取材2024.12.19
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | S | R |
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PEACE | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | - | 4 |
我孫子フラワーズ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 1 |
<PEACE>
代表の平田を中心に高校、大学時代の同級生から構成された赤の戦士・PEACEは2020年に結成。そんなチームのスローガンは『日本一仲のいい草野球チーム』と令和の新時代を象徴とする彼らだが、チームワークは草野球界トップレベルと自称するように「誰かがミスしても誰かが取り返せばいい。ミスを笑いに変え、常にポジティブな野球を体現する」チームである。結成4年目でファイナルに進出したPEACEは2020年オータムカップでVictoria初参戦を果すと、リーグ大会を含む本格参戦を決めた2023年のスプリングカップでいきなりベスト4進出と草野球界にその名を轟かせた。そのファイナル進出を懸けた我孫子フラワーズとの準決勝では終始試合の主導権を握られVictoriaの洗礼を浴びせられたが、一冬超えて打力、投手力共にパワーアップ。厳しい冬を乗り越えた故、意気揚々と今季を迎えるも春の初戦はちゃんぷるーず∞相手に苦戦し、1点差で勝ち切るも自慢の投手陣が8失点と打ち込まれた。しかしその後は投手陣が躍動し、2回戦以降は4試合で失点が僅かに2点、プロスタ進出が懸かった強豪CHUYANS+とのセミファイナルでは絶対的エースの相川が相手打線を抑え込み、3-0の完封勝利でファイナル進出を掴み取った。前述した通り、PEACEの魅力はなんといっても投手陣の厚さである。準決勝で完封勝利を見せた絶対的エース相川を中心に右の川畑、河野、左のエース篠原と4枚の実力者が名を連ねる。更には今季から新たに入団した193cm右腕・永光も先発ローテンションに加わり、投手陣の厚みが増した。ここまでは左右のエース篠原、相川の活躍が目立っているが、誰が投げても試合を作ることのできるPEACE投手陣はチームにとって一番の武器である。そして今年は打撃陣も強化され「超Power」を体現する絶対的4番打者小平を中心に、右の大砲萩原、左の好打者沢田、小島の4選手から構成される日替わりクリーンアップは抜け目がなく、相手の脅威となるだろう。昨年の悔し涙から1年、今季はファイナル進出の悲願は叶ったが、プロスタまであと1歩で敗れたあの喪失感は忘れてないだろう。きっと昨年の悔しさをバネにこの1年間戦い抜いてきたに違いない。いよいよ迎える決勝戦、相手は昨春敗れた我孫子フラワーズ。偶然にも再戦となったのは同じ大会、そして決戦の地はプロスタと最高のリベンジの舞台が整った。ファイナルではPEACEのベンチワークにも注目し、日本一仲の良い草野球チームがプロスタの舞台で最強であることを証明する!!
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<我孫子フラワーズ>
4年連続ファイナル進出が故、もはや紹介不要の我孫子フラワーズではあるが、自称『我孫子の田舎者集団』が今年もプロスタの地に還ってきた。毎年、外苑前の大都会に圧倒されながら神宮球場に乗り込み「我孫子(あびこ)の呼び方を覚えていただけたか?」と卑下する表現で自分たちを例えているが、令和のVictoriaを席巻するその実力が本物であることは言うまでもないだろう。だが、そのチームが物語る『雰囲気』と言う面では、例年同様に大会本部から見てもお世辞にも強そうな雰囲気を感じないというのが正直なところだ。 自らの懐事情を語るチームは数少ないが、毎年恒例チームオーナーとして財布の紐を握る星野の現況は、ついに競馬で帯を獲得したが3週間後には0円と、まるでこち亀に出てくる両津勘吉のような生活を送っている。オーナーの星野を『私利私欲にまみれた男』と語る幼なじみの北澤(京)代表は即刻クビを宣告?し、その北澤(京)は昨年から飼っている愛猫の愛猫(りんちゃん)を溺愛。周囲に野球熱が下がったかと思われがだが、プレーではチームを引っ張り続け、我孫子フラワーズには欠かせない存在だ。チームの特徴を伺っても代表の北澤(京)は『わがまま集団』や、飲み会や試合後のご飯も今年1回も無く『グラウンドだけの関係』と卑下する姿勢を貫くが、メンバー構成は代表の北澤(京)と共に少年野球や高校時代を一緒に戦ってきたメンバーで形成されているだけに、以心伝心の野球ができるのは彼らにとって一番の強みだろう。その中でも北澤兄弟の弟、北澤(玲)は兄の期待にしっかりと応え、プロスタ進出を懸けた大一番では超強力Nomad打線を相手に7回被安打3、奪三振8つ、自責点0の完投勝利を収め、見事にチームをファイナルへと導いた。打線では今季Victoria絶好調男の鳥海や、試合を決定付ける長打が期待できる佐藤(守)、佐藤(聡)に加え、小技が得意なリードオフマンの北澤(京)が足で相手をかく乱するのが持ち味だ。「うちの弱小雰囲気、相手を油断させる戦法が効かなくなっており、サマー、オータムと実力負けが続いてしまった」と肩を落とす北澤(京)代表だが、史上2チーム目となる春連覇に向けてファイナルの舞台までには仕上げてくるはずだ。最後に「スプリングでは神宮決定時のリアクションが悪くカットされてしまったので(当然)、神宮では映えるリアクションを意識し、2連覇達成できるようにチーム一同頑張ります」と、我々大会本部が切に願う大きなリアクションで歓喜の輪を作ることが出来るか!?彼らの有言実行を大いに期待したい!!
