特集2025.12.04
【Aブロック】 首位を走ったのはTOKYO NAVYSEALS。春先にはエース冨永の好投がチームに勢いをもたらした。その首位相手に唯一の白星を挙げたTommys BBCも、小菅を中心とした投手陣の奮闘が際立っていた。常勝軍団復活の気配を漂わせるREDSOXは、最終戦で18得点を奪う猛攻を見せたものの、予選突破にはあと一歩届かず。DOBERMANも予選敗退となったが、取材試合で見せた安竹の力投は目を見張るものがあった。さらにGIANT KILLING、清瀬ロングコックスも上位相手に互角の戦いを演じ、来季の巻き返しを期待したい。
【Bブロック】 3年連続で予選リーグ首位通過を果たしたジョルターヘッズは、枚数豊富な投手陣がチームを支え、守備からリズムを作る試合運びが印象的だった。そのジョルターヘッズ相手に最終戦で引き分け、惜しくも2位通過となった東京ドナルドダックも、ブロック最少失点を誇る強力投手陣の活躍が印象的だった。青霧は2試合で引き分けるなど善戦し、来季は上位進出への期待が高まる。さらにダディーズベースボール、SCRATCHも僅差の試合が多いだけに、2026年シーズンを盛り上げる存在となりそうだ。
【Cブロック】 無傷の4勝で首位に立ったのは吉岡クラブ。失点数は僅か3と、ライバルに付け入る隙を与えなかった。その吉岡クラブと最終戦で引き分けたジャンクベースボールクラブも、失点6と投手力の高さが際立ち、両チームの投手陣は群を抜いていた。WILL BASEBALL CLUBは2敗を喫しながらも上位陣に食らいつき、ワイルドカードの全体2位で予選突破。オータムカップ4強のサントリーフーズは春先の2連敗が響き、予選敗退となった。RED HILL、マリモーズも後半戦は善戦していただけに、来季は春先の戦い方が鍵となるだろう。
【Dブロック】 何と4チームが3勝で並ぶ混戦のDブロックを制したのはDejavu。エース曽根がフル回転の活躍で勝利を呼び込んだ。そのDejavuに黒星を喫したPHも、河野が全試合に登板し投手陣を支え、予選突破の立役者となった。ブルーサンダースは投手陣が最少失点で踏ん張ったものの、紙一重の差で一歩届かず予選敗退。PIECEも3勝を挙げながら1点差での敗戦が響き、予選で姿を消した。GOLGO BASEBALL CLUBは2勝止まりだったが、設楽が全試合を投げ抜き安定感を示したことは、3度目のタイトル獲得を予感させる好材料となった。
【Eブロック】 首位に立ったのはCHUYANS+。初戦こそSaintsに黒星を喫したものの、その後の4戦は投打が噛み合い快勝を重ねた。2位の湾岸ベースボーイズも最終戦でCHUYANS+に敗れたが、藤原(凌)、米望の二枚看板が今季も好調を維持し、地力を示したシーズンだった。3位は勝ち点で並んだ中、得失点差でSaintsが滑り込み、下町Tempestもワイルドカード最終枠の全体4位で復活。下位に沈んだ品川オレンジはスプリング4強入りを果たすも予選リーグでは4敗と苦戦、Tropicanaも近年は試練のシーズンが続いているだけに来季の奮起が期待される。
【Fブロック】 カップ戦で好調だったスタイガーは予選リーグでも首位の座を奪い、投打のバランスがとれた総合力の高さを印象づけた。同じくカップ戦で結果を残した我孫子フラワーズも3勝2分けの無敗で予選リーグを戦い抜き、上位2チームはいずれも失点数が1ケタと投手陣の活躍が際立った。今季から1部に昇格したNAYONは、上位相手に黒星を喫しながらもワイルドカード枠の首位で決勝トーナメント進出を果たした。そして、昨年は若手の台頭で復活の兆しを見せたBIGFACEだったが、2025年はリーグ予選で下位に沈み、来季は勝負の一年となるだろう。
