特集2024.12.09

Which Win!? -オータムカップ2024総括&ファイナリスト特集-

64チームの頂点を懸けた秋の天王山! 湾岸が4年ぶりのタイトル奪還か、FENRILが初タイトル獲得か!?

今年で7年目を迎えたオータムカップは春夏に比べるとまだまだ歴史は浅いが、シーズン最後のビッグトーナメントとして毎年ハイレベルな激闘が繰り広げられている。年々レベルが上がっており、無論今季も熾烈を極めた秋の頂上決戦だが、今年の4強の顔ぶれを見てみると昨年4強チームの名前は一切無く、戦いの難しさが如実に表れる結果となった。
それ故に初出場チームも苦戦を強いられていたが、リーグ戦にも出場するRascals、森の中のケバブ、白扇社、ぺ~ちゃんずは今季の経験値を活かして来季は飛躍のシーズンとしてほしい。更に初出場の練馬GOLDENHIGHER、ムコウズは2回戦で姿を消したが、夏・秋で得た経験を2024年にぶつけ、同じく初出場の武蔵ホエールズ、こーちゃんず、横浜もみじえいやーず、西埼玉、Adversities、CAMASE-LAら新星も来季の活躍に期待したい。
もちろんオータム出場常連組も黙っておらず、2年ぶり2回目の秋4強入りを果たした参戦8年目BIGFACEはオリジナルメンバーと近年加入した新メンバーが融合し、来年以降も楽しみな存在になりそうだ。更にジョルターヘッズが初の4強に進出し、準決勝に勝てば2012年以来12年ぶりのファイナル進出だったが、この悔しさはきっと来季に晴らしてくれるだろう。そのジョルターヘッズに2回戦で3-5と敗れたGIANT KILLINGは、近年Victoriaで頭角を現してきているだけに2024年は大きな期待を寄せる。
そして、そうそうたる面々を次々と下し、ファイナルへと歩みを進めたのは湾岸ベースボーイズとFENRILだ。1部リーグに続くファイナル進出となった湾岸ベースボーイズは2019年・2020年と2年連続でチャンピオンに輝き秋連覇の輝かしい実績を持つ。しかしながら2020年以降の秋最高成績は昨年のベスト16と近年は苦戦を強いられていたが、先述の通り今季は最高峰リーグ1部でも神宮進出を決めており、2019年以来2大会でのファイナル進出となった。一方のFENRILは参戦3年目とチームの歴史はまだ浅いが、若手を中心にポテンシャルの高いメンバーを揃えており、昨年は2部リーグで準決勝進出と頭角を現している。そして迎えた今季、2部リーグでは予選で姿を消したが、このオータムで挽回し初のファイナル進出を果たした。
7代目オータムチャンピオンの称号を懸けた戦いの行方を予想すると、ここまでは互いに競った試合が多い中、自慢の攻撃力を武器にファイナルまで勝ち上がってきた。両チーム共に好投手を擁するが、相手投手攻略の糸口を早いイニングで見つけ、打線の歯車が噛み合ったチームに勝利の女神が微笑むことになるだろう。また、大舞台の見えないプレッシャーを跳ね除け、普段通り平常心で戦えるかが勝負の行方を左右する1つのポイントとなる。果たして明治神宮野球場で大輪の花を咲かせるのは、4年ぶりのタイトル奪還を目指す湾岸ベースボーイズか!?それともVictoria初タイトル獲得を目論むFENRILか!?来たる12月14日、決戦の地・明治神宮球場で雌雄を決する!!

