TOP > 今週のVictoria(2016年) > 「ウインズが夏8強!決勝T進出チーム確定のリーグ大会では強者達が火花!!」
9月最初の日曜日となった4日。この日、真夏の一戦必勝バトルとして熾烈な戦いが続くサマーカップでは、それぞれベスト16入り、ベスト8一番乗りを懸けた2試合が繰り広げられた。

その1試合目は、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドを舞台に行われた「Revival vs 葛飾セブンベースボールクラブ」の一戦。バトルの先攻は、先日の取材ゲームで執念のサヨナラ勝ちを収めるなど、全員野球をモットーとする新星葛飾セブンベースボールクラブ。無論、この試合も全員で声を嗄らし、チーム一丸で2回戦突破を狙う。対する後攻は、決勝トーナメント進出を懸けた1部リーグ最終戦とのダブルヘッダーに挑んだRevival。特にこのサマーカップに関しては昨年、ファイナル出場にあと一歩と迫った準決勝でまさかの大逆転負けを喫しているだけに、今大会に懸ける思いは出場チーム一と言っても過言ではない。すると、そんなRevivalの気迫は初回から剥き出し。1アウト2塁のチャンスで3番高橋が左中間へとタイムリーを放ち先制点を齎せば、5番小林のレフト前タイムリーに押し出し四球などで、この回一挙4得点を奪取。更には終盤6回裏にダメ押しとなる追加点を奪い5対0とすると、投げては先発の山田が葛飾セブンベースボールクラブ打線を散発3安打のみに抑える力投で完封。まさに投打で隙の無い野球を見せつけたRevivalが圧倒し、ベスト16進出を決めた。一方、強敵を前に成す術無く敗れてしまった葛飾セブンベースボールクラブ。初出場となった今大会は2回戦で姿を消す事となってしまったが、来季は1回戦で見せた粘り強さに一層磨きをかけ、大いなる飛躍を期待したい。

続くもう一試合は、早くもベスト8を懸けた争いとなった「萩中サンダース vs 相模原ウインズ」の3回戦。サマーカップ2014以来のベスト8進出を狙う萩中サンダースに対し、相模原ウインズは昨年のサマーカップ以来の8強入り挑戦となる。そんな両雄のマッチアップは、実力者同士の激突故にスタート直後から激しく火花を散らした。初回、先攻の萩中サンダース打線が3番村井のタイムリーで1点を先制すれば、対する相模原ウインズもその裏、4番松浦のタイムリーですぐさま同点に追いつき、立ち上がりから一歩も譲らない。そんな痺れる展開で推移していったゲームは迎えた中盤4回裏、相模原ウインズの4番松浦が今度はソロHRを放ちチームに追加点を齎すと、結果この一発が決勝点。投げては先発のチームリーダー松木が萩中サンダース打線を初回の1点のみに抑え込む力投を披露し、7回完投。先制されながらも主砲の2打点でゲームをひっくり返し逃げ切った相模原ウインズが今春の成績を上回る 8強入りを果たし、初となるファイナル進出へ一歩前進した。
             先制打を放ったRevival 高橋選手
             8強入りを決めた 相模原ウインズ
             好投を見せたウインズ 松木投手
2部リーグ ワイルドカード順位表(全3チーム確定)
順位 チーム名 消化試合 残り試合 勝率 得点 失点
1 5 0 3 0 0.6 33 24
2 5 0 3 0 0.6 15 9
3 5 0 3 0 0.6 16 12
4 5 0 3 0 0.6 20 16
5 5 0 3 0 0.6 27 25
※ワイルドカード枠 詳細→【順位確定について】
同点打を放ったRevival 榎本選手
完封勝利を挙げた WILL B.C
圧巻の投球を見せつけたWILL 樋口投手
ワンチャンスをモノにした 東京ドナルドダック
先制打を放ったドナルドダック 菊谷選手
7得点の快勝を飾った ジョルターヘッズ
ダメ押し打を放ったジョルター 藤松選手
投打が噛み合った 吉岡クラブ
復活の投球を見せた吉岡 菊池投手
この日、決勝トーナメント進出への残り1枠を懸けたCブロックの一戦と、いよいよ始まった決勝ラウンド1回戦4試合の計5カードが繰り広げられた最高峰リーグ。

