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過去最多70チームの4部頂点は葛飾セブン!苦節7年で悲願の初タイトル獲得!! |
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晴れ間が見えた昼間の天気からは一転、どんよりとした曇り空に包まれた12月11日16時15分。2日間に渡り明治神宮野球場で計8試合が行われたVictoriaファイナル2022も残り1試合となり、ラストゲームを飾ったのは葛飾セブンBBC × AVENGERS」の4部リーグ決勝戦である。
戦いの先攻葛飾セブンBBCは「エンジョイサンデー」を合言葉に今季結成8年目を迎え、Victoriaには2016年のサマーカップより参戦。Victoriaでは長年上位に食い込むことが出来ず、今季よりメンバーの年齢構成を一気に変え、2022年は出直しとばかりに4部でリスタート。従来の30歳前後を中心とした構成を抜本的に見直し、20歳の学生から50歳の監督までのまさに「親父と息子」が一堂に介した「なんでも言い合える家族の様なチーム」へと変貌。そして今季はリーグ戦で怒涛の勢いで5連勝を飾ると、決勝トーナメントも破竹の勢いで勝利を重ね見事にファイナルへの切符を掴み取った。監督の佐野間は大事な戦いを前に「まさに幅広い年齢層で言い合える環境とエンジョイサンデーに感謝し、この流れで一気にリーグの頂点を目指します!」と力強いコメントを残してくれた。
一方の後攻AVENGERSは2015年、GM城戸を中心に地元の中学・高校の同級生メンバーで土曜日のナイターチームとして活動をスタート。一度は自然解散した過去を持つチームは2020年に再びメンバーの仕事が落ち着いたのを機にユニホームを一新、新たに別チームにて草野球をしていた富永をGMに据えて活動を再開した。そして迎えた今季、月2回程度の活動から毎週日曜日活動と、オープン戦も積極的に組み調整する時間を作った。4部予選では盤石な状態で6戦全勝の首位通過を果たし、決勝トーナメントでも接戦をものにし一度は解散状態にあった危機から飛躍を遂げ、見事にプロスタ進出を決めた。そんなAVENGERSは戦いを目前にして「ブルーのユニホームと共にVictoria大会史にAVENGERSの名を刻みたい」と、こちらも期待が膨らむコメントを残した。
若干小さな雨粒もグランドに落ちる中、Victoriaファイナル2022最終戦は千葉主審のプレイボールで切って落とされ、試合開始と同時にゲームは一気に動き出す。
1回表、守備につくAVENGERS先発のマウンドには大方の予想に反して高橋が先発を務める。試合前に代表の富永は高橋について『大のヤクルトファン』と話し、高橋も晴れの舞台にやや緊張した面持ちでマウンドに上がると、先頭の葛飾セブン宮田に対して制球が定まらず、いきなりフォアボールを与える。続く2番の米田に対してもボールが先行し、2球目はワイルドピッチでランナーが進塁、バッターボックスの米田は制球の定まらない高橋に対して一度もバットを振ることなく、ストレートのフォアボールでノーアウトランナー1,2塁と葛飾セブンは先制のチャンスを作る。先発のAVENGERS高橋は大舞台で迎えたピンチに動揺を隠せず、3番大山の3球目がすっぽ抜けデッドボールを与え、ノーアウト満塁と初回から絶体絶命のピンチを迎えた。ここでたまらずAVENGERSベンチは先発の高橋を諦め、Wエースの一角である山口をマウンドへ送る。エースとして何とか無失点で切り抜けたい場面であったが、山口も慣れないマウンドに制球が定まらず4番の角山、5番の長谷川に対して2者連続のフォアボールを与え、先頭からまさかの5者連続四死球で葛飾セブンに2点を与えてしまう。続くノーアウト満塁のチャンスで打席に立つのはプレイングマネージャーの佐野間、マウンド上の山口はここで切り替えたか、簡単にストライクを2つ取るも打席の佐野間もファールで粘る。そして山口が投じた5球目、打球はセカンドに転がるも、これをセカンドの癸生川が2塁悪送球でランナー2人が還り更に2点を追加した。葛飾セブンは4-0と初回から主導権を握り、これ以上の大量失点を避けたいAVENGERSは後続を何とか切り抜け、追う展開で1回裏の攻撃を迎える。
