取材2023.12.26

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 S R
CHUYANS+ 0 0 0 2 0 0 0 - 2
ブルーサンダース 0 1 0 0 2 1 × - 4

Victoriaファイナル3戦3勝! 参戦10年目のブルーサンダースが5年ぶり3大会目の新タイトル獲得!!

チーム紹介

<CHUYANS+>
チーム結成は2014年、今年度は結成10年目の節目の年を迎えたCHUYANS+だが、選手は30代から学生まで幅広い世代が所属しており、平均年齢は25歳前後。大学時代に軟式野球を経験した選手が多いのも大きな特徴であり、これが彼らのストロングポイントでもある。結成時から代表を務める代表中溝の方針としてチームの和を大事にし、『人間力』を重視するCHUYANS+は選手間の仲も非常に良好だ。「野球の能力だけでなく、人としても素晴らしいメンバーが揃っている」と代表の中溝は自らのチームを語る。近年は連盟大会を中心に好成績を残しながらもVictoriaでは壁にぶち当たっていたが、3年ぶり3度目のプロスタ、そしてVictoria初タイトルに向け今季リーグ戦に於いては無敗と絶好調だ。そんなチームの戦い方は、少ない得点を守りきる野球で勝ち星を積み重ね、投手は長年エースとして君臨する植田を中心に大学軟式野球全国優勝経験のある切原、140kmを超える速球が売りの河瀬、大学軟式JAPAN経験者の滝本など、クラブチーム屈指の投手力を誇る。中でも切原は決勝トーナメント全3試合に先発し、自責点はわずかに2点とファイナル進出の立役者となった。枚数豊富な投手陣の女房役には曽我、保木平、中村の大学軟式JAPAN経験者の3枚が扇の要を務め、バッテリーには絶対的な自信を持つ。攻撃面では1番森川、2番管原、3番保木平の大学生トリオが強力で森川、保木平は現時点での打率は4割を超えるなど、神宮では相手の脅威となるだろう。その後にもキャプテン泉、汐田、桑田、佐伯などの好打者が控えている。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<ブルーサンダース>
チーム創設32年、埼玉県富士見市の強豪ブルーサンダースが2018年のスプリングカップ優勝以来5年ぶりに神宮の地に帰ってきた。Victoriaには参戦して10年目となるが、過去には2016年2部リーグ優勝、前述した2018年スプリングカップ優勝と2度のタイトル獲得に加え、1部リーグでは2017年と2022年に3位に入り、多くの上位進出経験を誇るブルーサンダース。通称『ブルサン』の愛称で親しまれる彼らだが、今回初めて最高峰リーグでのファイナル進出を決め、プロスタを手中に収めた準決勝では喜びを爆発させたのが記憶に新しい。今年の戦いぶりを振り返ると対戦相手のCHUYANS+とは対照的に予選は4勝1敗1分けの2位通過と厳しい戦いを強いられたが、決勝トーナメント1回戦のDejavu戦で8点を奪い波に乗ると、準々決勝のジョルターヘッズ戦では逆転勝利を収めた。プロスタが懸かった準決勝は若手のホープSaints相手に中盤までリードを許すものの終盤に鮮やかな逆転劇を演じ、3度目のファイナル出場を決めた。個々の戦力に注目してみると投手陣の中で真っ先に名前が挙がるのは準決勝に先発した伊藤で、Saints相手に見せた圧巻の13奪三振1失点のピッチングは見事であった。更には決勝トーナメントでも先発マウンドに立ち好投を見せた曽根と白井に加え、今季のオープニングゲームで先発マウンドに立った直江など豊富な好投手を擁する。攻撃面では1発も狙える小島、戸島、伊藤、木村とパワーが持ち味の面々に加え、準決勝で値千金の逆転タイムリーを放った勝負強い橋口など抜け目のない打線が特徴だ。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

