特集2024.12.11

Which Win!? -Victoriaリーグ4部総括&ファイナリスト特集-

過去最多86チーム参戦の最激戦区4部リーグ! 初タイトル獲得を懸けた全勝対決を制するのは果たして!?

【Aブロック】 6試合で奪われた点数は僅かに4点、Aブロックで無双したのは東京Bee Valleyで、平井(惇)、江森の投手陣が相手に付け入る隙を与えなかった。2位の東京レイバンズは本多の好投もあり5年ぶりの決勝T進出を果たし、初参戦mikeysと上石神井野球部は上位に引けを取らない戦いを演じたが、共に不戦敗が響き予選敗退となった。タートルズも自力での勝利がなかっただけに来季は飛躍のシーズンにしたい。

【Bブロック】 勝率は並ぶも得失点差で首位通過を決めたのは球通ベースボールクラブ、最終戦のルーズヴェルトゲーム含め見応えのある試合が多かった。Albatrossは春先に苦戦するもその後は4連勝を飾って2位で予選を通過し、3位のGDOは4勝を挙げワイルドカードで決勝Tへと進んだ。ThursdaysとRconnectは善戦を見せるも自力での勝利が2勝と2025年は予選通過を目標に戦い、TOKYO HORNETSも2年ぶりの決勝T進出を逃したが来季は挽回の年にしてもらいたい。

【Cブロック】 唯一6戦全勝を飾ったのはRockets、昨年4部3位の実力に磨きをかけ、トップ通過を決めた。そのRocketsにこそ敗れたがTOKYO VALENTIAは対戦相手からも戦い方を賞賛されるなど、5勝を挙げその実力をしっかりと示した。 赤羽Porkbitsは取材試合で見せた佐藤のHRが印象的で、その後も打線が噛み合いワイルドカードで決勝Tに進出した。あはちゃ505は1勝と振るわなかったが、SwaGs戦でエース緑が完投勝利を挙げ見事な投球を披露した。

【Dブロック】 6連勝で予選通過を決めた世田谷oddsは絶対的エースの小役丸がチームを牽引し、2位の留年バスターズもエース井上が躍動、上位は投手陣の活躍が目立った。G-citrusラパンは今季自主降格で4部に挑戦し4勝を挙げたが、ワイルドカードでは僅か得失点差3点に泣き予選敗退。三鷹Practiceも3勝を挙げるが悪夢の開幕3連敗が最後まで響いた。それゆけ!!ザ・ソメチーズ2、HEROESも予選で姿を消したが、競った試合も多く来季へ望みを繋げた。

【Eブロック】 今季初参戦を果たした令和の豹はEブロックで首位に輝き、20点を奪った試合が2試合と強烈なインパクトを残し、青山ダイナマイツは令和の豹相手に引き分けと互角の戦いを演じ、4勝2分で決勝Tに進んだ。G-matesも青山ダイナマイツにドローで4勝を挙げワイルドカードの切符を掴み、砂町ドンフェイスも2年連続の決勝T進出に向け最終戦まで望みを繋げたが、あと一歩届かなかった。Tokyo Redbirdsは自力での勝利が奪えず、来季は昨年の3勝を超える活躍を期待したい。

【Fブロック】 Fブロックでも初参戦チームが主役の座を掴み、開幕5連勝を飾った横浜ヤーマンズが首位通過を決めた。その横浜ヤーマンズ相手に13-0の快勝を見せたBULLKIESはリーグ初参戦の今季、代表を務める安藤(稜)の活躍も光り2位での予選通過を決め、神奈川インフィニティはリーグ3勝ながらワイルドカード6枠の最後のイスを掴み、5年連続となる決勝Tへ進んだ。トラベラーズ、slopes、Mosquitosは予選敗退となるも上位相手に互角の戦いを演じ、来季も楽しみな存在だ。

【Gブロック】 5勝1敗で2チームが並び、得失点差でトップに立ったのは江戸川のレベッカ、初戦こそ黒星を喫したがその後の5連勝は内容共に素晴らしいものだった。その江戸川のレベッカ相手に初戦で白星を挙げたSquirrelsは竹内、諏訪、安藤などの投手陣が好調で2位フィニッシュ、日の出ホーマーズも上位相手に善戦した結果、ワイルドカードでの決勝T進出を決めた。3勝を挙げたTOKYOJUMBLUESをはじめ、すーさんズ、LIBERの面々は予選通過を目標に来季は飛躍の年にしてもらいたい。

