取材2023.12.29

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 S R
アスリーツ 0 0 0 0 0 0 0 - 0
大翔 0 2 0 0 0 0 × - 2

絶対的エース久武が衝撃のNO-NO達成! 大翔が予選から無傷の10連勝飾り4部リーグの頂点奪取!!

チーム紹介

<アスリーツ>
Victoiraには2016年から参戦し、主戦場は江東区と江戸川区、ベテランから若手まで毎週日曜日に集まり大好きな草野球を楽しんでいるアスリーツだが、2023年は予選リーグで1位通過を決めると、決勝トーナメントは4試合で僅かに5失点と投手力を武器に苦節8年、悲願のプロスタ出場を決めた。そんなチームを紹介すると打線は佐々木(彩)がリードオフマンを務め、その佐々木は江東区内で整骨院の院長をしながら母校のトレーナーとして夏の大会にも帯同する。続く2番には森田が入り、今年は公式戦での本塁打が10本を超え、打点・得点ともにトップに立っている。クリーンアップは佐藤(佑)、多賀の高校同級生コンビが担い、その二人の後ろには佐藤(高)が控える。太田、秋吉、光森は上位・下位問わず活躍を見せ、その下位打線を引っ張るのが久保と伊藤で、共に数字に表れない貢献で相手ピッチャーにプレッシャーを与える。その他にも石川(貴)はどこでも守れるユーティリティプレーヤーとしてチームを支え、横内は2か月前からチームに合流し覚醒間近と楽しみな存在だ。古嶋はベテランとしてここぞの場面で仕事を果たし、先日も連盟大会において2死ビハインドの場面から逆転サヨナラ本塁打を放っており、同じくベテランの大野は主に守備固めとして控える。投手陣は菊田と外崎の左右両エースが屋台骨で、その後ろにはプロスタ請負人の木村がセットアッパーとしてスタンバイ。更に下野はチーム最年少と活きのよい球が持ち味だ。そして毎週土日を完投するミスター草野球、奇跡の56歳中野が投手陣を引っ張り、その他にも佐々木(琢)、木下、尾崎がリリーバーとして待機する盤石の布陣だ。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<大翔>
チーム発足から5年、絶対的エース久武を中心に守備からリズム作り、Victoria参戦3年目の今季、初めてのファイナル出場を掴んだ。大翔は昨年の4部リーグ予選においても6試合で僅か3失点と圧倒的な存在感を示したが、Victoriaにはその前年となる2021年3部から参戦を果たし、ブロック6位と3部リーグの高い壁に跳ね除けられ、対戦相手となるアスリーツと同様に戦いの舞台を3部リーグから移して今回の決戦に挑む。大翔の戦力を見てみると、前述しているエース久武の出来がチームの勝敗を左右するが、控えには片岡や大加田も待機するなど豊富な投手陣から目が離せない。打撃面では今年から1番に抜擢された花田に注目が集まり、その選球眼と出塁率の高さはチームの大きな武器となる。チームの得点源となるクリーンアップには江原、富岡、引田を擁し、中庭、新井、山田(和)、櫻井などの下位打線にも優れた打者が揃うなど攻撃の幅が広いのも特徴だ。一方のディフェンス面では捕手の新井がチームの核となり、その強気なリードとフレーミング、強肩がチームの防御力を高めてる。内野では野口と戸田が複数のポジションを守り、外野手は大沢や今井といったチームの中心選手が盛り上げ、そしてセンターを守る引田の守備力は『埼玉県トップクラスの実力』とチームの面々は褒め称える。走塁面ではチームトップクラスの俊足、兄の田島(勇)と弟の田島(真)の機動力に注目で、田島(勇)は3年連続で盗塁王に輝くなど、田島兄弟の脚力が更に攻撃に幅を持たせている。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