FENRIL(東京都)今大会 5試合24得点10失点

チーム立ち上げは2022年、1996年世代で結成した北欧神話に登場する巨大なオオカミをモチーフとしたユニフォームが特徴的なFENRILが、メンバーは16名と少数精鋭ながらチーム方針でもある『打ち勝つ野球』をオータムカップで体現し、ファイナルの舞台へと足を踏み入れる。
そんなチームの内情を覗いてみると過去3度の準決勝敗退経験を持ち、惜しまれながらも解散した漁火の選手も何名か所属、2022年のチーム結成時からポテンシャルの高さは窺い知れた。それ故にVictoriaでも着々と実績を積んでいき、初参戦の2022年は3部リーグで決勝Tに進みベスト8、サマーカップでもいきなりベスト8へ進出し、大会本部も将来有望チームとして注視していた。続く翌年の2023年は2部リーグへ自主昇格、予選から好調を維持し決勝T以降も勢いは衰えず、準決勝では惜しくも敗れたもののプロスタを射程圏内に捉え、今シーズン見事にオータムカップでプロスタ進出を果たした。
オータムカップでの戦いぶりを振り返ると、初戦はVictoriaで過去2度のタイトル獲得経験を持つスタイガー相手に4-0の完封勝利を挙げ勢いに乗ると、WILL BASEBALL CLUBやAvengersと言ったプロスタ経験チームを抑え、準決勝へとコマを進めた。迎えたジョルターヘッズとのセミファイナル、昨年は2部リーグで悔し涙を飲み今年の準決勝に懸ける想いは人一倍強かった。その想いはプレーにも表れて初回に3点を先制し、先発の桜井がそのリードを守り3-1で勝利を掴んだ。そして迎える決勝戦、昨年2部準決勝敗退の悔しさを知る戸田やジョルターヘッズ戦で完投勝利を挙げた桜井が勝利のカギを握るだろう。更には代表としてチームを引っ張る強肩の高倉、漁火時代からの主力である四方山、チームの主砲岡本はチャンスにめっぽう強く、彼らの活躍にも注目したい。 『出来るだけ全員試合に出れるようにしてるチーム』と語る彼らだが、選手皆の仲が良くチームワークも抜群で、この神宮の舞台を選手全員が楽しんでいる姿にも目を向けてほしいところだ。
過去6度の秋王者の顔ぶれを見てみると上位常連組や一時代を築いたチームなどの名前がズラリと並ぶが、FENRILは彼らと肩を並べ新時代の寵児となるのか、多くの草野球戦士がFENRILの一挙手一投足に注目する。チーム名の由来でもあるオオカミのよう鋭い眼差しで獲物を捕らえ、FENRILは虎視眈々と頂点を狙う!!

≪注目選手≫
#2 四方山 明寛(内野手) 1996年11月22日生まれ 東海大浦安高校
チーム立ち上げからFENRILを支える主力選手。今大会は全ての試合でショートを守り、守備はもちろん攻守でチームを牽引する。この男の存在無くしてチームの初タイトル獲得はありえない。
『漁火の時からずっと神宮に行けてなかったですが、今年初めて出れるので優勝出来るように頑張ります。』

#18 岡本 天斗(外野手) 1996年5月10日生まれ 修徳高校〜東日本国際大学
FENRIL結成時から常に上位打線をリードする強打者。持ち前のパワーはもちろん、巧みなバットコントロールも持ち合わせ、悲願の神宮の舞台ではその勝負強さを遺憾なく発揮する。
『怪我しないように頑張ります。』

#28 一杉 晃輝(外野手) 1996年9月9日生まれ 総合工科〜中央学院大学
今年からチームに加入した期待の大型新人。加入後すぐさま2番に定着し、好打者が揃うFENRILでチーム1位の安打数を記録。思い切りの良い打撃とここ一番の集中力でチームを優勝へと導く。
『決勝でも打ってチームに貢献出来るよう頑張ります。』

