TOP > Victoriaリーグ1部(2015年) > バックナンバー > 「歓喜の男泣き!Naughtyが死闘を制しファイナルへ!!」
TEAM123456789101112R
 大宮フェニックス    0      1      0      0      0      0      0      0      0      0      0      1      2   
        Naughty    1      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      2×    3   
Victoria史に刻まれる延長12回の大死闘!Naughtyが劇的サヨナラ勝利!!
最低気温9℃と肌寒さを感じるものの、雲一つない秋晴れとなった11月1日。
この日、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドではVictoria最高峰リーグの大一番、「大宮フェニックス VS Naughty」の準決勝戦が繰り広げられた。
そんな神宮決戦を懸けた一戦の先攻は、昨年のスプリングカップ制覇に続き2つ目のタイトル奪取に燃える大宮フェニックス。そのチームを監督兼絶対的エースとして率いる永野はゲーム前、「Naughtyさんはスイングの鋭いチームなので、マウンドに上がる自分の役割としてはランナーを出しても得点までは与えないピッチングが出来ればなと思います。また、冷え込んでいた打線も先週ようやく復調の兆しが見えたので、ウチの要である3番山下を中心に期待に応えてくれると思ってます。ここまで来たら全員で声を出しながら集中して戦って、その結果が良い形で終われればなと思います」と、言葉、表情共に気合い十分。
また攻撃のキーマン山下も、「ここへ来て調子も上がってきているので、全員野球で戦って決勝進出を目指します」と、力強い言葉で奮起を誓った。
対する後攻はサマーカップでも躍進を続け、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのNaughty。ゲーム前に意気込みを伺った斎(竣)監督は、「今季は1部、サマー両方でのファイナル進出を目指しているので、先ずは今日一つ決めて勢いづきたいなと 思います。ただ、チーム全員大一番を前に気合いが入り過ぎてる面があるので、気負い過ぎずに戦えるかがポイントですね。大宮フェニックスさんも勢いはあると思いますが、ウチも勢いという部分では負けていないと思うので必ず決めますよ」と語り、 初の檜舞台進出へと並々ならぬ闘志を漲らせる。
また、悲願達成へと勝負のマウンドを任された先発のエース柳田(健)は、「相手は強豪ですが、大崩れしないように最小失点で抑えられればいいかなと思います。今日も後ろには良いピッチャーが控えているので、最初から全力で投げ込んでいくだけですね」とコメントし、控えめな男が強い覚悟を覗かせた。

そんな両雄が相見える事となった戦いの火蓋は午前8時30分のプレーボールで切って落とされ、ゲームは序盤から互いのプライドが激しく交錯する展開となった。
初回、大宮フェニックス上位打線の1番城所、2番長岡を連続三振に切って取るなど柳田(健)が上々の立ち上がりを披露し流れを引き寄せたNaughtyが、その裏早くも攻撃開始。1アウトから死球を貰い出塁した2番丸山を1塁に置き、迎えた3番藤崎が永野の投じた内角低めのストレートをジャストミートすると、その一打は1塁ランナー丸山を一気にホームへと還す左中間真っ二つのタイムリー3ベースヒットとなり1点を先制。この日、指名打者としてクリンアップに据わった藤崎が起用に応え、チームを勢いづける貴重な先取点を齎した。
だが直後の2回表、その後のピンチを凌ぎ最少失点に止めた大宮フェニックスがすかさず反撃に出る。1アウトから6番猪岡、7番永野の連打で1、2塁のチャンスを作り出すと、8番橋本(優)の放ったセカンドゴロがダブルプレーを焦ったショートの悪送球を誘う併殺崩れとなり同点。先手こそ取られたものの、すぐさまゲームを振り出しへと戻し主導権を渡さない。

すると、互いがぶつけ合うファイナル進出への熱き思いは回を重ねる毎に熱を帯び、ゲームは中盤以降更なる総力戦と化す。中でも両投手陣が見せる気迫は凄まじく、先制点を許すも仲間の援護を受けた永野が2回以降2塁すら踏ませないピッチングでNaughty打線を封じ込めば、対する柳田(健)も、5回表にヒットと自らのフィルダースチョイスで1アウト2、3塁のピンチを招くも、女房役であるキャッチャー宇内の牽制殺にも助けられ3、4、5回を無失点。また、2番手としてマウンドに上がった後藤も6、7回と危なげないピッチングで大宮フェニックス打線を0に抑え、ゲームは7回を終了。両チームが見せる投手陣を中心としたディフェンス力が追加点を許さず、決着は8回からのサドンデス戦へと委ねられた。
だが、延長戦に入り更なる気迫立ち向かう後藤、永野のピッチングは互いに相手打線を力でねじ伏せ、延長11回を経過してもスコアボードは動かない。それでも迎えた延長12回表、8番橋本(優)の放った一打が相手サードのミスを誘い、大宮フェニックスが待望の勝ち越し点を奪取。同点時と同様に相手のミスから得点を奪い、大きく勝利を手繰り寄せた。
しかしゲームはその裏、後が無くなった事でより一層チームの結束力を高め攻撃に臨んだNaughty打線が、6番久保の放ったライトへの犠飛で同点とすると、更にその同点を阻止しようとファーストの投じたホームへの送球がボールデットとなり逆転サヨナラ。土壇場でリードを奪われても決して勝利を諦めず自分達の力を信じ抜いたNaughtyが、Victoria史上最長イニングとなった大死闘に劇的勝利で終止符を打ち、チーム結成以来の悲願であったプロスタでのファイナル決戦進出を掴み獲った。

ゲーム後、歓喜の涙で目を赤くしながらインタビューに答えてくれた斎藤(竣)監督は、「結成当初からプロスタでやる事を目標にしてやってきたので、本当に嬉しいの一言ですね。優勝前に胴上げしてくれるくらい皆にとっても嬉しい勝利だったと思います。中でも力投してくれた柳田(健)、後藤の2人は試合前に「絶対にプロスタに連れて行く」と言ってくれていたので、ありがとうと言いたいですね。また、MKY88さんとのサマー準決勝もこのままの勢いで勝って、12月13日、20日とどっちも神宮でやりたいなと思っています」と語り、歓喜に酔いしれつつ、2つ目のファイナル進出に照準を合わせた。
一方、2年連続でのタイトル奪取という大いなる目標は潰えたものの、間違いなくその実力を証明した大宮フェニックス。ゲーム後、12回を一人で投げ抜き自らの背中でチームを牽引し続けた永野は、「例え、あのまま同点で終わりジャンケン決着になってたらそれこそ勝てなかったと思うので、仕方ないですね。これで今季のVictoriaは終わってしまったので、また来年頑張りたいと思います」と、悔しすぎる敗戦に唇を噛みながら来季のリベンジを誓った。
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