TOP > Victoriaリーグ1部(2015年)
TEAM1234567R
    RED SOX        0        0        0        0        0        0        3        3    
     Naughty        0        0        0        1        0        1        0        2    
これぞ最高峰リーグの重圧!RED SOXが土壇場での大逆転で王座返り咲き!!
12月20日、午後12時40分。決戦の地・明治神宮球場では、この日の第3試合にして今季のVictoriaラストマッチ、「RED SOX VS Naughty」の1部リーグ決勝戦が行われた。
戦いの先攻は、3年振り2度目の1部制覇で常勝軍団復活を目論むRED SOX。そのチームを今シーズン、ゲームキャプテンとして引っ張ってきた中林はゲーム前、「神宮という最高の舞台でRED SOXらしい野球を思い切りやれれば、必ず勝てると思っているので全力でいきます。ポイントとしては全員が繋ぐ意識を持った攻撃と、守でも先発の吉田さんをみんなでカバー出来るかだと思います。特に今季の勝利は吉田さんあってのものだったので、最後も良いピッチングをして貰いたいなと思っています。とにかく絶対優勝して藤本キャプテンを胴上げしたいと思います」と語り、最強王者返り咲きへの強い覚悟を窺わせる。
また、中林のコメントにもあったように今シーズンのRED SOXディフェンスを牽引し、この日も勝利を託された先発の吉田は、「今更何かを変える事は出来ないので、今まで通りリラックスしてやるだけですね」と短い言葉ながらも、心の奥底に大いなる闘争心を秘め決戦のマウンドに上がる。
対する後攻は、リーグ参戦2年目にして大きな飛躍を遂げ、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ち上がってきたNaughty。そのチームを指揮する監督兼GMの齋藤(竣)はゲーム前、「本当に楽しみでしかないですね。勝負のポイントとしては点を取らないと始まらないと思うので、先ずは打つ事ですね。あとは柳田(健)、後藤の両投手を中心に守り切れればなと思います。みんな気持ちも昂っているので、とにかく空回りしないように胸を借りるつもりで頑張ります」と話し、結成以来の悲願であるタイトル奪取へ気合い十分。
また、勝負のマウンドにこの日も先発ピッチャーとして上がる柳田(健)は、「ここまで来れたので、今日は楽しんで投げたいと思います。調子も良いですし、いける所まで全力で頑張ります」とコメントし、今季最後の大一番を前に良い緊張感を保つ。

そんな両雄が相見える事となった戦いは、Victoria最高峰リーグの頂点を懸けた争いという事のみならず、今季を締めくくるに相応しい緊迫の好勝負となった。
そのゲームは序盤、両先発右腕が存在感を示す。1回表、先にマウンドに上がった柳田(健)がRED SOXオフェンスでチャンスメイクを担う若き1、2番コンビの石川、中林を連続三振に切って取ると、3番丸橋に死球を与えてしまうも続く4番大野を三度三振。初回のアウト全てを三振で取るという圧巻の立ち上がりを披露。更にその柳田(健)は、続く2、3回と2アウトからヒット、エラーで出塁を許すも、そこからのチャンス拡大を図らせず無失点。今日という日のマウンドに懸ける強い気持ちを全面に押し出し、進化した強力RED SOX打線にチャンスらしいチャンスを作らせない。
対する吉田はというと、柳田(健)とは対照的に持ち味の打たせて取る投球術でNaughty打線を翻弄。1回を僅か7球でサードゴロ、サードフライ、ライトフライの三者凡退に抑えると、2回は先頭の4番齋藤(竣)にセンター前へと運ばれ出塁されるも5番山口をサードゴロ、6番中沢を4-6-3のダブルプレーで仕留め、結果三者凡退。更には続く3回も僅か8球という省エネピッチングで三者凡退に切って取るなど、こちらも負けじと本領発揮。両投手共3回までに許したヒットは1本のみと、何れも抜群の投球内容で相手打線に2塁すら踏ませない。

それでも迎えた4回、白熱の投手戦となり続いた均衡状態が遂に破られた。
この回も単打での出塁こそ果たすものの繋がりに欠け無得点に終わったRED SOX打線に対しその裏のNaughty打線は、1番小野寺、2番丸山が凡退し簡単に2アウトを取られるも、迎えた3番藤崎が1ボール1ストライクからの3球目をレフトスタンドへと突き刺すソロアーチを描き1点を先制。大会屈指のパワーヒッターが亡き父に捧げるVictoriaファイナル史上初となる柵越え弾で先取点を齎し、チームの士気を一気に高める。
すると、5回の守備から2番手後藤をマウンドへ送り必勝パターンの継投策に出たNaughtyディフェンスは、あわや同点かというシーンを招くもライトの守備に移った齋藤(竣)がホームへの好返球でこれを阻止するなど、終盤に入ってもRED SOX打線に得点を与えない。
更に、守備でもリズムに乗ったNaughtyは6回裏、疲れからか突如制球を乱した吉田から連続四球に加え、1番小野寺の送りバントが内野安打となり満塁のチャンスを作り出すと、迎えた途中出場の2番斎藤(憲)がショートへのタイムリー内野安打を放ち2点目を奪取。初優勝に大きく近づく貴重な追加点を奪った。

だがしかしゲームは最終7回、誰もが予想だにしないまさかの展開が待ち受けていた。
ここまで完全にゲームを支配されるも決して闘争心を捨てなかったRED SOXが、勝利へと昂る気持ちをコントロール出来ずにフォームを見失った後藤から大逆転を演じる。この回先頭の6番雨宮が打線を鼓舞するかのようにセンター前ヒットを放ち執念で出塁すると、その後2アウトとなるも代打アーロン、1番石川、2番中林の3人が連続で四球を選び押し出しで1点差。更に続く3番丸橋が死球を貰い同点に追いつくと、4番大野を迎えた場面で動揺するNaughtyバッテリーにワイルドピッチというミスが生じ、土壇場でゲームをひっくり返した。
すると最終回、ようやく援護を貰った吉田が一打同点のピンチを背負うも、最後は9番網代をファーストファールフライに打ち取りゲームセット。今シーズンをエースとして奮闘し、このファイナルの舞台でも82球の完投勝利を飾った吉田の力投を始め、誰一人として最後まで勝負を諦めなかったRED SOXが大逆転で3年振り2度目の1部王者に返り咲き、常勝軍団復活を遂げた。
ゲーム後、優勝インタビューでお立ち台に上がったゲームキャプテンの中林は、「苦しい試合展開でしたが、全員が諦めない気持ちで戦えた事が最高の結果に繋がりました。ただ今シーズンは藤本キャプテンがなかなか試合に来れなくてチームがバラバラになりかけた時もあったんですが、雨宮さんを筆頭に若手とベテランが一つになれた事でこの場に立ててると思います。また来年も2連覇目指して全員で頑張って、必ずこの舞台に戻ってきたいと思います」と語り、Victoria史上最多となる4度目の頂点奪取に喜びを爆発させた。
一方、悲願の初優勝にあと一歩と迫っていただけに悔し過ぎる惜敗となってしまったNaughty。ゲーム後、話しを伺った監督兼GMの齋藤(竣)は、「ここまでチームを引っ張ってきた後藤が投げて負けたので仕方ないですね。まあ後藤自身はかなり悔しいと思いますが。ただ、このままでは終われないと思っているので、来季こそは必ず頂点に立ちたいと思います」と話し、力強くリベンジを誓った。
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