TEAM	1	2	3	4	5	6	7	S	R
King☆Johnny	0	0	0	0	0	0	0	2	2
CRN	0	0	0	0	0	0	0	0	0

12月25日のクリスマス当日。先日行われたファイナル第一ラウンドに続き、天候に恵まれたファイナル第2ラウンドは、決戦の地・明治神宮野球場を舞台に年間を通し戦い抜いてきた各リーグの王者を決める3試合が開催され、そのオープニングゲームを飾ったのは、「King☆Johnny 対 CRN」の3部リーグ決勝戦である。 奇しくも予選Eブロック同士の頂上決戦となったバトル。戦いの先攻King☆Johnnyの指揮官柴崎監督はゲーム前、「いよいよ大きな舞台に立てるという事で興奮していますね。チームの雰囲気としても地元足立区の大会を含め今季3つ目のタイトルを懸けた戦いになるので、みんな気持ちが入っていますし非常に楽しみです。勝負のポイントとしては、先ずは全員で楽しむ事が一番だと思いますので参加メンバー全員が出場しつつ、その中で先発のエース藤尾を中心に守り抜いて最後に優勝という結果が付いてくれば最高かなと思いますね。CRNさんには予選で負けているので、今日は何としても勝ってメンバー全員で笑いたいなと思います」と気合い十分。 また、キーマンに名前の挙がった先発の藤尾は、「正直、肩の状態は万全ではないですが、ここまで来たらやっぱり優勝したいので、勝って監督を胴上げ出来るように全力で投げ抜きたいなと思っています」と語り、エースとしてのプライドを胸にいざ神宮のマウンドに上がる。 対する後攻のCRNをキャプテンとして束ねる宮澤（聡）はゲーム前、「この一年は神宮球場という大舞台を目指して頑張ってきたので、本当に嬉しいです。なので今日は、勝ちに拘らないと言ったら嘘になりますが、先ずは全員で楽しみながらプレーをして、その結果有終の美を飾れて監督を胴上げ出来たらなと思います。勝負のポイントとしては、守って守って最少失点で勝つというのがウチのスタイルなので、先ずはピッチャーを中心にしっかりディフェンスをして、あとは少ないチャンスを確実にモノにしていく事ですね。とにかくチーム一丸、一生懸命戦いたいなと思います。」とコメントし、結成70年の歴史に新たな称号を刻むべく勝利を目指す。 また、先発マウンドこそ及川に譲ったものの、満を持しての登場へと心身ともに備えるエース上田は、「調子も良いのでとても楽しみですね。テーマとしては、いつも通り淡々と投げるだけなので、打線のエンジンがかかるまでは粘り強いピッチングを心掛けたいなと思います。先ずは、いつでもいける様にしっかり準備をして、マウンドに上がったら最初から全力でいきたいと思っています。とにかく良い試合になると思うので、負けないように頑張ります」と話し、エースが気合いと覚悟を窺わせた。 何れにしても、互いに初出場での頂点奪取を目論む両雄の対決は、午前8時、稲垣（誠）主審のプレーボールでスタートを切り、ゲームは両陣営共に序盤から積極的な仕掛けでチャンスを演出する。 先ずはKing☆Johnny打線が1回表から四球、エラーで1、2塁のチャンスを作れば、続く2回表にも5番藤尾、6番秦の四球、ヒットでノーアウト1、2塁の好機を作り出し、CRN先発の及川を揺さぶる。一方のCRN打線も1回裏に先頭の泰江（高）が四球出塁を果たすと、すかさず仕掛けた盗塁時に相手守備陣の乱れが重なり、一気に3塁へと進み絶好のチャンスを迎える。しかし、両者共にチャンスこそ演出するものの、及川、藤尾の両投手が見せる粘投の前に決定打が放てず、幸先良く先手を取る事が出来ない。 するとゲームは中盤以降、得点シーンを匂わせた序盤の展開から一転、両エースが白熱の投手戦を展開。立ち上がりこそ先頭バッターに許した四球をきっかけにピンチを招いた藤尾だったが、2回の三者凡退に続き、3、4回も3人ずつでCRN打線を封じれば、5回は途中出場の6番石井に初ヒットこそ許せどファースト石川のファインプレーにも助けられ、この回も無失点。ここまで許したヒットは僅か1本と文句無しのピッチングを見せつける。 一方、3回途中からマウンドに上がった上田はというと、4、5回共に先頭打者を四球、ヒットで出塁させてしまい、どこかピリッとしない。だがそれでも、ランナーを背負った場面でこそ本領を発揮する上田は、何れも後続をきっちりと絶ち、決して得点を与えない。 そんな両エースの力投で0行進となったゲームは、遂に7回を終了してもスコーボードが変化する事無く、勝負の行方はサドンデス戦まで縺れ込む事となった。 だが、その好ゲームも迎えた延長8回、ようやく決着の時が訪れた。サドンデスルールにより1アウト満塁という場面で打席に入った2番佐藤が、上田の投じた決め球の変化球を逆らわずライト前へと運ぶ値千金の2点タイムリーを放ち均衡を破ると、その裏、何とか意地を見せたいCRN打線の反撃を、これまで一人で投げ抜いてきた藤尾が最後も気迫のこもったピッチングで0に抑えゲームセット。1安打完封という圧巻のピッチングを見せつけたエースの熱投も然る事ながら、ここぞの場面で勝負強さを発揮した佐藤の決勝打で終止符を打ったKing☆Johnnyが、予選リーグでの雪辱を果たすと共に見事頂点奪取を成し遂げ、リーグ最多48チームが犇めき合った最激戦区3部リーグの頂点に立った。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた柴崎監督は、「ありがとうございます、最高でーす！！展開としては厳しかったですが、この日のために温存していたエース藤尾がよく期待に応えてくれました。本当に素晴らしいピッチングだったと思います。また、決勝打を放った佐藤に関しては、今季1年を通して何度もああいう場面で決めてきてくれたので、正直サドンデスに入った瞬間に勝ったと思いましたね。Victoriaリーグ参戦1年目の今年は本当に劇的な展開の試合が多かったんですが、最後も今季を象徴する様な試合になったと思います。これで来季は2部リーグでの戦いに挑む訳ですが、今日の優勝に恥じない戦いをしたいと思います」と語り、最高の笑顔を浮かべ選手達を讃えた。 一方、先発の及川、2番手のエース上田を中心に粘り強い戦いを披露したものの、最後の最後で力尽きてしまったCRN。ゲーム後に話しを伺った高師監督は、「粘り強く戦えたとは思うのですが、何と言っても相手のピッチャーが素晴らしかったです。やはり1安打で勝つのは難しいですね。ただ、この経験を無駄にせず、来年の戦いに活かしたいなと思います。本当に1年間ありがとうございました」と悔しさを滲ませつつも、最後は来季の戦いを見据える言葉で締めくくった。