特集2023.12.05

Which Win!? -Victoriaリーグ1部総括&ファイナリスト特集-

最高峰リーグの並み居る強豪を撃破し勝ち上がった両雄!新たな最強王者の称号はどちらの手に!?

【Aブロック】 ブロック唯一の全勝を飾り、失点数も僅かに8点と圧倒的な力で首位通過を決めたのはジャンクベースボールクラブ。エース吉藤に加え新戦力も投打で活躍し、その強さを誇示した。2位に入ったブルーサンダースも唯一ジャンクベースボールクラブに敗れはしたものの42得点の攻撃力は存在感を示し、決勝トーナメント進出を決めた。GOLGO BASEBALL CLUBは後半戦に長谷川の好投もあって2年連続でワイルドカードの4枠を掴み取り、Sundays、WILL BASEBALL CLUBは共に予選敗退となったが5月の取材試合で見せた1点差の好ゲームは印象的で、来季は巻き返しを見せてほしい。

【Bブロック】 首位から4位までの勝ち点差は僅かに4点と混戦のBブロックは下町Tempestが首位通過を決め、カップ戦でも好投を見せた望月の活躍がリーグ戦でも際立った。湾岸ベースボーイズはリーグ最終戦となった下町Tempestとの戦いで引き分けを掴み、首位と勝ち点同率で2位に入った。3位のLa.Menも同じく最終戦に相模KOT'Sと引き分けに終わり勝ち点1を獲得、土壇場でワイルドカードの切符をもぎ取った。そしてまさかの予選敗退となった2年連続1部リーグ王者Tropicanaは来季の王座奪還を目指し、常連組である相模KOT'S、Tommys BBCの戦いぶりにも注視したい。

【Cブロック】 今季も主役の座に躍り出たちゃんぷるーず∞は石川、白濱、影山、相原と豊富な投手陣を有して2年連続首位通過を果たし、2位に入った吉岡クラブもブロックトップの僅か6失点と投手陣が躍動を見せ予選通過を決めた。Dejavuも結果は3位ながら金井が好投を続けてワイルドカードに滑り込み、4位のマリモーズは予選敗退となったもののPIECEを1-0で下すなど上位浮上のチャンスは大いにある。そのPIECEはリーグ5位と今季はまさかの下位に沈み、6位のRED HILLも豊富な戦力を有するだけに、2024年は菊岡代表を中心に飛躍に年にしたい。

【Dブロック】 ベテランと若手が噛み合ったジョルターヘッズは今季リーグ首位通過を決め、接戦も多い中で小関監督の手腕が光った1年となった。昨季2部準VのSCRATCHも僅差の戦いが多い中、幸山監督の戦術がハマり年間4勝を挙げ、昇格初年度に決勝トーナメント進出を決めた。はちみつハニー、東京ドナルドダックは互いに3勝を挙げながらも上位2チームとの敗戦が響き予選敗退となり、下位に沈んだ2022年夏覇者の清瀬ロングコックス、昨季50周年のメモリアルイヤーを迎えたダディーズベースボールは上位相手に白星を挙げていただけに悔いの残るシーズンとなった。

【Eブロック】 2022年は連盟大会等で結果を残す中、Victoriaリーグでは予選敗退となったCHUYANS+は今季好調を維持し、Eブロック首位と2023年は主役の座に輝いた。そのCHUYANS+には敗れたものの2位のSaintsはエース佐藤の活躍が光って初の予選通過を果たし、3位にはVictoriaでの戦い方を熟知するREDSOXが入り、2つの引き分けが糸口となってワイルドカードの切符を手中に収めた。同じく予選敗退の4位がんばらんば本舗は今季マウンドに上がった三輪、河合、平山が来季のリベンジを誓い、DOBERMANも初のプロスタを目指し2024年はVictoriaで旋風を巻き起こしてほしい。

【Fブロック】 1部リーグに参戦する40チーム中、最少失点で予選を通過したのはスタイガー。今季もVictoriaを大いに盛り上げた戦いぶりには賛辞を送り、同じく近年のVictoriaを盛り上げる我孫子フラワーズも安定した試合運びで2位通過を決めた。3位に入った東京実業健康保険組合はエース廣岡の好投が印象的で、来季は注目チームの一角として期待を寄せ、ここ2年連続でファイナルに出場していた4位BIGFACEには奮起を見せてほしい。B-Leverageは勝ち星を挙げることができなかったものの、我孫子フラワーズ相手に互角の戦いを演じたことは今後の自信に繋がるだろう。

