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4投手による圧巻完封リレー!戦極が3部リーグに続きサマーを制し2冠獲得!!
終日どんよりとした曇り空に包まれた1月10日午前10時45分。明治神宮野球場で行われたVictoriaファイナル2021、2日目の第2試合はサマーカップ2021 supported by Re-Birth「戦極-SENGOKU- × ナイトフィーバーズ」の一戦である。
戦いの先攻は前日の3部リーグで痺れる投手戦の末、1-0で勝利を掴んだ戦極。前日の勝利で勢いに乗った彼らは本日控える2試合でも勝利を掴み、Victoria史上初の三冠獲得を狙う。サマーカップでの戦いぶりを振り返ると毎試合で打のヒーローが誕生し、多種多様な選手層を武器に全員野球でここまで勝ち上がってきた。戦いを前に注目選手として名前が挙がる谷津は『神宮球場で野球が出来ることに感謝にし、とことん野球を楽しむ!戦極が1番なんです!!ってことを証明します!! 』と今季激戦を戦い抜いた自信を引っ提げて力強い言葉を残した。
一方の後攻ナイトフィーバーズ、今大会の戦いぶりは初参戦ながら見事なもので、初戦は計29得点の乱打戦を制して怒涛の勢いで勝ち進むと、準決勝は強豪クーニンズをタイブレークの末下し、念願の神宮決戦へと駒を進めた。そんなナイトフィーバーズの魅力は、クリーンアップを中心にどこからでも長打が飛び出す強力打線と、本格派から技巧派まで4人の投手を揃える投手陣だ。中でもエース佐古の故障に代わってフル回転した青地の力でここまで来たと言っても過言ではない。そんな青地は戦いを前に『 優勝目指して頑張ります! 』と言葉少なに語り、決戦へ向け静かに闘志を燃やした。 そんな今季大躍進を遂げたニューフェイス同士の戦いは、稲垣(誠)主審のプレイボールで切って落とされ、試合は初回から動きを見せた。1回表、ナイトフィーバーズの先発は右のサイドハンド長谷川がマウンドに上がる。早めに主導権を握りたい戦極は、前日のAvengers戦でもリードオフマンを務めた杉浦が右打席に入る。前日はノーヒットだっただけにどんな形でも出塁したい場面で、長谷川が投じた2球目が大きくすっぽ抜けデットボールで出塁。先頭としての仕事を果たした杉浦は続く2番谷津の2球目、すかさず盗塁を仕掛け試合開始4球で得点圏にランナーを置く。ここで谷津は2-0からの3球目をライト定位置に打ち上げると、2塁ランナー杉浦は好判断でサードを狙い、送球も若干逸れ1アウトランナー3塁とする。そして迎えるは前日の試合で先制のホームを踏んだ3番渡部。好打者渡部は初球から積極的に打ちに行くと、詰まらせながらもライト前へ運び杉浦がホームに還って1-0。戦極はプレイボールから僅か6球と、息をもつかせぬ速さで先制点を挙げる。
その後も渡部の盗塁で再び得点圏にランナーを置くが、ここは長谷川が4番関に対してはショートゴロ、5番カルロスは外中心に組み立て最後は見逃し三振に仕留め、このピンチを見事に切り抜けた。
初回から攻撃で流れを呼び込んだ戦極は1回裏、先発のマウンドには好投手佐久間を送り込む。初回のピンチを1点で切り抜けたナイトフィーバーズは、1番に先発のマウンドに立った長谷川が打席に立ち、2球目を強振するもサードゴロに倒れて1アウト、続く2番林は3球目の変化球を引っ掛けセカンドゴロで2アウト。三者凡退は避けたいナイトフィーバーズは3番青地がセカンドに鋭い打球を放ち内野安打で出塁するも、4番の畑は佐久間の切れ味鋭い変化球に手が出ず、スリーアウトチェンジで初回は無得点で攻撃を終える。 ナイトフィーバーズは2回表、早くも2番手としてエースの佐古がマウンドに上がる。