特集2024.12.05

Which Win!? -Victoriaリーグ2部総括&ファイナリスト特集-

大混戦ブロックが多発した2部リーグ! 2部王者の称号を獲得し最高峰リーグへの階段を駆け上がるのは!?

【Aブロック】 6戦全勝の首位NITOROはエースの川上が今季もチームを牽引し、そのNITOROに敗れたもののアンドバランスはエース吉岡の活躍が印象的で、両チーム共にエースの活躍が決勝トーナメント進出の原動力となった。3位にはアンバージャックが入ると見事にワイルドカード枠を掴み取り、4位のにぎり飯は予選3勝を挙げるもあと一歩及ばなかった。今季自主昇格を果たしたテイクケアは下位に沈んだが、上部での経験を糧に来季は再び3部で巻き返しを見せてくれるだろう。

【Bブロック】 4勝1敗で勝ち点は並ぶも2部リーグトップの得点力を誇り首位に立ったのは黒百合。RedBullsは得失点で僅かに及ばなかったが、エースの高橋(勇)がシーズン通してフル回転の活躍を見せ、初出場ながら予選2位通過と結果を残した。2勝2敗1分けで並んだ愛宕ヤンキースと鍛鷹綻は、決勝トーナメント進出は逃したものの最終戦となった両者のバトルは来季に繋がる見応え十分な戦いだった。

【Cブロック】 5戦全勝のRossowaveは安定した戦いぶりで首位通過を決め、中でもエース雑賀(隼)の活躍は強烈なインパクトを与えた。そのRossowave相手に1敗を喫するも初参戦のMORELOSは取材試合でもポテンシャルの高さを見せつけて2位で決勝トーナメント進出を決め、春先に注目チームとして名前を挙げたOceans Volkはあと1歩及ばす3位で予選敗退となった。同じく注目チームとして名前を挙げたHustlerはまさかの予選リーグ4敗に終わり、この悔しさを来季にぶつけてほしい。

【Dブロック】 昨年の3部準優勝チームNAYONは、2部昇格後も投手陣を中心に安定した戦いでDブロック首位に輝き、2位のグレイトシャークスはNAYON相手に引き分けと今季もポテンシャルの高さを見せつけ、3位のFENRILに敗れはしたものの堂々たる2位通過を果たした。そのFENRILは最終戦の武蔵ベースボールクラブ戦で惜しくも黒星を喫し予選敗退、4位の武蔵ベースボールクラブも力の差は僅かなだけに来季の挽回を期待したい。同じく、とん吉と自主昇格を果たした浅草バレッツも2025年は主役の座に躍り出てほしい。

【Eブロック】 首位は埼玉県蕨市の雄スマッシュブラザーズで、シーズンを通して代表である及川の活躍が印象的だった。そのスマッシュブラザーズから最終戦で白星を奪い、得失点差で2位通過を決めたPOISONは好投の城戸が決勝トーナメントへ導き、そのPOISONに初戦で勝利を掴んだPEACEは終盤まさかの2連敗で予選敗退となった。また下位に沈んだCyan Monkyesであったが、スプリングカップの活躍や2位POISON相手に勝ち星を挙げるなど、来季は侮れない存在となりそうだ。

【Fブロック】 春先から好調を維持し、5戦全勝で首位に立ったのは上尾西ブルースカイズ、2023年3部リーグ覇者は今季も抜群の安定感だった。2位争いは3勝2敗で2チームが並ぶと、終盤8月に2連勝を飾ったBOOOOONが得失点差で2位に入り、(株)岩建ホームテックは最終戦で白星を挙げるも惜しくも予選敗退となった。笑祭、葛飾セブンBBCは取材試合での好ゲームが印象深く、来季もVictoriaを引っ張っていく存在感を見せてくれた。同じくRad Kriegerも今季は勝ち星に見放されたが、実力は確かなだけに今後も目が離せない存在だ。

【Gブロック】 上位2チームは4勝1敗、大混戦で首位通過を決めたのはTOMOSAKAで大学時代のメンバーを中心に結成されたチームワークは際立っていた。惜しくも2位のKAMIYUBI BCはこちらも自慢のチームワークを武器に2年連続で決勝トーナメントに進んだ。インソムニアスターズはあと一歩及ばず得失点差で3位敗退となかったが、一昨年前に神宮で魅せた雄姿は我々大会本部の記憶にも残っており、来季はリベンジのシーズンとして2度目のプロスタ進出を目指してもらいたい。

