その1試合目は、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドを舞台に行われた「Revival vs 葛飾セブンベースボールクラブ」の一戦。バトルの先攻は、先日の取材ゲームで執念のサヨナラ勝ちを収めるなど、全員野球をモットーとする新星葛飾セブンベースボールクラブ。無論、この試合も全員で声を嗄らし、チーム一丸で2回戦突破を狙う。対する後攻は、決勝トーナメント進出を懸けた1部リーグ最終戦とのダブルヘッダーに挑んだRevival。特にこのサマーカップに関しては昨年、ファイナル出場にあと一歩と迫った準決勝でまさかの大逆転負けを喫しているだけに、今大会に懸ける思いは出場チーム一と言っても過言ではない。すると、そんなRevivalの気迫は初回から剥き出し。1アウト2塁のチャンスで3番高橋が左中間へとタイムリーを放ち先制点を齎せば、5番小林のレフト前タイムリーに押し出し四球などで、この回一挙4得点を奪取。更には終盤6回裏にダメ押しとなる追加点を奪い5対0とすると、投げては先発の山田が葛飾セブンベースボールクラブ打線を散発3安打のみに抑える力投で完封。まさに投打で隙の無い野球を見せつけたRevivalが圧倒し、ベスト16進出を決めた。一方、強敵を前に成す術無く敗れてしまった葛飾セブンベースボールクラブ。初出場となった今大会は2回戦で姿を消す事となってしまったが、来季は1回戦で見せた粘り強さに一層磨きをかけ、大いなる飛躍を期待したい。
続くもう一試合は、早くもベスト8を懸けた争いとなった「萩中サンダース vs 相模原ウインズ」の3回戦。サマーカップ2014以来のベスト8進出を狙う萩中サンダースに対し、相模原ウインズは昨年のサマーカップ以来の8強入り挑戦となる。そんな両雄のマッチアップは、実力者同士の激突故にスタート直後から激しく火花を散らした。初回、先攻の萩中サンダース打線が3番村井のタイムリーで1点を先制すれば、対する相模原ウインズもその裏、4番松浦のタイムリーですぐさま同点に追いつき、立ち上がりから一歩も譲らない。そんな痺れる展開で推移していったゲームは迎えた中盤4回裏、相模原ウインズの4番松浦が今度はソロHRを放ちチームに追加点を齎すと、結果この一発が決勝点。投げては先発のチームリーダー松木が萩中サンダース打線を初回の1点のみに抑え込む力投を披露し、7回完投。先制されながらも主砲の2打点でゲームをひっくり返し逃げ切った相模原ウインズが今春の成績を上回る
8強入りを果たし、初となるファイナル進出へ一歩前進した。
続くもう1つの戦いは、スプリングカップ2011のファイナリスト同士が相対する事となった「ジョルターヘッズ vs VICTORYS」のカード。両者共、毎年のように各大会で上位進出を果たすも今一つ満足のいく結果が残せず、その結果2011シーズン以来ファイナルの舞台から遠ざかっている。そんな両者はこれまで3度の対戦があり、戦績は2勝1敗とややVICTORYSに分がある。だが、予選Cブロックを4勝2分の負け無しで首位通過を果たしてきたジョルターヘッズは、ジェイスBCとの一戦で見せつけた勝負強さなど、特に今季は攻撃陣の仕上がりが一味も二味も違う。対するVICTORYSは今季、このリーグ戦一本に照準を合わせてきただけに、ここで負ける訳にはいかないのだ。するとゲームは初回、そのVICTORYS打線が四死球2つでチャンスを掴むと、相手守備陣のミスから1点を先制し先手を取る。しかしゲームはその裏、好調ジョルターヘッズ打線が藤松、小関の連打でチャンスを作り出すと、続く池中の放った一打が野選を誘い同点。更に尚も続くチャンスで生田にタイムリーが飛び出し2点目を奪えば、エラーでも加点し4対1と一気に逆転。その後ゲームは両投手の好投で拮抗した展開となるも迎えた終盤、再びジョルターヘッズ打線が躍動。4回に小関、生田のタイムリーで2点を追加すると、6回には藤松のタイムリー2ベースヒットで7点目を奪取。また、守ってもVICTORYS打線を初回の1点のみに抑え込むなど投打で圧倒したジョルターヘッズが7対1のスコアで勝利し、昨年苦汁を舐めた1回戦を見事突破。VICTORYSとの対戦成績を五分に戻すと共に悲願の初優勝へとこれ以上無い最高のスタートを切った。
続いては、新星同士の激突となった「SK WINS vs King☆Johnny」の一戦。共に予選ブロック2位通過同士の対決とあってゲームの行く末は予測不可能ではあるが、予選リーグ3位の52得点を誇る強力SK WINS打線の打力対、同じくリーグ3位タイの9失点で硬い守備力を見せつけたKing☆Johnny守備陣のディフェンス力というバトルの構図が予想される。そんな推測の中でスタートしたゲームは序盤、先に力を見せつけたのはSK WINS攻撃陣だった。初回に続き3回表にも主軸の一打で計3得点を積み重ねた打線は、加えて挟殺プレーの間にも1点を追加し4対0とリードを奪う。だがしかしゲームは迎えた終盤5回裏、ここまで沈黙していたKing☆Johnny打線が2番木下のライト前タイムリーで1点を返し反撃の狼煙を上げると、3番佐藤、6番藤尾の連続2点タイムリーで5対4と怒濤の逆転劇を演じた。すると、ゲームはここで制限時間によるタイムアップとなり勝負は決着。土壇場も土壇場で執念に加え勝負強さを発揮したKing☆Johnnyが目には目を言わんばかりの破壊力で打ち勝ち、自ら奇跡的と語る大逆転劇で1回戦突破を決めた。一方、敗れたSK WINSだが、今季の彼らが見せた圧倒的な攻撃力は無限の可能性を秘めていて、まだまだ発展途上であり、早くも来季の活躍が期待される。
残る最後の1戦は、昨年の2部リーグで苦しいシーズンを過ごし、今季から戦いの場をこの3部リーグに移し再起を誓う砂町ドンフェイスと、先に行われたサマーカップの一戦では春のファイナリストに決定しているTABOOと接戦を演じるなど、ワイルドカードでの決勝トーナメント進出ながら優勝候補の一角である豪球会の対決。そんな両雄のバトルは「SK WINS vs King☆Johnny」の一戦同様、僅差の好勝負となった。そのゲームは1回裏、豪球会打線が3番竹本の2ランHRに6番熊谷のタイムリー3ベースヒットなどで一挙4点を先制する。一方の砂町ドンフェイス打線はというと直後の2回表、5番安田のソロHRで1点を返すと、続く3回表には3番望月、6番城戸の連続2点タイムリーで4点を奪い返し、一気にゲームをひっくり返す。その砂町ドンフェイス打線は5回表にも4番三井のソロHRで1点を追加すると、粘る豪球会の反撃を5回裏の1点のみに止め逃げ切り勝利。3本のHRが飛び交う壮絶な打ち合いとなったゲームは、最後に主砲の一撃で決勝点を奪った砂町ドンフェイスに軍配が上がり、1年での2部リーグ復帰を視野に入れた3部制覇に向け上々のスタートを切った。一方、優勝候補に名前が挙がりながらも初戦で姿を消す形となってしまった豪球会。だが、初出場となった今季の戦いぶりは実に見事であり、来季の更なる飛躍は間違いない存在と言えるのではないか。