湾岸ベースボーイズ(東京都)今大会 5試合28得点12失点

チーム結成は2008年、今年で16年目を迎えた湾岸ベースボーイズだが、Victoriaには2016年に初参戦を果たした。今季でVictoria9年目のシーズンを迎える品川の雄は、ファイナル5度出場のうち優勝3回、準優勝2回と輝かしい実績を誇る。決勝は2022年の夏以来2年ぶりの出場となるが、1部リーグの決勝においては2018年準優勝以来6年ぶりと最高峰リーグ決勝からは遠ざかっていた。
Victoriaで4つ目のタイトル獲得を目指し迎えた2024年シーズン、今大会は準決勝までの9試合で57得点と主将の藤野、副将の大林(穂)に加え、長濱、渡邊、増田が中心となりチームを引っ張った。40代のベテランと20代前半の若手が融合し、全員が同じ目標に向かって突き進むところが湾岸ベースボーイズの強みの一つであるが、チームは今年6月にスプリングカップ4回戦、サマーカップ1回戦と2週連続で敗退し、どん底を経験した。その悔しい敗戦からチームで何が必要かを徹底的に話し合い、迎えた1部リーグ最終戦でコールド勝ちを収め窮地を脱し、そこから決勝Tとオータムカップを含め見事に9連勝を飾り神宮の舞台を掴んだ。
そんな湾岸ベースボーイズの投手陣を見てみると、今季Victoria13勝を挙げたエース左腕の藤原(凌)と鉄腕米望の左右の2枚看板に加え、抜群のコントロールが持ち味の大林(日)、巧みな投球術が光る長身右腕の瀧瀬、若手には西野、加藤も控える。その投手陣を支えるのは長濱、岡部、小堂の3人で誰がマスクを被っても扇の要として勝利に貢献できるほど層が厚い。更にバックを守るインフィールダーは鉄壁の守備を誇る藤野と大林(穂)を中心に長濱、山田、増田、川上、瀧川、施、松本で形成され、外野は広い守備範囲と強肩を誇る増田と大林(日)、胡麻を中心に酒井、齋、矢野、岩本らで構成される。また内田、渡邊、村上は内・外野守れるチームには欠かすことのできないユーティリティープレイヤーだ。
攻撃面は高い出塁率と俊足を誇るリードオフマンの増田、大林(日)、大林(穂)、山田、胡麻から始まり、渡邊、長濱、酒井、岡部、小堂、村上、藤野、内田、齋、川上、松岡は皆チャンスに強く、誰もが主軸を務められる充実ぶり。さらにミート力の高い施、松本、岩本、黒川、小岩に俊足が光る瀧川の打線で9試合57得点を奪った。そこにムードメーカーの河股と、正3塁コーチャーの松尾も重要な役割を担っていることは言うまでもない。
最後に忘れてはならないのは長年代表を務める宮島がチームを支え、マネージャーも常にベンチから大きな声を出しナインを鼓舞する。4年ぶりのタイトル奪還、そして1部リーグとの2冠獲得を目指し、湾岸ベースボーイズが神宮の杜で勝利の雄叫びを上げる!!

≪注目選手≫
#11 藤原 凌(投手) 2000年6月1日生まれ 二松学舎付属高等学校~東京経済大学(軟式)
今季Victoria13勝を挙げる湾岸左のエース。誰よりも気持ちが強く気迫の投球でチームを導く左腕はピンチの場面でも常に真っ向勝負を挑む。ダイナミックなフォームから繰り出される切れのあるストレートと変化球は必見だ。
『ピンチになっても粘り強くて投げて僕が湾岸を優勝させます。』

#27 小堂 颯来(捕手) 2002年6月9日生まれ 東海大学付属静岡翔洋高等学校~東海大学(軟式)
今季加入した大学軟式日本代表経験を持つ湾岸のニュースター。瞬く間にチームの主力選手となり「小堂の活躍なしではここまで勝ち上がれなかった」と宮島代表も唸る。神宮の舞台では打撃はもちろん、捕手としても注目だ。
『若手らしく思い切ってプレーします!チームの皆さんと全力で優勝を目指します。』

#33 村上 耀(外野手、内野手) 2002年5月2日生まれ 宮城県気仙沼高校(軟式)
進学のため宮城から上京しSNSを通じて湾岸に入団した異色の経歴。入団直後は途中出場も多かったが、若さを武器に脅威の成長力で打撃が開花。今では打線の主軸、ムードメーカーとしてチームに無くてはならない存在だ。
『チーム一丸となって優勝を掴み取り、宮島さんを胴上げします!』

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