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岡本の2安打2打点の活躍に高桑が完投!ロングコックスが84チームの頂点に!! |
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雲一つない青空が広がり、朝の厳しい寒さから徐々に気温も上昇し始めた12月10日午前11時。明治神宮野球場で開催されたVictoriaファイナル2022、初日の2試合目を飾ったのは「清瀬ロングコックス × 湾岸ベースボーイズ」のサマーカップ2022決勝戦である。戦いの先攻は2020年最激戦区のVictoria3部を優勝し、輝かしい成績を収める清瀬ロングコックス。キーマンとなる先発の高桑が強打を売りとする湾岸ベースボーイズ打線を如何にして封じるか注目が集まる。対する後攻の湾岸ベースボーイズは2016年にVictoria参戦を果たし、2019年スプリング、オータムの2冠を獲得。そして2020年にはオータムカップ2年連続の優勝を掴み、こちらも目覚ましい戦績を残す。戦いを前に注目選手の渡邊は『トーナメント初戦から痺れる試合の連続の中、みんなで勝ち取った神宮なので、決勝もチーム一丸となって戦い、最後はみんなで笑えるようにします!!』と力強いコメントを残した。
そんな84チームの頂を目指したビッグトーナメントの決勝戦は安田主審のプレーボールで切って落とされ、最初にチャンスを迎えたのは清瀬ロングコックスだった。1回表、湾岸先発のマウンドに上がったのは右腕の松岡。2019年のスプリングカップではMVPを獲得した好投手相手に清瀬の1番岡本はボール球をしっかりと見極め、ストレートのフォアボールで出塁。続く2番堀はショートゴロとなるも、その間に1塁ランナー岡本が2塁へ進み、早速得点圏にランナーを置いた。3番秋葉は松岡の沈む変化球に空振り三振となるも、4番小寺はフォアボールを選び2アウトランナー1,2塁。ここで迎えたのは打の注目選手として名前が挙がった5番の沼澤。ベンチの期待に応えるべく沼澤もファールで粘りを見せるも、ここは松岡に軍配。最後はファーストゴロに倒れ、2者残塁で初回は無得点に終わった。
1回裏、清瀬の先発マウンドに上がった高桑は初球から威力のある直球でエンジン全開の投球を披露するが、強打の湾岸打線に初回から捕まる。高桑は先頭バッターの1番増田をショートゴロに抑えるも、2番牧はカウント2ボール1ストライクからショートに転がすと、快速を飛ばす間に岡本がボールを掴みきれず1塁セーフでランナー出塁。相手から貰ったチャンスの場面で3番大林(穂)を迎える。清瀬としては先制点を許したくないこの場面、慎重にボールから入るも高桑が投じた2球目、高めに甘く入った変化球を大林(穂)はジャストミート。打球はぐんぐん伸び、レフト堀の頭上を越え1塁ランナーの牧が還り先制点を獲得、打った大林(穂)も3塁まで陥れ、湾岸は初回からクリーンアップの長打で先制点を掴んだ。
先制点こそ許すも、すぐさま主導権を奪い返したい清瀬の2回表の攻撃、先頭6番石坂はフルカウントまで追い込まれるも粘りが勝りフォアボールで出塁。ノーアウトランナー1塁と先頭がしっかり仕事を果たした清瀬は、続く7番新井が初球からレフト前に運び、ノーアウトランナー1,2塁と得点圏にランナーを置いた。ここで8番徳永は3塁線へ完璧な送りバントを決め、1アウトランナー2,3塁と更にチャンスが拡大。タイムリーが出れば逆転の場面で打席に立つのは9番のキャプテン原。湾岸先発の松岡も数々の修羅場を切り抜けてきた経験からここでギアを一段入れ直すも、1ボール2ストライクから松岡が低めに投じた変化球を上手くすくい上げ、打球はセンターへ。センターの牧は若干打球判断を誤ったかボールは牧の頭上を越え、球足は緩まることなくフェンスまで到達し、ランナー2人が生還。打った原も3塁まで陥れ、清瀬は2-1とすぐさま逆転に成功した。
ここで畳み掛けたい清瀬は、先頭に還り好打者岡本が打席に向かう。グランドは逆転に成功した清瀬ムードの中、松岡が投じた初球の変化球が甘く入り、打球は再びセンターへ。高く上がったボールはセンター牧の頭上をまたしても越え、三塁ランナーが悠々と生還しこの回3点目。岡本のタイムリーツーベースヒットで、清瀬が3-1と試合の主導権を見事に奪ってみせた。
追いつきたい湾岸は2回裏、6番藤野から始まる好打順も藤野はアウトコースの直球を見逃し三振で1アウト、続く7番村上はセンターへ大きな飛球を放つがセンター沼澤の好守備に阻まれ2アウト、8番神宮男の斎は簡単にサードゴロと、清瀬の高桑はテンポよく三者凡退と好投を見せる。
