取材2023.12.28

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 S R
青霧 0 0 0 0 0 0 0 - 0
KFBC 2 0 0 0 0 2 × - 4

投打の主役が神宮の舞台で揃って躍動! 今季初参戦のKFBCが完封勝利飾り2部リーグ王者の称号を手に!!

チーム紹介

<青霧>
チームは2018年、大学野球部を引退した主将丸山が同期メンバーを中心に結成。就職により初期メンバーの大半は参加が難しい状況となりながらも各地元の同級生、後輩の繋がりでメンバーを構成し、丸山と共に学生コーチを務めていた総監督の鈴木(堅)、希望背番号を3番で提出していたにも関わらずいつの間にか0を書き加えられ、30番を背負い渉外を担当する代表の坂田が首脳陣を担う。ここまでの戦績は割愛するが、チームの持ち味は投打にバランスよく個性あふれるメンバーが揃う。そんなメンバーを一気に紹介すると、リードオフマンとして打率4割を誇り、現在首位打者に加え内野守備の要でもある齋藤(翼)、昨年加入し外野守備の要で経験も打球速度も別格な牛丸、総監督としての采配をしながら高打率、長打も量産した鈴木(堅)、齋藤(翼)と首位打者争いを演じ打点トップの主に4番を務めてきた坂田、チームの本塁打王、大柄ながら内野全ポジションをこなす遠藤などの面々を揃える。 更には2番として繋ぎ役をこなしながらマルチポジションを守り今季盗塁王の源、勝負所でチームの流れを変える長打を放ち、数字以上に貢献度が高い久保、その久保と同じく複数ポジジョンを守り、チームに勢いをつけるプレーを見せた昨年の首位打者大渡、毎年多くの打点を叩き出し、今年は打率も高く守備も大きく改善した大久保などの面々にも注目だ。ディフェンス面では強肩と高いブロッキング技術で再三チームの危機を救った丸山、チーム加入当初より打撃レベルを向上し、外野守備でも貢献したムードメーカーの東など鉄壁の守備陣がバックを支え、打ってはポイントゲッター、そしてリーグの予選、決勝トーナメントで登板した試合全てで勝ち星を収めたエース山藤、高い身体能力で走・攻・守三拍子揃い投手としても高いポテンシャルを誇る高橋(要)、発展途上ながらもジャイアントキリングに繋がる好投を見せた田村など投手陣も枚数が豊富である。 最後に規定打席に満たないながらも今季より社会人硬式野球から加入し、高いポテンシャルと一級品の技術を見せている山下、巧打者でありながら長打も期待でき複数ポジションでハイレベルなパフォーマンスを見せる小田原に加え、かつてはチームの絶対的エースであり、ホームラン王も獲得した安田が1年ぶりに復帰を果たし投打で活躍、準決勝ではサヨナラ打を放ちプロスタ進出を決めた高橋(隆)らがチームの中枢を担う。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<KFBC>
KFBCの名前の由来は『K:Kashiwa』、『F:Future』、『B:Bridge(Basaball)』、『C:Communituy(Clab)』の頭文字から取った造語で、柏の『人々・企業』の未来への架け橋となれるようなチームでありたいという思いをもとにチーム名をKFBCと命名し、イベントやボランティア活動等、野球を通じた地域貢献も行っている。そんなチームは2022年に高校の先輩・後輩である片岡、福山で結成し、メンバーは10代〜30代で構成されている。25歳以下が中心の活気溢れる若いチームは学生時代に主力として活躍していたメンバーは数少ないが、ポテンシャルの高いメンバーが多く揃う。所属する柏市野球連盟では2022年秋季大会C級優勝、 2023年は春季大会B級優勝を果たし、無敗でA級昇格を達成。地域貢献と並行し着々と野球でも実績を積み上げている彼らだが、Victoriaには2023年から参戦し、神宮出場を目標にスプリング、サマーのトーナメント2大会に加え今季2部リーグに於いて旋風を巻き起こし、見事に参戦初年度でプロスタ進出の快挙を成し遂げた。今季は『一日一SHOW』(「一生」「一勝」「一笑」)をスローガンに掲げ、迎えたSTBCとの準決勝。初回から最終回まで互いにチャンスを作るもあと一本が出ない緊迫した投手戦で試合は進み7回裏。先頭の新井が四球で出塁、続く三上が初球で送り1アウト2塁と得点圏にサヨナラのランナーを進めると、7番人見の投手ゴロの間に2アウト3塁のチャンスを迎え、ここで代打の松澤。この緊迫した場面で松澤は初球を捉え、これが劇的サヨナラタイムリーとなりKFBCは決勝へとコマを進めた。劇的勝利を収め最高のチーム状態で決勝を迎えることとなるが、そんなチームの面々を見てみると「小柄な選手が多い為、長打力は無いがとにかく繋いで点を重ね、バッテリーを中心に守り勝つ野球が特徴だ」と片岡代表は語る。とは言え予選リーグでは庭田、荒関、新井とHustler戦では3本のホームランを放っており、人見、福山、三上など予選で長打を記録している選手にも神宮での一発を期待したい。更には決勝トーナメント1回戦でのスリーランホームランに加え、準決勝で勝負を決める一打を放った松澤など、あらゆる状況においても得点を狙うことができる打線は魅力的だ。投手陣は年間通してマウンドを守ってきた荒関のピッチングがチームの勝敗を左右し、予選でも登板機会のあった鈴木、山田も万全の状態で後ろに控える。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