【決勝トーナメント】 4強進出を果たした全チームがワイルドカード枠からの復活組という前例のない波乱の展開となった。熾烈を極めた戦いを振り返ると、予選首位通過のジョルターヘッズ、TOKYO NAVYSEALSは1回戦で敗れたものの、予選での圧倒的な戦いぶりは見事で、この敗戦を糧に来季は主役の座に躍り出たい。
さらに、2022年に2部優勝を果たし1部昇格後は2年連続で予選最下位に沈んでいたPHの復活も見逃せない。また、4年連続で8強に進出したジャンクベースボールクラブは今年も壁を越えられず、来季はさらなるチーム力強化に加えて、僅かな運も必要になるかもしれない。
4強には2年連続ファイナル進出中の昨季王者・下町Tempestと、2年連続のファイナル進出を狙うNAYONが入ったが、両者を破り決勝へ進んだのはWILL BASEBALL CLUBとSaintsだった。
9年ぶりに最高峰リーグ決勝へと勝ち上がったWILL BASEBALL CLUBは、近年若手の台頭もあり着実に力を付け、夏場以降さらにギアを上げた。1回戦は予選で敗れた吉岡クラブにリベンジを果たし、2回戦では好調のPHを2-1で下すと、セミファイナルでは昨季王者・下町Tempestを相手にエース池田の快投と攻撃陣の勝負強さで悲願の神宮進出を決めた。
一方のSaintsもワイルドカード枠から夏場以降に力を伸ばし、1、2回戦で強豪ジョルターヘッズ、昨秋王者の湾岸ベースボーイズを撃破。鬼門となる準決勝では序盤から着実に得点を重ね、先発佐藤が終盤にピンチを招きながらも7回無失点の好投を披露し、初のファイナル進出を掴み取った。
両チームの勝ち上がりを見れば、ファイナルでも投手力が勝利の鍵を握ることは明白だ。WILL BASEBALL CLUBは池田を軸に鈴木、海老井が控え、Saintsは佐藤、星、矢代の3枚看板を揃える。好投手を擁する両雄の対決だけに、勝負所での一打が勝敗を左右するだろう。
果たして勝利の女神が微笑むのは2度目のタイトル獲得を狙うWILL BASEBALL CLUBか、ファイナル初出場・初優勝を狙うSaintsか!? Victoria頂上決戦の火蓋は12月21日に切って落とされる!!
チームは2015年に結成、代表を務める高田への厚い信頼のもとにメンバーが結集し、結成初年度から破竹の勢いでサマーカップを制覇。続く2016年も1部リーグ準優勝と2年連続のファイナル進出を果たしたが、2017年以降は主力メンバーの離脱などもあり、常勝軍団としてのスタイルが確立されず成績が振るわなかった。そこから毎年の様にトーナメントでは1、2回戦敗退が続き、リーグ戦では連敗を重ね、長く険しい道のりを歩んだ。
草野球チームにとって、生活環境の変化による主力メンバーの離脱は宿命的な課題だが、気付けば人員不足で試合を行うことすら困難な時期もあった。しかしそんな中、井上、石西、池田ら若手を中心に信頼のおける仲間が集まり、戦力は着実に増強。一筋の光が差し込む中、高田が新旧メンバーを束ね、チームは次第に形を成していった。戦術面も追求し緻密な野球を確立すると、2024年には1部リーグで決勝トーナメントまで進出、惜しくも1回戦で敗れはしたものの、チームが自信を取り戻したシーズンだったと言えるだろう。
確かな前進を実感しながら挑んだ2025シーズン、初戦はエースの池田が完封勝利を飾り幸先よく白星スタートを切ったが、その後2敗を喫し予選リーグ敗退が頭をよぎったものの、ワイルドカード枠で辛くも望みをつなぎ、そこから下克上の快進撃を見せる。奇しくも決勝トーナメント1回戦の相手は予選で敗れた吉岡クラブ。同じ相手に二度は負けまいとWILLナインが奮起し3-0の完封勝利を収め、プロスタが視界に入った。続くPH戦では中盤までリードを許す展開となったが、6回に鮮やかな逆転劇を見せ、大ベテラン海老井が完璧なリリーフで勝利に貢献した。そして迎えたセミファイナルの相手は昨季王者下町Tempestとなったが、ここでもエース池田が圧巻の無四球完投勝利を飾り、9年ぶりに最高峰リーグ決勝戦へ駒を進めた。