【決勝トーナメント】 予選最終戦まで縺れた大混戦ブロックが多かった2部リーグ予選だが、16チームが決勝トーナメントに進み、1・2回戦の計12試合中、9試合が2点差以内の拮抗ゲームと序盤から火花散る力のぶつかり合いが見られた。中でも参戦14年目の城野代表率いるBOOOOONは、実に10年ぶりの4強入りを果たした。BOOOOONは2014年に2部リーグを制しており、その後数年にわたる苦難の時期を乗り越え、10年ぶりに準決勝の舞台へと返り咲いた。2018年に3部準優勝を飾った黒百合は2部リーグ6年目で遂に初の4強入りを果たし、野田代表を中心とした団結力を武器に大きな見せ場を作った。 そしてプロスタ進出を懸けたセミファイナルで勝利を収め、決勝戦へとコマを進めたのは2年連続ファイナル進出のNAYONと、参戦2年目のTOMOSAKAである。NAYONのここまでの戦いを振り返ると、予選から6勝1分で唯一「無敗」を継続、一方のTOMOSAKAはリーグ初参戦ながらも持ち前のポテンシャルを誇示し、見事ファイナルの大舞台へと歩みを進めた。互いの戦力に目を向けると、NAYONは145キロ右腕エース石塚が2年連続となるファイナルの先発が予想され、切れ目のない強力打線は相手の脅威となるだろう。一方のTOMOSAKAは迫田、石森、高橋、井橋、大柄など予選から複数の投手がチームを支え、攻撃では注目選手として名前の挙がる強肩強打の捕手・奈良場の前にどれだけランナーを溜めるかがポイントとなるだろう。

果たして2部リーグ13代目の王者に君臨するのは、2度目のファイナルで初のVictoriaタイトルを狙うNAYONか、それとも1995年世代の精鋭が集う参戦2年目のTOMOSAKAか!?決戦の鐘は12/15(日)11時00分、明治神宮野球場で鳴り響く!!

TOMOSAKA(東京都)今大会 8試合47得点17失点

Victoria初参戦となった前年の2023年、オータムカップで同年1部覇者相手にジャイアントキリングを達成したTOMOSAKAが、今季はリーグ戦にもエントリーを決め、2部の猛者たちを次々と下しリーグ参戦初年度、見事にファイナル進出を成し遂げた。
そんなチームは20代後半の選手で構成され、大学時代のメンバーと共に立ち上げたTOMOSAKAを束ねるのはIQ高めの野球で主導権を握る小島で、『負けたら監督の責任』と言われるほど小島に対するメンバーからの信頼は厚い。
2023年からチームを立ち上げ、前述した通りVictoriaには同年のオータムカップから参戦し、初戦となった2023年1部リーグ覇者のブルーサンダース相手に9-2とジャイアントキリングを達成し、強豪相手に奪った白星は大きな話題を呼んだ。最高峰リーグ王者相手に勝利を奪い大きな自信をつけたTOMOSAKAは2024年、カップ戦3大会に加えて2部リーグにも参戦し、予選から自慢の投手陣を次々と投入してGブロックを首位通過。決勝トーナメントに舞台を移してからも今季Victoria4大会に参加した経験値を活かし、初戦のRedBulls戦は7-4、2回戦のグレイトシャークス戦は5-4、セミファイナルのBOOOOON戦は序盤で6-1と大きくリードするもBOOOOONの粘り強い野球で6-5と1点差に詰め寄られるが、リリーフの大柄が粘りのピッチングを見せ、見事にプロスタ進出を決めた。
各選手が高い能力を持つTOMOSAKAの面々を見てみると、枚数豊富な投手陣はもちろん、準決勝で見事なリリーフを見せた注目選手・大柄の活躍には期待したい。その大柄と贄は準決勝でも持ち前のバットコントロールでチームの勝利に貢献し、バッターボックスで強打者独特の雰囲気を醸し出す注目選手の奈良場にも熱い視線を送りたい。更にはショート田中の復調もカギを握り、オーバーエイジ枠の石森、迫田の活躍が勝敗を左右すると言っても過言ではない。
神原代表の話によるとチームの大半が肩肘を痛めており、満身創痍の中でファイナルを迎えることになるが、『全力疾走を徹底し、冷静と情熱のあいだで戦う』と決戦を前に彼らは平常心を忘れない。参戦2年目、獅子奮迅の勢いでメキメキと力を付けてきたTOMOSAKAが、決戦の地・明治神宮野球場へ出陣する!!

