TOP > スプリングカップ2016 > バックナンバー > 「新主将が打でチームを牽引!ペンギンズがスプリング初陣を制す!!」
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       世田谷ペンギンズ           0        0        3        0        0        0        1        4    
             Tropicana           0        0        0        1        0        0        0        1    
石本の好投に4番萩原が3打点の活躍!快勝の世田谷ペンギンズが2回戦へ!!
気温9℃と、まだまだ寒さが厳しい天候となった3月13日。この日、東京都練馬区の北大泉野球場では、今季初の取材ゲームにして決して負けの許されない春のトーナメントバトル、「世田谷ペンギンズ 対 Tropicana」のスプリングカップ1回戦が繰り広げられた。
戦いの先攻は、2年振りにスプリングの舞台へと還ってきた世田谷ペンギンズ。
そのチームの指揮官である川久保監督はゲーム前、「今年は沢山の若手も増えましたし、例年より早く始動出来たので色々楽しみな1年になりそうです。その中で今シーズンは少し弱い打力をカバーするために機動力を使って先の塁を盗む野球というのをテーマに掲げているので、今日のゲームも迎里を中心とする主軸の前に如何にランナーを溜められるかが鍵になると思います。まあ、とにかく初戦という事で良い戦いが出来るように頑張ります」と語り、新シーズンの初陣に期待を込めた。
また、攻守に渡って大黒柱の存在となる迎里は、「初戦だからと言って何かを意識する事はありませんが、キャッチャーというポジションを守るので、そこはしっかりと仕事をしなければなと思っています。特にリード面に関しては注意しなければいけないバッターを早い段階で見極めて、そこを如何に抑えるかが大事になってくると思います。あとバッティングの方は、昨年思うような結果を出せなかったので、今年は率という所に拘っていきたいなとは思っています」と語り、冷静沈着なキープレーヤーが静かに闘志を燃やす。
対する後攻は、初参戦から3年連続での初戦突破のみならず、今季こそはと更なる高みを目指す若武者Tropicana。そんなチームを統率する松下監督はゲーム前、「今日は2016年一発目の公式戦という事で、今季のスタートをしっかりと切れるような試合にしたいと思っています。特に結成3年目を迎えた今シーズンは、1年目にあった勢いを取り戻す意味でも初心にかえり、新たに増えたメンバーと共に初回から攻める野球を心掛けたいなと思います。ポイントなるのは、攻撃面だと小室、小田の1、2番コンビが出塁して如何にプレッシャーを掛けられるかだと思いますし、守りの面に関しては新加入の先発新垣がどこまで踏ん張れるかに掛かっていると思いますね」とコメントし、重要となる開幕戦を前に気合いを漲らせる。
また、ニューフェイスながら初戦の先発を任された新垣は、「加入後初の試合という事で緊張していますが、コントロールに気をつけてストライク先行のピッチングを心掛けたいなと思っています。とにかく、ゲームを壊さないように頑張ります」とコメントし、負けの許されない大事なマウンドに上がる。

そんな両雄が相見える事となったスプリングカップのオープニングマッチは午前10時のプレーボールで幕を明け、序盤は互いにチャンスこそ作れど活かし切れない展開となる。
1回表、世田谷ペンギンズ打線は1番矢ヶ部が7球粘ってからの四球で出塁するも、後続が凡退し無得点に終わる。対するTropicana打線も2回裏に2アウトからエラー、死球で1、2塁のチャンスを作り出すも、8番山木の捉えた打球が運悪くセンター正面を突いてしまうなど決定打に欠き、先制点奪取とはならない。
だがゲームは3回表、ここまでの展開を打ち破るかのように世田谷ペンギンズ打線が奮起。この回先頭の8番平沢が死球を貰いノーアウトのランナーとして出塁すると、続く9番上原の送りバントが相手キャッチャー山木のフィルダースチョイスを誘うなどしてチャンスを拡大。その後、1、2番が凡退し2アウトとなるが3番迎里も死球を貰い満塁とすると、この日4番に据わった新キャプテンの萩原が三遊間を破る2点タイムリーを放ち先制。更に、チームリーダーの一打で勢いづいた打線はこの回、6番中村にもライト線へのタイムリーが生まれ一挙3点の先取に成功し、一気にゲームの主導権を握る。

一方、死球2つにフィルダースチョイスと無駄なランナーを許した事で3点のビハインドとなってしまったTropicana。だがそれでも、簡単に諦める訳にいかない彼らは4回裏、この回先頭の3番田母神が打ち倦ねていた世田谷ペンギンズ先発の石本からセンター前ヒットを放ち、この試合初めてノーアウトのランナーとして出塁すれば、ペースを乱された石本の牽制悪送球と4番塩谷の進塁打で1アウト3塁のチャンスを作る。すると、迎えた5番小松原の放ったライトへの犠牲フライでようやく1点を捥ぎ取り、反撃開始の狼煙を上げる。
しかし、続く5回の攻撃を簡単に三者凡退で終えてしまうと、6回裏も絶妙なセフティーバントを決めた1番小室の出塁を活かし切れず無得点に終わり、追い上げムードを失ってしまう。そんな中迎えたゲームは7回表、世田谷ペンギンズ打線が1番矢ヶ部の四球出塁に3番迎里のレフト前ヒットで2アウトながら1、3塁の場面を演出すると、再びチャンスで回ってきた4番萩原が詰まりながらもレフトへと弾き返すダメ押しタイムリーを放ち勝負あり。新キャプテン萩原が叩き出した3打点などチャンスを確実にモノにした攻撃に加え、守っても6回1失点と文句無しの好投を披露した先発石本から平沢への継投策でTropicana打線を最少失点で抑え込んだ世田谷ペンギンズが4対1のスコアで勝利を飾り、見事1回戦突破を決めた。

ゲーム後、勝利インタビューに答えた川久保監督は、「相手が良いチームでなかなか隙がなかったのですが、僅かなミスを巧く突けたのが良かったのかなと思います。まあ、こんな展開はなかなかあるものじゃないですが、試合前の予想通りになったので本当に良いゲームでした。特に4番萩原のタイムリーで奪った先制点、追加点というのは大きかったですね。また、守りの面でも石本、迎里のバッテリーを中心にしっかりと守れていたので、この先も攻守で今日の様な状態を続けていければなと思います」と語り、理想的なゲーム運びで掴んだ勝利に頬を緩めた。
一方、最後まで本来のポテンシャルを発揮出来ないままに敗れ去ったTropicana。ゲーム後話しを伺った松下監督は、「やはり、初戦という事で怪我を押してでも自分が投げなくてはいけなかったのかなと痛感しているのと、新加入の新垣を初戦に持ってきた事により初めてづくしになってチーム全体が浮き足立ってしまったのかなと思います。それ故、攻撃面では安打数の少なさは勿論、何度かあったチャンスを活かせず終いでしたし、守りでは無駄なランナーを溜めての失点と悪循環でしたね。とは言え、負けはしましたがシーズンの始めで多くの課題が見つかったという点では良かったと思うので、これを強豪揃いのリーグ戦の方で活かして何とかオレンジカラー旋風を巻き起こせるように頑張ります」とコメントを残し、これから始まる1部リーグでのリベンジを強く誓った。
【MVPインタビュー】 #10 萩原 弘行 【監督インタビュー】 #30 川久保 繁樹 試合動画、インタビュー動画はこちら ↑