TOP > Victoriaリーグ2部(2014年) > バックナンバー > 「明暗を分けたサドンデス!MBNが投手戦を制しベスト8!」
        TEAM            1        2        3        4        5        6        7        R    
       砂町ドンフェイス           0        0        0        0        0        0        0        0    
       MBN           0        0        0        0        0        0        1×      1    
幕切れはまさかの押し出しサヨナラ!MBNが兄弟バッテリーの活躍で粘勝!!
気温24度とこの時期にしては汗ばむ陽気となった10月26日。
この日、東京都東村山市の東村山運動公園野球場では、2部リーグ決勝Tの2回戦、「砂町ドンフェイス 対 MBN」の一戦が行われた。
その戦いの先攻砂町ドンフェイスは、過去2年に渡って準決勝の壁に阻まれ苦汁を舐めているだけに、今季に懸ける思いはどのチームよりも強い。
そんなチームの指揮官である石津監督はゲーム前、「今シーズンの前半は今ひとつ噛み合ず、ワイルドカードでの決勝T進出になってしまったんですが、夏以降は状態が上がってきて最近は良い戦いが出来ているので、今日は必勝態勢で臨みます」と気合い十分。
また、チームの絶対的エースへと成長し今日も先発のマウンドに上がる染川は、「まずはフォアボールを出さない事が大事ですね。あとは変化球を巧く使った投球が出来ればなと思います」と集中力を研ぎ澄ませ、サマーカップで強豪神田川メイツを敗り、前回王者のRED SOXを土壇場まで追い詰めた実力が試される。
対する後攻のMBNは、今季からVictoriaリーグに参戦を果たした新星ながら予選Bブロックを首位通過と大いに存在感を示している。
そんなチームを率いる水島(正)監督はゲーム前、「とにかく先制点を取る事が一番ですね。そうすれば追加点も入りやすいし、試合を楽に運べると思います」とゲームプランを語り、負けたら終わりの戦いを前にしても迷いは感じられない。
また、ピッチャー、キャッチャー、ショートのセンターラインとして中核を担う水島3兄弟の一人である先発の水島(隼)は、「持ち味である打たせて取るピッチングをしたいと思います。そのためには兄貴のサイン通りに投げることですね」とゲーム前にコメント。そのキャプテン捕手の水島(博)を柱に一丸となって勝利を掴みにいく。

そんな両チームが相見える戦いの火蓋は午前11時に切って落とされ、両先発右腕の活躍で白熱の投手戦が展開された。
まず先にマウンドに上がったMBN水島(隼)は初回、女房役である兄、水島(博)の盗塁阻止にも助けられ2アウトを取るも、3番三井にレフトオーバーの3ベースヒットを許し、いきなりのピンチを背負う。 だが迎えた4番石津を縦の変化球で空振り三振に抑え無失点で切り抜けると、続く2、3回は宣言通りの持ち味を発揮し、三者凡退で切って取り出塁を許さない。
対する砂町ドンフェイスの染川は、立ち上がりの1回こそ3番水島(博)に四球を与えたものの、2回はショートゴロ、ファーストフライ、サードゴロに仕留め三者凡退。続く3回は8番有田、9番土谷から連続三振を奪うなどこの回も3人で抑え、MBN打線に2塁すら踏ませない。

その両投手のピッチングは4回以降も冴え渡り、水島(隼)が技で砂町ドンフェイス打線を封じれば、染川は力でMBN打線をねじ伏せ、互いに一歩も引かない。
だがそんな中迎えた6回表、何とかしてエースの力投に応えたい砂町ドンフェイス打線は、2つの四球で1アウト1、2塁のチャンスを作り出し、初回以来の好機を演出する。
しかし、ピンチの場面でも決して冷静さを欠かない水島(隼)の前に3番三井、4番石津がファーストフライ、ライトフライに倒れ、どうしても捉える事が出来ない。
一方、その裏のMBN打線も三度三者凡退で無得点に終わり、遂に0対0のままサドンデスへと突入。すると、ゲームは予想だにしない幕切れが待っていた。
7回表のマウンドもこれまで通り、いやそれ以上の集中力で0に抑えた水島(隼)。
それに対し染川は、3番水島(博)を内野フライに打ち取るも、4番水島(隼)にフルカウントから4球粘られた後に痛恨の押し出しを与えてしまいサヨナラ。
終始譲らぬ好投を披露してきた両投手だったが最後の最後で明暗が分かれ、執念で1点を捥ぎ取ったMBNが手に汗握る投手戦に終止符を打った。

激闘を勝ち切ったMBN水島(正)監督はゲーム後、「攻撃では相手ピッチャーが素晴らしく、ノーヒットに終わってしまいましたが、守りの方で大きなミスもなく0に抑えられたことが最後の勝ちに繋がったのかなと思います。今後の課題としてはバッティングも然ることながら、もっとチームが一丸になる事が大事かなと思います」と振り返りつつ、次なる戦いを見据えた。
また、インタビューに答えたキャプテンの水島(博)も、「負ければ終わりなので、一戦一戦を大事に優勝目指して頑張ります」と力強い言葉で躍進を誓った。
その一方で、染川の好投といい昨年の準決勝と同じような敗戦となってしまった砂町ドンフェイス。石津監督は、「染川、西條が来年就職という事で試合に来れなくなってしまうので、何とか西武ドームに行きたかったんですが残念です。また出直します」と言葉少なげに語り、エースのノーヒットピッチングに応えられなかった打線の沈黙に悔しさを滲ませた。
【MVPインタビュー】
  #5 水島 隼人      #10 水島 博行
【主将インタビュー】 #30 水島 正行
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