その中で先ずは、予選リーグCブロックの最終戦。戦い先攻は、この後にサマーカップの一戦を控えているだけに、そこへと弾みをつける意味でも引き分け以上の結果を残して決勝トーナメント進出を決めたいRevival。対する後攻のはちみつハニーは、5位からの大逆転進出を狙うには6点差以上の勝利が絶対条件とあって、攻守での奮起が必要となる。そのゲームは初回、はちみつハニーの先発今藤(陸)を攻めたRevival打線が、2アウト2塁から4番小林の放ったライトへの2ランHRで2点を先制する。対するはちみつハニー打線もその裏、Revivalの先発松山から3番今藤(渓)が同じくライトへとHRを放ち2対1。すると、そのはちみつハニー打線は3対1と再び2点差とされ迎えた2回裏、エラーとヒットでノーアウト1、3塁のチャンスを作り出すと、松山の牽制悪送球による1点に、内野ゴロの間に奪った1点を加え同点とする。更に迎えた4回裏には、6番森田にソロHRが飛び出し4対3と遂にゲームをひっくり返す。しかし、決勝トーナメント進出へ更なる猛攻を仕掛けリードを広げたいはちみつハニーだったが、5、6回と追加点を奪えずにいると最終7回表、2番手の冨塚がRevivalの9番榎本に同点打を浴び4対4で試合終了。ゲームこそ痛み分けとなったが、先の戦いを見据えた上では両者の明暗はくっきりと分かれる形となり、決勝トーナメント最後の1枠にはRevivalが滑り込む事となった。

続く3試合は、大宮健保グランドを戦いの舞台とした決勝トーナメント1回戦のマッチアップ。
先ず午前9時にプレーボールしたのが、サマーカップ2015ファイナルの再現となった「WILL BASEBALL CLUB vs MKY88」の一戦。どこか因縁めいた両雄の対決は、昨年の最高峰リーグ、サマーカップ、そして先に行われたスプリングカップ準々決勝と今回で4度目。戦績だけを見れば2勝1敗とWILL B.Cが勝ち越してはいるが、手の内を知った者同士のバトルとあって、ゲームの行方は蓋を開けてみないと分からない。そんな戦前の予想の中始まったゲームは1回裏、1番海老井のヒットを口火に犠打、盗塁でWILL B.Cが1アウト3塁のチャンスを作ると、このいきなりの好機に迎えた3番木田がレフトへとタイムリーを放ち1点を先制。更にWILL B.Cは3回裏、2アウトランナー無しの場面で打席に入った5番政(直)が右中間を破るソロHRを放ち追加点。MKY88のエースである好投手高橋から幸先良く2点を先取し、前半を折り返す。一方、出鼻を挫かれたMKY88は2点を追う5回表、5番石塚の放った内野安打に送球エラーが絡みノーアウト2塁と一発が出れば同点という場面を演出する。しかし、夏場に入って本来の調子を取り戻してきたWILL B.Cの絶対的エース樋口の前に後続が凡退し無得点に終わると、その後もチャンスらしいチャンスを作れないままゲームセット。終わってみればそのエース樋口が序盤に貰った援護を3塁すら踏ませない被安打3無失点のピッチング内容で守り切り、強力MKY88打線を完封シャットアウト。終始、攻守で集中力を意地し続けたWILL B.Cが因縁対決を制すると共に新たなタイトル獲得へと一歩近づいた。

続く2試合は共に午前10時のプレーボールとなったバトル。その1つ目は、予選ブロックで無傷の6連勝を飾って首位通過を果たすなど、初参戦以来最高の仕上がりを見せる三晃クラブと、最終戦で何とか3位に滑り込み決勝トーナメントへと勝ち上がってきた歴代王者東京ドナルドダックの一戦。予選リーグこそ対照的な結果となった両者だが、この一発勝負となる決勝ラウンドでは果たして!?そんな両雄が相見える事となったゲームが動いたのは0対0のままで迎えた中盤4回裏、東京ドナルドダック打線が内木のレフト前ヒットに進塁打とエラーで1アウト1、3塁のチャンスを作ると、菊谷の放った内野ゴロの間に1点を先制。更に続く椚と松島のタイムリーでも追加点を奪い、予選6試合での失点が僅か6という三晃クラブディフェンスからこの回だけで一挙5点を奪ってゲームの主導権をがっちりと握る。一方、想定外の大量失点で先手を取られてしまった三晃クラブだが直後の5回表、このまま引き下がる訳にはいかないとばかりに1アウトから四死球で満塁のビッグチャンスを作り出すと、更に続いた四死球による押し出しで2点を返す。しかし、尚も迎えるは一打逆転というチャンスを活かし切れず、最後はキャチャーフライでゲームセット。中盤のワンチャンスを見事大量得点へと繋げた東京ドナルドダックが制限時間による5回タイムアップで勝利し、3年振りの王座奪還へと1つ歩みを進めた。一方、まさかの5失点が最後まで重く伸し掛かってしまった三晃クラブ。満を持して臨んだはずの決勝ラウンドだったが初戦敗退という悔しい結果に終わり、悲願の初制覇は又しても道半ばで潰えてしまった。