更に追加点を奪ってセーフティリードが欲しい清瀬は3回表、再び湾岸に襲い掛かる。湾岸代表の宮島はここで先発の松岡に変わり施を2番手でマウンドに送るも、清瀬の先頭4番小寺はサード強襲ヒットを放ち、2回に続き先頭が塁に出る。続く5番沼澤はフォアボールで出塁し、6番石坂は初球からレフト前へ運びノーアウトランナー満塁と、湾岸にとっては絶体絶命のピンチを迎える。ここで7番新井はショートゴロに倒れるも続く8番徳永が三遊間に強い打球を放ち、サードの山田が飛びつくも僅かに届かず2人のランナーが生還、清瀬は5-1と点差を4点に広げた。
ここで湾岸は早くも3人目の藤原を投入し、一方の追加点を奪い更なる盛り上がりを見せる清瀬は、続く9番原がセカンドゴロで倒れ、2アウトランナー1,3塁。ここで打席には前のイニングにセンターオーバーのタイムリーを放った1番岡本。打席の岡本は2ストライクまで追い込まれたが、湾岸3番手の藤原の変化球を綺麗にセンターへ打ち返し、3塁ランナーがホームイン。更に1点が入り清瀬は6-1と点差を5点と大きくリードを広げた。
点差は5点まで開きこのまま黙ってはいられない湾岸だが、3回裏も得点機を作ることが出来ない一方で、3番手としてマウンドに上がった藤原は、威力のあるストレートと変化球を武器に清瀬の息の根を完全に止め、4回表クリーンアップから始まる好打順も三者凡退に抑え、チームを救う好リリーフで試合の流れを引き寄せる。
4回裏、湾岸も4番から始まる好打順で先頭の渡邊はフルカウントまで追い込まれるが、しっかりと低めのボールを見極めてフォアボールで出塁。ノーアウトランナー1塁のチャンスで続く5番長濱はショートフライに倒れるも、藤野がセンター前にしぶとく運び、1アウト1,2塁とこの日2度目の得点圏にランナーを置く。ここで湾岸は勝負を仕掛け、7番村上のところで壬生を代打に送る。1人でもランナーを溜めたいこの場面で壬生は高めのボールを引っ張りライト前へ運び、1アウト満塁とベンチは一気に反撃ムードに。しかし、この場面で清瀬ベンチも一呼吸を置き、タイムを掛けて気持ちを落ち着かせる。そして打席に向かったのは、8番の内田。最低でも犠牲フライが欲しいこの場面、ここで清瀬先発の高桑は『1点も献上しない』と気迫のこもった投球を披露し、内田は低めに沈む変化球で空振り三振、9番山田は3塁線へ鋭い打球を放つも打球はサード正面となり、湾岸は絶好の得点機を活かせずこの回も無得点に終わる。
ここまで得点機が多かった試合展開は一転、ゲームは膠着状態に入り湾岸の藤原が5回表は2三振、6回表は三者凡退と完璧なリリーフを見せ、試合は時間の関係で6回裏の攻撃で最後となった。
そして迎えた湾岸最後の攻撃、清瀬のマウンドにはこのイニングも高桑が上がる。5点差が開き、湾岸としては何が何でもランナーを溜めたいこの場面、先頭の渡邊はセカンドゴロで1アウトとなるもここまで3人の投手を引っ張ってきた長濱が、やや高めに抜けた高桑の変化球を上手く捉え、これがライトオーバーのスリーベースヒットとなり、1アウトランナー3塁とチャンスを作る。続く6番藤野は執念の粘りを見せフォアボールで出塁し、湾岸の宴会部長兼不動の3塁コーチャーでもある注目選手の松尾を代走に送る。ベンチからは大きな声援が送られる中、続く7番壬生はファールで必死に粘りを見せフルカウントまで持ち込むも、最後は高桑得意の低めに沈む変化球で空振り三振、そして8番内田の場面で代打に松本が送られるが、2球目を振り抜いた打球はセカンド正面へ。最後は清瀬のセカンド田中が落ち着いて捌き、スリーアウトでゲームセット。この結果、清瀬ロングコックスが第12代目の夏王者に輝いた。
ゲーム後、84チームの頂点に立った清瀬ロングコックスのキャプテン原は「湾岸さんは打撃がいいイメージがあったので、こちらもワンサイドになると想定をせずに先制されるという想定で望んだ結果、いい結果に繋がってよかった」と試合を振り返り「来年1部の強豪の方々といい対戦をして、またVitoriaリーグを盛り上げていければいい」と柔らかい表情を浮かべた。そしてこの日2度のタイムリーを放った岡本がMVPに選ばれ、大会オフィシャルパートナーのローリングスジャパンより大人気グラブのHOH®グラブが贈られた。
一方、敗れてしまった湾岸ベースボーイズは5点差まで広げられる予想外の展開になったが、最後まで諦めずに戦った姿勢と藤原の好リリーフは見事なもので、来季は今回の経験を糧に歓喜の輪を作ってほしい。
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