TOP > サマーカップ2018 > バックナンバー > 「新星・日本航空電子が粘勝!歴代王者との死闘を制し準決勝進出!!」
TEAM1234567R
     日本航空電子工業(株)      0        1        0        0        0        2        -          3      
  WILL BASEBALL CLUB      2        0        0        0        0        1        -          3      
エース遠藤が力投!日本航空電子がジャンケン決着を制しベスト4一番乗り!!
遥か彼方の富士山がはっきりと望める程、清々しい秋晴れとなった10月21日。この日、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドでは、いよいよ大詰めを迎えた真夏の決戦、「日本航空電子工業株式会社 × WILL BASEBALL CLUB」のサマーカップ5回戦が繰り広げられた。 戦いの先攻は、今季の初出場組では唯一ここまで勝ち進んで来た期待の新星、日本航空電子工業。そんなチームを牽引する新留キャプテンはゲーム前、「ウチはまだまだ若いチームなので、色々な経験を積むという意味でこの大会に出場させてもらったんですけど、その意味ではここまでの一戦一戦というのは非常に良い経験を積めているなという感じです。その中で今日のゲームのポイントとなるのは、如何に守備から流れを掴んで攻撃に繋げていけるかだと思います。ここまで一人で投げ抜いてきた2年目の若手である先発櫻田がキーマンですかね。成長を図る意味で全ての試合を任せてきたんですけど、ここ最近は調子も上がってきているので、今日も良いピッチングを期待しています。とにかく、ここまで来たら優勝を目指さないと意味がないので、まずは今日の一戦を挑戦者の気持ちを忘れずに全力で戦い抜きたいと思います」と語り、歴代王者との一戦を前に気合い十分。
また、今日も先発のマウンドを託された若き左腕の櫻田は、「ベスト4がかかった大事なゲームなので、強豪相手ですが全力で倒しにいく気持ちで頑張りたいと思います。調子としても良い感じできているので、とにかく『丁寧なピッチングで打たせて取る』をテーマにやっていきたいと思います」と話し、モチベーション、コンディション共に準備万端といった様子。 対する後攻は、さかのぼる事3年の月日を数える2015年シーズン、チーム結成1年目にしてこの強豪犇めくサマーカップを瞬く間に制し、一躍その名を轟かせたWILL B.C。だが、そんな彼らもここ2年は思うような結果を残せず苦しんできただけに、今大会での完全復活を誓うべく気合いが漲る。そのチームの指揮官である高田キャプテンはゲーム前、「この前の戦いとなった湾岸ベースボーイズさんとの一戦からようやく良い雰囲気で戦えているので、今日もその流れのまま良い雰囲気で戦えればなと思っています。打線はいつもの事ながらしょっぱいですけど、少ないチャンスをモノにして相手より1点でも多く取れれば良いかなと思います。一方のディフェンスでは、やはりエース樋口の活躍がカギを握ってくると思いますので、良いピッチングを期待したいですね。ホント久々にここまで勝ち上がって来れたので、何とか優勝をと言いたい所ですが、まずは今日の試合を勝たないと意味がないので、とにかく目の前の敵としっかり戦うだけですね」とコメントし、3年振りの頂点奪取に向け抜かりはない。
また、チームの絶対的エースとして奮投を期待される左腕樋口は、「調子は決して良くありませんが、ここまで来たら弱音は言ってられないので、とにかくバックを信じて、四死球を与えず打たせて取るピッチングが出来ればなと思っています。あとは打線が応えてくれると思うので、まずは立ち上がりをしっかり抑えて良い流れを作れたらなと思ってます」と話し、チームを勝利に導くべく躍動を誓った。 そんな期待の新星と歴代王者がセミファイナル進出を争う形となったバトルの火蓋は、早朝午前8時のプレーボールで切って落とされ、ゲームは序盤から動きを見せる展開となった。