【Hブロック】 Hブロックも上位2チームが勝率で並んだが、金子、君島ら投手陣が輝きを放ったふじみ野ジャイアンツが1位で予選を通過。TEAM SOXは順位こそ2位となったが、今年もエース加藤の大車輪の活躍で決勝T進出を決め、チェリーウィングスも4勝を挙げ2年連続の決勝T進出が見えたが、ワイルドカードではあと一歩及ばなかった。ミドルエースは取材試合で見せた大勝が大きなインパクトを与え、苦戦を強いられたジャイロタワーズは主力メンバー達がまだまだ若く来季以降の躍進に期待だ。

【Iブロック】 無傷の5戦全勝で首位通過を飾ったのはDIAMONDS、斉藤と松浦が投手陣の中心となって勝ち星を積み重ね、WILDCATSは複数の投手でシーズンを戦い抜き2位で予選通過を決めた。3位争いを演じたGakuin'sとセブンホイールズの真夏の直接対決は両者気持ちをぶつけ合い4-4の痛み分けと、見応えある試合を展開した。船堀ハーキュリーズとフロンティアは下位に沈んだが、Victoria常連組として来季こそ主役の座に躍り出てほしい。

【Jブロック】 僅差の試合が多かったJブロックだが、エース中郡がフル回転の活躍を見せたれぐるすが首位に立った。そのれぐるすにこそ敗れたが、ラフベースボールは室井と水内の投球が勝利を呼び込み2位で予選を通過し、3位の市川シーブリーズは予選敗退となったが、来季もDefensive Baseballを掲げプロスタ進出を目指す。オーティーナショナルズと道化師(ピエロ)も上位との実力差は僅かであり、2025年も彼らの行方を注視したい。

【Kブロック】 上位3チームが4勝1敗で並ぶ中、経験豊富な面々たちが今季も躍動し、吉岡クラブOLDが得失点差で首位に立った。HOMIE JOCKSとの直接対決に勝利したGlanzが2位で決勝トーナメントへ進むと、HOMIE JOCKSはワイルドカード1位で決勝トーナメントの切符を掴み、上位3チームは実力差を感じさせなかった。Ultimate B.Cとck Diver'sは予選敗退と今季は苦汁をなめる結果となったが、この悔しさは必ず来季に晴らしてほしい。

【Lブロック】 3試合で2桁得点を奪い、自慢の攻撃力を武器に首位通過を果たしたのはRemixで、他のチームに脅威を与えJブロックを席巻した。有閑倶楽部はRemixにこそ敗れたが、Ballenaに対し得失点差で優位に立ち2位で決勝Tへと進んだ。2年連続の決勝T進出を狙ったBallenaは惜しくも予選敗退を喫し悔しさの残るシーズンとなった。勝率5割でシーズンを終えた羅笑門は上位相手に勝ち星を挙げることが出来なかったが、きっと来季は挽回してくれるだろう。

【Mブロック】 2位に6点の勝ち点差をつけ今季も危なげなく予選通過を決めたのはAIS、これで6年連続の決勝T進出と今季もその名を轟かせた。2位にはTokyo RIOTが入り2年連続の決勝Tへ駒を進め、最後のダブルヘッダー2連勝は圧巻だった。同じ江古田を拠点に活動する江古田Rocketsと江古田impulseの両チームは、不戦敗もあって主役の座は譲ったが、来季は活動体制を整えて、まずは予選を突破を目指してほしい。

【決勝トーナメント】 4部リーグ発足から9年、過去最多86チームの参戦により初の最激戦区ブロックとなった4部リーグだが、熾烈を極めた決勝T進出争いはワイルドカード6枠に約半数の3位チームが滑り込み、総勢32チームで神宮への2枠を競う形となった。決勝トーナメントは初戦からロースコアでの接戦が多く、2回戦以降も1点差ゲームが多くみられ、その顔触れを見てみると初参戦チームの姿はなく、前年のリベンジを誓うチームが中心となり鎬を削りあった。中でも初参戦となった2023年は16強敗退も、参戦2年目で見事4強進出を果たしたHOMIE JOCKS、取材ゲームでも見せた抜群のチームワークで来季こそ神宮進出を期待する。更にはG-matesが参戦13年目にして初の4強入りを果たし、ワイルドカードから決勝進出を狙ったが惜しくも準決勝敗退とプロスタ進出は来季へ持ち越しとなった。そして全86チームの中から悲願のプロスタ進出を決めたのは、Rocketsと世田谷oddsであった。
まず2年連続で準決勝進出を果たしたRocketsは、Victoria全トーナメント大会参戦で磨いた勝負強さを武器に昨年準決勝敗退のリベンジを果たし、参戦3年目で初のVictoriaファイナル進出を決め、予選から負け無しの10連勝と無双状態だ。一方の世田谷oddsは参戦5年目で初の準決勝進出と、前年の予選リーグ4位から大きな飛躍を遂げ、こちらも予選から負け無しの10連勝と無敗同士の両雄が対決することとなった。
互いにここまではエースの好投が一際目立ち、Rocketsは松本、世田谷oddsは小役丸の先発が予想される。Rocketsの松本は準決勝で先発を務めると3塁を踏ませない好投で7回3安打完封勝利を飾り、世田谷oddsの小役丸は強力HOMIEJOCKS打線を2失点に抑え、決勝戦も大量得点が見込めない厳しい試合となるだろう。両者共に初のプロスタ進出となり平常心で戦うことが難しい状況な故、1つのミスが命取りとなることは言うまでもない。
4部リーグに所属する全チームが注目する中、神宮の杜で雄叫びを上げ勝利の美酒を味わうチームとは如何に!?2日間に渡るVictoriaファイナル2024のクライマックスとなる12月15日16時に決戦のゴングが鳴り響く!!

