TOP > Victoriaリーグ3部(2020年) > バックナンバー > 「初出場・清瀬ロングコックスが最激戦区3部を制す!!」
TEAM1234567R
  Harrier      0        0        0        0        0        0        0        0    
  ロングコックス      0        1        1        0        0        0        ×        2    
沼澤・高崎の鉄壁リレー!ロングコックスがリベンジ果たし初出場初優勝!!
太陽が覗くものの、最高気温が6.5度とこの冬一番の寒波が押し寄せた1月11日。決戦の地・明治神宮野球場を舞台に行われたVictoriaファイナル2日目のオープニングゲームを飾ったのは「Harrier × 清瀬ロングコックス」のVictoria最激戦区、3部リーグ決勝戦である。
戦いの先攻はVictoria参戦4年目、チーム結成10年目のメモリアルイヤーに初のファイナル進出を果たしたHarrier。今季は、30代メンバーと20代メンバーがバランス良く融合した結果、選手1人1人が適材適所の役割を全うして悲願の神宮への切符を掴んだ。今季は『エース古川と心中』とテーマを掲げ、そのテーマ通りエースの古川が決勝トーナメント3試合でわずか1失点と大車輪の活躍を見せた。当然ファイナルの舞台でも活躍が予想された古川だがファイナル直前でまさかの怪我をしてしまい、やっと掴んだ夢舞台は欠場となってしまった。このチームの緊急事態にマウンドに上がった榎本を救うべく、シーズン後半は打率4割超をマークし、決勝トーナメントでは何度も決勝打を放つなど勝負強さを発揮した工藤(純)と、チャンスにめっぽう強くどんな場面でも自分自身のスイングを貫く椎原を中心とした攻撃陣がどれだけ援護できるかが、Harrier初タイトルへのカギを握る事であろう。
対する後攻の清瀬ロングコックスは、中学硬式クラブ・清瀬ポニー出身メンバーで構成され、Victoria参戦初年度で最激戦区を勝ち抜き、ファイナル進出の快挙を成し遂げた。キーマンとなるのは、先発投手でありながら強力打線のクリーンアップを務めるチーム最年少のサウスポー沼澤だ。シーズン序盤は不安定な投球が続いたが、終盤にかけて抜群の安定感を誇り、準決勝の我孫子フラワーズ戦でも完封勝利を収めている。また沼澤以外にも高崎、阪、高橋とエース級投手が控えており、どのような継投を見せるか楽しみである。攻撃陣の注目選手として名前が挙がったのは、強肩強打の捕手であると共に一級品の打撃センスで不動の4番を務める小寺と、誰よりもVictoriaに懸ける思いが強く、人一倍の努力でシーズン終盤からレギュラーの座を掴んだ「ノラ(野良犬)」の愛称で親しまれる土井の活躍ぶりにも注目したい。 奇しくも両チームは予選リーグEブロック同士で既に対峙しており、1stラウンドはHarrier古川が粘りの投球を見せ、4-3でHarrierに軍配が上がった。清瀬ロングコックスにとってはリベンジマッチとなった熱き戦いの火蓋は、午前8時ジャストのプレイボールで切って落とされ、初回は両先発投手の好投により無得点と静かな立ち上がりを見せる。
試合が動いたのは2回裏、表の守りで強肩捕手小寺の盗塁阻止にて守備から良いリズムを作った清瀬ロングコックスは、1アウトから5番沼澤がファースト強襲ヒットで出塁すると、6番外崎の内野ゴロが2つの送球ミスを誘い、1アウト1,3塁と先制のチャンスを迎える。ここで迎えたのは6番の堀、カウント1-1とスクイズや叩きなどの作戦が考えられる場面でベンチは堀のバットに託すと、堀は体制を崩されながらも徹底したゴロ意識でセカンドに転がし、その間に3塁ランナーがホームイン、清瀬ロングコックスが先制点を奪いベンチも盛り上がりを見せる。
3回表、序盤で追いつきたいHarrierであったが、清瀬ロングコックス先発の沼澤が伸びのある直球と変化球を自在に操り8番の石田、9番の狩野と見事二者連続空振り三振に切って取るなど、 Harrierに反撃の隙を与えない投球を披露する。
