TOP > サマーカップ2017 > バックナンバー > 「大宮フェニックスが劇的サヨナラで3年連続のベスト8進出!!」
TEAM1234567SR
    NTスコーピオンズ        0        0        0        0        0        1        0        0        1    
     大宮フェニックス        0        0        0        0        0        1        0        1×      2    
サドンデスで分かれた明暗!大宮フェニックスがサヨナラで投手戦を制す!!
最高気温26度と夏の終わりを感じさせる陽気となった9月24日。この日も各大会で熱戦が繰り広げられた中、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドでは、真夏決戦の8強入りを懸けた戦い、「NTスコーピオンズ 対 大宮フェニックス」のサマーカップ3回戦が行われた。 戦いの先攻は、先に行われたスプリングカップに続き、このサマーカップでもベスト8入りを狙うNTスコーピオンズ。そんな成長著しい若武者を率いる望月監督はゲーム前、「ここ数試合は中々メンバーが揃わず苦しい戦いが続いていますが、ウチには延島という絶対的エースがいるので、何とか打線が2、3点取れれば試合になるとは思います。大宮フェニックスさんも守りの堅いチームなので簡単にはいかないと思いますが、早い段階で先制点を奪えるかがポイントですね。そういう展開に持ち込めたらウチにも勝機はあるのかなと思います。とにかく勝利を目指して頑張ります」と語り、強敵を前に気持ちを高めた。
また、絶対的エースとして勝利を託された延島は、「調子の良い悪いはあまり感じるタイプではないので、いつも通り投げられたらなと思っています。その中で心掛ける事は、四死球などでの無駄なランナーを出さない事とテンポ良く投げる事ですね。とにかく難しい事を考えずにリズム良く投げる事が良い流れに繋がると思っているので、序盤から飛ばしていきたいと思います」と話し、抜かりはないといった様子。 対する後攻は、2014シーズンに手にしたスプリングカップのタイトルから3年、次なるタイトル獲得を虎視眈々と狙う大宮フェニックス。そんな新たなタイトル奪取へと突き進むチームの司令塔である長岡キャプテンはゲーム前、「雨天中止で2週間空いてしまい、状態としては決して万全ではありませんが、ここまで培ってきた野球を出し切れればなと思っています。攻撃面では何処からでも点がとれる布陣だと思っているので、とにかく先制点を奪って優位に試合を運べたらなと思います。あとは永野さんのピッチングに期待し、バックがミス無く守り抜ければ自と勝利は見えてくるのかなと思います」とコメントし、気合い、自信共に十分。
また、キーマンとして活躍を期待される先発永野は、「8月にピッチングフォームを思い切って変えた事が功を奏して手応えを感じているので、今日も良い方の自分が出てくれれば良いなと思っています。ポイントとしては相手が好投手なので絶対に先制点を与えない事は勿論、例え取られても最少失点で抑える事ですかね。とにかく最後には勝利を手に出来るように全力で投げ抜きたい思います」と話し、エースとしてチームを勝利へと導くべく奮投を誓った。 そんな両雄が相見える事となった戦いの火蓋は、午後2時ジャストのプレーボールで切って落とされ、ゲームは戦前の予想通り両エースが火花を散らす投手戦の展開となった。
1回表、先にマウンドに上がった永野がスコーピオンズ打線の2番望月に内野安打、盗塁を許しスコアリングポジションへと進塁されるも、続く3番関口、4番佐々木をセンターフライ、サードゴロに抑え無失点。一方、その裏マウンドに上がった延島はというと、こちらもいきなりのピンチを背負う展開。1アウトからフェニックス打線の2番長岡、3番山下に連打を浴び1アウト1、3塁の場面を招いてしまう。だがそれでも、続く4番橋本(一)をショートへの併殺打で仕留め3アウト。決して先制点を与えてなるものかと初回から両エースの意地がぶつかり合う。
すると、その両投手の投げ合いは終盤に差し掛かっても続き、5回にはそれぞれが2アウトながら1、2塁のピンチを背負うも、ここでも両者譲らず、共にスコアボードには0だけを並べる。 だがそんな中迎えた6回表、NTスコーピオンズ打線が遂に試合を動かす。
1アウトから死球で出塁した4番佐々木がこの日2つ目となる盗塁成功で得点圏に進むと、このチャンスに迎えた5番延島が詰まりながらもレフト前へと運ぶタイムリーを放ち1対0。ここまで力投を続けてきたエースが自らのバットで先制点をもたらし、張りつめていた試合の均衡を破ると同時に主導権をも手にした。
しかしゲームは直後の6回裏、そんなNTスコーピオンズの押せ押せムードを打ち消すかの如く、大宮フェニックスがすかさず反撃。2アウトから3番山下、4番橋本(一)がヒット、盗塁、四球で1、2塁のチャンスを作り出すと、続く5番大谷が延島の投じた釣り球のストレートを鮮やかにレフト前へと弾き返すタイムリーを放ち1対1。取られたら取り返すまでと言わんばかりにクリンアップが集中力を見せつけ、あっという間にゲームを振り出しに戻した。
すると両者が繰り広げる熾烈な攻防は7回を終わっても決着が付かず、勝負の行方はサドンデス戦へと委ねられた。迎えた8回表、1番池田、2番望月が内野凡フライに打ち取られ無得点に終わったNTスコーピオンズ陣営に対し、その裏の大宮フェニックスは、「初球からエンドランを出すよと言われていたので、スムーズにバットが出ました」と2番長岡が初球の変化球をライト線へと弾き返しサヨナラ。チームを牽引する司令塔の一打で激闘に終止符を打った大宮フェニックスが最高の形で勝利を飾り、3年連続となるベスト8進出を決めた。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた永野監督は「相手投手の延島君は非常に良いピッチャーだと聞いていたので、ある程度こういう試合になるとは思っていたんですが、何とかワンチャンスをモノして勝てて良かったです。正直、先制点を奪われた時は延島君に打たれたという事もあってヤバいなと思いましたが、今年は終盤に同点に追いついてから逆転する勝ち方が多いので、最後は今年を象徴するような戦い方が出来ました。他大会も含め結構修羅場を潜り抜けてきているので精神力がかなり強くなったなと思います。とにかく3年間タイトルから遠ざかっているので、今年は是非サマーの頂点に行きたいなと思います」と語り、劇的勝利にも満足する事無く、ひたすらに頂点のみを見据えた。
一方、ゲーム終盤に先取点を奪うなど勝利を目前にしていただけに、心底悔やまれる敗戦となってしまったNTスコーピオンズ。ゲーム後、話しを伺った望月監督は「ここぞという場面で相手はモノしてウチはモノに出来なかったので、そこに大きな差が出てしまいましたね。何とか大宮フェニックスさんに勝って次なる相手だった湾岸ベースボーイズさんに春のリベンジをしたかったので、本当に残念です。とにかくこの悔しさを忘れずに来年またリベンジしたいと思います」と話し、あと一歩の所で掴み損ねた勝利に悔しさを滲ませた。
【MVPインタビュー】 #24 長岡 和志
【監督インタビュー】 #18 永野 正人
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