Rockets(東京都)今大会 10試合71得点23失点

2021年11月に設立されたRocketsだが、創設メンバーは満仲、歌川、マネージャーの白江の3名で、当時は満仲、歌川はそれぞれ仕事上の関係チームでやむなく助っ人に駆り出されており、草野球にあまり乗り気ではなかった。しかし、ある試合で負けた時に満仲、歌川の中で無視できない悔しさが沸き上がり、その試合の帰路で『せっかくやるなら自分たちでチームを作ろうよ』とRocketsを結成した。
チーム結成と言えど当時仲間内に呼び掛けても集まるのはせいぜい5、6人で、いつも助っ人頼りで試合をするのがやっとの状況。時にはマネージャーの白江にも試合に出てもらっていた時期があったりと、立ち上げ当初は厳しい時期を過ごしていた。 しかし松本、森山、大石、武石、田中、藤谷といった現在中核を担うメンバーの加入を機に選手も徐々に揃うようになり、2022年Victoriaリーグに参戦を決めた。だが参戦初年度は「全く通用しなかった」と自ら語る通り予選敗退。とにかく『経験を積むこと』、レベルの高いチームと対戦させていただき『戦い方を学ぶこと』をコンセプトにチームを立て直し、翌年からVictoriaの全大会に参戦を決め、とにかく試合数をこなした。格上の相手と対戦し「目の当てられないような試合結果になることも多々あったが、確実にこの時期で選手は成長した」とその時の状況を振り返る。
2023年はプロスタまであと一歩のところで悔し涙を流したが、勝つ事への見えないプレッシャーを全員が感じ、今年は年初より『エラーOK!三振OK!たかが草野球、エンジョイベースボール!』をチームコンセプトに運営した結果、チーム全体に勢いが生まれた。その背景には現在2部リーグに所属し、4部優勝経験を誇る葛飾セブン代表の佐野間が満仲と同郷(三重県)出身といった縁もあり、佐野間からチーム運営の極意を学んでいた。
また梶原、北村良、篠田、原、亀田、山崎といった新戦力が加わった事で一層厚みを増し、今季は松本、亀田両投手を中心に藤谷、原の両捕手がゲームを組み立て、守りからリズムを作る野球を徹底している。打線は上位から下位まで切れ目がなく、中でも大城、北村良、篠田は特に勝負強さを持ち合わせ、ここまでRocketsの得点源となってきた。自らを「チーム全体に派手さはない」と語るが、選手それぞれが自身の役割を認識しており、全ポジションをこなす事ができる武石や梶原などユーティリティプレイヤーが多いのも一つの特徴で、年間60試合近くを消化し培ったここ一番の集中力も勝負を分けるポイントとなる。
「3年前に満仲、歌川、白江のたった3人から始まったチームが神宮でプレーできることを、共に戦うメンバーへ感謝しながらプレーを楽しみたいと思います」と勝負を前に控えめに話したが、彼らの内に秘めている想いは強く、勝負の鐘が鳴った瞬間から闘志を剥き出しにするだろう。夢にまで見たプロスタの舞台、Rocketsは予選の勢いそのままに頂点への階段を駆け上る!!

≪注目選手≫
#6 森山 充生(内野手) 1997年12月13日生まれ 仙台第三高校~岩手大学
不動のショートストップとしてチームを牽引するキープレイヤー。冷静かつ広い視野を兼ね備え、幾度もピンチを救ってきた。また、編成担当として彼のスカウティング力が今季の躍進に繋がったと言っても過言ではない。
『初神宮!楽しむだけ!』

#17 松本 遼太郎(投手) 1999年6月18日生まれ 慶応志木高校~慶応義塾大学
140km超の直球を軸に多彩な球種で打者を手玉にとる。今季公式戦では負けなしの8勝0敗、防御率1.02、投球回56回で奪三振61と圧倒的な成績を残した。大学時代から慣れ親しんだ球場でRocketsの絶対的エースが躍動する。
『神宮球場でプレーできることに感謝し、チームに流れを引き寄せる投球をします!』

