TOP > Victoriaリーグ1部(2016年) > バックナンバー > 「悲願の最高峰リーグ制覇!吉岡クラブが最強王者に君臨!!」
TEAM1234567R
    WILL BASEBALL CLUB        0        0        0        0        0        0        1        1    
                  吉岡クラブ        0        0        0        0        0        3        ×        3    
渡辺が技ありの決勝打!!吉岡クラブが2年連続となるNEWタイトルを獲得!!
12月25日、午後12時30分。午前中の曇り空から一転すっかり快晴となった決戦の地・明治神宮野球場では、今季のVictoria最終戦にして最強王者を決める戦い、「WILL BASEBALL CLUB 対 吉岡クラブ」の1部リーグ決勝戦が繰り広げられた。

戦いの先攻は、昨年結成1年目にして見事サマーカップを制覇し、今季も新たなタイトル獲得に王手をかけたWILL BASEBALL CLUB。そのチームは今シーズン、思う様な結果が出せず苦しい戦いが続いたが、最後の最後で前回王者であるRED SOXとの激闘を制し、今日の決勝へとコマを進めてきた。
そんな今季の戦いを寺嶋監督からバトンを受け指揮を執った高田主将はゲーム前、「今年は色々な事がありましたが、仲間を信じて戦ってきた結果、再びこのような素晴らしい舞台で野球が出来るので、あとは思い切ってやるだけです。接戦になると思いますが、少ないチャンスをしっかりモノにして、胸を借りるつもりで頑張ります。キーマンは4番の高橋ですね。彼が得点に絡むバッティングをしてくれれば良い流れが出来ると思うので、主砲の一振りに期待しています」と語り、結成から2年連続となるタイトル獲得に闘志を燃やす。
また、攻撃のキーマンとして名前の挙がった高橋は、「自分は繋ぎの4番だと思っているので、決めてやろうというよりは打線の一駒になれればなと思っています。とにかく先発の樋口を援護する意味でも得点に繋がるバッティングをしてチームに貢献したいですね。今年もここまで来れたので、絶対に優勝したいと思います」と、天性のバッティングセンスを兼ね備えた主砲がチームを優勝へと導くべく気持ちを奮い立たせた。

対する後攻は、同じく昨年、スプリングカップにて悲願であったタイトル奪取を成し遂げ、今季も2年連続となる栄冠を目前とした吉岡クラブ。その彼らは今季、WILL同様に試練続きの1年であったと言える。連覇を狙ったスプリングカップで準々決勝敗退という結果に終わると、その春の借りを返すべく挑んだサマーカップではまさかの1回戦負けと屈辱を味わった。だがそれでも、残るリーグマッチに全てを懸け臨むと、決勝トーナメントでは失点数僅か1という貫禄を見せつける形でここまで勝ち上がってきた。
そんなチームを再びファイナルの舞台まで導いてきた左右田キャプテンはゲーム前、「今年も何とかここまで来れたので、先ずは全員で楽しむ事を前提に頑張りたいです。ポイントとしては、やはり先発菊池の出来次第ですかね。互いに点の取れない展開になると思うので、あとはワンチャンスを如何にモノに出来るかだと思います。とにかく、今年も優勝出来るように精一杯プレーしたいと思います」とコメントし、NEWタイトル奪取に向け余念はない。
また、今年の決勝も大黒柱としてマウンドを託されたエース菊池は、「今年は40歳を迎えた事もあって1つの集大成にしたいと思っているので、何とか頑張ろうかなと思っています。相手のWILLさんは野球に対する姿勢を取っても凄く好きなチームなので、良い試合になるんじゃないかなとワクワクしています。とにかく今年も胴上げ投手になるつもりで来ているので、最後まで投げ抜きます」と話し、チーム最年長エースが再びの躍動を誓った。

