TOP > Victoriaリーグ1部(2017年) > バックナンバー > 「満身創痍のダブルヘッダー!気迫の2連勝で相模KOT'Sが首位通過!!」
TEAM1234567R
   東京ドナルドダック       0        0        0        0        0        0        1        1    
         相模KOT'S       0        0        0        2        1        2        ×        5    
泉の熱投にベテラン阿部が応える!!相模KOT'Sが3年振りの決勝T進出へ!!
猛暑日まであと一歩と迫る暑い一日となった8月6日。この日も各地で28ゲームの熱戦が繰り広げられた中、東京都品川区の天王洲公園野球場では、1部リーグFブロックの首位攻防戦、「東京ドナルドダック 対 相模KOT'S」の一戦が行われた。 戦いの先攻は、ここまで無傷の4連勝と波に乗り、その勢いのまま全勝での決勝トーナメント進出を目論む歴代王者の東京ドナルドダック。そんな絶好調のチームを纏め上げる指揮官の山口監督はゲーム前、「今年は若い選手達が加わった事もあり非常に良い状態を保っていますね。特に、守備では今日先発の浜部が徐々に試合を作れるようになってきましたし、攻撃では並木が好調をキープしているので期待したいと思います。勿論、ベテラン勢の活躍も鍵になってくると思うので、要であるキャッチャー菊谷を中心に守備からリズムを作って攻撃に繋げていければなと思っています。ここまできたら5連勝で決勝トーナメントに進みたいと思っているので、何としても勝てるように頑張りたいと思います」と語り、全勝での首位通過に自信を覗かせた。
また、全勝のかかった大事な一戦の先発を任された浜部は、「調子としては決して良い状態ではありませんが、先発を任された以上しっかりゲームを作れるように頑張りたいと思います。ピッチングのテーマとしては、とにかく四死球を与えない事ですね。キャッチャー菊谷さんのリードを信頼して、ストライク先行で打たせて取る投球が出来ればなと思っています」と話し、若干二十歳の新鋭が躍動を誓った。 対する後攻は、決勝トーナメント進出には2連勝が絶対条件という厳しい状況の中、この日の午前中に行った相模原ウインズとの一戦に勝利し、ここ天王洲へと乗り込んできた相模KOT'S。そんな勝負の一番を迎えたチームを束ねる吉田(正)キャプテンはゲーム前、「午前中の試合でも要所でタイムリーが出るなど打線は好調なので、序盤で如何に先取点を取って優位にゲームを進められるかがポイントになってくると思います。特にこの試合は2番を打つ加藤に期待したいですね。彼が良い所で1本打ってくれればウチの流れになってくると思います。また、守備の面では先発の泉がどこまで粘り強く投げてくれるかに懸かっていますが、守の要でもあるキャッチャー加藤を中心にチーム全体の力で強豪ドナルドダックさんに立ち向かって、勝ちを掴めればなと思っています。何しろ勝つしかないので精一杯頑張ります」とコメントし、ダブルヘッダーの連勝と共に逆転での予選首位通過を狙う。
また、攻守での活躍を期待される加藤は、「絶対に負けられないですね。3年前、リーグ戦ではないですが、スプリングカップの準決勝で負けて悔しい思いをしているので、その雪辱を晴らすじゃないですけど今年は上に行きたいと思っているので、先ずはこの試合に全力をぶつけて頑張りたいと思います。調子としては2年前の怪我も完治して良い状態ですので、攻撃では大きいのは狙わずチャンスメイクに徹底して、守備では泉の持ち味であるストレートを主体にリードしながら、状況を見て変化球を織り交ぜて打ち取っていけたらなと思っています」と話し、この一戦に懸ける強い闘志を漲らせた。 そんな両雄が相対する事となったバトルの火蓋は、午後3時のプレーボールで切って落とされ、ゲームは序盤から互いにチャンスを作る展開となった。
