TOP > Victoriaリーグ1部(2018年) > バックナンバー > 「スタイガーが最高峰リーグ制覇!5年ぶり2つ目のタイトル獲得!!」
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            スタイガー      0        0        0        0        1        0        0        3        4    
  湾岸ベースボーイズ      0        0        0        0        1        0        0        0        3    
最強王者の称号はスタイガーに!サドンデスにまで縺れた好勝負を勝ち切る!!
時折晴れ間も覗いた午前中の空模様から一転、遂に小雨が降り始めた12月23日、午後2時45分。そんな決戦の地・明治神宮野球場を舞台に、この日の第4試合として行われたのは、第8代となる新・最強王者を決める戦い、「スタイガー × 湾岸ベースボーイズ」の1部リーグ頂上決戦である。 戦いの先攻は、2013シーズンのスプリングカップ制覇以来となる2度目のタイトル奪取に燃えるスタイガー。そんなチームの指揮官である小西監督はゲーム前、「久々となる決勝戦の舞台なんですけど、ここまで全員野球をモットーにやってきていますので、出来れば全員に出てもらって、その上で勝てたら最高ですね。勝負のポイントとしては、やはり先発ピッチャーの目代が立ち上がりからゲームを作ってくれればウチらしい良い野球が出来ると思うので、一番は目代の出来次第ですね。打つ方に関しては、どの打順の選手もそんなに変わらない力を持っていると思うので、この試合で調子の良い選手に上手く回ってくれば、点を取って流れを持って来れるかなと思っています。相手の湾岸さんは強豪ですが、ここまで来たら勝ちと負けでは大きな差があるのでね、何とか2013のスプリングカップ以来となるタイトルを獲れるように頑張ります」と語り、新たなる称号の獲得に向け気合い十分。
また、選手達も久々の決勝戦とあって多少の緊張は感じさせるものの、どこか優勝の味を知るからこその余裕も漂わせており、準備は万端といった様子だ。 対する後攻は、初参戦から3年目のシーズンを迎えた今季、過去2年で2度に渡り味わった準決勝敗退という悔しさを晴らし、見事3度目の正直でファイナルの舞台まで勝ち上がってきた湾岸ベースボーイズ。そんなチームを指揮する宮島代表はゲーム前、「Victoria最高峰のリーグですし、相手もスタイガーさんとあって厳しい試合になるとは思っていますが、何とか全員野球で勝利に向かっていければなと思っています。戦いのポイントとしては、誰が打って誰が投げてというよりは、出てるメンバーも出てないメンバーもそれぞれが出来る限りの事をやって戦うというのがウチのスタイルなので、そこを徹底出来れば自と結果は付いてくるのかなと思っています。とにかく最後まで自分達の野球を貫いて、何とかタイトルを掴めるように頑張ります」とコメントし、こちらも悲願達成に向け抜かりはない。
また、初めて大舞台に立つ選手達の様子を見ても特段気負いもなく、とにかく「この場を楽しむぞ」という気持ちと、「やってるやるぞ」という強い覚悟を窺わせる。 そんな両雄がVictoria最高峰の頂を懸け雌雄を決する事となった決戦の火蓋は、稲垣(慶)主審のプレーボールで切って落とされ、ゲームは中盤まで手に汗握る投手戦と化した。
まずは先にマウンドへと上がった湾岸ベースボーイズのエース右腕松岡が、1回表に続き2回表もスコアリングポジションにランナーを背負う苦しいピッチングを強いられるが、何れも粘りの投球で無失点に抑えると、2巡目となったスタイガー打線を迎えた3回表はきっちりと三者凡退に抑え、先発としての役割をしっかりと果たす。