続くもう1つの戦いは、スプリングカップ2011のファイナリスト同士が相対する事となった「ジョルターヘッズ vs VICTORYS」のカード。両者共、毎年のように各大会で上位進出を果たすも今一つ満足のいく結果が残せず、その結果2011シーズン以来ファイナルの舞台から遠ざかっている。そんな両者はこれまで3度の対戦があり、戦績は2勝1敗とややVICTORYSに分がある。だが、予選Cブロックを4勝2分の負け無しで首位通過を果たしてきたジョルターヘッズは、ジェイスBCとの一戦で見せつけた勝負強さなど、特に今季は攻撃陣の仕上がりが一味も二味も違う。対するVICTORYSは今季、このリーグ戦一本に照準を合わせてきただけに、ここで負ける訳にはいかないのだ。するとゲームは初回、そのVICTORYS打線が四死球2つでチャンスを掴むと、相手守備陣のミスから1点を先制し先手を取る。しかしゲームはその裏、好調ジョルターヘッズ打線が藤松、小関の連打でチャンスを作り出すと、続く池中の放った一打が野選を誘い同点。更に尚も続くチャンスで生田にタイムリーが飛び出し2点目を奪えば、エラーでも加点し4対1と一気に逆転。その後ゲームは両投手の好投で拮抗した展開となるも迎えた終盤、再びジョルターヘッズ打線が躍動。4回に小関、生田のタイムリーで2点を追加すると、6回には藤松のタイムリー2ベースヒットで7点目を奪取。また、守ってもVICTORYS打線を初回の1点のみに抑え込むなど投打で圧倒したジョルターヘッズが7対1のスコアで勝利し、昨年苦汁を舐めた1回戦を見事突破。VICTORYSとの対戦成績を五分に戻すと共に悲願の初優勝へとこれ以上無い最高のスタートを切った。

残る一戦は、春夏のトーナメント大会で共にまさかの初戦敗退と悔しい思いを味わっただけに、このリーグ大会にその鬱憤を全てぶつけ初となるファイナル進出を目指すTropicanaと、同じく今季は連覇を狙ったスプリングカップでのベスト8敗退に続き、サマーカップでは屈辱の1回戦敗退と既にファイナルへの道2つが絶たれてしまい、このリーグ戦が最後のチャンスとなった吉岡クラブの対決。そんな追い詰められた両者が激突したバトルは2回裏、吉岡クラブが6番渡辺(大)のセンター前ヒットを皮切りに1アウト2、3塁のチャンスを作ると、9番鈴木の放った内野ゴロの間に1点を先制すれば、続く1番穂積が放ったセンターオーバーのタイムリー2ベースヒットでも1点を加え2点を先取。更に打線は続く3回裏にも内野ゴロの間に1点を追加し、3対0とリードを広げる。一方、追うTropicanaは終盤、ここまで抑え込まれていた吉岡クラブの先発菊池からエラー絡みでチャンスを作り、塩谷のタイムリーでようやく1点を返すが反撃はこの1点止まり。1ヶ月振りに怪我からの復活を遂げたエース菊池が、Tropicana打線を相手に被安打2の無四球1失点という文句無しのピッチングを披露するなど序盤のリードを守り切った吉岡クラブが、2年連続となるタイトル奪取に向け一歩前進した。その一方、予選リーグでは死のブロックとなったDブロックを勝ち上がるなど大いに成長の一端を見せつけたTropicana。だが今季は、今日の一戦も含めトーナメントマッチでは全て初戦敗退と大きな課題を見つけた1年でもあり、来季はその部分の克服こそが更なる進化への鍵となる。
この日行われた2部リーグ唯一の戦いは、全ブロックを通じて予選最後のマッチアップとるEブロックの対決。結果次第でワイルドカード枠の3チームが確定するという注目の一戦だ。

戦いの先攻である若葉は、2点差以上での勝利が絶対条件ではあるが、決勝トーナメント進出の可能性を残しているだけに集中力を研ぎ澄ます。対する後攻は、決勝ラウンドへの道こそ閉ざされたものの、来季への新たな一歩としてこの最終戦を勝利で締めくくりたい莫逆ファミーリア。そんな両者の対決は3回表、若葉打線が四球、エラーによるチャンスメイクからタイムリーで3点を先制し主導権を握る。だがその裏、1点を返した莫逆打線が続く4回裏にHRとタイムリーで一気に同点に追いつきゲームを振り出しに戻す。それでもゲームは決勝トーナメント進出に燃える若葉が5、6回表にそれぞれ2点ずつを奪い勝負を決定づける。だがしかし、その若葉は勝利目前の6回裏に2番手森本が莫逆打線に捉まり、まさかの4失点で7対7に追いつかれると、そのままゲームセット。若葉にとっては決勝トーナメント進出がその手からこぼれ落ちる痛すぎるドロー決着となった。一方の莫逆ファミーリアにとっては土壇場で執念を見せつけるなど、来季へと繋がる価値あるドローゲームとなった。
             2部リーグ決勝トーナメント表
活躍を見せたKawaguchi 野口選手
決勝打を放ったKing☆Johnny 藤尾選手
決勝HRを放ったドンフェイス 三井選手
3部リーグ決勝トーナメント表
リーグ最激戦区である3部リーグの戦いもいよいよ決勝ラウンドの争いへと突入し、この日は1回戦の3試合が繰り広げられた。