初回から主導権を握った葛飾セブンの先発はサウスポーの豊島。監督の佐野間曰く、年々老獪さに磨きがかかり、相手心理を突いたピッチングで勝ち星を量産。強い投手から勝てる投手へ成長し、セミファイナルでは神奈川インフィニティを相手に1失点の完投勝利を収め、決勝進出の立役者となった。その豊島に対して何とか1点でも返して流れを引き寄せたいAVENGERSは1番の山口が打席に向かい、2球目をセンターに弾き返すもセンター正面で1アウト。続く2番細沼は1-1から力のないセカンドフライに倒れ簡単に2アウトとなる。3人で終わりたくないAVENGERSは3番の石川(孝)が2ストライクと追い込まれるも甘く入った球をレフトへ弾き返し、レフトの伊藤(和)がスライディングキャッチを試みるも完全捕球が出来ず、AVENGERSは2アウトからランナーが出塁する。しかしこの場面でもベテランの豊島は表情を全く変えず、続く4番鈴木をセンターフライに打ち取り3アウトチェンジ。豊島はランナーを1人許すも巧みな投球術で初回を無失点で切り抜ける。
2回表、早くも2巡目の葛飾セブンは序盤で更に点差を広げたいところであったが、本来の調子を取り戻したAVENGERS山口を打ち崩すことが出来ず、この回は三者凡退で終わる。2回裏AVENGERSも豊島の打たせて取るピッチングが冴えわたり、同じく三者凡退といい所がなく迎えた3回表、AVENGERSは早くも3人目のピッチャーにプレイングマネージャーの城戸を送る。一方の葛飾セブンは初回に4点を奪いながら未だにノーヒットと、ここで打線に勢いを与えたい場面であったが、AVENGERS城戸の低めを丁寧に突くピッチングにこのイニングも封じ込まれ、角山は変化球を空振り三振、続く長谷川、佐野間と続けてサードゴロに倒れ3回も無得点に終わる。
するとAVENGERSは3回裏、この試合初めて得点圏にランナーを置きチャンスを迎えた。葛飾セブン豊島は先頭の8番相場に対してフォアボールを与え、この試合初めてノーアウトでランナーが出塁する。続く9番星野はフルカウントからファーストフライに倒れるも先頭に還って山口のサードゴロの間にランナーが2塁へ進み、2アウトながらAVENGERSが得点圏にランナーを進める。初めて迎えた得点機にAVENGERSベンチも途中から守備についた打席の森(昌)へ向けてゲキを飛ばし、森も鋭い眼差しで全神経をマウンド上の豊島に集中させる。しかし、豊島はこの場面でも一切動じることなく簡単に2ストライクに追い込み、最後は外の変化球に森(昌)のバットは手が出ず見逃し三振で3アウトチェンジ。AVENGERSはこの回も葛飾セブン豊島を打ち崩せず無得点に終わり、試合は中盤に入る。
ここまで初回の4点以降は見応えのある投手戦が展開され、中盤以降も両投手陣の好投が光る。AVENGERS城戸は4回表に先頭を塁に出しランナーを3塁へ進められるも、味方の安定した守備にも助けられこのイニングも無失点。続く5回表も先頭にヒットで出塁を許すが、ノーアウト1塁から大山をショートゴロに抑え、4-6-3のダブルプレーが成立。ファーストの森(昌)はセカンドからの難しいスローイングにも見事なグラブ捌きを魅せ、マウンド上の城戸を援護しこのイニングも0点に抑える。一方でここまで湿りがちの打線は4回以降も葛飾セブン豊島を打ち崩せず4回、5回と無得点に終わり、試合はテンポよく進みいよいよ終盤戦を迎えた。
