TEAM	1	2	3	4	5	6	7	R
大宮フェニックス	0	0	3	0	0	0	0	3
59's	2	0	0	0	0	0	0	2

5月25日午後1時。この日2試合目の取材ゲームとなったのは、「大宮フェニックス 対 59's」のスプリングカップ3回戦。 ここまで接戦をモノにし勝ち進んできた両雄の8強入りを懸けた戦いは、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドを舞台に繰り広げられた。 先攻の大宮フェニックスは昨年、悲願である西武ドーム進出を目前とした準決勝で敗れ、悔し涙を流しているだけに今大会に懸ける思いはどのチームよりも強い。 永野監督はゲーム前、「一度対戦したかった相手なので楽しみですね」と強豪との対戦を前に胸を躍らせる。また、今日のキーマンとなるであろう先発投手で4番の阿部キャプテンは、「取材での登板は初めてなのでカメラを意識しないように気をつけます（笑）。相手が強い事は分かっているのでバックを信じて投げるだけです。バッティングは好調をキープしているので、この試合もいきますよ！」と自信を漲らせ、大黒柱が活躍を誓った。 対する後攻は衝撃のVictoriaデビューから1年、再びスプリングカップへと舞い戻ってきた59's。昨年、注目株として優勝候補に名を連ねた彼らだが、2回戦敗退と満足のいく結果を残せなかった。新代表としてチームを統率する山崎キャプテンはゲーム前、「今年は優勝を目指して戦います」と力強いコメント。 ナインも今大会こそはと目の前の一戦にモチベーションを高める。中でも先発の剛腕サイドスロー相原は、「いつも通りテンポ良く、ストライク先攻のピッチングをしたいと思います」と語り、集中力を研ぎ澄ませた。 そんな両雄が激突した絶対に負けられない戦いは、衝撃の幕開けとなった。 初回の大宮フェニックス打線を相原が3人で切って取り、リズムを掴んだ59’sはその裏、ヒットと盗塁でチャンスメイクを果たした1番清水（良）を3塁に置き、4番若林。1ボール1ストライクからの変化球を豪快にすくい上げた打球は、ぐんぐんと飛距離を延ばしそのままスタンドイン。強力打線を牽引する大砲が度肝を抜く先制弾を放ち、いきなり2点を奪取した。 対する大宮フェニックス打線は、2回までは攻撃の糸口すら見つけられなかったものの3回、遂に相原を捉える。1アウトから9番橋本（優）、1番山下が四球とヒットで1、2塁のチャンスを作り出すと、2アウトとなって迎えた3番橋本（一）が、セカンドのグラブを弾き飛ばすライト前タイムリーを放ち1点差。更には4番阿部がセンターオーバーの2点タイムリー3ベースヒットを放ち、この回一挙3得点。大宮フェニックスが誇るクリンアップの連続タイムリーで見事逆転に成功し、ゲーム前半を1点リードで折り返す。 逆にリードを許し追いかける立場となった59's。 直ぐさま同点、逆転へと転じたい所だったが、この1点が重く伸し掛かった。 3回裏の攻撃では1、2番の清水兄弟が出塁し、3番吉崎の送りバントで1アウト2、3塁のチャンスを作り出すも、4番若林、5番大西が三振とショートゴロに倒れ残塁。4、5回は三者凡退に終わったが、迎えた6回には2アウトながら1、2塁と再び一打逆転の場面を演出。 だがしかし、ここでも阿部を捕える事が出来ず好機を逃すと、最終7回の攻撃はチャンスすら作れず三者凡退。最後の最後まで闘争心剥き出しで挑んだ59'sだが、チャンスでの決定打に欠け、又しても悔しさが募る敗戦となった。 先制こそ許したものの一気の集中打で逆転勝利を飾った大宮フェニックス。 その激闘を振り返ると、投げては完投、打っては決勝打と阿部の活躍無くして今日の勝利は語れない。だがその活躍も仲間の声援、チームが生み出す一体感があるからこそであり、正に全員野球で掴んだ勝利と言えるだろう。 試合後、永野監督も「ベンチにいるメンバーも含めて全員で掴んだ勝ちですね」とコメント。 加えて「ここからはどのチームも実力は変わらないと思うので、いかに自分達の野球が出来るかだと思います。決勝進出ではなく優勝を目指します」と強い決意を口にし、次なる戦いへと歩みを進めた。