特集2023.12.09

Which Win!? -Victoriaリーグ2部総括&ファイナリスト特集-

共に劇的サヨナラ勝利で掴んだ神宮の舞台!過去最多53チームの頂点に輝くのは果たして!?

【Aブロック】 3位までの勝ち点差は僅かに3点、混戦となったAブロックで首位通過を決めたのはブレーブスで、3年連続2部リーグ予選首位通過と今季もリーグの先頭を走り、2位のBOOOOONは4年連続での首位通過と安定した戦いぶりを見せてくれた。惜しくも3位で予選敗退となった天竺は首位通過のブレーブス相手に勝ち星を挙げた実力は本物で、4位のRad Kriegerも上位相手に互角の戦いを見せてくれた。下位に沈んだ松竹梅も今季は人数難に苦しんだが個々の能力を見ると実力差は感じさせず、来季の奮起を見せてほしい。

【Bブロック】 上位3チームが4勝で並び、引き分けと得失点差で命運が分かれたBブロックで首位に立ったのは世田谷ペンギンズで、5月の取材ゲームで見せた高橋の完封勝利はチームに更なる勢いを与えた。互いに昨年3部のファイナリストで自動昇格のNITOROとインソムニアスターズは勝ち点・得失点差も同数となったが、失点数の差でNITOROが2位通過を決め、初参戦のカサカサボーイズはインソムニアスターズから勝ち点を奪うも2部の高い壁にぶち当たり、ルーキーの初年度は4位で幕を閉じた。

【Cブロック】 春先から好調を維持し1位通過を決めたのはアンドバランス、まだ寒さが残る3月の取材試合で見せたエース吉岡の好投は印象的であった。2位のカプリッチョも4月の取材試合で武島が放った2ホーマーは大きなインパクトを残した。4位の愛宕ヤンキースは初参戦で鍛鷹綻、黒百合と長年Victoriaを盛り上げるチームから勝ち点を奪い実力を誇示、その鍛鷹綻と黒百合は今季振るわず、来季は両代表の意地に期待する。ひばりが丘ロータースも過去には春ベスト4の実績があるだけに来季は再びリーグを席巻してほしい。

【Dブロック】 初戦は落とすものの2戦目以降は無傷の4連勝で首位通過を決めたのはKAMIYUBI BC、1点差ゲームを勝ち切る勝負強さは見事なもので、2位のグレイトシャークスも3勝ながら2つの引分けが明暗を分け、3年連続の決勝トーナメント進出を決めた。Destroyersは2位グレイトシャークスに勝利を奪うも勝ち点が僅かに1点足りず予選敗退となり、とん吉も上位相手に善戦するが今季もプロスタ進出の夢は叶わなかった。Heartland1844、武蔵ベースボールクラブも互いに実力は秘めているだけに波に乗れば脅威となるだろう。

【Eブロック】 ブロック唯一の5勝を挙げ、2部リーグでも屈指の得点力を誇った千葉県柏の若武者KFBCがEブロック首位で予選通過を決め、2位には同じく柏の強豪Rossowaveが入り、互いに柏市野球連盟所属のチームがEブロックを盛り上げた。Hustlerは3部からの自主昇格初年度に健闘するも3位に終わり、江戸川GLITTERSも2位のRossowave相手にEブロックのオープニングゲームで勝利を飾るも後半戦が振るわず4位で2023年シーズンを終えた。下位に沈んだTokyo Volkは江戸川区連盟1部に所属するだけに来季はVictoriaでも存在感を示したいところだ。

【Fブロック】 5戦全勝で首位通過を決めたのはにぎり飯、投打共に本領を発揮し付け入る隙を与えず、そのにぎり飯相手に1点差で敗れはしたものの青霧が2位に入り、リーグ戦序盤のダブルヘッダーで2連勝したのが大きかった。2年連続の決勝T進出を狙った和田町ヤンキースは上位2チームとの敗戦が響き3位で終わったが、最終戦のピエールズ戦で2桁得点を奪い、この勝ちは来季へ繋げてほしいところだ。そのピエールズはリーグに加えトーナメントにも参戦するだけに2024年はVictoriaで一花咲かせてほしい。

【Gブロック】 毎年のように2部リーグを牽引するSTBCは今季も危なげなく予選を1位通過し、2021年3部リーグ準優勝のAvengersはSTBCにこそ敗れたが、ブロックトップの攻撃力は今年も他のチームを圧倒した。2021年に2部リーグで3位に入った笑祭は釜光、村井、冨田、根本、高橋と豊富な投手陣を揃えるだけに来季は2部リーグの先頭を引っ張る存在になってほしい。その笑祭相手にCブロックのオープニングゲームで勝利したRAVEUPも同様に上位に食い込む力は十分に備えている。

