TOP > スプリングカップ2014 > バックナンバー > 「遂に掴んだ檜舞台。大宮フェニックスが悲願のファイナルへ!!」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
      相模KOT'S           0        0        0        0        0        0        0        0    
      大宮フェニックス           0        3        1        0        3        0        ×        7    
ベテラン山本が大仕事!投げては阿部が好調相模KOT'S打線を零封!!
8月3日。この日も各地で31試合の熱き戦いが繰り広げられた中、さいたま市の大宮健保グランドを舞台に行われた一戦は、今シーズンのファイナリスト一番乗りを懸けた「相模KOT'S 対 大宮フェニックス」のスプリングカップ準決勝である。

共に初のファイナル進出へと闘志が漲る両雄。 先攻相模KOT'S吉田(直)代表はゲーム前、「ここへ来て少し調子を落としているんですが、ここまで来たらやるしかないですね。初回から1番加藤を中心に確実に1点を先制して、後は先発吉田(正)、泉の継投で守り切るロースコアの戦いで勝ちたいと思います」とゲームプランをイメージ。
そのキーマンとなる先発のエース吉田(正)は、「相手は強力打線なので、簡単にストライクを取りにいかない事がポイントです。とにかく自分の生命線はコントロールなので、それを信じて投げたいと思います。あとはいかに良い形で泉に継投出来るかが勝利のカギですね」とゲーム前にコメント。東京ドナルドダック、スタイガーといった歴代王者を薙ぎ倒してきた自信と誇りを持って大一番へと挑む。

対する後攻の大宮フェニックスは、ここまでの3試合全てを1点差ゲームでモノにし、無類の勝負強さを発揮し勝ち上がってきた。それもこれも昨年のリベンジと共に、初のファイナル進出を掴み獲る強い気持ちの表れ。そんなチームを率いる永野監督は、「今日の戦いはリベンジという事もありますし、まだ8月ですが自分達の中では集大成というくらいの気持ちでいます。ポイントとしては1回の攻防ですね。そこをリズム良くいければ勝ちが見えてくると思います」とゲーム前のコメント。
また、投打のキーマンである阿部にも話を伺うと、「ここ最近不甲斐ないピッチングをしているので、今日は最小限の失点に抑えたいですね。打つ方としては、仲間がチャンスで回してくれると言っているので期待に応えたいと思います。とにかく暑さと相手に負けないように頑張ります」と躍動を誓い、チーム全員が悲願のファイナル進出へと気持ちを一つにする。

そんな両雄が相見える決戦の火蓋は、早くも気温が30度にまで達した午前9時30分のプレーボールで切って落とされた。
両陣営がキーと睨んだ1回、相模KOT'S打線は1番加藤がレフト前ヒットで出塁し、思惑通りの展開を作るが、2番田村が併殺打に倒れチャンスを逸する。一方の大宮フェニックス打線は、初回の守りで流れを呼び込んだだけに先制点を期待したが、1、2、3番が三者凡退に倒れ、こちらも無得点に終わる。

互いに先制パンチに失敗した初回の攻防。だが2回、相模KOT'Sのクリンアップと相対した阿部が、僅か7球で三者凡退に仕留め再び流れを引き寄せると、直後に攻撃陣が応えた。
4番阿部、5番石塚の連続四死球をきっかけに2アウトながら1、3塁のチャンスを作り出すと、迎えた8番山本が値千金の一打を放つ。「次に繋ぐ気持ちだけで打ちました」とゲーム後に語った快心の当たりは、右中間を破るランニングHR。40歳の大ベテランが3点の先制をもたらすと同時に、若きナインに大いなる勇気を与えた。
さらにフェニックス打線は、続く3回にも先頭の1番山下が吉田(正)の2球目を弾き返すセンターオーバーのランニングHRを放ち4対0とし、ゲームの流れを揺るぎないものにした。

加えて、好調打線の奮起に触発されるかのように阿部のピッチングも冴え渡り、4回まで許したヒットは2本のみと相手打線を機能させない。
それでも5回、ようやく繋がりを見せた相模KOT'S打線にヒットと四球で2アウトながら満塁とされ、この試合最大のピンチを背負う。しかし、今大会幾多の接戦をモノにしてきた大宮フェニックスには一縷の隙もなく、満を持して登場してきた代打吉田(直)をピッチャーゴロに打ち取り、決して得点を許さない。

ピンチを脱し俄然勢いづいた大宮フェニックスは直後の5回裏、1番山下が死球での出塁に盗塁でチャンスメイクを図ると、2番大谷(隼)の放った一打がサード強襲ヒットとなり5点目。さらには3番橋本(一)の進塁打で1アウト3塁とし、4番阿部のタイムリー内野安打で6点目を奪うと、5番石塚のタイムリー3ベースヒットでダメ押し。2番手泉をも攻略し圧倒的な破壊力を見せつけた大宮フェニックスが、投げては阿部の完封と投打で本領発揮。高い壁であった準決勝を遂に制し、大舞台への切符をその手に掴んだ。

ゲーム後、永野監督は「2回の3点が全てですね」と振り返り、「決勝戦までは時間があるので、しっかりと調整したいと思います」と初のファイナルへ気持ちを引き締めた。
一方、怒濤の快進撃もファイナル出場目前でストップしてしまった相模KOT'S。ゲーム後、吉田(直)代表は「残念ですね。不甲斐ない試合をしてしまってすいません」と肩を落とすも、残るリーグとサマーカップに全身全霊で挑む覚悟を決めグランドを後にした。
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