特集2025.11.23
Victoriaの大会史において初年度から数々の激戦が繰り広げられてきた春の頂上決戦スプリングカップだが、今シーズンもまだ寒さが残る3月上旬から新たなドラマが次々と生まれた。
まず触れておきたいのは、例年常連チームの順当な勝ち上がりが目立つスプリングカップだが、その中でも新規参戦組の横浜ジャイアンツがベスト8進出と大いに存在感を示した。彼らは過去プロスタ経験のあるBIGFACE、今季1部リーグでプロスタ進出を決めたSaints相手に白星を挙げており、その戦いぶりは次なる飛躍への自信となるだろう。その横浜ジャイアンツ相手に3-2と競り勝ち、8年ぶりのスプリング決勝進出を狙ったREDSOXは惜しくもベスト4で姿を消したが、常勝軍団の復活を鮮烈に刻み込んだ。きっと彼らも今季の経験が糧となり、遠くない将来にプロスタの地へ返り咲くだろう。
順当な勝ち上がりが続く一方で桜が散り終えた4月中旬には波乱が巻き起こり、昨年王者のPEACEがDejavuに対して2ケタ得点を許し、まさかの初戦で姿を消した。そのDejavuは春3連覇の経験を誇るPIECE相手に敗れるも、今季もVictoria各大会で示されたポテンシャルの高さは、誰もが認めるところだ。更には6年越しとなる悲願のファイナル初進出まであと一歩及ばなかった品川オレンジだが、新たな強豪の台頭を鮮烈に印象づけた。
今大会は各チーム代表者のご尽力により、不戦試合は僅か1試合にとどまり、ここに改めて感謝の意を示したい。そんな中で記念すべきスプリングカップ第15回大会のファイナル進出を決めた2チームは、準決勝で品川オレンジ相手に完封リレーを飾ったスタイガーと、同じく準決勝のREDSOX戦で完封リレーと、昨季春凖Vのプライドを見せつけた我孫子フラワーズであった。
2年ぶりの春王座奪還を目指すスタイガーは、3回戦まで前評判の高い強力打線の歯車が噛み合い、3試合で29得点とインパクトを与えると、鬼門となる準々決勝、準決勝は一転してロースコアの展開となるも自慢の投手陣が躍動し、2020年の夏以来5年ぶりのファイナル進出を掴み取った。
一方、2年ぶりの春王座奪還を目指す我孫子フラワーズは、今シーズン序盤から北澤(京)の怪我などネガティブな要素が重なるシーズンとなったものの、兄の欠場をカバーする北澤(玲)の投打に渡る活躍や、北澤(京)の穴を埋める意識がチーム全体に芽生え、見事3年連続となる春ファイナル進出を決めた。
奇しくもファイナリストの2チームは、1部リーグでも同ブロックで対峙しているが対戦結果は4-4の引き分けに終わっており、今季2度目となる再戦の地が聖地・神宮球場と最高の舞台が整った。果たして15代目の春チャンピオンに輝くのは!? 両チームとも優れた投手陣を擁しているが故に緊迫の投手戦が予想される中、決戦のゴングは12月20日(土)8時30分、明治神宮野球場で鳴り響く!!
毎年のように上位争いに食い込む活躍は見せるものの、あと一歩のところで涙を呑んきたスタイガーだが、結成37年目を迎えた今シーズン、『Victoria4冠』を不動のチーム目標に掲げ、5年ぶりのファイナル進出を決めた。
7年ぶりのタイトル奪還を目指すチーム全体を見渡してみると、35歳のメンバーが9名と技術面・精神面共に成熟度の高い面々が顔を並べ、そこに20代前半~中盤の若手が台頭し世代融合を体現する。
個々のメンバーに目を向けてみると、今年の投手陣を支えてきたのは長年エースとしてチームの為に腕を振ってきた三瓶、さらに最年少の佐藤がWエースとして大車輪の活躍を見せ、彼らはエース格の小野、黒野、奥村のコンディション不良による離脱の穴をしっかりとカバーをした。
復帰目前の故障組がVictoriaのステージで輝く姿が待ち遠しいが、他にも塩味、岡崎、山本、伊藤、川崎、濱野など野手と投手を兼任しながらも与えられたマウンドで確実に結果を残し、チームの屋台骨を支えてくれた。
その投手陣を支えるのが、スタイガーの強みの1つである捕手陣の層の厚さであり、川崎、伊藤、濱野、塩味に加え、草野球経験豊富な奈良場が2025年シーズンから新たに加わり、誰がマスクを被っても盤石なリードを見せる頼もしさがある。
さらにバックを守る内野陣も豊富な戦力を有し、チーム全員から絶大な信頼を寄せる一塁手の山本と遊撃手の水越を中心に新津、岡崎、宮崎、三井らで堅実な守備を展開し、最小限の失点で切り抜ける。
一方、対戦したチームからも定評のある攻撃面では、クリーンアップの柿間と間渕に加え、岡崎、藤岡、三井といった長距離砲が顔を並べる。そこに村上、川崎、水越らがスピードとパワーを兼ね備えたリードオフマンとして攻撃の起点を担い、厚みのある打線を形成する。
最後に忘れてはならないのが長年チームの中心として活躍する主将の阿部や、出場すれば選手としても結果を残し、大きな試合では頼もしいベンチワークを見せる遠藤や細田もチームとしては欠かせない存在だ。
そして4度目となるVictoriaファイナルの舞台でも最後までスタイガーらしい野球を見せ、チームが苦しい時でも陰で支え続けてきた5人のマネージャーに向けても勝利を届けてほしい。春としては12年ぶりの王座奪還を目指し、チームのロゴでもある獲物を狙う虎のように虎視眈々と勝利を目指す!!