チームの士気が最高潮に達する中、WILL BASEBALL CLUBの面々に目を向けると、まずは今シーズンもチームの大黒柱としてフル回転した池田が決勝戦でもキーマンとなるだろう。さらには予選で完投勝利を挙げた鈴木も控えているが、大会本部として注目すべきは大ベテランの海老井。満52歳が見せる巧みな投球術は賞賛に値する。余談ではあるが、Victoria大会本部の石本は約18年前に海老井と対戦した経験があり、当時草野球界で無双状態だった一回り上の海老井の投球に圧倒されたことは、今も鮮明に記憶しているという。そんな海老井が今なお第一線で活躍する姿は感慨深く、神宮の舞台での登板も楽しみだ。一方の攻撃陣は決勝トーナメントで毎試合ヒーローが入れ替わり、どこからでも得点を奪えるのが強みだ。その中でも多くの得点シーンには井上と久保田が絡み、神宮の舞台でも彼らが勝敗を左右する存在となるだろう。そして注目選手として名前が挙がる石西には、長打力を生かした豪快な一発が期待される。
WILL BASEBALL CLUBの特徴として、毎試合のように選手の家族が応援に駆けつけ、時には選手を鼓舞し、声援を送り続けている。2025年シーズンはこれまでの苦労が形となり、リーグ戦決勝の舞台を勝ち取ったが、その心境は選手に負けないほどの熱さを帯びている。チームスローガンでもある『心の繋がり』をプロスタの舞台でも体現し、WILLファミリー全員で10年ぶりの新タイトル獲得を狙う!!
≪注目選手≫
#10 井上 迅(内野手) 1997年11月生まれ
1番打者として主将としてWILLを牽引する28歳のチームリーダー。早いカウントから積極的に仕掛け、鋭いライナーで野手の間を切り裂く。チャンスメイクだけでなく好機では勝負強さを発揮し、二塁手としての守備も堅実だ。
『決勝では、自分の役割を全うし、チームの力になるプレーだけを徹底します。仲間と心をひとつに、全力で戦い、最後までWILLらしい野球で勝利をつかみます。』
#13 石西 真大(外野手) 1999年8月生まれ
普段は柔和な表情でWILLキッズから人気を集める左打者も打席に立てば「怖い存在」と化す。打っては柔らかいスイングから左右に長打を量産。中堅手としても広い守備範囲を誇り、好守を連発してチームを何度も救ってきた。
『チームで目指してきた舞台で野球ができることに、心から嬉しく思います。感謝の気持ちを胸に、思いっきり楽しみたいと思います!』
#44 池田 颯(投手) 1997年5月生まれ
寝坊や遅刻はご愛嬌。アップなしでも打者をねじ伏せるWILLの絶対的エース。直球で押し切る事も、鋭い変化球でかわす事もでき、ピンチでも動じない強靭なメンタルが魅力だ。マウンドでのふてぶてしさは泣く子も黙る。
『9年振りの景色を観に行けるよう、一生懸命投げ続けます!』
チームの歴史は約40年前に遡るSaintsだが、6年前に現監督の中嶋へと指揮官に就任するとメンバーが大きく刷新され、江戸川区で青春を過ごした中嶋の中学クラブチームの仲間たちが集結し、活動をスタートした。江戸川区出身の選手のみが集まるチームの平均年齢は23歳とVictoria所属チームの中でも若手の部類に属され、社会人が7割、学生が3割というバランスで構成されている。
地元江戸川区連盟や東京都大会にも出場する強豪チームのSaintsだが、参戦4年目を迎えたVictoriaリーグのこれまでの戦いを通して「対戦してきたチームは強いことはもちろん、試合での姿勢や、挨拶など素晴らしいチーム様ばかりで勉強になってばかりでした」と語り、若い世代でありながら、謙虚さを忘れない。また、チームが大きな成長を遂げた要因として彼らが挙げるのは、2年前の1部リーグ準決勝での敗退経験だ。「あの試合での悔しさがあったから成長できた」と振り返るように、苦杯を喫した一戦こそが成長の契機となった。そして迎えた今季のスローガンは『挑戦』と掲げ、その背景には「自分らは挑戦者の心を忘れてはいけないし、何より2025シーズンは神宮への挑戦だということでチーム全員で決めました」とあくまで謙虚な姿勢を一貫して示す。