一方、スタイガーのエース右腕である目代はというと、こちらも立ち上がりとなった1回裏は湾岸ベースボーイズのリードオフマン増田に、ライト前ヒットでの出塁に加え2盗、3盗を許し、2アウトながら3塁の場面を背負う。それでも後続を切って取り、いきなりのピンチを無失点で切り抜けると、3回にも1番増田にセンター前ヒットと盗塁を許し2アウト2塁のピンチを迎えるが、続く2番梶を縦に鋭く落ちる変化球で空振り三振に切って取り3アウト。ここぞの場面ではギアをもう一段階上げる魂の投球で決して先制点を与えない。 両エースの力投が際立つ中、ゲームの均衡を先に破ったのは5回表のスタイガー打線だった。
4回からマウンドに上がった2番手小山に対し、四球にフィルダースチョイスとラッキーな形でノーアウト1、2塁の場面を作りながら、送りバントに走塁ミスが重なり、せっかくのチャンスを潰しかける。それでも、2アウト2塁となった場面で迎えた1番阿部が、レフト線にしぶとく落とす起死回生のタイムリーを放ち1点を先制。無得点に終わっていたら一気に流れを失いかねない場面だっただけに、スタイガーにとっては価値ある先取点奪取となった。
しかし直後の5回裏、湾岸打線も黙ってはいなかった。この回先頭の代打齋がピッチャー強襲となる内野安打で反撃の口火を切ると、1アウトとなって迎えた同じく代打の島田が右中間を真っ二つに破る値千金のタイムリー2ベースヒットを放ち同点。代打攻勢が見事にハマった湾岸ベースボーイズがあっという間にゲームを振り出しに戻した。 すると、制限時間の関係で最終回となった6回を終了しても決着が付かず、勝負の行方は7回から突入したサドンデス戦へと委ねられた。7回表、スタイガーベンチが思い切って仕掛けたスクイズエンドランがまさかの三振、ゲッツーという最悪の形で終わった事で流れは一気に湾岸ベースボーイズ陣営と傾き、にわかにサヨナラの空気が漂う。
だがしかし、この空気を力に変えたのは、絶好の機会を迎えた湾岸打線ではなく、この試合幾度となくピンチを切り抜けてきたスタイガーのエース目代だった。まず、満を持して登場した代打の宮島をストレートで詰まらせ、浅いセンターフライに打ち取り2アウトとすると、続く7番齋は決め球の変化球でサードゴロに抑え無失点。この試合最大のピンチを最大限の集中力で封じ、たちまち流れを引き寄せる。
すると続く8回表、そんなエースの奮投に応えるかのようにスタイガー打線が遂に奮起。8番小畑(圭)が押し出しのフォアボールを選び1点を勝ち越せば、続く9番竹田のタイムリーと2番小川の押し出し死球で4対1とし試合を決定づけると、最後は援護をもらった目代が湾岸打線に反撃を許さずゲームセット。終盤へと進むにつれて自らのピッチングを研ぎ澄ませていき、8回を一人で投げ抜いた目代の熱投は勿論の事、そのエースを攻守で支えたバックの粘り強さ、勝負強さが輝いたスタイガーが、見事最強王者の称号を手にし、Victoriaでは2度目となるタイトル奪取を成し遂げた。 ゲーム後、勝利インタビューに答えた小西監督は、「もう最高ですね~!!サドンデスになった時はウチが0で、もう裏はダメかなと思ったんですけど、やっぱり神様はちゃんといましたね。今日はウチのモットーである全員野球が出来たと思うので本当に良かったですし、この1部という最高のクラスで優勝出来た事は、みんなで協力してここまで来れたという賜物だと思います。来季もウチの野球は崩さずに一戦一戦積み重ねて、またここに戻って来れるように頑張っていきます」と語り、1年間奮闘した選手達を労うと共に、5年振りに味わう優勝の味を噛み締めた。
一方、スタイガーに負けず劣らずの粘り強い野球を披露したものの、サドンデス戦で明暗が分かれる形となってしまった湾岸ベースボーイズ。7回表を0に抑えた時は誰もが初優勝を夢見ただけに心底悔しい敗戦となったであろう。それでも、この大舞台で激闘を演じたという経験は彼らにとって大きな財産となった事は間違いなく、次なる目標であるタイトル獲得へ向けた価値ある一歩となったに違いない。
【MVPインタビュー】 #21 目代 純平
【監督インタビュー】 #30 小西 秀一
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