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PEACE河野、我孫子フラワーズ北澤(玲)の先発で試合開始。試合が動いたのは2回表、先頭の篠原(龍)が死球で出塁し、2アウトランナー2塁から9番青木のセカンドゴロが相手の送球エラーを誘い、その間に2塁ランナーの篠原(龍)が生還し、PEACEが先制点を奪う。対する我孫子フラワーズは3回裏、先頭の9番佐藤がレフト前へ運びノーアウトでランナーが出塁する。先頭に還って1番北澤は倒れるも2番の大塚がセンター前へ運び、1アウト1,3塁とチャンス拡大。すると迎えた3番北澤(玲)のセカンドゴロの間に3塁ランナーが生還し、1-1と試合は振り出しとなる。4回表、PEACEは1アウトから代表平田のライト前ヒットと盗塁で得点圏にランナーを置くと、2アウトから青木のレフト前ヒットで2塁ランナーの平田が生還し、2-1とPEACEが勝ち越しに成功する。
4回裏、PEACEは満を持して相川を2番手としてマウンドに送り、我孫子フラワーズ打線が攻め立てるもここはエース相川が無失点で切り抜ける。5回表、PEACEは先頭2番岡本のレフト前ヒット、3番渡部の左中間を破る2ベースヒットでノーアウトランナー2,3塁とすると、ボークと4番小島のライトへのタイムリー3ベースヒットで2点を追加し、4-1と更にリードを拡げる。我孫子フラワーズは5回裏も得点圏にランナーを置くが無得点、PEACE相川はその後も安定した投球を披露し、6回からの残り2イニングは1人の出塁も許さず、4-1でPEACEが勝利しVictoria初タイトルを獲得した。MVPには4回表に勝ち越しタイムリーを放ったPEACE青木が輝いた。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)
※機材トラブルにより、特に試合序盤は映像に乱れが生じております。ご迷惑をおかけしました。
<PEACE>
先ずはVictoria2度のタイトル獲得経験を誇る強力打線相手に7回を1失点に抑えた投手陣を讃えたい。先発の河野は3回を3安打1失点と丁寧なピッチングで試合を作り、2番手の相川も4回を3安打無失点とチームの優勝に大きく貢献した。両投手合わせて奪った三振は僅かに『1』と、終始打たせて取るピッチングを徹底し付け入る隙を与えなかった。守備陣もこの大舞台の中でいつも通り安定した守りを見せ、代表の平田を中心に大きな声を出し神宮での野球を楽しんでいる姿が印象的だった。そしてMVPに輝いた青木は大事な場面で決勝打を放ち、PEACE驚異の9番打者としてその名を轟かせたことだろう。EACEはこの日6本の安打を放ったが、3番渡部のマルチ安打、4番小島は貴重な追加点となるタイムリー3ベースヒットを放つなど、クリーンアップも神宮の舞台で躍動した。初タイトル獲得の勢いそのままに来年は最高峰リーグ、そして春2連覇に向けて2025年は更なる飛躍のシーズンとしてほしい。
<我孫子フラワーズ>
昨年の同大会でMVPに輝いた北澤兄弟の弟、北澤(玲)が先発のマウンドに立ち、自責点『3』ながらも7回を1人で投げ抜いた熱投は及第点に十分値するピッチングであった。こちらも7回を通じて奪った三振は僅かに『3』と、シーズン中と同様にバックの固い守備を信じ最後まで投げ抜く姿が見られ、エースとしてチームを牽引する姿に感銘を受けた。しかしながら自慢の攻撃陣が鳴りを潜め、相手チームとは対照的にクリーンアップが無安打、1回から5回まで毎イニング得点圏にランナーを進めるも勝負所であと1本が出なかったことが勝敗を分けたポイントだろう。だが2番の大塚、9番の佐藤が共にマルチ安打を放つ活躍を見せ、中でも佐藤の2本の技ありヒットは目を見張るものがあり、今後も苦しい試合展開の中で彼のバットがチームを救ってくれるだろう。昨春準決勝の再戦となったこの勝負はこれで1勝1敗の五分となったが、我孫子フラワーズとしては令和の時代に入りVictoriaで2度のタイトル、5度のプロスタ進出を誇っているだけに『Victoriaの顔』を譲ることなく、これからも熱き戦いを演じてほしい。