取材2023.12.21

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 S R
我孫子フラワーズ 0 0 0 0 0 0 0 - 0
TOKYO UNICORN 5 0 0 0 0 0 × - 5

夏の新王者はTOKYO UNICORN! 初回一挙5点の先制パンチを鉄壁リレーで完封シャットアウト!!

チーム紹介

<我孫子フラワーズ>
昨秋チャンピオンの千葉県東葛地区の雄、我孫子フラワーズは代表北澤(京)の少年野球および高校時代からのチームメイトを中心に構成され、2016年からチームを結成。Victoriaでのここまでの戦績を振り返ると2020年に3部リーグ3位、続く2021年は2部リーグ準優勝、そして昨年は1部3位に加えオータムカップ優勝と着実に実績を積み重ね、現在ではVictoriaを代表するチームに成長したと言っても過言ではない。 代表の北澤(京)も『対戦相手様には全然強そうに見えないのに。とよく言われるほど、全く雰囲気のないチーム』と語るが、我々大会本部から見てもお世辞にも強そうな雰囲気を感じないというのが正直なコメントである。しかしこれが彼らの戦略でもあり、「気づいたら負けてる。そんなチームを目指して頑張ります」と令和に花を咲かせる草野球界の新しいスタイルを確立した。今季は大きな戦力ダウンを強いられたがこの逆境を力に変え、チーム一同がマイナス面をカバーし合い、蓋を開ければ昨年以上の結果を残す事に成功し、2023年も充実した1年となった。打線でキーマンとなるのはリードオフマンの北澤(京)で、彼の出塁がチームの士気にも大きな影響力を持つ。更に注目選手の佐藤・大塚・堀田に加え、クリーンナップを担う北澤(玲)など強打者が並び、下位打線にはスプリング準決勝のPEACE戦で値千金のタイムリーを放った鳥海など好打者が揃う。投手陣は準々決勝以降北澤(玲)-佐藤(聡)の鉄壁リレーで相手に付け入る隙を与えなかったが、神宮ファイナルでは小澤(礼)や鳥海の登板にも期待が膨らむ。更には前の試合でスプリングカップのタイトルを獲得し、2大会制覇の偉業にも挑戦する。 (詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<TOKYO UNICORN>
コンセプトは日本一パフォーマンスアップができるチーム。大会開幕前からその一風変わったコンセプトに加え、個々のポテンシャルにも注目が集まったTOKYO UNICORNであるが、初戦のDOBERMAN戦で逆転勝利を飾った勢いそのままに夏の階段を一気に駆け上がり、初出場ながらプロスタへの出場権を掴み取った。「個人の能力を高めることに本気でコミットし、その結果チームが強くなることを体現していくチームです」と至ってシンプルな考え方であるが、その言葉通り彼らの野球もシンプルそのもので、バントや叩きは一切なし、打者は打って勝つことに全ての神経を注ぎ、ノーサイン野球を貫き通す。更に投手陣は失点を最小化するために奪三振能力を高め、より確実にアウトを積み重ねることのできる投手を目指し、ここまで戦い抜いてきた。 TOKYO UNICORNの個々の戦力を見てみると、打者は全員確率高く長打を打てる選手を目指すと言うだけあり、ここまでホームランを放っている田中、中島、松崎、渡辺は神宮での一発を期待し、投手陣は絶対的エース野中の出来がチームの命運を握るだろう。そしてチームの創設者でもあり代表を務める前沢は投打共に高い能力を持ち合わせており、神宮での登板に加え、バッティングでも綺麗なアーチを描いてほしい。シンプルな野球を追求する彼らだが、打者は1本でも多くの長打を放ちスコアボードに得点を刻み、投手は1つでも多くの三振を奪いアウトカウントを重ねる。このシンプルな野球をTOKYO UNICORNが結果で示せれば、草野球界全体の野球そのものが変わる日もそう遠くはないだろう。 (詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

