TOP > Victoriaリーグ3部(2014年) > バックナンバー > 「サドンデスで明暗!芝浦オールスターズが初の大舞台へ一歩前進!!」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        S        R    
    芝浦オールスターズ        0        1        0        0        0        0        0        1        2    
    三車線        1        0        0        0        0        0        0        0        1    
白熱の投手戦は芝浦オールスターズに軍配!執念の粘り勝ちで8強へ!!
9月14日。この日、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドでは、3部リーグ決勝トーナメント2回戦、「三車線 × 芝浦オールスターズ」の一戦が行われた。
予選リーグでは互いに高いポテンシャルを発揮し、激戦を勝ち上がってきた両者。
特に先攻の芝浦オールスターズは、全6戦を5勝1分の無敗で1位通過を果たし、得点に関しては2部リーグ断トツの53得点を叩き出すなど攻撃力で群を抜く。
だが、ゲーム前に話を伺った武部主将は「そんなには点数を取れないと思うので、勝負のポイントは如何にピッチャーが最少失点に抑えるかにかかってくると思います。ウチは打線で勝てるチームではないので、守り勝つ野球を基本に、結果大量得点が出来たら良いかなと思ってます」と控えめなコメント。それでも言葉の奥には漲る自信を感じさせた。
また、そんな主将の期待に応えるべく先発のマウンドに上がる加茂川は「決勝トーナメントという事で相手も強いと思いますが、西武ドームに行く事を目標にやっているので頑張ります。守りから攻撃へのリズムを作り出せるようなピッチングをしたいですね」と意気込みを口にし、小柄なエース左腕が大きな野望を胸に目の前の一戦へと集中力を研ぎ澄ませた。

対する後攻の三車線は、今シーズン初出場ながら予選リーグを4勝1敗と、こちらもチーム状態は上々。そして迎えた負けられない戦いを前に大谷代表は「相手は1位通過チームなので簡単には勝てないと思いますが、いつものスタンス通り楽しく出来たらなと思います。ウチは守って勝つチームなので、先発中村のピッチングがカギになりますね」とコメント。
そのキーマン中村は「意識すると力が入っちゃうんで、いつも通り若干ふざけた感じのピッチングが出来ればなと思います(笑)。調子は投げてみないと分からないですが、とにかく全力でいきたいと思います」とユーモアたっぷりに気合いを語り、決戦のマウンドに上がる。

そんな両雄が相見える戦いの火蓋は午前9時のプレーボールで切って落とされ、両軍立ち上がりから動きを見せた。
1回表、中村が強力芝浦オールスターズ上位打線を三者凡退に切って取り流れを掴むと、その裏1番尾鷲が加茂川の投じた第1球目を右中間へと弾き返しノーアウト2塁。その後2番村上、3番中村が凡退するも、2アウト3塁となった場面で迎えた4番石川が主砲の仕事をきっちりと果たすレフト前タイムリーを放ち、三車線が幸先よく1点を先制した。
だが2回表、負けじと芝浦オールスターズ打線も奮起。この回先頭の4番武部と続く5番齋藤の主軸2人でノーアウト2、3塁のチャンスを作り出すと、1アウト後に7番稲橋のファースト強襲ヒットで武部がホームに生還し、透かさず同点とした。

しかし、ゲームはここから攻撃陣が魅せた序盤の争いとは一転、両陣営の予想通りディフェンス力の戦いとなり、白熱の投手戦が展開された。
先制点こそ許した加茂川だったが、2回は2奪三振を奪うなど三者凡退に抑えると、マウンドを降りた4回まで許したヒットは僅か1本と完璧な内容を披露。さらに代わった2番手齋藤も、ゲーム後武部主将に「良く投げてくれた」と言わしめる程に抜群のピッチング。5、7回とピンチを背負う場面はあったものの、要所をきっちりと締め決して得点を許さない。
一方の中村も2回以外は文句なしの出来。3回の三者凡退に、5回は先頭打者に出塁を許すもダブルプレーでピンチの芽を摘むなど、7回までスコアボードに0を並べた。

そんな両投手陣の好投により膠着状態となったゲームは、サドンデスへと突入した8回に明暗が分かれた。表の攻撃に臨んだ芝浦オールスターズは、途中出場で初打席となった3番猿田がインフィールドフライの宣告を受けるもセカンドとライトの間に落ちる執念の一打を放ち遂にリードを奪う。対する三車線は、2番村上がキャッチャーフライに倒れ、続く3番中村に全ての望みを託すが、齋藤の投じた渾身のストレートを捉えるもレフト正面となり万事休す。

先制に始まり、一人で投げ抜いた中村の力投と力を出し尽くした三車線だったが、最後の最後で涙を呑んだ。
方や、土壇場でゲームをひっくり返し激闘をモノにした芝浦オールスターズ。武部主将は歓喜の笑みを浮かべつつ「西武ドームまであと2つですが、先を見ても仕方ないので次戦にしっかりと照準を合わせます」と語り、早くも次ぎなる戦いへと気持ちを引き締めた。
【MVPインタビュー】 #3 猿田 修 【主将インタビュー】 #10 武部 亮 試合動画、インタビュー動画はこちら ↑