1回表、CHUYANS+は先頭の森川が初球を弾き返し、ライトオーバーのツーベースヒットで得点圏にランナーを置くも後続が倒れ無得点。先にホームを踏んだのはブルーサンダース、2回裏に先頭の4番宇野が強烈なセンター前ヒットで出塁し、2アウトながらランナーを3塁まで進めると7番松本のライト前ヒットで先制点を奪った。CHUYANS+は3回裏も1死満塁のピンチを迎えるが、2回に続き鉄壁内野陣がダブルプレーで窮地を脱し、迎えた4回表。3回から3番手としてマウンドに上がったブルーサンダース伊藤を責め立て、ノーアウトから3番保木平、4番泉の連続フォアボールで同点のチャンスを迎えると、1アウト2,3塁から桑田のライト前ヒットでランナー2人が生還し、2-1と逆転に成功。その後試合はテンポよく進み5回裏、追う展開となったブルーサンダースは1アウトから相手エラーでランナーを1塁に置くと、途中出場の小島がライトスタンドに突き刺す逆転のツーランホームランを放ち3-2と逆転に成功、再び試合を優位に進める。6回裏、追加点の欲しいブルーサンダースは2アウトランナー2塁から、戸島(大)のライトオーバーのツーベースヒットで貴重な追加点を挙げる。一方のCHUYANS+は5回以降立ち直ったブルーサンダース伊藤を最後まで攻略することが出来ず、4-2でブルーサンダースの勝利。MVPには5回裏に逆転のツーランホームランを放った小島が選ばれ、惜しくも敗れたCHUYANS+は最後まで逆転を信じて全力を尽くしたが、またしてもVictoria初タイトルはお預けとなった。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<CHUYANS+>
4回までリードするも5回に逆転を許し惜しくも戦いには敗れたが、CHUYANS+は今年のファイナルでも最多となる27名の選手を出場させ、神宮の舞台で野球を楽しむ姿は強く印象に残った。これは代表の中溝が選手一人ひとりを尊重し、『すべての草野球人が主役』と言うVictoriaの理念に共感してくれた采配であるに違いないだろう。そんな中溝の起用に応えるべくナインは躍動し、先発の植田は142キロを計測するなどいつも以上に熱のこもった投球を披露した。後を受け継いだ5人の投手陣も1イニング限定の登板となったが、各投手がそれぞれの特徴を誇示し、ブルーサンダースに引けを取らない選手層の厚さを見せつけた。そしてバックを守る鉄壁内野陣は試合序盤に2つのダブルプレーを奪うなど大きな見せ場を作り、攻撃にリズムを与えてくれた。これでCHUYANS+はVictoriaファイナルに3度出場するも全て準優勝と、またしてもあと一歩悲願達成とはならなかったが、次回チャンスがあっても言葉通りの全員野球を中溝が貫き通し、優勝へと導いてくれるだろう。

<ブルーサンダース>
これでVictoria3度目のタイトルを獲得したブルーサンダースだが、ファイナルに出場した3回すべてで勝利を収め、今回も彼らは大舞台での勝負強さを示してくれた。投手陣においては1イニング限定登板となった先発の曽根と2番手の森田が試合序盤を無失点で切り抜け、チームに流れを呼び込んだ。3番手でマウンドに上がった絶対的エースの伊藤は、4回表に2点を奪われるもその後立ち直り、5イニングを2失点と見事なロングリリーフを見せ、躍動感たっぷりの投球でチームに勢いを与えた。そしてMVPを受賞した小島の逆転ツーランホームランは、球場中の視線を独り占めにする見事な一発だった。試合前に『野球をやらせてくれてる家族に感謝して、子供の記憶に残るプレーをします!』と語った言葉通り、この日は家族にとっても最高の1日になっただろう。悲願の最高峰リーグ優勝を果たしたブルーサンダース、2024年は『打倒ブルサン』を掲げるチームが出てくることは言うまでもないが、追われる立場になってもブルサンらしい野球を貫いてほしい。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVP interview】 #9 小島 佑介

【代表 interview】#30 戸島 康幸

Photo Gallery

記事一覧へ戻る