そんな今シーズンの締めくくりとなる注目の一戦は、奇しくも昨年の春、夏王者が相対する構図となり、ゲームは文字通り互いのプライドが交錯し合う好勝負が展開された。
その戦いは序盤、先ずは両エースが魅せる。先にマウンドに上がった菊池が、WILL上位打線と対峙した1、2回を何れも三者凡退という完璧な立ち上がりを披露すれば、3回2アウトから9番青木に初ヒットを許すも続く1番海老井を初回同様ファーストゴロに仕留め、一瞬の隙も与えない。
対する樋口はと言うと、こちらも文句のないスタート。1回を難なく3人で抑えると、2回は2アウトから6番青木を四球で歩かせてしまい初出塁を許すも、続く7番足立を僅か1球でキャッチャーファールフライに打ち取り3アウト。迎えた3回も下位打線から始まった吉岡クラブ攻撃陣を再び三者凡退に抑え、菊池同様、完全に相手打線を手玉に取る。
だが、そんな両エースのピッチングも中盤に入ると優劣がつき始めた。単打或いは四球での出塁こそ許すものの2塁すら踏ませない好投を続ける菊池に対し、4、5回と何れも四球を発端とする自滅で立て続けに満塁のピンチを招いた樋口。それでも渾身の投球を見せつけ何とか土俵際で踏みとどまり、最大のピンチを無失点で切り抜ける。

だがしかし、ゲームは迎えた6回裏、ここまで堪えていた樋口が遂に吉岡クラブ打線の勢いに飲み込まれる。この回先頭の5番穂積と途中出場の7番錦織が四死球で出塁し1、2塁のチャンスを作り出すと、迎えた8番渡辺(大)が鮮やかな流し打ちでライト前へとタイムリーを放ち1点を先制。更に、この一打で勢いづいた打線は、続く9番鈴木(崇)のスクイズエンドラン成功に1番七島の放った左中間へのタイムリーヒットで2点を追加し、一挙3点を獲得。サドンデス戦をも覚悟し始めたゲーム終盤にようやく均衡を破ると同時に、大きな大きなアドバンテージを握った。
一方、息つく間も無く3失点を喫してしまったWILL B.C。だがそれでも、これまで幾度と無く奇跡を起こしてきた彼らは、俯くどころか逆に吹っ切れた表情を浮かべる。すると迎えた最終7回表、ここまで単発2本に抑えられていた打線が覚醒する。
この回先頭の4番高橋があわやHRかというライトフェンス直撃の3ベースヒットを放ち反撃の狼煙を上げると、続く5番政(直)も変化球をライト前へと弾き返し1点を奪い返す。
更には、6番三井が執念のヒットで繋ぎ、未だノーアウトでランナー1、3塁と、俄然メイクミラクルへの気運を高める。しかし、長きに渡る野球人生の中で何度と無く修羅場を潜り抜けてきた菊池の前に、7番高田がサードフライに倒れ1アウトとなると、満を持して登場した政(幸)、大元の代打2人もピッチャーゴロ、セカンドゴロに抑えられ万事休す。
4、5回の好機を逃した事で流れを失ったかに思えたが、仲間の援護を信じ力投を続けたエース菊池に、三度目の正直と言わんばかりに攻撃陣が勝負強さを発揮した吉岡クラブが見事激闘を制し、2年連続となるタイトル獲得と共に最強王者の 称号を手にした。

ゲーム後、勝利インタビューに答えた左右田キャプテンは、「試合前から厳しい試合になるのは予想していましたが、本当に苦しいゲームでした。それでも、最後に渡辺(大)、七島のタイムリーに鈴木(崇)もエンドランを決めてくれて、まさに皆で勝てたゲームでしたね。正直、最終回はヤバいかなと思ったんですが、あそこは菊池さんでいくしかなかったので踏ん張ってくれて良かったです」と死闘を振り返り、来季の目標に関しては、「今年もタイトルを獲る事が出来ましたが、春、夏のトーナメントでは思うように勝てなかったので、また一からチームを作り直して一戦必勝で頑張りたいと思います」と語り、Victoria初となる3年連続でのタイトル獲得に向け更なるレベルアップを誓った。
一方、最終回に見せた怒濤の3連打は奇跡の大逆転劇を予感させたものの、あと一歩攻め切れず悔し涙を流したWILL B.C。それでも簡単に試合を諦めない姿というのは彼ら最大の魅力であり、強さの源ではないだろうか。今季は最後まで悔しさが残るシーズンとなったが、この1年で味わった苦闘は必ずや来季への大きな糧となるに違いない。
【MVPインタビュー】 #7 渡辺 大祐
【主将インタビュー】 #10 左右田 茂治
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