取材2023.12.20

TEAM 1 2 3 4 5 6 7 S R
我孫子フラワーズ 0 0 1 0 0 1 0 - 2
下町Tempest 0 0 0 1 0 2 × - 3

スプリングファイナルは投手陣が奮起! 実力拮抗の好敵手が新王者の座を懸け好ゲームを展開!!

チーム紹介

<我孫子フラワーズ>
昨秋チャンピオンの千葉県東葛地区の雄、我孫子フラワーズは代表北澤(京)の少年野球および高校時代からのチームメイトを中心に構成され、2016年からチームを結成。Victoriaでのここまでの戦績を振り返ると2020年に3部リーグ3位、続く2021年は2部リーグ準優勝、そして昨年は1部3位に加えオータムカップ優勝と着実に実績を積み重ね、現在ではVictoriaを代表するチームに成長したと言っても過言ではない。 代表の北澤(京)も『対戦相手様には全然強そうに見えないのに。とよく言われるほど、全く雰囲気のないチーム』と語るが、我々大会本部から見てもお世辞にも強そうな雰囲気を感じないというのが正直なコメントである。しかしこれが彼らの戦略でもあり、「気づいたら負けてる。そんなチームを目指して頑張ります」と令和に花を咲かせる草野球界の新しいスタイルを確立した。今季は大きな戦力ダウンを強いられたがこの逆境を力に変え、チーム一同がマイナス面をカバーし合い、蓋を開ければ昨年以上の結果を残す事に成功し、2023年も充実した1年となった。 打線でキーマンとなるのはリードオフマンの北澤(京)で、彼の出塁がチームの士気にも大きな影響力を持つ。更に注目選手の佐藤・大塚・堀田に加え、クリーンナップを担う北澤(玲)など強打者が並び、下位打線には準決勝のPEACE戦で値千金のタイムリーを放った鳥海など好打者が揃う。投手陣は準々決勝以降北澤(玲)-佐藤(聡)の鉄壁リレーで相手に付け入る隙を与えなかったが、神宮ファイナルでは小澤(礼)や鳥海の登板にも期待が膨らむ。 (詳しくは決勝進出チーム特集へ)

<下町Tempest>
平気年齢は25歳、毎週日曜日は6時間ほど活動し、多い日には2試合+練習をするなど、下町の野球好きが集まった若武者軍団。近年Victoriaでも頭角を現す彼らは、2021年のオータムカップに於いて準優勝に輝いたのは記憶に新しく、2022年はプロスタを逃すも春ベスト8、秋ベスト4とカップ戦を中心に多くの好成績を残し今大会でVictoria初タイトルを狙う。チームスローガンは「エラー当たり前、打てなくて当たり前、せっかくの日曜なんだから楽しもう!」と、草野球を楽しむことを第一に活動し、勝ち負けに関わらず終始アットホームな雰囲気を貫くのが特徴。中には動物のあだ名がついてるメンバーがいるなど親しみやすさもあり、野球をやりに来てるのか、動物園に来てるのか分からなくなるほどと自らを語る。 エースは望月で今大会2回戦以降は望月が一人で投げ抜き、中でも圧巻だったのは準決勝のスタイガー戦。強打者が並ぶ相手打線に屈することなく制球力、球威、テンポどれをとっても一級品で、今季見てきた投手陣の中でも3本の指に入る好投手である。また、昨年はファイナル進出を逃すも2022年に1年間マウンドを守り続けた武藤のピッチングも神宮の地で見られるであろう。打線も1番から9番まで抜け目なく得点を狙うことができ、中でも2年前の神宮でスタンドに運んだ武藤、準決勝のスタイガー戦でホームランを放ったその日8番の松本など、パワーヒッターを随所に揃える。 (詳しくは決勝進出チーム特集へ)