#27 歌川 直樹(内野手) 1994年3月2日生まれ 大成高校
チーム創設メンバーの1人で不屈のファイティングスピリッツを持つ男。圧倒的な守備力でショート森山と共にRocketsのセンターラインを固める。打撃面では3番を務め、今季公式戦打率.381、出塁率.571と打線の中核を担う。
『満仲さんとチーム発足時から神宮を目標にしていたので、とても嬉しいです。予選、決勝トーナメントで不調だった飛田、大城さん、満仲さんを今回もリカバリーしたいです。』

世田谷odds(東京都)今大会 10試合65得点23失点

Victoria参戦5年目の今シーズン、一気に飛躍を遂げた世田谷oddsを紹介すると、2018年の結成から今年で7年目のシーズンを迎え、20代~40代を中心に『エンジョイベースボール』をスローガンに掲げ、結成当初は世田谷区を拠点に活動を始めたが、最近では都内を中心に広範囲で活動している。
そんな世田谷oddsはVictoriaリーグに2020年から参戦を果たし、初年度は3部予選ブロック4位、2年目は同じく3部リーグで6戦全敗を喫しチームはどん底を味わった。Victoriaの壁に直面したチームは2022年から戦いの舞台を4部リーグに変え、4部参戦初年度となった2022年は予選で4勝を挙げて初の決勝Tへ進出すると、ベスト16まで勝ち進み一筋の光が差し込む。しかし、その翌年はまさかの予選ブロック4位と再び低迷するかと思いきや、参戦する度に勝利への欲が増した彼らは『今年は絶対に決勝へ行こう!』をスローガンに今シーズンが開幕した。
そして迎えた2024年、シーズン初戦から先発を務めたエースの小役丸を中心に打線も2桁得点を2度叩き出し、予選は6戦全勝と他を寄せ付けない強さを見せた。決勝Tへ進んでもその勢いは更に加速し、初戦のTokyo RIOT戦は5-1、2回戦のAlbatrossは6-1で下し、準々決勝のふじみ野ジャイアンツ戦は5-2で逆転勝利を飾りプロスタ進出を射程圏内に捉えた。迎えたセミファイナルの大一番、相手も初のプロスタ進出を目論むHOMIE JOCKSが相手となったが、試合序盤から得点を重ね主導権を握ると、投げては小役丸がしっかりと先発投手の役目を果たし、参戦5年目で悲願のプロスタ進出を決めた。
初のファイナル進出で意気揚々と決戦の時を待つ世田谷oddsの面々を紹介すると、絶対的エース小役丸の投球がチームの命運を左右する事は間違いない。彼の好投無くして今季の飛躍はなかったが攻撃陣も予選から好調をキープしており、ホームランを放っている吉川、小川(翔)、渡辺を筆頭に片岡、福嶋、須藤にも長打が期待できる。「攻撃は細かい野球はせず、積極的な戦術を武器にエンジョイベースボールでここまでやってきた」と福嶋代表は語ったが、例え劣勢となったとしても、ここで紹介した彼らには流れを変える一打に期待したい。
決戦を前に「今回、目標としてきた決勝の舞台に立てましたので、このままエンジョイベースボールで頂点を目指したいと思います」と大舞台を前にしても冷静に最後を締めくくったが、来季再び挑戦する3部リーグを前にここでビッグタイトルを手中に収め、王者の称号を引っ提げ2025年シーズンを迎えたいところだ。エンジョイベースボールを掲げる世田谷oddsが、神宮の舞台で最高の笑顔を見せる!!

≪注目選手≫
#34 小川 翔也(内野手) 2001年2月23日生まれ 千葉英和高校~国際武道大学
世田谷odds打線の中でも特に長打を期待できる若き大砲の1人。守備では遊撃手として華麗なスローイングも魅力的だ。決勝の舞台でもフルスイングを貫き神宮の空にアーチを描く。
『神宮での野球を全力で楽しみたいと思います!確信歩きのイメージは出来ています!』

#41 池田 隼人(外野手) 1991年7月14日生まれ 横浜創学館高校~高千穂大学
身体能力はチームNO.1。野球経験は中学までながらも内外野どこでも守れるユーティリティプレーヤーだ。神宮ファイナルでも快速男が自慢の足で相手守備陣をかき回す。
『チームに貢献出来るように、モットーの全力プレーでやり切ります!』

#58 丸山 充(内野手) 1998年10月4日生まれ 近畿大学附属高校~早稲田大学
ピンチの場面で打球に飛びつき何度も失点を防ぐなど、プレーでチームを盛り上げる世田谷oddsに欠かせない男。決勝戦でもガッツ溢れるプレーを見せ攻守での活躍に期待がかかる。
『泥臭いプレーが持ち味なので決勝でも神宮の赤土にまみれたいです。』

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