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        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
      ARUYO東海           0        0        0        0        0        0        0        0    
      大宮フェニックス           3        0        0        0        0        0        ×        3    
エース阿部が宿敵をシャットアウト!大宮フェニックスが第4代王者に君臨!!
12月14日。この日、冬本番の冷たい空気がより一層の緊張感を漂わせた西武ドームでは、今シーズン最初のファイナルマッチである「ARUYO東海 対 大宮フェニックス」のスプリングカップ決勝戦が行われた。
戦いの先攻は、昨年の雪辱を晴らす事ただ一点だけを見据え、決勝の舞台へと帰ってきたARUYO東海。再びチームをこの地へと導いた茂手木監督はゲーム前、「1年の総決算なので、春から積み上げてきたものを何とか形にしたいと思います。まぁ先日古谷も言っていたように優勝監督にしてくれるでしょう」と期待十分のコメント。
その古谷は勿論、選手全員が『ファイナルの借りはファイナルで返す』と言わんばかりに王座奪還へと闘志を燃やす。特に先発の北村は、「正直緊張してますが、今日はしっかりと自分のピッチングをして抑えたいと思います」と集中力を研ぎ澄ませ、自身では初となる西武ドームのマウンドで躍動を誓った。
対する後攻は、悲願であった西武ドームへと遂に足を踏み入れた大宮フェニックス。更にその大舞台で相対するは最大の宿敵だけに言うまでもなくナインのモチベーションは最高潮。
ゲーム前に話を伺った永野監督は、「何と言っても相手はこれまで2戦2敗のARUYO東海さんなので、リベンジも兼ねた戦いにみんな気合いが入ってます。今まで1つの大会を制覇した事がないので、今日は必ず優勝したいと思います」とコメント。
また、優勝のキーマンとなる先発で4番の阿部は、「ここまで来たので楽しむ事は勿論ですが、今日は何としても勝ちたいので頑張ります」と投打での奮起を約束した。

両雄共にそれぞれのリベンジも兼ねた頂上決戦の火蓋は、午後3時45分稲垣主審のプレーボールで切って落とされ、ゲームは1回から大きく動いた。
初回、ARUYO東海打線に1アウトから四球とエラーで1、2塁のチャンスを作られたものの、守の要であるキャッチャー石塚の3盗阻止などでピンチを凌いだ大宮フェニックスはその裏、強力打線がいきなりの大爆発を見せた。
切り込み隊長の1番山下が俊足を活かした出塁で口火を切ると、2番永野もセンター前ヒットで繋ぎノーアウト1、2塁。更に続く3番橋本(一)の完璧な送りバントで2、3塁へとチャンスを広げると、迎えた4番阿部が仲間のチャンスメイクを無駄にしてなるものかと北村の投じたストレートをフルスイング。その主砲の一振りから放たれた一打は、2塁ランナー永野までもホームに還るセンターへの2点タイムリーとなり先制に成功。
尚も打線は5番中村、6番石塚の連続内野安打で満塁とし、更なる好機の場面を演出すると、7番大谷がレフト前にしぶとく落とすタイムリーを放ち、この回怒濤の3得点。
初回のピンチを脱したディフェンスといい大宮フェニックスが攻守で流れを掴み、ゲーム序盤にして完全に勢いづいた。
中でも自らのバットで先制点を叩き出した阿部のピッチングは、回を重ねるごとに上り調子。
2回表は2アウトから7番清水にセンター前ヒットを与えたが、8番矢野をセカンドフライに打ち取り無失点。続く3回は1アウトから、4回はノーアウトでの出塁を許すも、何れもダブルプレーでチャンスの芽を摘み、持ち味である打たせて取る投球でARUYO打線を機能させない。

そんな大宮フェニックスペースで進んだゲームを、何とか終盤で巻き返すべくチャンスを窺っていたARUYO東海だったが5回裏、ここで更なる誤算が。2回以降本来のピッチングを取り戻していた北村が、投球練習中にアキレス腱を痛めるアクシデントに見舞われ降板。だがそれでも、緊急登板した2番手東がこのピンチを三者凡退で凌ぎ、逆転への望みを繋いだ。
しかし、ベテランが渾身の力投を見せるも一度失った流れを簡単には引き戻せず、6回にリードオフマン古谷がヒットと盗塁で得点圏に進むも無得点。最終回には、2アウトから6番石井が意地の内野安打で出塁するも、続く7番清水がセンターフライに倒れ万事休す。
5回の三者凡退以外、毎回のようにランナーを出したARUYO東海だったが、それ以上阿部を揺さぶる事が出来ず、王座奪還を懸け挑んだ戦いは又しても完封負けという悔しい敗戦で幕を閉じた。だが、彼らの今シーズンはまだ終わった訳ではない。来たる1月11日、こちらも昨年のリベンジマッチとなる最高峰リーグの王座奪取に全身全霊を懸け挑む。

一方、宿敵へのリベンジを果たすと共に遂に悲願のタイトル奪取を成し遂げ、スプリングカップの頂点に立った大宮フェニックス。これまでに味わってきた悔しさが全て報われた瞬間だけあって、ナインの喜びは計り知れない。
ゲーム後、チームを牽引し続けてきた永野監督は、「この決勝でもいつも通りのプレーが出来た事が勝因だと思います。ここまで苦しい時もありましたが、集大成として優勝する事が出来て本当に嬉しく思います」と喜びのコメント。
また来シーズンに向けての質問には、「僕達は常に挑戦者の気持ちをもって戦うだけです」と王座に胡座をかく事なく、連覇への挑戦にも抜かりはない。
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