≪注目選手≫
#1 松本 優希(DH) 1995年4月12日生まれ PL学園高校
強打のTOMOSAKA打線で恐怖の9番DHを担う中心選手。ムードメーカー的存在でありチームからも愛されている。力強いフルスイングが持ち味のPL最後の戦士が神宮の地で大暴れする。
『超攻撃野球でがんばります!神原代表のために頑張ります!』

#7 大柄 大和(内野手) 1996年2月9日生まれ 千葉商大付高校〜共栄大学
「謙虚、仲間想い、ひたむき、勉強熱心」という言葉がピッタリのユーティリティプレイヤー。野球センス抜群の男は7人兄妹の長男として、更にはいじられキャラとして常にチームを明るく照らしている。
『ビッグダディ出演歴あります!ビッグなプレーに期待してください!神原代表のために頑張ります!』

#27 奈良場 和基(捕手) 1995年5月12日生まれ 関東第一高校~海上自衛隊厚木
TOMOSAKAの大黒柱であり多彩な投手陣を牽引する扇の要。打ってはチャンスにめっぽう強く、打点王として強力打線を支える。持ち前の謙虚さと冷静さで攻守のキーマンが神宮の舞台で躍動する。
『ナラバクリニックでナイスファイブします!神原代表のために頑張ります!』

NAYON(千葉県)今大会 8試合31得点10失点

昨年3部リーグで初のプロスタ進出を果たしたNAYONが、今季は舞台を2部リーグに変え再び決勝の地へ還ってきた。2020年より千葉県市川市を拠点に結成したNAYONは、メンバーの大半が20代前半で構成され、近年草野球界で頭角を現す若さを売りとした象徴的なチームだ。メンバー全員の仲が良く、代表小暮の野球の繋がりで集結したチームの武器は抜群のチームワークである。
Victoriaには2022年よりエントリー、参戦初年度はいきなり3部リーグで3位、続く昨年は同じく3部リーグで見事にプロスタ進出果たし準優勝、そして今年は2部リーグに昇格し今季もプロスタ進出と、Victoria参戦から常に中心的存在としてリーグを盛り上げている。
そんなチームは、今季も大車輪の活躍を見せた145キロ右腕のエース石塚、安定感抜群の中山、今季加入した左のエース草間を中心とした予選リーグ4失点の守備力が特徴だ。攻撃力も最高峰リーグの猛者たちと実力的には肩を並べ、シーズン打率が4割を超える1、2番コンビ核弾頭の和田と、Victoriaでも際立った脚力を持つ2番小暮と共に、彼らは準決勝でもマルチ安打の大活躍を見せた。3番には打率、打点でチーム2冠の天野(陸)、4番は昨年Victoriaベストナインにも選出された主砲の天野(航)、そして5番には甲子園球場の中段にホームランを放つほどのパワーを持つ角山など、中軸は相手チームの脅威となるだろう。更には広角にヒットを量産できる6番の川崎、下位打線ではあるが長打も小技もなんでも絡められる大和久、昨年のVictoria準決勝でホームランを放った大部、パワーヒッターの伊藤、今年のセミファイナル黒百合戦でマルチヒットを放った好打者の池原と、切れ目のない打線を形成する。
ここには紹介しきれないほど個々のポテンシャルは高く、NAYON一番の魅力は何と言っても『打線』ではあるが、無論投打共に安定感は抜群だ。そこにチーム自らが語る自慢のチームワークが勝利への執念を呼び、その象徴として準決勝はじゃんけんと『運』勝負ではあったが、勝利後にメンバー全員が喜びを爆発し、涙を流す選手がいるほど週末の草野球に想いを捧げる。2023年ファイナルに進出するも僅差で敗れ準優勝と、参戦3年目のこれまでタイトルには無縁だが、ここで優勝を収め来季の最高峰リーグに向け弾みをつけたいところだ。
果たして昨年の忘れ物を取り返すべく、NAYONはVictoria初タイトルを手にすることが出来るか!?チーム全員で勝利を掴みに行く!!

≪注目選手≫
#17 天野 陸(内野手) 2001年6月21日生まれ 桐光学園高校~桜美林大学硬式野球部
主砲天野航の弟。少年時代はジャイアンツjr.、ボーイズ日本代表とエリート街道を歩んできた。加入初年度から強打のNAYONで不動の3番打者に君臨し、首位打者と打点王を獲得。準決勝で4打点を挙げた勝負強さは本物だ。
『持ち前の長打力で初のプロスタを楽しみながら、優勝して石塚さんとチャミスル一気!!』

#21 角山 翼(内野手) 2002年9月16日生まれ 二松学舎大学附属高等学校
クリーンアップの一角を担うNAYON不動の5番打者。強靭な肉体から放たれる打球の飛距離はチームNo.1で、過去には甲子園の中段にホームランを放り込んだ実力者だ。持ち前の驚異的な破壊力でチームを優勝へと導く。
『クリーンアップの1人として、チームの勝ちに貢献できる一打を放てるよう頑張ります!!』

#25 天野 航(内野手) 1998年3月1日生まれ 中央学院大学硬式野球部
もはや説明不要の誰もが認めるNAYONの顔。昨年Victoriaベストナインを獲得したバッティングは今季も健在で、各チームから警戒される中、4ホーマーを記録。神宮ファイナルでは天野兄弟のアベック弾に期待が高まる。
『昨年ファイナルで準優勝と悔しい思いをしているので4番として勝負強い打撃をして絶対に優勝して健太と祝杯あげます!!』

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