チームの野球スタイルはディフェンス重視のため、全体練習でも守備に多くの時間を割いている。特に佐藤、星、矢代の投手3枚看板を中心に守備からリズムを作るのが特徴であり、幼なじみでもある彼ら3人はライバルとしても互いを高め合っている。内野手ではショートを守る早川(雄)に注目が集まり、年間のエラー数も極めて少ない安定感抜群の選手だ。さらに早川(大)を加えた早川兄弟が中心となって内野陣を統率し、その後方を守る外野手は強肩が魅力の尾崎と山本が今年も数多くの補殺を記録し、チームの勝利に大きく貢献してきた。
一方の打撃陣は主将の山本が打線に火をつけ、勝負強い打撃が光る小堀、井澤らが脇を固める。さらには4番を打つ早川(大)は昨年チーム三冠王に輝き、打撃センスはチーム随一とされる信頼の厚い選手だ。他にもポテンシャルの高い選手は多く、広角に強い打球を放つ長打力が魅力の堤、フルスイングが特徴の尾崎、俊足を武器に足で掻き回す徳丸、早川(雄)の走塁などにも注目したい。リザーブメンバーにも代走のスペシャリスト森、小技が上手くユーティリティ性の高い小林などが控え盤石の布陣だ。また、チームのムードメーカー伊藤もSaints注目選手の1人で、監督曰く「この選手は、大会などで出してあげれることはなかなかありませんが、チームのために毎週ボール拾いやバット引き、道具運びなど率先して行ってくれている選手です。チーム全体の信頼も厚く、伊藤のためにも優勝したいと思っている選手が多数います」とチームからの信頼も絶大だ。
監督の中嶋は最後に「Saints監督として6年間ほど活動してきましたが、選手たちにはこの神宮で、関わっていただいた全ての皆様への感謝の思いをもって、楽しんでプレーして欲しいと思っています」と最後まで感謝の言葉を忘れない。
そして決勝戦に向けては「このような素晴らしい舞台で、試合ができることに感謝し、思いっきりプレーし神宮球場で、Victoria全てのチームの代表として楽しんで、大暴れして優勝を掴み取りたいです!」と間近に迫る戦いを前に意気込みを語ってくれた。果たして平均年齢23歳の若武者軍団は最高峰リーグの頂を掴むことが出来るか!? メンバー全員が一丸となり、最強王者の称号獲得に挑む!!
≪注目選手≫
#10 山本 康聖(外野手) 2004年11月生まれ
Saintsの精神的支柱であり、頼れる主将。不動の1番打者としてチームに流れを生み、外野からの大きな声で投手を鼓舞する元気印。広角に強打を放つ実力者はチームトップの打率を誇り、中嶋監督が最も期待を寄せる存在だ。
『ファイナルまで来れたのは裏でセインツ支えてくれた方々のおかげだと思っています。その方々への感謝の気持ちを忘れずに、全力で暴れ、初優勝を掴みます!』
#11 小堀 主真(内野手・捕手) 2001年4月生まれ
Saints最年長組の一人で中嶋監督らと同級生。内野手として活躍後、今季途中から本職の捕手に再コンバート。一発を狙える豪快なスイングと確かな選球眼を持ち合わせ、クリーンアップを担う勝負強い打撃でチームを支える。
『最年長の活躍が勝利の鍵を握ると思うので、その一人としての意地を見せれるよう、勝負強いバッティングをして全員で優勝を掴み取ります!』
#17 佐藤 光真(投手) 2003年1月生まれ
Saintsのエースでありチームの顔。学生時代はエースに届かなかったが草野球で進化を遂げ、真っ直ぐと分かっていても詰まらされる強烈な直球が武器。2年前の準決勝敗退で味わった悔しさを胸に神宮でリベンジに燃える。
『ずっと目標にしていた神宮での試合を精一杯楽しんで、優勝して体重100キロ超えの中嶋監督をを胴上げするために頑張ります!』