勝2回と輝かしい実績を誇る。決勝は2022年の夏以来2年ぶりの出場となるが、1部リーグの決勝においては2018年準優勝以来6年ぶりと最高峰リーグ決勝からは遠ざかっていた。Victoriaで4つ目のタイトル獲得を目指し迎えた2024年シーズン、今大会は準決勝までの9試合で57得点と主将の藤野、副将の大林(穂)に加え、長濱、渡邊、増田が中心となりチームを引っ張った。40代のベテランと20代前半の若手が融合し、全員が同じ目標に向かって突き進むところが湾岸ベースボーイズの強みの一つであるが、チームは今年6月にスプリングカップ4回戦、サマーカップ1回戦と2週連続で敗退し、どん底を経験した。その悔しい敗戦からチームで何が必要かを徹底的に話し合い、迎えた1部リーグ最終戦でコールド勝ちを収め窮地を脱し、そこから決勝Tとオータムカップを含め見事に9連勝を飾り神宮の舞台を掴んだ。そんな湾岸ベースボーイズの投手陣を見てみると、今季Victoria13勝を挙げたエース左腕の藤原(凌)と鉄腕米望の左右の2枚看板に加え、抜群のコントロールが持ち味の大林(日)、巧みな投球術が光る長身右腕の瀧瀬、若手には西野、加藤も控える。その投手陣を支えるのは長濱、岡部、小堂の3人で誰がマスクを被っても扇の要として勝利に貢献できるほど層が厚い。更にバックを守るインフィールダーは鉄壁の守備を誇る藤野と大林(穂)を中心に長濱、山田、増田、川上、瀧川、施、松本で形成され、外野は広い守備範囲と強肩を誇る増田と大林(日)、胡麻を中心に酒井、齋、矢野、岩本らで構成される。また内田、渡邊、村上は内・外野守れるチームには欠かすことのできないユーティリティープレイヤーだ。攻撃面は高い出塁率と俊足を誇るリードオフマンの増田、大林(日)、大林(穂)、山田、胡麻から始まり、渡邊、長濱、酒井、岡部、小堂、村上、藤野、内田、齋、川上、松岡は皆チャンスに強く、誰もが主軸を務められる充実ぶり。さらにミート力の高い施、松本、岩本、黒川、小岩に俊足が光る瀧川の打線で9試合57得点を奪った。そこにムードメーカーの河股と、正3塁コーチャーの松尾も重要な役割を担っていることは言うまでもない。最後に忘れてはならないのは長年代表を務める宮島がチームを支え、マネージャーも常にベンチから大きな声を出しナインを鼓舞する。4年ぶりのタイトル獲得、そしてリーグ戦初のタイトル奪取を目指し、湾岸ベースボーイズが神宮の杜で勝利の雄叫びを上げる!!(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<下町Tempest>
下町の友人を通じて結成された下町Tempestはその名の通り、東京都の江戸川区、足立区、葛飾区出身のメンバーを中心に構成され、平均年齢は25歳。結成4年を迎えチーム力も年々向上し、Victoriaリーグを語る上で必ずと言っていいほど常々名前の挙がる存在だ。チームは2023年Victoria年間MVPを受賞した武藤と絶対的エース望月の存在が目立ちがちだが、代表の武藤いわく「今年は自分自身が全く役に立たず、その時に他の選手が素晴らしい活躍を見せ、代表としてすごく嬉しく、チームの強さを感じた1年だった」と2024年シーズンを振り返る。自らの貢献度を厳しい自己評価で語った武藤は「今年も人数不足により対戦相手チーム様には日程で迷惑を掛けてしまった」とここまで戦った相手チームへの敬意を忘れず、今季のVictoira4大会は半数以上がビジターゲームとなった中、4大会中2大会で決勝に進めたのは収穫のある1年になったことだろう。チームの今季目標は『全て優勝!(リーグとサマーは必須)』を掲げ、結果的には全大会とはならなかったものの、リーグとサマーは優勝に王手をかけた。スローガンは『打てなくて当たり前、エラーして当たり前、せっかくの日曜日なんだから楽しく!』と当初のスローガンから変わらず、代表の武藤は「神宮に出て満足ではなく、せっかくやれるなら優勝して終わりたいです!」と決戦を前に語気を強めた。冒頭でも触れた通りチームの中心は武藤と望月だが、今大会は岡本、大石、染谷、島根、滝澤、松本の各選手が要所で長打を放っている。そしてその打線の先頭に立つ市川は核弾頭としてチームを牽引し、市川のバットが勝敗を左右すると言っても過言ではないだろう。また、普段試合になかなか出場出来ないメンバー達に神宮の舞台で出場機会を与えるべく『必ず2個以上神宮を決めよう!』とチーム内で話し合った通り、有言実行で2枚の切符を手に入れた彼ら。ここでは名前の挙がらなかった面々にも大きな期待を寄せる。武藤はここまでの戦いを振り返り「試合に出ている9人で掴み取った神宮ではない」と周囲への配慮を忘れず、「来れていないメンバーの金銭面での支え、応援メッセージ、ベンチワークをしてくれているメンバー、下町Tempestに関わってくれている全ての人に感謝して、全員出場で2個優勝出来るように頑張ります!」と語った。更に「ちなみに相変わらずマスコットの77番石井(愛称:たぬき)は元気です。今年2試合ほど公式戦に出して、毎試合やらかしてます」と愛のあるイジりを忘れず「実は石井の高校の後輩がいて石井の事を師匠と呼んでいます」と武藤らしく締め括った。後輩も見守る中、今年も石井は胴上げ投手になれるか!?全員野球で頂点を目指す!!(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