更に攻撃の手を緩めない清瀬ロングコックスは3回裏、先頭の1番平澤がライト前ヒットで出塁すると、すかさず盗塁を決めノーアウト2塁とし、2番高橋の進塁打で1アウト3塁と追加点のチャンスを作る。前のイニングと似たシーンで打席に入った3番岡本に対し、ここでベンチが選んだ作戦はエンドラン、榎本が投じた2球目は高めに浮いたがこれを岡本は見事に叩きつけ1点を追加。清瀬ロングコックスが欲しかった追加点を奪い、2-0とリードを広げる。 2点を追う展開となったHarrierは4回表、先頭1番佐久本がレフト線への2ベースヒットで出塁すると、2番工藤(純)が四球を選びノーアウト1,2塁とチャンスメイク。3番椎原は三振に倒れるも、4番市村が内野安打で出塁し1アウト満塁と絶好の得点機を迎える。最大のピンチを迎えた清瀬ロングコックスは、ここでタイムを取り内野陣がマウンドに集まる。Harrierは最低でも1点が欲しい場面で打席に立ったのは5番の細野。カウント1-2からの4球目、真ん中に入った甘い球をフルスイングするも、ボールはバットの先端に当たり無情にもピッチャーゴロで2アウト。続く6番小野田はフルカウントまで粘るがセカンドフライに倒れ、気迫の投球を魅せた清瀬ロングコックス沼澤に軍配が上がった。
1点が遠いHarrierは5回表、疲れが見え始めた沼澤から2つの四死球を貰い、2アウト1,2塁と4回に続きスコアリングポジションにランナーを進める。この回もピンチを迎えた沼澤であったが、左腕は最後の力を振り絞り、渾身のストレートを次々と投げ込む。その結果、見事に工藤(純)から空振り三振を奪い、ここでも得点を許さず。沼澤はマウンド上で雄叫びを上げ、5イニング無失点と完璧なピッチングで先発の役目を十分に果たす。
6回表からマウンドに上がった高崎は、先頭の椎原を四球で出塁を許すも続く市村を5-4-3のダブルプレーに打ち取り、バックの堅い守りにも助けられ無失点で切り抜けた。一方のHarrier先発の榎本も4回以降は無失点と好投を続け、6回裏も2番高橋から始まる好打順に対して3つのアウト全てを内野ゴロで取り、最終回に望みを繋げる。
迎えた7回表のHarrierの攻撃、この回もマウンドに高崎が上がると先頭の小野田に対しフルカウントから低めの変化球を振らせ1アウト、続く7番主将の中川は変化球に上手くタイミングを合わせるも打球はファースト二本松の正面に転がり2アウト。後が無い状況で打席に立つのはここまでノーヒットの石田。何としても出塁したい場面であったが、高崎が投じた低めの変化球を引っ掛けると、この打球をサード土井が落ち着いて捌きゲームセット。清瀬ロングコックスが予選リーグの雪辱を果たし、最激戦区3部リーグ63チームの頂点に輝いた。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた吉川監督はお立ち台に上がると「最高です!」と大声で叫び、喜びを爆発させた。本日のゲームについては「Harrierさんには予選で逆転負けしてしまっていたので、最後まで気の抜けない戦いでしたが、勝てて良かったです」と激戦を振り返り、「2部リーグに上がっても、凡事徹底と笑顔をテーマに3部、2部連覇できるように頑張ります」と来季に向けての抱負を語ってくれた。MVPに選ばれた沼澤は「Harrierさんには予選で負けていたので、油断しないで堅実なピッチングを心掛けた結果、自分自身の思っていた通りのピッチングが出来ました。清瀬ロングコックスは僕のチームなので、お立ち台は誰にも渡しません!」と最後は笑いも交えながら力強く言い切った。
一方、大エース古川を怪我で欠くも互角の戦いを見せてくれたHarrier。チャンスは作るもあと一本が出ず惜しくも準優勝となってしまったが、古川に代わって登板した榎本は最後まで投げ切り見事代役を果たした。予選からファイナルまでを全勝で勝ち抜いてきた彼らだが、2部リーグでも目が離せない存在となるであろう。
【MVPインタビュー】#20 沼澤 大斗
【監督インタビュー】#30 吉川 優太
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