1回表、我孫子フラワーズは2アウトランナー1,2塁と得点圏にランナーを進め、5番佐藤(聡)に打席が回るも空振り三振で無得点。 すると1回裏、TOKYO UNICORNは先頭前沢がセンター前ヒットで攻撃の口火を切ると、相手エラーとフォアボールでチャンスを広げ1死満塁のチャンスを作り、5番松崎の犠牲フライで先制点を挙げる。その後6番の黒澤が四球で再びチャンスを広げると、2死満塁から7番渡辺の走者一掃タイムリーツーベースヒットが飛び出し、4-0と更にリードを広げる。そして続く8番渡部も2者連続のタイムリーツーベースヒットを放ち5点目、TOKYO UNICORNが初回で試合の主導権を握った。まさかの展開で意気消沈する我孫子フラワーズは2回以降、北澤(玲)が完全復活し、1人もランナーを出さないパーフェクトピッチングで味方の反撃を待つ。しかし打線の方はTOKYO UNICORN投手陣を攻略できず、中盤以降も毎回のようにランナーを出すがあと一本が出ない。最後は6回から登板したTOKYO UNICORN前沢が試合を締め括り、5-0でTOKYO UNICORNが勝利した。初タイトルを獲得したTOKYO UNICORNは野中-高野-前沢の投手リレーで付け入る隙を与えず、MVPには見事にゲームメイクした先発の野中が輝いた。一方の我孫子フラワーズは2回以降立ち直った北澤(玲)が素晴らしいピッチングを見せるも最後まで打線の援護がなく、カップ戦春・夏制覇の偉業はお預けとなった。 (詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<我孫子フラワーズ>
北澤(玲)が強打のTOKYO UNICORN打線相手に2回以降見せたパーフェクトピッチングは見事だったが、何と言っても初回の5失点が大きく響く結果となった。我孫子フラワーズはスプリングカップで優勝を収め、試合後のインタビューでも北澤(京)が「やり切った感がある」と述べたように若干隙があったのか、それをTOKYO UNICORNは見逃さなかった。しかし、ヒット数はTOKYO UNICORNを上回り、北澤(京)は2安打、小澤(暉)は前の試合に先発した疲れを見せずヒットを放ち存在感を見せると、同じく前の試合で決勝犠牲フライを放った小澤(礼)も2出塁と、2試合を通して少年野球から一緒にプレーする仲間の北澤、小澤兄弟の活躍がひと際輝いていた。今シーズンを振り返ってみても両兄弟の活躍なくして今の我孫子フラワーズを語ることはできないだろう。一方の戦いに敗れはしたものの2大会においてファイナルに出場した事実は賞賛に値し、春先は大きな戦力ダウンを強いられたが悲願の新タイトル獲得を果たすなど、大いに存在感を示してくれた。来年は多くのチームが『打倒・我孫子フラワーズ』を掲げ厳しい戦いも予想されるが、2023年と同様にファイナルの舞台で大きな花を咲かせてほしい。

<TOKYO UNICORN>
初めてのプロスタ進出となったが大舞台で固くなることもなく、特に初回の猛攻はスプリング優勝で波に乗る我孫子フラワーズの息の根を止める素晴らしい攻撃だった。また投手陣も3人の継投が見事にハマり、中でもMVPに輝いた野中の投球は卓越しており、平日はウエイトトレーニングを中心に週4日間のトレーニングを欠かさず、最高の準備でサマーカップを迎えられたことが勝利の要因となっただろう。そしてTOKYO UNICORNの象徴である『打者は1本でも多くの長打を放ちスコアボードに得点を刻み、投手は1つでも多くの三振を奪いアウトカウントを重ねる野球』を神宮の舞台でも体現してくれた。このシンプルな野球をTOKYO UNICORNは結果で示し、令和の草野球を象徴するロールモデルとして他のチームの模範となることは、もはや言うまでもない。最後にチームの代表を務める前沢は、初回に攻撃の口火を切るセンター前ヒットでビッグイニングを演出し、投手としては6回から2イニングを投げ無失点と試合を締め括った。結成初年度でここまでのチームを作り上げた代表の手腕は見事の一言で、前沢代表には最高の賛辞を贈りたい。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVP interview】 #18 野中 歓太

【代表interview】#1 前沢 力

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