アスリーツは右のエース菊田、一方の大翔は絶対的エースの久武が先発のマウンドを任され試合開始。1回表、アスリーツは1アウトから2番森田がエラーで出塁すると森田は3番多賀の打席で盗塁を仕掛け、初回から得点圏にランナーを置く。しかし多賀はファーストファールフライ、続く4番佐藤はライトフライに倒れ先制のチャンスを活かせない。1回裏、大翔は2アウトから3番の江原が強烈なセンター前ヒットで出塁するも4番富岡がサードフライと互いに初回は無得点に終わる。2回表、久武はアスリーツ5番の佐藤(高)、6番太田を2者連続の三振に抑えこの回を三者凡退で切り抜けると続く2回裏、大翔が先制のチャンスを迎える。先頭の5番引田がフォアボールで出塁し、6番新井のサードゴロの間にランナーを2塁に進めると、7番中延がライト前に運び若干守備がもたつく間に2塁ランナー引田が一気にホームへ生還し1点を先制した。続く8番田島(勇)は俊足を飛ばしてサードへの内野安打と再び得点圏にランナーを置くと、ツーアウト1,2塁から1番花田が技ありのレフト前ヒットを放ち2-0、大翔は序盤に試合の主導権を握る。更に3回裏、大翔は1アウト満塁と再びチャンスを迎えたが、ここはアスリーツ先発の菊田が踏ん張り、中延をピッチャーゴロに仕留め、1-2-3のダブルプレーで相手の追加点を許さない。アスリーツは4回裏から2番手としてサウスポーの木村がマウンドに上がり、見事なマウンド捌きで4回、5回と大翔に追加点を与えず、6回は無死1,2塁の場面を迎えるが、後を任された木下がこのピンチを凌ぎ、打線に望みを託す。しかし大翔の久武は2回以降1人のランナーも許さない圧巻の投球を披露して最後までアスリーツ打線を封じ込め、終わってみれば10奪三振のノーヒットノーランとファイナルの舞台で大偉業を成し遂げ、2-0で大翔の勝利。MVPは満場一致で久武が受賞し、アスリーツは8年越しの夢舞台もVictoria初タイトルは翌年以降に持ち越しとなった。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<アスリーツ>
結果だけ見れば0-2の完封負けに加え、ノーヒットノーランのおまけ付きと完璧に抑えられたが、試合内容を冷静に振り返ってみると見応えたっぷりの素晴らしい投手戦だった。先発の菊田は最少失点で中継ぎに後を託し、2番手の木村は2回無失点、ピンチでマウンドに上った3番手の木下は無失点でチームの窮地を救いベンチの起用に応えてくれた。打線は大翔久武の前に痛恨のノーヒットノーランと悔しさの残る結果となったが、この悔しさをバネに来季の奮起に繋げてほしい。そして試合終了直後、偉業を達成した大翔ナインに対してアスリーツの選手全員が拍手を送る姿が見られ、このスポーツマンシップ精神には最大限の賛辞を送りたい。試合には敗れはしたものの各選手が清々しい顔だったのは印象的で、この日観戦に訪れた家族を交えた集合写真の最後も笑顔で締め括り、チーム一同がファイナルの時間を満喫した様子だった。しかし、夢舞台を経験した次の目標はVictoria初タイトルとなるのは言うまでもなく、3部に昇格しても好勝負を期待したい。

<大翔>
この試合の主人公である久武のピッチングは神がかっていた。初回は味方のエラーで得点圏にランナーを置いてピンチを迎えるも無失点で切り抜け、その後2回以降はパーフェクトピッチングとマウンド上で眩しいくらい輝いて見えた。攻撃陣も好打者を揃え、相手の隙を付く走塁など終始攻撃の手を緩めず、相手からすると脅威となったに違いない。しかし試合を振り返ってみて大翔の魅力を冷静に分析すると、チームの『一体感』が試合中もひしひしと感じられ、スタメンだけでなくベンチからも『絶対に優勝する』という熱い気持ちが球場全体に伝わっていた。その象徴となったのが試合後の胴上げシーンで、ベンチメンバー含めて5人を胴上げし、各選手がそれぞれの役割を全うした結果、あの胴上げに繋がったのだろう。そしてここまでチームを牽引した監督の田島(智)は自らの胴上げを控えめに断ったが、来季もこの舞台に立ち全員で田島(智)を胴上げしてほしい。 4部リーグ過去最多の80チームの頂点に立ち、予選から11連勝を果たした大翔は3部昇格後も主役の座は譲らず、2024年も彼らの活躍から目が離せない。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVP interview】 #11 久武 聖人

【代表 interview】#30 田島 智

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