【Hブロック】 Hブロックで唯一の負けなしで1位通過を飾ったのはTOKYO NAVYSEALS、5試合中3試合が2点差ゲームで勝利を収め勝負強さを見せつけた。そのTOKYO NAVYSEALSに1点差で敗れたが、FENRILはHブロックトップの41得点と攻撃力を武器に2位で決勝トーナメント進出を決めた。昨季4部チャンピオンの葛飾セブンBBCは2階級昇格を自ら選択し2部でも主役の座を狙ったが、今季は振るわずブロック3位で予選を終え、紫紺インディアナオスンとジョニーも好ゲームを演じる中、予選通過の壁は厚かった。

【決勝トーナメント】 今季の2部リーグは過去最多の53チームが参戦と既に37チームが予選で姿を消す中、初の8強にAvengers、KAMIYUBI BC、にぎり飯が入り、決勝トーナメントではプロスタを目指したバトルはより激しさを増していった。更にBOOOOONは2年連続の8強入りを果たし意地を見せつけ、更なる高みを目指し4強には昨年準決勝で涙を飲んだSTBCをはじめ、昨季3部8強のFENRIL、一昨年3部8強の青霧、若手のホープKFBCと個性的な強豪が出揃った。1部に引けを取らないハイレベルな戦いを勝ち抜いてきた彼らは、Victoriaトーナメント大会の各カップ戦にもエントリーしており、リーグのみならず負けたら終わりのトーナメントでもその強さを発揮している。そして迎えた準決勝、互いにサヨナラ勝ちで勝利を収めプロスタを決めたのは参戦5年目の青霧と初参戦KFBCであった。 今季は自主昇格が功を奏した青霧の戦いを振り返ってみると、予選は2位通過ながら決勝トーナメントに入りエース山藤のピッチングが勢いを増し、アンドバランス、KAMIYUBI BCと予選1位通過組を次々と下し、準決勝に至ってはFENRIL相手に6回参考ながらノーヒットノーランと、付け入る隙を与えず決勝進出を決めた。
対するKFBCは予選1位通過の実力を遺憾なく発揮し、決勝トーナメント1回戦では強豪グレイトシャークス相手に7-2と力の差を見せつけ、準決勝のSTBC戦は0-0の痺れる投手戦となるも最終回に代打松澤の劇的サヨナラタイムリーが飛び出し、初参戦ながら見事にプロスタ進出を決めた。
決勝戦は互い好投手を揃えるが故に投手戦が予想されるが、両チーム共に平均年齢は20代前半とその若さを活かした元気ハツラツなプレーに期待し、神宮の杜でもひと際存在感を示してほしい。果たして勝利の女神が微笑むのは、参戦5年目で初タイトル獲得を目指す青霧か!?それとも初参戦初優勝の偉業達成を狙うKFBCか!?決戦のゴングは12月17日13時30分に鳴り響く!!