1回表、先にマウンドに上がった樋口が肝と語っていた立ち上がりを危なげなく三者凡退に抑え流れを引き寄せると、その裏すぐさま打線が応える。立ち上がりの制球に苦しむ日本航空電子工業の先発櫻田からきっちりと四球を選び出塁した1番高橋を、2番阿住、3番政(直)が送りバントと犠飛で3塁にまで進めると、迎えた4番樋田がセンターの頭上を越すタイムリー2ベースヒットを放ち1点を先制。さらには、続く5番久保川にもライト前へとしぶとく落とすタイムリーが生まれ2点目。ゲーム前、相変わらずしょっぱい打線と語っていた高田キャプテンの言葉とは裏腹にいきなり攻撃陣が奮起し、幸先良く2点を先行した。
一方、好調だったはずの先発櫻田が、まさかの乱調で先制点を奪われてしまった日本航空電子工業。だがそれでも直後の2回表、この回先頭のキャプテン新留が仲間を鼓舞するかのように左中間への2ベースヒットを放ち口火を切ると、その後、四球、送りバントで1アウト2、3塁とした場面で迎えた7番別所が放ったピッチャーゴロの間に3塁ランナー新留がホームに生還。簡単に流れを与えてなるものかと言わんばかりに、すかさず1点を取り返し反撃の狼煙を上げる。 しかし、3回以降は毎回のようにノーアウトのランナーを出すものの、送りバント失敗にエンドラン失敗でチャンスの芽を潰したり、チャンスを作り出してもあと1本が出ず、ストレスの溜る攻撃が続いた。それでも、先発櫻田に代わって2回から緊急登板したエース遠藤がWILL B.C打線を相手に、許した出塁は4回の1四球のみと完璧なリリーフを披露。エースが抜群の投球内容で踏ん張っていると、迎えた終盤6回表だった。樋口に代わり5回からマウンドに上がった2番手山重に対し、この回先頭の5番山口が華麗なバットコントロールで放ったセンター前ヒットをきっかけに2アウトながら2、3塁のチャンスを演出すると、この場面で迎えた9番井上の放ったショートゴロに送球エラーが重なり逆転。ゲーム終盤で遂にゲームをひっくり返した。
だがしかし、このまま日本航空電子工業が逃げ切るかと思われた6回裏、歴代王者が意地を見せつける。1アウトから4番樋田、5番久保川が四球、ヒットで出塁し1、2塁のチャンスを作り出すと、続く6番DHの島田が遠藤の投じた渾身のストレートをライト線へと弾き返す値千金のタイムリーを放ち3対3。ここまでノーヒットに封じ込められていた遠藤から連打で1点を奪い取り、土壇場でゲームを振り出しへと戻した。
すると、ゲームは制限時間の関係で決着が付かず、勝負の行方はジャンケンへと委ねられた。そのジャンケン対決は、今日のゲーム展開と同様に一進一退の攻防を繰り広げ白熱の展開となるも、最後に勝利の女神が微笑んだのは日本航空電子工業。粘り強さも然る事ながら、運をも味方につけた日本航空電子工業が手に汗握る好ゲームを制しベスト4一番乗り。初出場でのファイナル進出にあと1勝と迫った。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた新留キャプテンは、「正直、全然自分達の流れで攻撃が出来なかったんですが、先制された直後に1点を取り返せたのは大きかったですし、最後に粘り強く点を 取れた所が良かったのかなと思います。今までだと、あそこで点を取れていなかったので、成長した部分かなと思います。また、今日のゲームは何と言っても、エース遠藤の奮投だと思います。 彼は好不調の波がないので、早めに代えて良かったですし、本当にたくましかったです。これで次戦は決勝を懸けた大一番になりますが、今日と同じように挑戦者の気持ちで謙虚に戦いたいと思います」と語り、価値ある一勝に頬を緩めた。
一方、いきなりの先制攻撃に始まり、度重なるピンチも凌ぎ切っていただけに、終盤の失点が悔やまれる敗戦となってしまったWILL B.C。ゲーム後、高田キャプテンは、「6回は攻守共に精一杯プレーした結果なので仕方ないです。ただ、展開としては完全にウチの流れだっただけに本当に悔しいですね。これも野球の神様が与えた試練だと思って来季以降の更なる精進に繋げていきたいと思っています」と話し、惜敗にも決して下を向く事なく、再び前を見据えた。
【MVPインタビュー】 #11 遠藤 友也
【主将インタビュー】 #10 新留 翔太
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