ケガで思うようなシーズンを送ることが出来なかった佐古は何とかファイナルの舞台には間に合わせるも、戦極はここで猛攻を仕掛ける。先頭は戦極の元気印6番木下、試合中は声を枯らすほどの大声を上げる木下はこの場面で狙い球を絞り、3-1から真ん中に入ったストレートを綺麗にセンター前へ運び、ノーアウトのランナーが出塁。続く7番杉山の初球に木下がスチールを仕掛けて盗塁成功、その後杉山は2球目を打ち上げてセカンドフライに倒れるも、1アウトランナー2塁で迎えるは須能。追加点のチャンスを迎え、1本が欲しい場面で2球目のややボール気味の球を体制を崩されながら片手一本でセンター前へ運び、2塁ランナーの木下がホームイン。須能の技ありタイムリーヒットで2-0と戦極は追加点を奪う。
続く9番酒井も0-2からの3球目、須能と同様に体制を崩されながらも片手一本でセンター前へ運び、1アウト1,3塁とチャンスを拡大する。先頭に返り杉浦の初球に酒井がすかさずスチールを決め、杉浦はファールで粘り5球目。アウトコースやや高めのボールを引きつけ振り抜くと打球は逆方向へぐんぐん伸び、ライトの頭上を越えるタイムリースリーベースヒット。一気に2人がホームに生還し、4-0と杉浦の適時打で点差を更に広げる。
その後注目選手の谷津も続き、カウント0-2から甘い球を強振しライト線を破るタイムリーツーベースヒットで5-0、戦極はこの回からマウンドに上がったナイトフィーバーズ2番手佐古の出鼻を挫きノックアウト。マウンドにはショートを守る林が3番手として上がり、なおも1アウト2塁のピンチが続くもここは林が意地の投球を見せた。前の打席でタイムリーを放った渡部に対しては低めを丁寧に突き、センターフライでツーアウト。続く関は初球を引っ掛けピッチャーゴロと見事なリリーフで序盤での大量失点は免れた。 ナイトフィーバーズは佐久間攻略の糸口を探ろうとこの日ベンチ入りした21人全員で立ち向かうが、大舞台に強い佐久間もそうは簡単に隙を見せない。ナイトフィーバーズ2回裏の攻撃は、5番石黒からの好打順もいい所なく10球で三者凡退、続く3回裏は9番の加瀬が1アウトからセンター前ヒットを放つも後続が続かず11球でこの回も無得点と、戦極は佐久間のテンポの良い投球で更に流れを呼び込む。
そして4回表、戦極は2アウトから打線が繋がりを見せる。2回からマウンドに上がった林は前のイニングに2つの三振を奪い、この回も5球でツーアウトとするも、前の打席でタイムリースリーベースヒットを放っている谷津にまたしても長打が飛び出す。カウント2-1からの4球目、外角高めの球を強引に引っ張り打球は右中間真っ二つ、ボールは転々と転がりバッターランナーの谷津は悠々とサードまで進みスリーベースヒット。この日谷津に2本目の長打が飛び出し、打席には初回にタイムリーを放った渡部。0-1から高めに甘く入った直球を逆らわずライトへ流し打ち、鋭い打球で右中間へ運びタイムリーツーベースヒット。渡部の2打席連続タイムリーで谷津はホームに還り、6-0と戦極が中盤に貴重な追加点を挙げる。
続くバッターは前のイニングで守備から入った櫻井、ここで戦極打線は一気に畳み掛ける。初球から積極的に打ちに行った櫻井は、変化球にやや体制を崩されながらも打球は左中間へのタイムリースリーベースヒットとなり7-0。続いてこの日ノーヒットのカルロスに代わった福岡はフォアボールを選び2アウト1,3塁とすると、3回からファーストに入った藤田が打席に向かう。ここで藤田は2球目の甘い球を綺麗にセンターへ運び、サードランナーの櫻井が生還して8-0。戦極は先発の佐久間へ大きな援護点を与え、大量リードで試合は後半戦に突入する。 試合の主導権を握った戦極であったが、その後は互いの継投策が見事にハマり、5回以降はスコアボードに0が並ぶ。