試合展開

我孫子フラワーズは小澤(暉)、下町Tempestは望月の先発で試合開始。1回、2回と両チームランナーを出すも互いに無得点で試合が動いたのは3回表。 下町Tempestが2アウトランナー3塁から相手エラーにより先制点を挙げるが、4回裏に我孫子フラワーズも相手エラーにより1点を奪い、1-1の同点に追いつく。再び試合が動いたのは6回表、下町Tempestが1アウト1,3塁から1塁ランナー望月の盗塁が我孫子フラワーズ大塚の悪送球を誘い、ボールがショート頭上に逸れる間に3塁ランナー武藤が生還し2-1と勝ち越し。しかし6回裏の我孫子フラワーズはノーアウトから1番北澤(京)がライト前で出塁すると、1アウト2塁から3番北澤(玲)が望月の高めに浮いたストレートをジャストミート、打球はセンターを越えタイムリー3ベースヒットとなり2-2の同点に追いつく。更に続く4番小澤(礼)が望月の真ん中に入った甘いストレートをセンターへ高々と打ち上げ、犠牲フライで3-2の勝ち越しに成功。 最終回、我孫子フラワーズは4回からマウンドに上がった佐藤(聡)が3人で抑え3-2で勝利、2年連続でVictoiraカップ戦を制覇した。 優勝した我孫子フラワーズは小澤(暉)-佐藤(聡)が互いに相手打線を自責点0に抑える完璧なピッチングを見せる一方、下町Tempestは望月が6回を3安打3失点(自責点2)と先発投手の役目を果たしたが、打線の援護がなく最後まで我孫子フラワーズ投手陣を打ち崩せなかった。(詳しくはライブ配信動画をご覧下さい)

ファイナル戦評

<我孫子フラワーズ>
まずは先発の小澤(暉)がプレッシャーの掛かる中、3イニング1失点(自責点0)とゲームメイクしたことを称えたい。そして4回からマウンドに上がった佐藤(聡)も4イニングを1失点(自責点0)と好リリーフを見せ、強打が自慢の下町Tempest打線を7回1安打に抑えたことが勝利の要因となった。 MVPには6回裏に同点打を放った北澤(玲)が輝き、好投手望月相手に2安打1打点と見事に望月を攻略した。しかし6回裏の勝ち越し劇の口火を切ったのは兄北澤(京)のライト前ヒットであり、弟のMVPを兄がお膳立てする見事な兄弟愛も見せてくれた。 そして最も印象的だったのが勝利を決めた瞬間で、試合に出場するナインはマウンドに集まる一方、ベンチメンバーは誰一人その輪に加わろうとせず、代表の北澤(京)の呼びかけでようやくマウンドに歓喜の輪を作った我孫子フラワーズらしさに我々大会本部も思わず笑みがこぼれた瞬間だった。 彼らには今後もVictoiraを代表するチームとして大会を盛り上げ、来年はリーグ戦初制覇も目指して戦ってほしい。

<下町Tempest>
打線は望月の1安打のみと強打が鳴りを潜め、最後まで我孫子フラワーズ投手陣を攻略できなかったことに悔しさが残る結果となった。 しかし試合に負けても神宮と言う大舞台を楽しむその姿は印象的で、その中心として最後まで笑顔でマウンドを守った望月に最大限の賛辞を贈りたい。 その望月は得点に繋がった2度の失投が悔やまれるが、6回を3安打3失点(自責点2)と先発投手の役目をしっかりと果たし、球速、コントロール、変化球、テンポ、マウンド度胸と何を取っても一級品であった。今季見てきた投手陣の中で3本の指に入る好投手という大会本部の評価に変わりはなく、絶好調の望月を初見で攻略するのは至難の業だろう。 特に数字には表れにくいがストライク先行で捕手のミットめがけて終始投げ込み、望月のピッチングは攻撃にリズムを与える投球術と言え、是非多くの草野球投手は望月のピッチングを参考にしてほしい。そして下町Tempestには来季再びこの地に返り咲き、望月が歓喜の中心となり頂点に立ってもらいたい。

Victoria Channel

試合フル動画、優勝インタビューはこちら↑

【MVPインタビュー】 #1 北澤 玲阿

【代表インタビュー】#4 北澤 京樹

Photo Gallery

記事一覧へ戻る