湾岸ベースボーイズは藤原(凌)、下町Tempestは望月とVictoriaを代表する両投手の先発で試合開始。1回表、湾岸ベースボーイズは2アウトから前日猛打賞を記録した3番大林(日)がセンター前ヒットを放つと、4番渡邊(雅)がフォアボールを選び2アウト1,2塁のチャンスを迎える。更に続く5番岡部が望月の変化球をすくい上げると、打球はレフトの頭上を越えるタイムリー3ベースヒットとなり、湾岸ベースボーイズが幸先よく2点を先制する。1回裏、下町Tempestは先頭市川が俊足を活かして内野安打、2番滝澤はセンターへの2ベースヒットを放ちノーアウト2,3塁のチャンスを作ると、続く3番武藤のショートゴロの間に3塁ランナー還り1点差とする。更に4番望月がフォアボールを選び出塁、2アウト1,3塁の場面で望月がスチールを仕掛けると、その間に3塁ランナー滝澤が生還し下町Tempestはすぐさま2-2の同点に追いつく。初回の攻防を見ると荒れた展開も予想されたが、その後はスコアボードに『0』が刻まれ、湾岸ベースボーイズ藤原(凌)は6回まで4安打2失点、下町Tempest望月も6回まで5安打2失点、奪われた得点は互いに初回の2点のみとエースの好投が光る投手戦となった。試合は進み時間の関係で7回から1アウト満塁継続打順のサドンデスゲームへ。7回表、湾岸ベースボーイズは9番胡麻が打席に向かい、センターへの犠牲フライで5-4と勝ち越しに成功。裏の下町Tempestは途中出場の内藤から始まり、こちらもセンターへの犠牲フライで同点に追いつき、両者譲らずサドンデス2イニング目へ突入した。しかしこのイニングは両エースが魂の投球で無失点に抑え込み、勝負はじゃんけん決着へ。5本先取の運勝負となった最終ラウンドだが、勝負はここでも両者譲らず4-4まで縺れる。しかし最後は下町Tempestが制し1部リーグ頂点の栄冠を獲得した。MVPにはじゃんけんで最後の勝者となったラッキーボーイの下町Tempest松澤が選出された。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<湾岸ベースボーイズ>
まずはサドンデスを含め8回5安打3失点(自責点2)の力投を見せ、しっかりとゲームメイクを果たした藤原(凌)を称えたい。今季Victoria13勝を挙げたエース左腕はこの大舞台でも自らのピッチングを堂々と披露し、2回から6回まで凄まじい投手戦の主役として神宮のマウンドでひと際輝きを放ってた。打線も好投手望月を相手に見せた初回の攻防は見事で、中でも前日無安打の鬱憤を晴らした5番岡部の3ベースヒットは主砲らしい素晴らしいバッティングだった。また、前日猛打賞の大林(日)はこの日3番に昇格し、初回からヒットと先制ホームを踏む活躍で2日目もベンチの期待に応えた。更にこの2日間ベンチから常に大きな声援を送った藤野マネージャーの姿は我々大会本部から見てもとても心強く、改めてチームに無くてはならないメンバーだと実感した。きっとこれからも湾岸ベースボーイズの『10人目の戦士』として、大きな後押しとなるに違いない。

<下町Tempest>
こちらも前日のオータムカップ優勝で勢いに乗る湾岸ベースボーイズを8回4安打3失点(自責点2)に抑えた望月をまずは称えたい。相手の藤原(凌)と同様にこの大舞台でも圧巻のピッチングを披露し、前年にプロスタを経験した余裕もあってか藤原を上回る8奪三振と140キロ台の直球、更には鋭い変化球を武器に2年連続で神宮のマウンドで躍動した。打線も相手に2点を先制されながらすぐさま追いつき、中でも平凡なショートゴロを内野安打にする驚異の脚力を持つ1番の市川、この日両チームを通じて唯一のマルチ安打を放った2番の滝澤は、共に初回からチームに勢いを与えた。そしてMVPに輝いたこの日一番のラッキーボーイ松澤は、あの場面で勝利を引き寄せる『運』は素晴らしく、胸を張ってほしい。MVPインタビューでも「今度はプレーで貢献できるように頑張っていきます」と語ったように次はプレーでも活躍を見せ、再び神宮のお立ち台に上がってくれるだろう。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVP INTERVIEW】 #19 松澤 龍樹

【代表 INTERVIEW】#2 武藤 貫太

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