そして試合後半、ひと際輝きを放ったのは5回からナイトフィーバーズ林の後を継いでマウンドに上がった青地だ。ナイトフィーバーズ投手陣の大黒柱でもある青地は、サマーカップ6試合中5試合に先発して全て勝ち星を飾り、防御率も1.4点台と安定したピッチングでチームを決勝へと導いた。無論この日も圧巻のピッチングを披露し、5回表は2つの三振を奪い三者凡退、6回表は味方のエラーもあったがここも2つの三振を奪い無失点。7回表は自らのフォアボールで2アウトランナー2塁のピンチを迎えるが、この回も0点で切り抜けた。5回から好投を見せた青地は3回打者11人に対して無安打5奪三振無失点の好投を披露し、点差は開きながらも自らのピッチングスタイルを貫き通し、年間通してマウンドを守ってきた意地を見せつけた。
戦極は後半戦も投手陣の活躍が冴えわたり、5回から佐久間に代わってショートを守る谷津がマウンドに上がった。セットからテンポの良いピッチングで低めを丁寧に突き、8球で三者凡退と好リリーフを見せれば、続く6回には杉山がマウンドに上がり谷津に負けじと好投を見せる。先頭打者を出塁させエラーも絡み、ナイトフィーバーズはこの日初めて得点圏にランナーを置くも、このピンチに杉山は動じず後続を打たせて取って無失点で切り抜け、試合は最終イニング7回裏の攻撃を迎える。
この回も戦極はピッチャーが代わり、マウンドにはセンターを守っていた酒井が抑えとしてマウンドに上がる。何とか一矢報いたいナイトフィーバーズであったが、先頭の石黒はセカンドに打ち上げ1アウト、続く中内は5球目を打ち上げピッチャーフライ、簡単に2アウトとなり打席に立つのはこの試合ノーヒットの7番根本。簡単に追い込まれるも粘りを見せた根本は5球目を見事にセンター前へ運び、チーム3本目のヒットで追い込まれた状況から粘りを見せた。そしてナイトフィーバーズは代打に佐藤を送り、ベンチからもこの日一番の声援が上がる。佐藤は根元に続こうと積極的に打ちに行ったが、4球目のボール球を打ち上げ万事休す。高く上がった打球、最後は監督の笹尾が落ち着いて捌きスリーアウトで試合終了。見事に戦極が3大トーナメント最多出場チーム数を誇るサマーカップ98チームの頂点に輝き、MVPには3打数2安打1打点に加え5回に好リリーフを見せた谷津が選出され、Re-Birthより大会オフィシャルパートナーであるローリングのオーダグラブ権が贈呈された。 ゲーム後、優勝インタビューに答えた監督の笹尾は「打線が繋がって得点を重ねる戦極らしい野球ができた」と試合を振り返り、2021年シーズン2冠を獲得しこの後に控えるオータムカップの意気込みを問われると「ここまできたら3つ取って完勝したいと思います」と力強い言葉を残した。そしてMVPを獲得した谷津は2本の長打を放った打撃について「しっかりセンター返しを心掛けていたので打てて良かったです」と語り、5回のパーフェクトピッチングについては「神宮のマウンドで投げるのが夢だったので、緊張はあったが力まず投げられて良かった」と憧れの神宮のマウンドに立った自らの投球を笑顔で振り返った。 一方敗れたナイトフィーバーズは0-8と完敗に終わったが、初参戦ながら飛ぶ鳥を落とす勢いで決勝の舞台へコマを進めた戦いぶりは見事だった。試合を振り返ってみると、リリーフで3イニングを無失点に抑えた青地が先発だったらとタラレバを語りたくはなるが、来季は3安打に終わった打撃に磨きをかけリベンジを果たしてほしい。
【MVPインタビュー】#2 谷津 鷹明
【監督インタビュー】#30 笹尾 翼
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