【決勝トーナメント】 最高峰1部リーグ2連覇中の王者Tropicanaが予選敗退、そして春3連覇中のPIECEも予選で姿を消す中、主役の座を奪おうとジャンクベースボールクラブ、SCRATCH、下町Tempest、ジョルターヘッズは決勝トーナメント1回戦で好ゲームを演じベスト8に進出した。中でもジャンクベースボールは初のプロスタ進出、ジョルターヘッズは11年ぶりのファイナル進出を目指しベスト4を懸けた戦いに挑むも、互いに2-3と僅差で涙を飲み、1点の重みを今まで以上に感じるシーズンとなった。 プロスタを射程圏内に捉えたベスト4にはGOLGO BASEBALL CLUB、CHUYANS+、Saints、ブルーサンダースが残り、中でもSaintsは同じ城東地区で鎬を削るスタイガー、下町Tempestを決勝トーナメントで破るなど、今季の飛躍は大きな話題を呼んだ。そしてハイレベルな最高峰リーグでファイナル出場の切符を掴んだ2チームは、昨季1部リーグで準決勝敗退の苦渋を味わったブルーサンダースと、過去オータムカップで2度の準V、3度目の正直でVictoria初タイトルを狙うCHUYANS+である。 5年ぶりのファイナル出場となったブルーサンダースは予選2位通過も決勝トーナメント以降の戦いは見事なもので、中でも準決勝のSaints戦で伊藤が13奪三振を奪い圧巻の投球でチームをプロスタに導いた。一方のCHUYANS+は予選全勝と負け知らずの絶好調で、安定感抜群の投手陣に加え、準決勝のGOLGO BASEBALL CLUB戦で強力打線が見せた集中打は驚異の一言で、盤石の布陣で決戦に挑む。

近年好成績を残したチームが早々に姿を消し、最高峰リーグの勢力図も変わろうとしている今、幾多の激戦を勝ち抜き栄えある13代目「最強王者」の称号を掴むチームは果たして!? 決戦の鐘は12月17日11時00分、神宮の杜に鳴り響く!!

CHUYANS+(東京都)今大会 8試合54得点17失点

チーム結成は2014年、今年度は結成10年目の節目の年を迎えたCHUYANS+だが、選手は30代から学生まで幅広い世代が所属しており、平均年齢は25歳前後。大学時代に軟式野球を経験した選手が多いのも大きな特徴であり、これがストロングポイントでもある。結成時から代表を務める代表中溝の方針としてチームの和を大事にし、『人間力』を重視するCHUYANS+は選手間の仲も非常に良好だ。「野球の能力だけでなく、人としても素晴らしいメンバーが揃っている」と代表の中溝は自らのチームを語る。
Victoriaでの戦績を見てみると、2017年から2年連続で3部リーグ3位とあと一歩のところで涙を飲むも、2018年はオータムカップで破竹の勢いで勝ち上がり、初のプロスタ進出を決め準優勝に輝いた。その2年後の2020年も再びオータムカップで2度目の準優勝を飾り『秋のCHUYANS+』の異名が付き、以外にもリーグ戦でのプロスタ出場は今回が初めてである。近年は連盟大会を中心に好成績を残しながらもVictoriaでは壁にぶち当たっていたが、3年ぶり3度目のプロスタ、そしてVictoria初タイトルに向け今季リーグ戦に於いては無敗と絶好調だ。
そんなチームの戦い方は、少ない得点を守りきる野球で勝ち星を積み重ね、投手は長年エースとして君臨する植田を中心に大学軟式野球全国優勝経験のある切原、140kmを超える速球が売りの河瀬、大学軟式JAPAN経験者の滝本など、クラブチーム屈指の投手力を誇る。中でも切原は決勝トーナメント全3試合に先発し、自責点はわずかに2点とファイナル進出の立役者となった。枚数豊富な投手陣の女房役には曽我、保木平、中村の大学軟式JAPAN経験者の3枚が扇の要を務め、バッテリーには絶対的な自信を持つ。攻撃面では1番森川、2番管原、3番保木平の大学生トリオが強力で森川、保木平は現時点での打率は4割を超えるなど、神宮では相手の脅威となるだろう。その後にもキャプテン泉、汐田、桑田、佐伯などの好打者が控えており、打線が繋がると大量得点も見込め、中でも準決勝のGOLGO BASEBALL CLUB戦の試合終盤に見せた集中打は見事なものだった。
そして決勝戦では、このメンバーを束ねる代表中溝の戦術面にも注目し、Victoriaでは初となるタイトルを目指して35名全員で『1点を守り抜く野球』を見せてくれるだろう。結成10年目のメモリアルイヤーに花を添え、ファイナル3度目となるCHUYANS+は今年こそ神宮で歓喜の輪を咲かせる!

