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TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | S | R |
三晃クラブ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
VICTORYS   | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
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サドンデスで分かれた明と暗!今季最高の投手戦は三晃クラブに軍配上がる!! |
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前日の激しい雨もすっかりと上がり、青空一色となった4月23日。この日も各大会で計17試合が繰り広げられた中、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドでは、春の一戦必勝トーナメントである「三晃クラブ 対 VICTORYS」のスプリングカップ2回戦が行われた。
戦いの先攻は、昨年の成績であるベスト8以上は勿論の事、一気に悲願のタイトル奪取をも目論む三晃クラブ。そんな飛躍のシーズンと位置づけたチームを統率する永尾キャプテンはゲーム前、「ウチは決して打って勝つチームではないので、先ずはピッチャーを中心にしっかり守って、数少ないチャンスをモノに出来るかが勝負のポイントだと思います。なので、今日は先発の阿部に期待したいなと思っています。ここに来て状態も仕上がってきているので、かなり期待出来ると思います。相手は強豪のVICTORYSさんなので厳しい試合になると思いますが、三晃野球で勝って、3回戦に進みたいと思っています」と語り、宿敵相手に気合い十分といった様子。
また、キーマンとして名前の挙がった先発右腕の阿部は、「今年はシーズン始めから調子が良いので、打たせて取るという自分本来のピッチングが出来れば抑えられると思います。とにかく、キャプテンの期待に応え、チームが3回戦に進める様に頑張りたいと思います」と話し、相当な意気込みでマウンドに上がる。
対する後攻は、2年振りにスプリングカップの舞台へと帰ってきたVICTORYS。初代王者に輝いた2011シーズン以来の王座奪還を掲げる彼らは今季、これまでチームを牽引してきたベテラン勢に加え、フレッシュなメンツを加入させ、言わば新体制でのタイトル奪還を目指す。そんな生まれ変わったチームを率いる駒野キャプテンはゲーム前、「1回戦を振り返っても、やはり守備での良いリズムから点が取れて勝てたので、今日もしっかりと守る事が第一です。なので、キーマンを挙げるとしたら先発の設楽ですかね。正直、立ち上がりに若干の不安要素はあるんですが、序盤を切り抜けてくれれば後は大丈夫だと思うので、何とか打線が先制点を取ってあげられたらなと思います。相手は強豪の三晃クラブさんなので、厳しい戦いになるとは思いますが、何とか全員野球で勝ちにいきたいと思っています」とコメントし、こちらも強敵との対決を前に気持ちを昂らせた。
また、大事な一戦の先発を任された左腕設楽は、「先ずは、先週のピッチングで課題となった立ち上がりという部分を意識して投げたいなと思います。そこを巧く抑える事が出来れば、後は順調にいけると思うので、立ち上がりは特に集中して投げたいと思います。とにかく、自分の持ち味であるテンポ良くコーナーを突いたピッチングが最後まで貫ける様に頑張りたいと思います」と話し、期待の若き左腕が活躍を誓った。
そんな、埼玉を代表する強豪2チームが激突する事となった注目のカードは早朝の午前8時にプレーボールとなり、ゲームは両キャプテンがキーマンに挙げた両投手が互いに熱投を披露し、まさに手に汗握る投手戦の展開となった。
先ずは初回、真っ新なマウンドに上がったVICTORYSの先発設楽が、三晃クラブ打線の1番間彦からいきなり空振り三振を奪うなど上々の立ち上がりを披露すれば、その裏対する阿部もVICTORYS打線の1番打者である北住を同じく空振り三振で仕留めるなど三者凡退の滑り出し。また、続く2回は、設楽が5番矢崎、6番保坂から三振を奪えば、負けじと阿部も4番桜井、6番堀内を三振で封じ、ゲーム序盤から一歩も譲らぬ好投で火花を散らす。
更に、その両投手のピッチングは回を重ねる毎に凄みを増す一方。四球を与えてしまった4回意外、3、5、6、7回と何れも三者凡退に切って取った設楽のピッチングは圧巻そのものであり、特に終盤の3イニングに関しては9アウト中6アウトが三振という文句無しの内容。ここまで許したランナーは、初回、2番関に浴びたセンター前ヒットと4回の四球のみで、三晃クラブ攻撃陣に2塁すら踏ませない。
一方の阿部はというと、こちらも安定感抜群のピッチングを持続。3回、この回先頭の7番福室と9番大川に与えた四死球で1アウト1、2塁とし、この試合初めてピンチを招くも、ベテラン三塁手保坂の好守備にも助けられピンチを脱すると、続く4回にもライト岡部のプレーなどで三者凡退とし、バックの堅い守りにも助けられる形でVICTORYS打線を機能させない。
それでも迎えた7回裏、この回先頭の3番村松にエラーでの出塁を許すと、そこから盗塁、進塁打、四球で2アウトながら2、3塁という一打サヨナラのピンチを背負う。だがこの試合未だ1本のヒットも許していない阿部は、最大のピンチを迎えても決して冷静さを失わず、迎えた7番福室をきっちりとサードゴロに打ち取り3アウト。設楽の奪三振SHOWも然る事ながら、阿部はバックを信じ自身の持ち味である打たせて取るピッチングを貫く形で7回無失点とし、遂にゲームの決着はサドンデス戦へと委ねられた。
すると迎えた8回表、遂にゲームが動いた。ここまで設楽の前にチャンスすら作れていなかった三晃クラブ打線だったが、1アウト満塁というサドンデスルールで初めての好機を迎えると、このチャンスを逃すまいと5番矢崎が押し出しとなる四球を選び1点を奪えば、続く6番保坂の犠飛でも1点を加え、一気に主導権を握る。
その一方、追い込まれたVICTORYS打線はというと、このまま敗れる訳にはいかぬと併殺崩れの間に1点こそ返すものの、最後は9番大川がキャッチャーへのファールフライに倒れ万事休す。若き左腕が8回被安打1の10奪三振という圧巻のピッチングを見せつけたが、攻撃陣が最後の最後までここぞの1本を放てず敗北。再び目指した頂点奪取への挑戦は2回戦で幕を閉じる結果となってしまった。
ゲーム後、話しを伺った駒野キャプテンは「若い設楽があれだけのピッチングをしてくれたので勝ちたかったですし、勝たせてあげたかったですね。相手ピッチャーも素晴らしかったので仕方ないですが、7回のチャンスを活かせなかったのが悔しいですね。まぁそれでも設楽を始め、キャッチャー堀内、セカンド島田など若い力が存在感を示してくれたので、そこは収穫かなと思います。ただそれだけにベテランがもっと奮起しなくちゃいけなかったですね。今年はリーグでも黒星スタートで正直厳しいシーズンになりそうですが、何とか勝ち進んでいける様に頑張っていきたいと思います」と、悔しい心の内を語った。
そんなVICTORYS陣営に対し、阿部のノーヒットノーランピッチングにディフェンス陣の堅い守りと、これぞ守り勝つ三晃野球という内容で価値ある勝利を手にした三晃クラブ。勝利インタビューに答えた永尾キャプテンは「ある程度は予想してたゲーム展開でしたが、正直キツかったですね。その中で阿部が本当に良く投げてくれたなと思います。攻撃陣に関しては、相手ピッチャーが素晴らしかったので中々打てませんでしたが、最後に2点取ってくれたのは大きかったですね。強豪揃いのスプリングカップなので今日の様な厳しい戦いが続くと思いますが、何とかファイナルの舞台を目標に一つ一つ勝っていきたいなと思います」と語り、選手達の健闘を称えつつ、最後は今季こその悲願達成を誓う言葉で締めくくった。
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