1回裏、KFBCは先頭の福山がレフト線を破るツーベースヒットで出塁すると、2アウトランナー2,3塁から5番片岡がセンター前へ2点タイムリーヒットを放ち、KFBCは幸先よく2点を先制する。2回表、青霧は先頭の4番牛丸がエラーで出塁し、内野ゴロの間に得点圏にランナーを進めるがKFBC荒関が威力のある直球に加え、的を絞らせない多彩な変化球も加えてこの回も無失点で切り抜ける。続く2回裏、追加点の欲しいKFBCであったが先頭の7番新井、8番人見が連続三振に倒れ、9番田港もレフトフライで凡退と青霧先発の山藤は低めを丁寧に突く投球で追加点を与えない。青霧は3回表、フォアボールと相手エラーで無死1,2塁のチャンスを作るも、ピンチを迎えるとギアを一段階上げるKFBC荒関を前に後続が続かずこの回も無得点。一方のKFBCも3回裏、2アウトながら1,3塁のチャンスを迎え、先制タイムリーを放った片岡が打席に立つも今度は青霧の山藤が三振に抑え、試合は中盤に入る。その後、互いにランナーは出すも試合は膠着状態で進み、青霧は5回裏から山藤から遠藤にスイッチし、このイニングも無失点で切り抜ける。KFBCも6回表より荒関から山田に代わり、1人のランナーは許すもこの回も無失点に抑え、迎えた6回裏。KFBCは1アウトから片岡と井桁の連続ツーベースヒットでまずは1点を追加すると、続く新井がフルカウントからセンター前に弾き返し4-0と、終盤に3連打で点差を4点に広げる。7回表の最終回、青霧は最後のイニングに望みを繋げるもKFBCはクローザーとしてマウンドに上がった鈴木がしっかり抑えて4-0でKFBCの勝利。MVPはこの日先発を務めたKFBC荒関が受賞し、青霧は継投で逃げ切ったKFBC投手陣を最後まで打ち崩せなかった。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<青霧>
参戦5年目にして掴んだ夢舞台は1安打で相手投手陣に封じ込められる結果となったが、この日は26名の選手が出場し、ベンチメンバー含め全員が笑顔で神宮での時間を楽しんでいたのが印象的だった。この裏には代表坂田の人柄の良さと大きな苦労がうかがえ、毎イニングのように選手交代を告げて、選手交代に頭を悩ます坂田の顔は今でも脳裏に焼き付いている。試合には惜しくも敗れてしまったが、真剣勝負の中にも人間模様がうかがえるシーンに我々大会本部も当然ながら温かい気持ちになれた。そして坂田の期待に応えようと先発の山藤は自らの役割をしっかりと果たし、後を任された3人の投手陣も神宮の舞台で躍動してくれた。攻撃陣は4回裏に牛丸が放った1安打に終わったが、各打者が目の覚めるような鋭いスイングを披露し、1部リーグの舞台に行っても青霧打線は脅威となることに変わりないだろう。決勝の舞台においてチームスローガンである「一体感」を体現したことは言うまでもなく、次こそはタイトルを掴んでほしい。

<KFBC>
初めて経験するプロスタの舞台で緊張感もあった中、初回から打線が繋がりKFBCは終始試合を支配した。しかし振り返ってみると、得点を挙げたイニングは初回と6回の2度のみで、少ないチャンスをモノにするベンチメンバーを含めた高い集中力が印象的だった。その中でも2度の得点機にバットで貢献した代表片岡の集中力は群を抜いており、投手陣においては3人の継投で1安打の完封リレーと付け入る隙を与えなかった。先発の大役を務めた荒関は普段通りのピッチングを披露し、ゲームメイクできる能力の高さは素晴らしいものがある。そして彼らがいつも通りのプレーが出来たのはベンチからの声援に加え、この日の為に駆け付けた地元柏の大応援団のお陰であり、KFBC個々の面々を見てみると20代前半とは思えないくらい模範的な姿勢で草野球に取り組み、多くの人を魅了する見えない力を持ってることもうかがえた。「柏に住む人々が支え合い共生していける未来を作り、柏という『まち』を誇りと思える環境を作っていくことが目標」と語ったように、KFBCの今後の活動には注目していきたい。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVP interview】 #21 荒関 裕也

【代表 interview】#30 片岡 琢

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