≪注目選手≫
#7 保木平 楓馬(捕手・外野手) 2001年12月11日生まれ 中京学院大中京高校~日本体育大
高校時代は全国高校軟式野球大会3連覇、大学時代は大学軟式日本代表選出など、軟式野球界の申し子で、走攻守3拍子揃った実力に加え、明るいキャラクターで誰からも愛されるチームの若手スター選手。
『神宮で野球ができることに感謝し、頼もしい先輩方と共に2023年最高の締めくくりにします!』

#38 河瀬 大輔(投手) 1998年9月10日生まれ 桐蔭学園高校~明治大学
140km/hを超える速球と鋭い変化球で圧倒的な成績を残す、チームの看板投手。数々の痺れる激闘を勝ち抜いてきたマウンド度胸は満点。神宮の舞台でも彼のピッチングから目が離せない。
『神宮を堪能しつつ全員で優勝を目指します!』

#46 伊藤 佑馬(内野手) 2002年1月9日生まれ 國學院久我山高校~早稲田大学
チームで唯一、高校時代甲子園にレギュラーとして出場した経験を持つ。持ち前の勝負強さは準決勝で証明済み。チーム一の守備力を誇る名手が今度は神宮の舞台で躍動する。
『最高峰リーグで、決勝という舞台に立てることを、大変嬉しく思います。神宮球場でも全員野球を体現し、頂点を掴めるよう戦います!!』

ブルーサンダース(埼玉県)今大会 9試合57得点21失点

チーム創設32年、埼玉県富士見市の強豪ブルーサンダースが2018年のスプリングカップ優勝以来5年ぶりに神宮の地に帰ってきた。Victoriaには参戦して10年目となるが、過去には2016年2部リーグ優勝、前述した2018年スプリングカップ優勝と2度のタイトル獲得に加え、1部リーグでは2017年と2022年に3位に入り、多くの上位進出経験を誇るブルーサンダース。通称『ブルサン』の愛称で親しまれる彼らだが、今回初めて最高峰リーグでのファイナル進出を決め、プロスタを手中に収めた準決勝では喜びを爆発させたのが記憶に新しい。
その理由として彼らは昨年の1部リーグ準決勝で王者Tropicana相手に0-2で敗れ、その悔しい敗戦から野球を学び、今年に懸ける思いは人一倍強かった。クラブチームが故に毎週戦力が変わる中、試合に出場しなくても不満を表に出すことなく、自己犠牲を惜しまずにここまで戦い抜いたメンバーも多く存在し、「チームを支えてくれる人達がいてこそ今回の決勝進出に繋がったと確信しております」と代表の戸島はチームを冷静に分析する。
今年の戦いぶりを振り返ると対戦相手のCHUYANS+とは対照的に予選は4勝1敗1分けの2位通過と厳しい戦いを強いられたが、決勝トーナメント1回戦のDejavu戦で8点を奪い波に乗ると、準々決勝のジョルターヘッズ戦では逆転勝利を収めた。プロスタが懸かった準決勝は若手のホープSaints相手に中盤までリードを許すものの終盤に鮮やかな逆転劇を演じ、3度目のファイナル出場を決めた。
個々の戦力に注目してみると投手陣の中で真っ先に名前が挙がるのは準決勝に先発した伊藤で、Saints相手に見せた圧巻の13奪三振1失点のピッチングは見事であった。更には決勝トーナメントでも先発マウンドに立ち好投を見せた曽根と白井に加え、今季のオープニングゲームで先発マウンドに立った直江など豊富な好投手を擁する。攻撃面では1発も狙える小島、戸島、伊藤、木村とパワーが持ち味の面々に加え、準決勝で値千金の逆転タイムリーを放った勝負強い橋口など抜け目のない打線が特徴だ。
「神宮決勝では優勝を勝ち取りたいと思います」と戸島代表は語ったが、プロスタでは過去2戦2勝を収めているその手腕にも目が離せないところだ。果たして、プロスタ3度目の今回も勝利の女神はブルサンに微笑むか!?最高峰リーグ王者の称号を目指し、ブルーサンダースがいざ出陣する!

≪注目選手≫
#1 清野 友貴(内野手) 1996年10月8日生まれ 浦和学院高校
打っては上位打線、守ってはショートを任される攻守のキープレイヤー。常に献身的なプレーを貫き、チーム1のブルサン愛を誇る。決勝の舞台でもチームバッティングはもちろん鉄壁の守備に注目だ。
『最高の舞台でダイヤモンドをゆっくり一周したいと思います!』

#9 小島 佑介(捕手) 1989年5月8日生まれ 大宮西高校
ブルサン扇の要として核弾頭として選手を引っ張る兄貴的な存在。守っては強肩、打っては勝負強さを発揮し、長年チームを牽引してきた。Mr.ブルーサンダースが神宮の地で躍動する。
『5年ぶりの神宮で全員野球で勝ちにこだわります!野球をやらせてくれてる家族に感謝して、子供の記憶に残るプレーをします!』

#18 伊藤 勇真(投手) 1998年6月3日生まれ 佐野日大高校
マウンド上では常に表情を変えないブルサン絶対的エース。躍動感抜群の投げっぷりは見る者を虜にする。打者としてもクリーンアップを任される攻守のキーマンが投打でチームを勝利へと導く。
『戸島監督を胴上げ出来るように頑張ります!』

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