TOP > Victoriaリーグ1部(2016年) > バックナンバー > 「絶対的エースが渾身の粘投!ロータースが僅差の戦いを制す!!」
TEAM1234567R
          ブルースカイA        0        0        0        0        1        1        0        2    
    ひばりが丘ロータース        0        3        0        0        0        0        ×        3    
先制点をエース北川が死守!最年長のタイムリー等でロータース逃げ切り!!
曇り空ながら真夏日に迫る暑さとなった6月19日。この日も各リーグ大会で熾烈な上位争いが繰り広げられる中、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドでは1部リーグDブロックの戦い、「ブルースカイA 対 ひばりが丘ロータース」の一戦が行われた。
バトルの先攻は、今季から並みいる強豪が犇めく1部リーグに参戦を果たした若き新星ブルースカイA。その彼らが見せたここまでの3戦を振り返ると、強豪ばかり相手に善戦こそするもののあと一歩勝ちを掴み獲る事が出来ず、2敗1分けと苦しい戦いを強いられている。それでも何とか1勝をと4戦目の戦いに挑む若武者達を率いる永嶋(祐)監督はゲーム前、「結果だけを見れば接戦を演じていますが結局は勝つ事が出来ていないので、今日は何とか勝ちというものを手にしたいですね。そのための重要なポイントとしては、やはり初回ですね。毎回そこで先制点を与えてしまっているので、バタバタする初回さえ乗り切れれば接戦には持ち込めると思います。あとは、そこから如何に勝ち切れるかだと思うので、調子の良い4番田辺を軸に先制点を取って優位に試合を運べればなと思っています」と語り、初勝利という一点だけを見据える。
また、大砲として期待を寄せられた田辺は、「調子としてはまぁまぁ良いので、チャンスで回ってくれば期待に応える自信はあります。ただ、こればかりは巡り合わせなので、とにかく毎打席スタンドに放り込むくらいの強い気持ちで挑んで勝利に貢献したいと思います」と語り、打でチームを初勝利へと導くべく気合い十分である。
対する後攻は、今季こそ5年越しの悲願を成就させるべく大事なシーズン初戦に挑むひばりが丘ロータース。ようやく迎えたリーグ初陣の前に話しを伺った指揮官の笠倉監督は、「今日は初戦という事で是非共勝ちたいですね。ただ今年は、なかなか人数が集まらなくて正直苦しいチーム状態なんですが、今日いる選手達には何とか奮起して貰いたいなと思っています。まぁとにかくウチはエース北川の出来が大部分を担うので、先ずは彼に頑張って貰いたいと思います。あとは打線がチャンスをしっかり活かせれば勝利というものが見えてくるのかなと思いますね」と話し、苦しいチーム事情の中勝利を目指す。
また、絶対的エースとして初戦のマウンドを託された北川は、「調子はそこそこ良い状態ですし、今日は初戦という事なので絶対に勝ちたいと思います。とにかく低め、コースにコントロール出来るかが大事だと思うので、そこをしっかりと意識して投げ切りたいと思います」とコメントし、目の前の戦いへと集中力を研ぎ澄ます。

そんな両雄が相対する事となった一戦は午前の9時のプレーボールでスタートを切り、先にゲームを動かしたのはひばりが丘ロータースだった。
2回裏、1アウトから5番寺口が選んだ四球をきっかけに6番北川のセンター前ヒット、7番下地の死球出塁で満塁のビッグチャンスを作り出すと、続く8番荒井が押し出しとなるストレートのフォアボールを選び1点を先制。更に、尚も続くチャンスで迎えた9番岩本がレフト前へと弾き返す快心のタイムリーを放ち2点目を奪うと、1番東山もフルカウントから押し出しの四球を貰い3対0。この回突如制球を乱したブルースカイAの先発笹原から、チーム最年長の一人であるベテラン岩本が見事なタイムリーを放つなど一挙3点を先取し、ゲーム序盤にして大きなアドバンテージを握った。
すると、攻撃陣による早々の援護射撃で気持ちに余裕の生まれた先発北川が、中盤に入っても粘投を披露。3回表、2アウトからエラーで得点圏にランナーを背負うも、迎えた好打者の3番秋山を力の込もったストレートでサードファールフライに打ち取りピンチを凌ぐと、4回表もこの回先頭の4番田辺にこそヒットを許したものの、後続をしっかりと3人で切って取り無失点。立ち上がりからランナーこそ許せど、ここぞの場面では自慢のストレートを駆使し、相手打線に反撃の余地を与えない。

だが、そんなひばりが丘ロータースペースで進んだゲームは終盤5回表、遂にブルースカイAが反撃の狼煙を上げる。1アウトランナー無しの場面で打席に入った9番柴田が甘く入ってきた初球の変化球を右中間へと弾き返す3ベースヒットでチャンスメイクを図ると、続く1番永嶋(大)がこれまた初球を弾き返すショートへのタイムリー内野安打を放ち、ようやく1点を返す。更に反撃の手を緩めないブルースカイA打線は続く6回表にもエラー、四球、送りバントで1アウト2、3塁と一打同点の場面を演出すると、このチャンスに7番伊藤がライトへの犠飛を放ち1点差に詰め寄る。
しかし、その押せ押せムードの前に立ちはだかったのが北川だった。追いつかれてなるものかと、この試合最大限に集中力を高めた右腕の前に途中出場で初打席となった8番飛山がショートゴロに打ち取られ同点の機会を逸すると、最終回にもエラーと進塁打で作り出した2アウト3塁のチャンスも、迎えた3番秋山が北川渾身のストレートにセカンドフライと倒れゲームセット。地道な追い上げ実らず、三度僅か1点の差に泣く結果となってしまった。

ゲーム後話しを伺った永嶋(祐)監督は、「またもや1点差で負けてしまいましたね。やはり注意していた先制点を与えてしまった事がいけませんでしたし、ここまでの3戦も全て先制されている事からもそこが一番の敗因ですね。ただ今日はメンツも揃っていたのでいけるかなとも思ったんですが、このレベルになるとそう甘く無いですね。まぁ課題ははっきりしているので、とにかく何とか1勝出来るように頑張りたいと思います」と話し、残り2戦での初勝利奪取へ気持ちを奮い立たせた。
一方、終始苦しい展開ながらもエース北川の粘り強いピッチングでリードを死守し、追い縋るブルースカイAを1点差ゲームで退け初戦を飾ったひばりが丘ロータース。ゲーム後、勝利インタビューに答えた笠倉監督は、「正直もう少し楽に勝てるかなと思いましたが、エラーが多かったですし打線も今一つ奮わなかったので、仕方ないですね。ただその中でエース北川が最後まで粘り強く投げてくれたので勝つ事が出来ました。今年はどうにかしてタイトル獲得を目指しているので、Victoriaさんのタイトルはなかなか縁遠いですが、何とか頑張りたいと思います」と語り、スタートダッシュ成功に頬を緩めた。
【MVPインタビュー】 #19 北川 辰己
【監督インタビュー】 #30 笠倉 知洋
試合動画、インタビュー動画はこちら ↑