TOP > スプリングカップ2017 > バックナンバー > 「土壇場で見せた意地の逆転劇!常勝軍団RED SOXが遂に春の頂点を奪取!!」
TEAM1234567R
        RED SOX            0        0        0        0        0        3        -        3    
           PIECE              2        0        0        0        0        0        -      2    
魂で掴み取った大逆転優勝!!RED SOXが遂にスプリングカップ初制覇!!
ファイナル決戦に相応しい雲一つない冬晴れの天気に恵まれた12月17日、午前7時45分。決戦の地・明治神宮野球場では、2017ファイナルラウンドのオープニングゲームにして春の王者を決める戦い、「RED SOX 対 PIECE」のスプリングカップ決勝戦が繰り広げられた。 戦いの先攻は、2年振りに神宮の舞台へとカムバックを果たし、春では初となるタイトル獲得を目指す常勝軍団RED SOX。そのチームを若き司令塔として束ねる中林キャプテンはゲーム前、「ここ数ヶ月は中々メンバーが揃わないという苦しい状況の中、集まったメンバーで気持ちを一つに戦ってコンディション、モチベーションを高めてきたので、あとは各々がしっかりとしたパフォーマンスが出来れば、自と結果は付いてくるのかなと思います。戦いのポイントとしては、これまでエースとしてチームを引っ張ってきた吉田さんが最高の舞台でどれだけのピッチングをしてくれるかっていう所と、その吉田さんを打線が如何に援護出来るかという所に懸かってくるのかなと思いますね。特にこの一戦はサマー、リーグに次ぐ3つ目のタイトル獲得が懸かっているという事だけでなく、RED SOXの今後を占う意味でも大事な戦いになると思うので、勝って有終の美を飾りたいと思います。本当に今日という日を楽しみにやってきたので、お互いが一生懸命にぶつかって神宮という大舞台を楽しみたいですね」と語り、この一戦に懸ける強い思いを露にした。
また、キーマンとして名前の挙がった吉田は、「昨年が昨年だっただけに、その雪辱を晴らす意味でも結果には拘って、一番良い形で終われるように全力で投げたいなと思います。正直、来年も投げていられるか分からないので、この神宮という舞台を思い切り楽しみたいなと思っています」と話し、今季完全復活を遂げたエースがチームを春初制覇へと導くべく集中力を研ぎ澄ます。 対する後攻は、2年前の雪辱を晴らすと同時に4年越しの悲願を叶え、遂にファイナルの舞台へと降り立った若武者PIECE。そんな若きチームをここまで率いてきた太田監督はゲーム前、「ここ一ヶ月半は、今日の戦いを想定して練習、試合をこなしてきたので、気持ちの面も含めて十分準備は出来てるかなと思います。戦いのポイントとしては、これまでやってきた守備の連携という部分でミス無く出来れば、競った良い試合になるのかなと思いますね。中でもキープレーヤーを挙げるとすれば、ショートの坂東ですかね。彼が内野と外野の連携をしっかり図れれば良い方向に進むのかなと思いますし、攻撃でもクリンアップを任せる選手なので、活躍を期待しています。勿論、勝つつもりで来ていますが、結果がどうあれ選手達が後悔しないように一生懸命やってくれたら一番良いかなと思います」とコメントし、PIECEの監督として最後となるこの日をしっかりと心に刻むべく指揮を執る。
また、攻守での活躍が期待される坂東は、「調子としては決して良いとは言えませんが、ここまで来たらやるしかないですし、気合いは十分に入っているので、ベストを尽くしたいと思います。特に今日は太田監督が最後の試合になるので、何としても勝って胴上げしたいなと思っています」と話し、若き司令塔がチームをVictoria初の栄冠へと導くべく、奮起を誓った。 そんな両雄が相見える事となった春の頂上決戦の火蓋は、稲垣(慶)主審のプレーボールで切って落とされ、ゲームの先手を取ったのはPIECE陣営だった。
