取材2023.12.23

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 S R
下町Tempest 1 0 2 0 0 8 1 - 12
GOLGO BASEBALL CLUB 2 0 1 0 0 0 0 - 3

武藤の満塁弾含む一挙8得点のビッグイニング! 下町Tempestが2年前のリベンジ果たし秋の新王者に君臨!!

チーム紹介

<下町Tempest>
平気年齢は25歳、毎週日曜日は6時間ほど活動し、多い日には2試合+練習をするなど、下町の野球好きが集まった若武者軍団。近年Victoriaでも頭角を現す彼らは、2021年のオータムカップに於いて準優勝に輝いたのは記憶に新しく、2022年はプロスタを逃すも春ベスト8、秋ベスト4とカップ戦を中心に多くの好成績を残し今大会でVictoria初タイトルを狙う。チームスローガンは「エラー当たり前、打てなくて当たり前、せっかくの日曜なんだから楽しもう!」と、草野球を楽しむことを第一に活動し、勝ち負けに関わらず終始アットホームな雰囲気を貫くのが特徴。中には動物のあだ名がついてるメンバーがいるなど親しみやすさもあり、野球をやりに来てるのか、動物園に来てるのか分からなくなるほどと自らを語る。エースは望月でオータムカップの並み居る強豪に屈することなく安定感抜群のピッチングを披露。また、昨年はファイナル進出を逃すも2022年に1年間マウンドを守り続けた武藤のピッチングも今大会は冴え渡った。打線も1番から9番まで抜け目なく得点を狙うことができ、中でも2年前の神宮でスタンドに運んだ武藤、準決勝のスタイガー戦でホームランを放ったその日8番の松本など、パワーヒッターを随所に揃える。この日はスプリングカップで惜しくも我孫子フラワーズに敗れ、ダブルヘッダー2試合目のオータムカップに全神経を注ぐ。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<GOLGO BASEBALL CLUB>
Victoriaに参戦してから10年の間に2部、1部リーグ優勝と王者への階段は上りつつも、GOLGO BASEBALL CLUBは長年カップ戦で苦戦を強いられていた。カップ戦での苦い戦いを振り返ってみると、2018年に春3位、同年秋の3位に加え、3年後の2021年も秋3位、そして昨年は夏3位とあと一歩のところでファイナル進出を逃すこと実に4回、カップ戦では勝負弱さを露呈しブロンズコレクターとなっていた。しかし参戦11年目の今季、今までの屈辱を晴らすビッグチャンスがまたしても訪れ、5回目のチャレンジで悲願のカップ戦ファイナル出場を果たした。GOLGO投手陣を紹介すると、長谷川、設楽、渡邊、本多、荒木の5枚の継投が基本路線であり、それぞれが持ち味を発揮し試合を壊す事なく戦えるのが強みでもある。固い守備陣を信頼し、低めに丁寧に投げ続ける事を投手全員が心掛け、中でも2019年にVictoria外野手部門でベスト9を獲得し、近年チーム内でも著しい成長を遂げる渡邊のピッチングは神宮でも楽しみである。その投手達を時に支える攻撃陣は、高い出塁率を誇るリードオフマン川崎(弘)、2番吉田を中軸の川崎(優)、長谷川、設楽、大山で還すのが得点パターン。下位打線にも中野、本多と好打者が揃い、切れ目の無い打線がしぶとく得点を狙う打順構成となっている。更には高打率の松本、津田、大野が控え、重量打線ではないが高い得点能力を発揮し、中でも準決勝で勝ち越しタイムリーを放った川崎(優)、その前を打つ川崎(弘)と川崎兄弟の活躍に注目だ。(詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

