TOP > Victoriaリーグ3部(2014年)
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
      NTスコーピオンズ           0        0        0        0        1        0        -        1    
      BONDS           0        0        0        0        4        ×        -        4    
BONDSが魅せた土壇場の執念!劣勢を撥ね退け、初出場で3部リーグ制覇!!
1月11日、午後3時30分。決戦の地・西武ドームでは、本日の第3試合にして今シーズンを締めくくるラストマッチ、「NTスコーピオンズ 対 BONDS」の3部リーグ決勝戦が行われた。

今季のファイナルで唯一、初出場同士が相見える事となった一戦。
戦いの先攻であるNTスコーピオンズは、若さ故のエネルギッシュなプレーを持ち味とし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで今日のファイナルにまで勝ち上がってきた。
その若武者達を束ねる池田監督はゲーム前、「声の反響とかも凄くてみんなワクワクしているので、尋常じゃない緊張感の中でのプレーになると思いますが楽しめそうです」と、いよいよ始まる決戦を前に興奮気味。また、キーマンについての問いには、「守では金子、高村のバッテリーですね。攻撃では1番関口に、これまで2番を打たせていた望月を9番に置いたので、上位だけでなく下位からでもチャンスを作って得点に繋げていければなと思います」と俊足を誇る両選手のチャンスメイクに期待を寄せた。
対する後攻は、「亡きキャプテン吉田(聖)をドームに連れて行こう」を合い言葉にファイナルにまで勝ち進んで来たBONDS。
一時は野球が手につかない状態にまで落ち込んだが、悲しみを乗り越え再び目標へと向って歩み始めた彼らの結束力は、これまでにない程揺るぎないものとなった。
そのチームを統率する南代表はゲーム前、「新年一発目の試合が西武ドームで出来るので、みんなテンションが上がっています。ただ今年最初のゲームということでコンディションの部分だけは少し不安材料ですね。それでも吉田に優勝を捧げたいので必ず勝ちたいと思います」と気合いと共に亡き友へ勝利を誓った。
他の選手達も心に同じ想いを秘め、先発マウンドに上がる冨田(朗)を始めとするフィールドメンバーは勿論、ベンチ、スタンドが気持ちを一つに頂点奪取を狙う。

そんな両雄が鎬を削る頂上決戦は、プレーボール前に吉田(聖)へと黙祷を捧げ静かなスタートを切るも、ゲームは一転、序盤から激しく火花を散らした。
まずは1回表、先に守備についたBONDSは、NTスコーピオンズの快速リードオフマンである1番関口に出塁を許すも、その関口が仕掛けた盗塁をキャッチャー南が阻止するなど無失点と好発進。対するNTスコーピオンズディフェンスはというと、こちらも守の要であるキャッチャー高村が、1アウトから死球を与え出塁を許した2番岡本の盗塁を負けじと阻止し、BONDS打線にチャンスすら作らせない。
その両ディフェンスは2回以降も集中力を持続させ、BONDSが2、3、4回と立て続けに招いたピンチでも決定打を与えず0で切り抜ければ、NTスコーピオンズはエース金子が躍動。2、3回を三者凡退で切って取ると、4回は2アウトながら1、3塁とこの試合初のピンチを背負うが、迎えた5番浦川をサードゴロに打ち取り無失点。ゲームはまさに一進一退の攻防となり、4回を終わってもスコアボードには0のみが並ぶ展開となった。

そんな中迎えた5回表、ここまで毎回のようにチャンスを作り出し、リズムを掴んでいたNTスコーピオンズ打線が9番望月、1番関口の連打でノーアウト1、3塁と、この回も好機を演出。だがしかし、2番北澤の放った犠飛になろうかという一打でホームを狙った3塁ランナー望月が、BONDSのセンター清水(健)の好返球に阻まれ一気に2アウト。続く3番冨永のタイムリーで先制点こそ奪ったものの、大量得点のチャンスを掴み損ねてしまった。

最大のピンチを最少失点で凌いだBONDSはその裏、1アウトから7番清水(健)が内野安打での出塁に加え、2盗、3盗と今度は足で存在感を見せつけると、この揺さぶりをきっかけにNTスコーピオンズディフェンスが崩壊。アウトにすれば流れを引き戻せたであろうランダウンプレーのミスに始まり、パスボール、悪送球で怒濤に3失点を喫すると、止めは3番吉田(圭)に4点目となるセンターへの犠飛を放たれ万事休す。
準決勝でも見せつけたエース金子から延島という必勝リレーが崩れ、勝利を目前にまさかの逆転負けとなってしまった。

一方、奇跡とも呼べる逆転劇で頂点奪取を成し遂げたBONDS。
ゲーム後、インタビューに答えた南代表は「かなり厳しかったですが、勝てて良かったです。来季はまた、2部でてっぺん獲れるように頑張っていきたいと思います」と、喜びと共に来シーズンの抱負を語った。
また、攻守でチームを救ったヒーロー清水(健)は「吉田さんのために何とか勝ちたいと思って、全力でやりました」と、クールな男が天国のキャプテンへと勝利を捧げた。
【MVPインタビュー】 #3 清水 健太 【代表インタビュー】 #12 南 和彦 試合動画、インタビュー動画はこちら ↑