TOP > Victoriaリーグ4部(2019年) > バックナンバー > 「エース有馬が完投勝利!昨年3位のPreciousが1回戦突破!!」
TEAM1234567R
         Precious      1        0        0        0        0        6        0        7    
  上石神井野球部      1        0        0        1        0        0        0        2    
6回の攻撃で明暗!一挙6得点のビッグイニング作り、Preciousが逆転勝利!!
10月がすぐそこにまで近づく中、まだまだ残暑厳しい夏の陽気に包まれた9月29日。シーズン終盤となり、各地で負けの許されない数多くの戦いが繰り広げられる中、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドでは、いよいよ大詰めを迎えた4部リーグの決勝トーナメント1回戦 「Precious × 上石神井野球部」の一戦が行われた。 戦いの先攻は、Victoriaリーグ参戦初年度の昨年、4部リーグベスト4進出を果たしたPrecious。参戦2年目を迎えた今年こそファイナルへ進むべく、リーグ戦をEブロック5勝1分の負けなしで突破しており、盤石の体制だ。そんなチームを率いる代表兼監督の谷は「去年はあと一歩でファイナルに行けなかったので、その雪辱を果たせるように頑張ります」と、昨年のリベンジを誓った。また、注目選手として名前が挙がった鈴木は「今シーズンは絶好調です。今日は打って勝ちたいと思います」と主砲としての活躍を約束した。 対する後攻は、Victoriaリーグ参戦4年目を迎え、初の決勝トーナメントの舞台で大躍進を目指す上石神井野球部。2年前の取材時は、石川がHRを放ちMVPに選ばれるなど、取材ゲームに強く、本日もその勝負強さを発揮したいところ。そんなチームを指揮する青柳監督は「Victoriaはプロスタに繋がる大会ということで、春先からモチベーション高く戦ってきました。決勝トーナメントということで緊張していますが、思い切ったプレーを心掛け、チーム一丸となって勝って、次に繋げたいと思います」と語り、全員野球で勝利を目指す。また、注目選手に選ばれた先発投手の川崎は「試合の流れを変えないように精一杯投げたいです。今シーズンの課題は四死球を減らすということなので、今日もそこを心掛けて投げたいと思います」と丁寧なピッチングでチームに流れをもたらすことを誓った。 そんな両雄が相対する事となったバトルの火蓋は、午前8時10分のプレーボールで切って落とされ、試合は序盤から動きを見せ、両者譲らない展開となった。 1回表、Preciousは1アウトから2番島田が四球で出塁すると、続く3番浅野が左中間に2ベースヒットを放ち、2,3塁のチャンスを作る。ここで迎えた4番鈴木(寛)がエンドランを決め、1点を先制する。なおも2アウト3塁とチャンスは続くが、ここは上石神井の先発投手川崎が後続を切り、最少失点に留める。
追い付きたい上石神井は、1回裏にすぐさま反撃に出る。1番滿汐がライトオーバーの2ベースヒットで出塁すると、2番加藤がきっちり送り、1アウト3塁と絶好のチャンスを迎える。ここで3番大田中がエンドランを決め、同点に追い付く。両者、初回からクリーンアップのエンドランで得点し、この試合に懸ける執念が窺える。 2回、3回は両者毎回スコアリングポジションにランナーを進めるも、決定打が出ず無得点。上石神井川崎は相手のタイミングを外すスローカーブを武器に、Precious有馬は速球と変化鋭いスライダーを武器に要所を抑え、お互いに譲らないピッチングを見せる。そして、再度試合が動いたのは4回。表のPreciousの攻撃、先頭の6番有馬がサードベンチ付近に打ち上げたフライを上石神井キャッチャーの大田中がスーパーダイビングキャッチ。1アウトとすると、さらに続く7番谷のセンターへの大飛球を平塚が好捕。続くバッターもサードフライで上石神井がこの回を好プレーで3人に切って取り、流れを呼び込む。すると直後の4回裏、取材に強い6番石川が左中間へホームランを放ち、上石神井がついにリードを奪う。石川が取材試合連続ホームランという快挙を達成した。 追い付きたいPreciousは5回表、上石神井の内野ミス2つで2アウト1,3塁のチャンスを作る。しかし、川崎が気迫の投球で無失点に抑える。5回裏、リードオフマン滿汐が死球、盗塁、2番加藤の進塁打で3塁に進むも、後続をPrecious有馬が抑え、攻撃へのリズムを作る。6回表、ついにPrecious強力打線が上石神井川崎に襲い掛かる。1アウト後、6番有馬がレフト前ヒットで出塁すると、7番谷のライトへの大飛球がエンタイトル2ベースになり、2,3塁のチャンスを作る。8番は凡退も、9番鈴木(啓)が四球で繋ぎ2アウト満塁とすると、1番篠原がレフト線へ2ベースヒットを放ち、Preciousが逆転に成功。1度勢いに乗ったら止まらない強力打線は、2番島田のセンター前ヒットでさらに2点追加。さらに3番浅野、4番鈴木 (寛) の連続レフト前ヒットで再び満塁とすると、ここで上石神井はピッチャーを岩崎にスイッチ。しかし勢いが止まらない打線は、続く5番根岸のレフト前ヒット、7番有馬の押し出し四球でこの回一挙6得点。ビッグイニングでトータルスコアを2-7とし、Preciousがリードを5点に広げる。 まだまだ諦めない上石神井は6回裏、先頭の主将飯島が右中間への2ベースヒットを放ちチャンスメイク。3塁まで進むも後続が倒れ無得点。最終7回、Preciousの攻撃は、この日2つ目となるキャッチャー大田中のナイスキャッチと、岩崎の気迫の投球で無得点。7回裏の上石神井の攻撃、最終回に入りさらにギアを上げた有馬から2者連続三振を奪われ、後がなくなる。内野安打2つで2アウト1,2塁のチャンスを作り意地を見せるも、最後の打者がピッチャーゴロとなり試合終了。序盤まで互角の展開だった試合を、終盤一気に突き放したPreciousが勝利。安定した投球で完投勝利を収めた有馬がMVPに選ばれた。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた代表兼監督の谷は「相手チームは1回表にうちが点を取った直後、ゴロを転がして1点を取ってくるあたり、すごく堅いチームだなと思いました。5回までは苦しい展開でしたが、これまでリーグ戦でもビハインドの苦しい試合を経験してきましたので、選手を信じて見守っていました。次も初対戦のチームになりますので、普段からのチームの良いところを出して、一戦必勝で頑張ります」と、試合を振り返りつつ、横浜BLUESTARSとのリーグ無敗対決に向けて意気込みを語った。
一方、互角の戦いを見せ、キャッチャー大田中の2度の好守などで粘り強く守るも、終盤力尽きた上石神井野球部。ゲーム後、青柳監督は「Preciousさんの方が格上と思っていたので、先制点を取って主導権を握りたかったのですが、1回表に先制されてしまいました。しかし、直後の1回裏に追い付けたところは良かったです。序盤中盤は、ピッチャーの川崎を中心に粘り強く守り、石川のホームランで勝ち越し、あのまま逃げ切りたかったのですが、守備のミス一つで流れが変わってしまい、大量失点をしてしまったのは野球の怖さを感じました。ただ、チームとしては、試合全体を通して、良い雰囲気で良い試合ができました。プロスタを目指して、みんなでモチベーション高くできたので、負けてしまいましたが、悔いはないです」と、清々しい表情で敗戦を振り返った。
【MVPインタビュー】#18 有馬 康文
【監督インタビュー】#30 谷 知樹
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