初回、先発マウンドに上がったエース柴がRED SOX上位打線を0に抑え流れを作り出すと、その裏すぐさま打線が奮起。この日リードオフマンを任された1番桑原(南)が、その起用に応えるかのようにライト前ヒット、盗塁でチャンスメイクを図れば、続く2番本木もきっちりと役割を果たす進塁打を放ち1アウト3塁。更に、3番坂東が死球出塁に盗塁成功で2、3塁にチャンスを広げると、迎えた4番斎藤がこれまたきっちりと自身の責務を果たすかのようにレフトへと犠飛を放ち1点を先制。
更にはその後、立ち上がりの制球に苦しむ吉田から5番高野、6番西野が四球を選び満塁にまでチャンスを拡大させると、この場面で代打に起用された7番石川がサード強襲となるタイムリーを放ち2点目。この回、各打者が自分の役割をきっちりと果たしたPIECE攻撃陣が理想的な形で2点の先制に成功し、幸先良くゲームの主導権を握る。 すると、いきなりの援護射撃にエース柴も奮投で応える。先制直後で丁寧なピッチングが求められた2回を危なげなく三者凡退で仕留めると、続く3回はヒット、四球、送りバントで1アウト2、3塁の場面を作られるも、初回にヒットを許している2番山本を自慢のストレートでセカンドゴロに打ち取れば、続く3番中林は内角へのシュートでつまらせショートゴロ。これぞエースといった気迫の投球でピンチを脱し、掴んだ流れを渡さない。
また、その後4、5回と立て続けにピンチを背負うが、ここでも魂のこもった投球を披露。特に自らのエラーなどでノーアウト2、3塁のピンチを招いてしまった5回のピッチングは圧巻で、1番雨宮、2番山本を連続三振に仕留めると、続く3番中林を再度インコースへのシュートでサードゴロに打ち取り3アウト。中盤以降、毎回のようにランナーを背負うものの決して得点を与えず、仲間が奪ってくれた貴重な先制点を死守する。 だがしかし、そんなPIECE優勢で進んだゲームは迎えた6回表、ここまで相手エース柴に何度と無くチャンスを阻まれてきたRED SOX打線が遂に躍動。
4番丸橋、5番井上の四死球に続き、代打の石川がライト前ヒットを放ちノーアウト満塁のビッグチャンスを作り出すと、同じく代打の染谷がきっちりとスクイズエンドランを決め1対2。更に、尚も続くチャンスで迎えた8番須賀が振り抜いた一打はライトへと2点タイムリーとなり、一気に2者が生還。今日の一戦だけでなく、今シーズン苦しみ続けられた柴を遂に攻略し、土壇場でゲームをひっくり返した。
すると、制限時間の規約で最終回となった6回裏を、5回からマウンドに上がった2番手荒田が0で締めゲームセット。これぞ正しく常勝軍団の底力といった集中力を見せつけたRED SOXが大逆転優勝を飾り、スプリングカップでは初となる頂点の座に輝いた。 ゲーム後、優勝インタビューに答えた中林キャプテンは、「3つ目のタイトルを獲る事が出来て最高に嬉しいです。正直苦しい戦いでしたが、土壇場で代打陣がしっかり活躍してくれて、最後に須賀さんが決めてくれて本当に良かったなと思います。実は、チームとしても中々人数が揃わないという事もあって、今日がRED SOX最後の戦いになるかもという状況だったんですけど、それでも何とか優勝する事が出来たので、来年に向けてもう一度気持ちを一つにしてチャレンジしたいなと思っています。来年こそは3冠獲れるように頑張ります」と語り、新タイトル獲得を喜ぶと同時に、来季以降のチーム存続と更なる躍動を誓った。
一方、悲願の初優勝まであと一歩と迫りながら、土壇場でその夢が儚く散ってしまったPIECE。だがそれでも、このスプリングカップのみならず、シーズンを通し存在感を示し続けた彼らの勇姿は間違いなくVictoria史に燦然と刻まれ、更に言えば、今日の敗北がPIECEを更なる進化、高みへ誘うものとなったに違いない。
【MVPインタビュー】 #8 須賀 尚輝
【主将インタビュー】 #7 中林 佑斗
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