先ずは1回、東京ドナルドダック打線が2アウトから3番井上の2ベースヒットと4番児島の四球出塁で1、2塁のチャンスを作れば、対する相模KOT'S打線もライト前ヒットで出塁した1番安部が2番加藤の進塁打でスコアリングポジションに進みチャンスを迎える。だが、ここは両先発の浜部、泉の両投手が共に踏ん張り、互いに先制点奪取とはならなかった。
そんな両者の攻撃は続く2、3回も共に得点圏にランナーを進めチャンスメイクを図るが、ここも踏ん張りを見せる両右腕の前に決定打を放てず、序盤の3回を終えてもスコアボードは動かない。そんな中、中盤へと入ったゲームは4回、又してもチャンスを活かせなかった東京ドナルドダックを尻目に、その裏の相模KOT'S打線が遂にゲームを動かす。
レフト前ヒットで出塁した5番中村を1塁に置いた場面で、迎えた7番阿部が左中間を破るタイムリー3ベースヒットを放ち、待望の先取点を奪うと、続く萩原の放ったライトへの犠飛でも1点を加え、この回2点を獲得。更に勢いづいた打線は続く5回裏にも、この回から代わった2番手根岸から2番加藤のタイムリー2ベースヒットで1点を加算し3点差とすると、6回裏にも5番中村、6番成本の連続長短打でノーアウト2、3塁のチャンスを演出すれば、1アウトとなって迎えた7番萩原がライトへの2点タイムリーを放ち0対5。4回以降毎回の5得点で一気に東京ドナルドダックを突き放した。
一方、再三のチャンスをモノに出来ず1点が遠い展開の東京ドナルドダック打線。それでも、あとが無くなった最終7回表、この回先頭の1番石井が四球、盗塁に加え牽制悪送球でノーアウト3塁のチャンスを作り出すと、続く2番並木の放ったセンターへの犠飛でホームに還り、意地の1点を取り返す。更にその後、疲れの見え始めた泉からヒットと2つの死球で満塁のチャンスを作り、HRが出れば一気に同点という場面を演出する。だがしかし、土壇場で作り出したビッグチャンスも7番椚がサードゴロに仕留められ万事休す。最後の最後までチャンスを活かし切れなかった東京ドナルドダックが、敗北と同時にFブロック3位に後退し、予選リーグ突破はワイルドカード枠に委ねられる形となってしまった。 ゲーム後、話しを伺った山口監督は、「毎回のように先頭打者の出塁を許す形で終始ペースを握られ、最終的にはポンポンと点を取られてしまったので、完全に力負けのゲームでしたね。ウチもチャンスは十分にあったとは思うんですが、それを活かし切れなかったのが最大の敗因ですね。それでも最終回に気持ちで1点を取り返せた事は次に繋がる部分かなと思うので、ワイルドカードでの予選突破に望みを懸ける形ではありますが、とにかく気持ちだけは切らさずに他ブロックの結果を待ちたいなと思います」と話し、悔しさを滲ませつつも前だけを見据えた。
一方、ダブルヘッダー2連勝を飾ると共に逆転でのFブロック首位通過を決めた相模KOT'S。勝利インタビューに答えた中村監督は、「非常に緊迫した試合になりましたが、たまたま間を抜ける長打が出て点を取れたのでホッとしています。本当に最後まで気の抜けない試合でした。暑い中のゲームでしたが泉、加藤のバッテリーが息の合ったピッチングで良く踏ん張ってくれましたし、守備全体としても声を掛け合う事を徹底出来ていたので良かったですね。今日の2連勝で1位通過を決めましたが、今季はどの戦いも接戦で運良く勝ち上がれてきたので、そういう勝ち運に乗って決勝トーナメントも勝ち進んでいければなと思います。とにかく胸を借りる相手ばかりなので、そんな強豪チームに引っ張られるようにKOT'Sらしい良い試合が出来ればなと思います」と語り、3年ぶりの決勝トーナメント進出に頬を緩めた。
【MVPインタビュー】 #0 阿部 慎吾
【監督インタビュー】 #30 中村 幸一
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