1回表、下町Tempestは1アウトから2番滝澤がデッドボールで出塁すると、滝澤がすかさず盗塁とバッテリーエラーの間に1アウト3塁とし、3番武藤が狙い澄ました叩きで幸先よく1点を先制。しかし1回裏、GOLGO BASEBALL CLUBは1番川崎(弘)が内野安打で出塁、続く2番吉田はフルカウントから左中間を深々と破るタイムリー3ベースヒットを放ち同点に追いつく。更には1アウトから4番松本の内野ゴロの間に逆転に成功し、初回から試合が動いた。2回は両チーム無得点で迎えた3回表、下町Tempestは1アウト1塁から1番市川が左中間へのタイムリー3ベースヒットを放ち同点、更に守備がもたつく間にバッターランナーの市川も生還し逆転に成功した。しかしGOLGO BASEBALL CLUBもその裏、川崎(弘)が左中間への2ベースヒットで出塁すると、1アウトから3番川崎(優)のレフトオーバーのタイムリー2ベースヒットが飛び出し、再び同点に追いつく。試合が大きく動いたのは6回表、この回からマウンドに上がったGOLGO BASEBALL CLUB3番手荒木の制球が定まらず、下町Tempestは先頭の武藤がフォアボールで出塁すると、1アウトから5番山本の左中間を破るタイムリー2ベースヒットで勝ち越しに成功。その後チャンスを広げ8番伊藤、9番大石が連続タイムリーで6-3と突き放し、打者一巡して満塁の場面で武藤がレフトスタンドに突き刺すグランドスラムで勝負あり。7回表にも山本のホームランで点差を更に広げ12-3で下町Tempestの勝利、MVPにはこの日決勝打を含む4打数3安打1HRと大暴れの山本が輝いた。敗れたGOLGO BASEBALL CLUBは6回のビッグイニングが悔やまれ、Victoria3度目のタイトル奪取とはならなかった。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<下町Tempest>
何と言っても6回のビッグイニングは球場の誰もが圧倒され、一度波に乗った下町Tempest打線は手が付けられず、最後は武藤の満塁弾で決定的ダメージを与えた。スプリングカップには敗れたものの、既に1試合を経験したからか緊張感も抜け、野球を純粋に楽しむ下町Tempestらしい試合を見せてくれた。MVPには6回表に勝ち越しとなるタイムリー2ベースヒットを放った山本が受賞し、最終回にはホームランを放つなど、この日唯一の猛打賞でチームの勝利に大きく貢献した。更にこの日先発した武藤はGOLGO BASEBALL CLUB打線を3失点に抑え、6回表には自らのバットでも満塁ホームランを放つなどMVP級の活躍を見せてくれた。そして9点差がついた最後の場面で下町Tempestのマスコット『たぬき』の愛称で親しまれる石井が登板したのはチームの粋な計らいで、常日頃からバット引きとして陰でチームに貢献している彼に、試合を締め括る最高の舞台を用意したことは本人にとっていつまでも記憶に残るだろう。下町Tempestにはこれからも草野球を楽しむことを第一に活動し、全員野球で草野球界の第一線を突っ走ってほしい。

<GOLGO BASEBALL CLUB>
中盤までは先発した長谷川と、2番手でマウンドに上がった渡邊が最少失点で切り抜け互角の戦いを演じるが、悪夢のイニングとなった6回の8失点はあまりにも痛すぎる結果となった。たらればにはなるが、3番手としてマウンドに上がる予定だった設楽のケガがなければ勝敗はどちらに転ぶか分からなかっただろう。急遽3番手としてマウンドに上がった荒木も難しい場面での登板となったが荒木自身に大きな責任はなく、むしろあの場面でマウンドに向かった荒木の背中はいつも以上にたくましく見えた。結果的には大差をつけられたが、攻撃面では川崎(弘)が2安打と1番打者の役目をしっかり果たし、3番の川崎(優)は弟をホームに還すタイムリーを放つなど川崎兄弟の活躍はファイナルの舞台でも際立っていた。そして常日頃からベンチより大きな声でチームを鼓舞する水村が打席に立った姿は我々本部スタッフの印象に残り、現在はチームの代表を務める渡邊が神宮の舞台で躍動する姿にも胸を打たれた。惜しくもタイトルは逃したが、最後までGOLGOらしい良い雰囲気で野球ができたことは高く評価したい。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVP interview】 #37 山本 風太

【代表interview】#2 武藤 貫太

Photo Gallery

記事一覧へ戻る