TOP > Victoriaリーグ2部(2016年) > バックナンバー > 「ブルーサンダースが25年の節目に念願の初タイトル獲得!!」
TEAM1234567R
    ブルーサンダース        1        0        0        0        1        0        -        2    
          Rossowave        1        0        0        0        0        0        -        1    
若き力が攻守で躍動!拮抗ゲームを土壇場で制しブルーサンダースが初優勝!!
12月25日、午前10時20分。徐々に晴れ間も覗き始めた決戦の地・明治神宮野球場では、この日の第2試合にして第5代2部リーグ王者を決める戦い、「ブルーサンダース 対 Rossowave」の頂上決戦が繰り広げられた。

先攻は、チーム結成から25年目という一つの節目を迎えた今季、若き新戦力の参入も伴いVictoria参戦3年目にして、遂に決勝の舞台へと勝ち上がってきたブルーサンダース。
そんな若きチームを指揮する戸島(康幸)監督はゲーム前、「勝つに越したことはないですが、先ずはここまで来れた事に感謝して選手全員が楽しんで野球をやってくれればなと思っていますし、その結果として最高のクリスマスプレゼントを選手達が手に出来ればなと思います。その中でキーマンを挙げるとすれば、先発の野村(朋)は勿論ですが、やはり怪我から執念の復活を果たした天野ですかね。準決勝の一戦で骨折した時、決勝は無理かなと思っていたのですが、気合いと根性で間に合わせてきたので彼の思い切ったプレーに期待したいです」と語り、3年越しの悲願達成に向け準備万端といった様子。
また、活躍を期待された天野は、「怪我もほぼ完治したので、今日はこれまでやってきた練習の成果を発揮して、しっかり勝ち切り今季を締めくくりたいなと思っています」と話し、初優勝へと気合いを込めた。

対する後攻は、今季の春、夏トーナメントで次々と強豪を撃破し一躍その名を轟かせれば、この2部リーグでも屈辱の予選敗退となった昨年から一転、一気に決勝の舞台まで駆け上がってきた千葉の若武者Rossowave。
そんなフレッシュなチームを率いる土井(佑)代表はゲーム前、「ここまで来れた事は私個人としても非常に嬉しいですし、選手達もかなりモチベーションが上がっているので、今日は本当に楽しみですね。勝負のポイントとしては、先ずは投手陣がしっかり抑えてくれる事と、あとは打線がどのくらい打てるかですね。せっかくの大舞台なので全ての選手を使おうと思っているのでキーマンは全員ですが、一人挙げるとすれば1番に指名した日暮ですかね。彼のチャンスメイクに期待したいと思います」とコメントし、全員野球での初制覇を狙う。
また、代表にキープレーヤーとして名指しされた日暮は、「1番打者なので積極的なスイングを心掛けて、どんな形でも良いので塁に出たいなと思います。代表、チームの期待に応えられるように頑張ります」と語り、神宮という檜舞台での躍動を誓った。

まさに、リーグきっての若武者同士が激突する事となったファイナルマッチは3部リーグの一戦同様、稲垣(誠)主審のプレーボールで開始のゴングが鳴り、そのゲームはスタート直後から動きを見せた。
1回表、ブルーサンダース打線が立ち上がりの制球力に苦しむRossowave先発内山から振り逃げ、ワイルドピッチ、四死球などで2アウトながら満塁のチャンスを作り出すと、迎えた6番清野がしっかりと四球を選び押し出し。大量得点とはならなかったが、欲しかった先制点をノーヒットで獲得する。
その一方、思わぬ形で先制点を許してしまったRossowave。だが、いきなりのピンチを最少失点に凌いだ事で悪い流れを食い止めた彼らはその裏、すかさず反撃開始。1アウトから2番雨宮、3番石川の内野安打、ライト前ヒットで1、2塁のチャンス演出すると、迎えた4番今野も左中間へのタイムリーヒットで繋ぎ、難なく同点。
制球力に甘さの見えたブルーサンダース先発野村(朋)の立ち上がりを逃さず、怒濤の3連打であっという間にゲームを振り出しへと戻した。

そんな初回の展開からその後も激しい点の取り合いになるかと思われたバトルだったが、2回以降は両投手陣が粘りの投球を披露。
野村(朋)が2、3、4回を立て続けに三者凡退に抑え本来のピッチングを取り戻せば、2回を3人で仕留めた内山に加え、3回からマウンドに上がった沖もランナーこそ背負えど決して得点を許さずエースとしてのプライドを見せつけ、戦いは一転、膠着状態となる。
だがゲームは1対1のまま迎えた5回表だった。内野安打2つでノーアウト1、2塁のチャンスを作るも、4番小川の放ったサードライナーがダブルプレーという最悪の結果となり、一度は好機を失い欠けたかに思えたブルーサンダース打線だったが、1塁ランナー天野が果敢な盗塁で再びチャンスメイクを果たすと、迎えた5番小島が沖自慢のストレートを ライト前へと弾き返す値千金のタイムリーを放ち2対1。相手の好守備に阻まれた事で傾きかけた流れを自力で引き戻したブルーサンダースが、ゲーム終盤で待望の勝ち越し点を獲得し、大きなアドバンテージを奪った。
すると、待ちに待った打線の援護で野村(朋)のピッチングも俄然力がこもる。
直後の5回裏に2本のヒットなので2アウトながら2、3塁とされ初回以来のピンチを招くも、リーグ屈指の勝負強さを誇るRossowaveの司令塔土井(佑)を渾身のストレートでセカンドゴロに仕留め無失点。更に最終回となった6回裏も先頭の4番竹谷を四球で歩かせてしまい、一打同点のランナーを出すも、続く小島、岡本(直)をサードゴロ、キャッチャーフライに抑え2アウトとすると、最後は代打小林を冷静にサードフライに打ち取りゲームセット。
最後まで気持ちを切らさず投げ切った野村(朋)の快心のピッチングに加え、その若きエース右腕の頑張りに応えるべく、攻撃陣がここぞの勝負強さを発揮したブルーサンダースが、見事接戦を勝ち切り、3年越しに2部リーグの頂へと登り詰めた。

ゲーム後、勝利インタビューに答えた戸島(康幸)監督は、「今年1年は厳しい戦いが沢山あったんですが、最後に優勝というクリスマスプレゼントを貰えて良かったです。負けたくないという気持ちはお互い一緒だったと思いますが、紙一重の所でウチに勝利の女神が微笑んだのかなと思いますね。これで来年は最高峰リーグでの戦いになりますが、とにかく一戦必勝で、1部のチームを1つでも叩けるように頑張りたいと思います」と語り、最後は応援団に向け、「普段から僕らが日曜日にこうやって野球をやらせても貰える事にも感謝しています。来年もまた皆にいっぱい野球が出来る環境を作って頂ければなと思います。本当にありがとうございました」と感謝の言葉を口にし、選手達の奮闘を讃えると共に、関係者全員の思いが1つになったからこそ掴み取れた初優勝の味を噛み締めた。
一方、終始好ゲームを演じるも、終盤の勝負所で競り負ける結果となってしまったRossowave。悔しい気持ちがないと言えば嘘になるが、それでも彼らの表情は晴れ晴れとしており、チーム全員で最高の舞台を楽しんだという満足感と、この経験を次なるステージへと繋げていくんだという力強いメッセージを感じた。何れにしても、今季のRossowaveナインが見せつけた戦いぶりは見事であり、来季も注目株の筆頭となる事は間違いないだろう。
【MVPインタビュー】 #25 天野 瑠太
【監督インタビュー】 #30 戸島 康幸
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