青霧(東京都)今大会 8試合46得点22失点

チームは2018年、大学野球部を引退した主将丸山が同期メンバーを中心に結成。就職により初期メンバーの大半は参加が難しい状況となりながらも各地元の同級生、後輩の繋がりでメンバーを構成し、丸山と共に学生コーチを務めていた総監督の鈴木(堅)、希望背番号を3番で提出していたにも関わらずいつの間にか0を書き加えられ、30番を背負い渉外を担当する代表の坂田が首脳陣を担う。
Victoriaリーグへの初参加は2019年、トーナメントとリーグに参戦するも結果が出ず、転機が訪れたのは2021年、3部リーグでベスト8まで進み勝負勘をつけると、続く2022年は春のトーナメントで8強まで勝ち上がり強豪相手でも互角に戦える戦力を整え、迎えた2023年。自主昇格の決断をして臨んだ2部リーグで予選2位通過を果たすと、決勝トーナメントではロースコアの接戦を勝ち上がり、悲願のファイナル進出を決めた。
チームの持ち味は、投打にバランスよく個性あふれるメンバーが揃う。そんなメンバーを一気に紹介すると、リードオフマンとして打率4割を誇り、現在首位打者に加え内野守備の要でもある齋藤(翼)、昨年加入し外野守備の要で経験も打球速度も別格な牛丸、総監督としての采配をしながら高打率、長打も量産した鈴木(堅)、齋藤(翼)と首位打者争いを演じ打点トップの主に4番を務めてきた坂田、チームの本塁打王、大柄ながら内野全ポジションをこなす遠藤などの面々を揃える。 更には2番として繋ぎ役をこなしながらマルチポジションを守り今季盗塁王の源、勝負所でチームの流れを変える長打を放ち、数字以上に貢献度が高い久保、その久保と同じく複数ポジジョンを守り、チームに勢いをつけるプレーを見せた昨年の首位打者大渡、毎年多くの打点を叩き出し、今年は打率も高く守備も大きく改善した大久保などの面々にも注目だ。
ディフェンス面では強肩と高いブロッキング技術で再三チームの危機を救った丸山、チーム加入当初より打撃レベルを向上し、外野守備でも貢献したムードメーカーの東など鉄壁の守備陣がバックを支え、打ってはポイントゲッター、そしてリーグの予選、決勝トーナメントで登板した試合全てで勝ち星を収めたエース山藤、高い身体能力で走・攻・守三拍子揃い投手としても高いポテンシャルを誇る高橋(要)、発展途上ながらもジャイアントキリングに繋がる好投を見せた田村など投手陣も枚数が豊富である。 最後に規定打席に満たないながらも今季より社会人硬式野球から加入し、高いポテンシャルと一級品の技術を見せている山下、巧打者でありながら長打も期待でき複数ポジションでハイレベルなパフォーマンスを見せる小田原に加え、かつてはチームの絶対的エースであり、ホームラン王も獲得した安田が1年ぶりに復帰を果たし投打で活躍、準決勝ではサヨナラ打を放ちプロスタ進出を決めた高橋(隆)らがチームの中枢を担う。
今年は例年以上に試合数をこなし、その中で一つ一つ反省、改善を積み重ねてきたことが結果にも繋がったが、何よりチームスローガンである「一体感」を体現し、プロスタで参加者全員で戦うことを目標としてきた結果、今回の決勝進出は何ものにも代え難い喜びとなったことだろう。 そして迎えた今季のクライマックスである12月17日、青霧は2部チャンピオンの称号を手中に収めるべく、大一番もチーム全員で戦い抜く!!

≪注目選手≫
#4 牛丸 京輔(外野手) 1997年2月2日生まれ 世田谷学園高校~Citrus Collge〜Cal State University Eastbay~福島レッドホープス
大学時代はアメリカで過ごし、帰国後独立リーグ福島で2年間プレーしたのちに2022年に青霧に入団。圧倒的な打球速度とチームトップクラスの経験を持ち、他のメンバーにも多大な刺激をもたらした。決勝戦でも大舞台の経験とここぞの勝負強さがチームを勢い付ける。
『明治神宮球場で野球が出来ることを大変嬉しく思います。ここまできたら優勝を狙うのみ!勝利に貢献できるよう全力でプレーで頑張ります!』

#24 山藤 渉(投手・内野手) 1996年5月21日生まれ 成城学園高校(サッカー部)~成城大学
高校時代は野球部からサッカー部に転部し、選手権大会では背番号10を背負う。大学野球部では4年時にエースとして活躍した異色の経歴の持ち主。一時期転勤でチームを離れたものの昨年本格復帰。広角に長打を打ち分ける器用さと130キロ中盤の速球と質の高い変化球を併せ持つ。投打の要として神宮の舞台でも躍動する姿に注目だ。
『今年、主要大会で強豪チーム様の前に敗退しておりました。唯一残ったリーグ戦に全てを賭けた結果無事決勝まで辿り着くことができました。優勝できるように全力を尽くします。』

#26 山下 龍(内野手) 1997年9月17日生まれ 武相高校~松蔭大学~新波(硬式クラブチーム)
2023年に新たに加わったチーム唯一の社会人野球経験者。高い身体能力と守備範囲、抜群のセンスで早くも内野陣の核を担う存在になっている。打撃ではリードオフマンとして長打もあるチャンスメークでチームの得点力アップにも大きく貢献。決勝戦でもチームに流れを呼び込む好プレーに期待だ。
『青霧のメンバーと最高の舞台で野球出来ることに感謝。青霧が優勝を獲りに行く。』