≪注目選手≫
#6 川崎 翔(捕手・内野手) 1999年10月生まれ
チームで最も代えが利かない扇の要兼攻撃の要。走攻守3拍子が揃い、盗塁数、OPS、捕殺数など毎年チームTOPレベルの成績を残し続けている。神宮の舞台でも全てのプレーが見所の選手だ。
『チームメイトのおじさんたちの足を引っ張らないように頑張ります笑 優勝します!』
#8 新津 拓弥(内野手) 1991年10月生まれ
三塁、二塁どちらを守っても安定感抜群の守備を見せ、今季も優れた状況判断で幾度となくチームのピンチを救ってきた。攻撃では高い選球眼と出塁率に加え、小技から長打まで対応できる柔軟性を備えている。
『優勝あるのみ!とにかくチームが勝てれば良いですが、どんな形でもチームの力になりたいと思います!』
#28 水越 涼(内野手) 2001年7月生まれ
攻守にわたりチームを牽引する若き遊撃手。広い守備範囲に加え、圧倒的な肩の強さと正確なスローイングが最大の魅力だ。攻撃面でも好機にめっぽう強く、攻守両面で際立った存在感を放っている。
『先輩方が目指してきた舞台で試合ができることに感謝し、全力プレーで迷惑かけないよう、優勝目指して頑張ります!』
平成から令和へと時代が移り変わり、2021年からVictoria各大会で優勝2回、準優勝3回と華々しい成績を残す我孫子フラワーズだが、5年連続ファイナル出場を成し遂げた今季、彼らは例年とは異なる幾多の試練を乗り越えてきた。
今シーズンはチームの顔でもある我孫子の核弾頭・北澤(京)が大ケガにより戦線離脱、主砲の佐藤(聡)は6月まで留学、扇の要として献身的にチームを支え続けている大塚も準決勝はケガで欠場と苦しいチーム状況の中ファイナル進出を掴み取り、今後のチームにとっても大きな成長を遂げたシーズンだったと言えるだろう。
そんな中、チームを支えたのは北澤兄弟の弟・北澤(玲) で、投げては今大会17イニングで僅か自責点1、打っては打率7割と驚異的な数字を残すなど、文字通り投打二刀流の活躍でファイナル進出の立役者となった。中でも準決勝のREDSOX戦で放った先制ツーランホームランは、2025年の取材試合の中でも印象に残るホームランで、チームとして今季1つ目の目標である『神宮進出』を早々に実現させた。
さらに代表・北澤(京)の穴を埋めたのが同じ高校の2学年下の金本であり、現在チームトップの打率、出塁率を誇り我孫子打線を牽引。準々決勝、準決勝では2試合連続の猛打賞を放つなど、非凡なバッティングセンスを魅せつけた。そんなこともあってか、チーム内に『代表不要説』が広がりつつあるそうだが、彼らはチームに染み込んだフラワーズ野球を土台に『誰が出場しても勝てるチーム』へと成長した。
令和以降、毎年上位に名を連ねる彼らはもはや紹介不要であるが、チームは代表・北澤(京) の少年野球チームから高校の仲間で立ち上げ、今年が結成10年目と1つの節目を迎えた。チーム紹介で毎年恒例となっている『私利私欲にまみれた男』の異名を持つチームオーナー星野の現状は、相変わらず競馬漬けの日々を送りながら、野球では規定打席を割ってオーナー職を解雇されるという例年同様の珍事が起きた。グランド外でも仲の良さが垣間見える我孫子フラワーズだが、今季2つ目の目標は『チームメンバーで飲み会を開催する』との事で、意外にもグランド外で会う機会は皆無だと言う。
「昔からの仲なのでわざわざ会わなそうですが、今年は神宮優勝して祝勝会を開催できるように頑張ります」といつも通り淡々と語る彼らだが、今季こそ2年ぶりの王座奪還を果たし、勝利の美酒に酔いしれることが出来るのか!?
最後に「まだまだ我孫子(あびこ)と読めない方が沢山いるので、我孫子の名を轟かせます!」と語気を強めた。
≪注目選手≫
#5 佐藤 聡紀(外野手) 1997年9月生まれ
留学を経て、ついにチームに帰還した天才打者。準決勝からの合流ながら、投打両面で存在感を放つ頼れるキーマンだ。卓越した野球センスを武器に、今年も神宮の舞台で躍動する。
『今年こそホームラン狙います』
#16 金本 拓弥(内野手) 2000年2月生まれ
今年ブレイクを果たした注目の若武者。巧みなバットコントロールでチャンスを演出し、現在はチームの首位打者を走る。セカンドの守備でも抜群の安定感を誇る、攻守に頼れる存在だ。
『代表は高校の2個上の先輩ですが、セカンドはもう僕のものです。神宮初ヒット打ちます!』
#44 佐藤 守(外野手) 1991年10月生まれ
アスレチックトレーナーとしてリハビリ・怪我予防・応急処置・健康管理など多方面でチームを支える縁の下の力持ち。ひとたび試合に出場すればチームの士気を一気に高める目が離せない存在だ。
『チームの勝利に貢献できるように頑張ります。』