神宮の空も完全に暗くなり球場の照明はグランドで躍動する選手たちを照らす中、6回表の葛飾セブンは先頭の佐野間が2球目をセンターとショートの間に落として出塁、ここで佐野間に代わり代走で栢原が送られ、佐野間がベンチに戻ると仲間たちは盛大に監督の佐野間を迎える。しかし、この場面でもマウンド上の城戸は後続をピシャリと抑え、4-0と葛飾セブンリードは変わらぬまま6回裏、AVENGERSがこの日2度目のチャンスを迎えた。1アウトから先頭に還りこの日3打席目となる山口は3球目をライト前にしぶとく落とし、1アウトからランナーが出塁する。続く森(昌)は甘く入った初球のストレートをジャストミート、両チーム通じてこの日1番の当たりは左中間へ運ぶツーベースヒットとなり、1アウトランナー2,3塁とチャンスが拡大する。ホームランが出ればたちまち1点差のこの場面、終盤に入り疲れの見え始めた豊島であったが、途中出場の森(典)に対して変化球を巧みに操り、簡単に2ストライクと追い込む。打席の森(典)も何とかして次に繋げようとファールで粘るも最後は変化球を打たされ、ボテボテのファーストゴロに倒れる。しかし、この間にランナーが生還し、AVENGERSは終盤で遂に1点を返すことに成功した。2アウト3塁、3点ビハインドの中、打席にはこちらも途中出場の小勝。更に追加点を奪い、流れを引き寄せたい場面であったがカウント2-2から真ん中低めの変化球を引っ掛けて、サードゴロで3アウトチェンジ。AVENGERSは何とか1点を返すも後続が続かず、試合は4-1と葛飾セブンがリードのまま最終回に入る。
そして迎えた7回表、AVENGERSは再びノーアウトからランナーの出塁を許すも、この日2度目となる6-4-3のダブルプレーが成立し、城戸はバックの堅い守りにも助けられ最終回の攻撃に望みを繋げる。
3点差のまま葛飾セブンは最後の守備を迎え、このイニングも完投勝利を見据えて豊島がマウンドに立つ。AVENGERSは城戸から始まる好打順であったが、変化球を打たされセカンドフライで1アウト。続く途中出場の石川(圭)は3球目、鋭い打球を放つもボールはセカンド正面のゴロとなり簡単に2アウト。あと1人の場面で、迎えたのはこちらも途中出場の國廣。最後のバッターになるまいと打席の國廣は狙い球を絞り、意地のセンター前ヒットを放ち2アウトからランナーが出塁する。しかし、神宮の大舞台でも終始動じることのなかったマウンドの上の豊島は、ここでも得意の打たせて取るピッチングで最後は相場をセカンドゴロに打ち取り、佐藤(純)が落ち着いて捌き2塁へ送り試合終了。Victoriaファイナル2022のクライマックスを飾った4部リーグの決勝戦は、エース豊島が初回の4点を死守し葛飾セブンBBCが初優勝を飾った。
ゲーム後、優勝を果たした葛飾セブンの佐野間監督は試合後も終始笑顔でインタビューに答え、苦しい戦いを振り返りながら「来季もここにいるメンバーとエンジョイサンデーを継続しながら全員野球で頑張る!」と2023年の目標を語り、7回1失点でMVPに輝いた豊島はやや恥ずかしそうな表情で自身のピッチングについて「今日は変化球がよく入っていて、それでカウントを取れたことが良かった」と最後まで冷静に自身の投球を振り返った。
一方の敗れてしまったAVENGERSは初回の5連続四死球が最後まで悔やまれる結果となったが、2番手山口と3番手の城戸は自責点0と完璧な内容だった。来季昇格となる3部リーグの舞台でもAVENGERSらしい野球を見せてほしい。
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