先ず登場したのが敗戦スタートから一転、そこから怒濤の5連勝で首位通過を果たし、2年連続で決勝トーナメントへとコマを進めてきたAlbatross。予選最終戦で11得点を奪うなど打線は好調なだけに、エース佐藤を中心とした投手陣の出来が勝負の鍵を握る。一方、そのAlbatrossに対するは、4勝2敗でCブロック3位に甘んじたもののワイルドカードで復活を遂げ逆襲を目論む若武者Kawaguchi Clubだ。こちらも予選リーグで44得点を叩き出した強力打線は脅威で、まさに乱打戦を予感させる。しかし、そんな中始まったゲームは戦前の予想とは裏腹に一方的な展開。死球、3ベースヒット、パスボールなどで初回から2点を先制したKawaguchi Clubが続く2回表にも連打で1点を追加。更に攻撃の手を緩めない打線は4回表にも2点を奪い着実にリードを広げていく。一方、何とか反撃に転じたいAlbatrossだったが、チャンスこそ作れど走塁ミスや決定打に欠きそのまま完封負け。投げては相内、打っては野口と投打でヒーローが誕生し勝利をモノにしたKawaguchi Clubに対し、Albatrossは昨年のデジャブかの様な試合展開となり、悪夢の2年連続決勝トーナメント1回戦敗退となってしまった。

続いては、新星同士の激突となった「SK WINS vs King☆Johnny」の一戦。共に予選ブロック2位通過同士の対決とあってゲームの行く末は予測不可能ではあるが、予選リーグ3位の52得点を誇る強力SK WINS打線の打力対、同じくリーグ3位タイの9失点で硬い守備力を見せつけたKing☆Johnny守備陣のディフェンス力というバトルの構図が予想される。そんな推測の中でスタートしたゲームは序盤、先に力を見せつけたのはSK WINS攻撃陣だった。初回に続き3回表にも主軸の一打で計3得点を積み重ねた打線は、加えて挟殺プレーの間にも1点を追加し4対0とリードを奪う。だがしかしゲームは迎えた終盤5回裏、ここまで沈黙していたKing☆Johnny打線が2番木下のライト前タイムリーで1点を返し反撃の狼煙を上げると、3番佐藤、6番藤尾の連続2点タイムリーで5対4と怒濤の逆転劇を演じた。すると、ゲームはここで制限時間によるタイムアップとなり勝負は決着。土壇場も土壇場で執念に加え勝負強さを発揮したKing☆Johnnyが目には目を言わんばかりの破壊力で打ち勝ち、自ら奇跡的と語る大逆転劇で1回戦突破を決めた。一方、敗れたSK WINSだが、今季の彼らが見せた圧倒的な攻撃力は無限の可能性を秘めていて、まだまだ発展途上であり、早くも来季の活躍が期待される。

残る最後の1戦は、昨年の2部リーグで苦しいシーズンを過ごし、今季から戦いの場をこの3部リーグに移し再起を誓う砂町ドンフェイスと、先に行われたサマーカップの一戦では春のファイナリストに決定しているTABOOと接戦を演じるなど、ワイルドカードでの決勝トーナメント進出ながら優勝候補の一角である豪球会の対決。そんな両雄のバトルは「SK WINS vs King☆Johnny」の一戦同様、僅差の好勝負となった。そのゲームは1回裏、豪球会打線が3番竹本の2ランHRに6番熊谷のタイムリー3ベースヒットなどで一挙4点を先制する。一方の砂町ドンフェイス打線はというと直後の2回表、5番安田のソロHRで1点を返すと、続く3回表には3番望月、6番城戸の連続2点タイムリーで4点を奪い返し、一気にゲームをひっくり返す。その砂町ドンフェイス打線は5回表にも4番三井のソロHRで1点を追加すると、粘る豪球会の反撃を5回裏の1点のみに止め逃げ切り勝利。3本のHRが飛び交う壮絶な打ち合いとなったゲームは、最後に主砲の一撃で決勝点を奪った砂町ドンフェイスに軍配が上がり、1年での2部リーグ復帰を視野に入れた3部制覇に向け上々のスタートを切った。一方、優勝候補に名前が挙がりながらも初戦で姿を消す形となってしまった豪球会。だが、初出場となった今季の戦いぶりは実に見事であり、来季の更なる飛躍は間違いない存在と言えるのではないか。
過去の「今週のVictoria」はこちら→バックナンバー