KFBC(千葉県)今大会 9試合56得点13失点

KFBCの名前の由来は『K:Kashiwa』、『F:Future』、『B:Bridge(Basaball)』、『C:Communituy(Clab)』の頭文字から取った造語で、柏の『人々・企業』の未来への架け橋となれるようなチームでありたいという思いをもとにチーム名をKFBCと命名し、イベントやボランティア活動等、野球を通じた地域貢献も行っている。
そんなチームは2022年に高校の先輩・後輩である片岡、福山で結成し、メンバーは10代〜30代で構成されている。25歳以下が中心の活気溢れる若いチームは学生時代に主力として活躍していたメンバーは数少ないが、ポテンシャルの高いメンバーが多く揃う。所属する柏市野球連盟では2022年秋季大会C級優勝、 2023年は春季大会B級優勝を果たし、無敗でA級昇格を達成。地域貢献と並行し着々と野球でも実績を積み上げている彼らだが、Victoriaには2023年から参戦し、神宮出場を目標にスプリング、サマーのトーナメント2大会に加え今季2部リーグに於いて旋風を巻き起こし、見事に参戦初年度でプロスタ進出の快挙を成し遂げた。
今季の戦績を振り返ってみると彼らの快進撃は見事なもので、予選リーグ戦初陣となった同じ柏市で鎬を削るRossowave相手に敗れはしたものの、2戦目のTokyo Volk戦で7-1と初勝利を挙げると、昨季3部ベスト4の Hustlerを9-3、松戸市の強豪ブラックバイキングスを6-3と次々と下し、攻撃力を武器に勢いを見せ始めた。そして最終戦となった江戸川GLITTERS戦は一転3-0のシャットアウトで勝利を掴み、予選リーグ首位通過を決めた。
今季は『一日一SHOW』(「一生」「一勝」「一笑」)をスローガンに掲げ、野球を楽しみながら勝ちにもこだわってきたと語る彼らだが、決勝トーナメントに進んでも勢いは更に増していく。迎えたSTBCとの準決勝、初回から最終回まで互いにチャンスを作るもあと一本が出ない緊迫した投手戦で試合は進み7回裏。先頭の新井が四球で出塁、続く三上が初球で送り1アウト2塁と得点圏にサヨナラのランナーを進めると、7番人見の投手ゴロの間に2アウト3塁のチャンスを迎え、ここで代打の松澤。この緊迫した場面で松澤は初球を捉え、これが劇的サヨナラタイムリーとなりKFBCは決勝へとコマを進めた。
劇的勝利を収め最高のチーム状態で決勝を迎えることとなるが、そんなチームの面々を見てみると「小柄な選手が多い為、長打力は無いがとにかく繋いで点を重ね、バッテリーを中心に守り勝つ野球が特徴だ」と片岡代表は語る。とは言え予選リーグでは庭田、荒関、新井とHustler戦では3本のホームランを放っており、人見、福山、三上など予選で長打を記録している選手にも神宮での一発を期待したい。更には決勝トーナメント1回戦でのスリーランホームランに加え、準決勝で勝負を決める一打を放った松澤など、あらゆる状況においても得点を狙うことができる打線は魅力的だ。投手陣は年間通してマウンドを守ってきた荒関のピッチングがチームの勝敗を左右し、予選でも登板機会のあった鈴木、山田も万全の状態で後ろに控える。
「柏に住む人々が支え合い共生していける未来を作り、柏という『まち』を誇りと思える環境を作っていくことが目標」とも語るKFBCだが、Victoriaチャンピオンの称号をきっかけ持続可能な街づくりの先頭に立ち、慣れ親しんだ柏を更に盛り上げたいところだ。果たして、柏の未来を担う若武者軍団の戦いの結末は!?地元柏のプライドを胸にいざ神宮へ出陣する!!

≪注目選手≫
#4 田港 永貴(内野手・外野手) 2000年7月24日生まれ 沖縄尚学高校~秀明大学
内外野をそつなくこなす沖縄出身のユーティリティプレーヤー。攻守ともに臨機応変に対応できる頼もしい存在だ。 繋ぎ役に徹することが多いが、出塁率が高く勝負強さも兼ね備えている。方言と指笛でチームを盛り上げるが何を言っているかは分からない。 神宮でもうちなー魂でチームに勢いをもたらす!
『でーじちむドゥンドゥンするやっさ~、、。やしが、しかんでんからよ!!(標準語訳)とてもドキドキしていますが、びびっていません!』

#21 荒関 裕也(投手) 1997年11月6日生まれ 日大東北高校~千葉商科大学
野球よりゴルフを愛するKFBC投手陣の柱。荒削りな部分も多少あるが、今季自己最速を更新した140kmを超える直球に加え、的を絞らせない多彩な変化球も持ち合わせる。前日の鍛え過ぎと飲み過ぎが心配されるが、持ち前の気迫溢れる投球で神宮を湧かせる!
『初回から全力投球!てやんでい!!』

#18 庭田 陸矢(捕手) 1996年4月19日生まれ 市立柏高校~ネブラスカ州立大学
世界を股に掛けるKFBCの頭脳。女房役として投手陣を支える傍ら打者としても4番に座り、攻守で欠かせない存在だ。今季は特に打撃での活躍がめざましく、首位打者としてチームを牽引している。ただ一点、とにかく足が遅い。 神宮を機に走攻守揃った選手になることを期待したい!
『前日睡眠絶対確保!wassup??』

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