TEAM	1	2	3	4	5	6	7	R
Naughty	0	0	4	0	1	0	-	5
青木製作所	1	1	0	0	0	0	-	2

9月6日。いよいよ勝負の季節へと突入したこの日、さいたま市の大宮健保グランドでは、1部リーグ決勝トーナメント1回戦、「Naughty VS 青木製作所Snugs」の一戦が行われた。 間違いなく熾烈を極めるであろう戦いの先攻は、今季のサマーカップで8強入りを果たすなど、多くのチームからマークされる存在へと成長を遂げたNaughty。 その若きチームを絶対的支柱として統率する斎藤（竣）監督はゲーム前、「決してベストメンバーではないですが、ここまで来たらやるしかないので何としても勝ちます。今日は攻撃陣が揃っていないので、2枚看板である柳田（健）と後藤のピッチングに注目してもらいたいですね。サマーもそうですが、この1部でもファイナルを目指しているので、先ずは初戦を獲れるように頑張ります」と気合い漲るコメント。 また、勝利のカギを握るであろう両右腕の1人、先発の柳田（健）は、「調子としてはいつも通り良い感じなので、ランナーを出しても粘り強くをテーマに投げたいと思います。とにかく、自分のピッチングをして勝てるように頑張ります」とコメントし、監督の期待に応えるべく絶対に負けの許されない勝負のマウンドへと上がる。 対する後攻は、ここ数年予選リーグでは無類の強さを発揮しながらも、何故か決勝トーナメントでは勝ちに見放されている青木製作所Snugs。それだけに今季こそはと奮起を誓うチームを率いる山口（翔）監督はゲーム前、「夏場に入ってからようやくチームの状態が上がってきたので、スプリング、サマー共に落としている分、この1部に全てを懸けるという気持ちは大きいですね。その中で今日のゲームのカギを握る部分は、先発のエース有川（竜）のピッチングは勿論ですが、ここまで低迷している攻撃陣の頑張りですね。例え残塁に終わってもコツコツとチャンスを作り続けていって、最後に勝ちを掴めれば良いかなと思っています」と語り、3年振りのVictoriaファイナル進出へと鬼門の初戦に挑む。 また、豊富な投手陣をエースとして牽引すると共に大事な初陣のマウンドを託された有川（竜）は、「今日のピッチングで心掛ける事は、無四球でいく事とヒットを打たれてもチャンスを広げられないように丁寧に投げる事ですね。ピッチングのバランスも抜群に良いので、一戦必勝で頑張ります」と語り、エースとしての誇りを胸に熱投を約束した。 そんな両雄が相見える事となったバトルは午前10時、稲垣（慶）主審のプレーボールでスタートとなり、ゲームは立ち上がりから動きを見せた。 1回表、初回のマウンドに上がった有川（竜）が1アウトから2番小野寺に死球を与え出塁を許すも、女房役である千葉の盗殺にも助けられるなど、Naughty上位打線を3人で仕留め流れを作る。すると、その裏攻撃陣がすかさず援護射撃。 出塁率チームNo.1の1番大桃が追い込まれながらも外角のストレートを鮮やかにレフト前へと流し出塁を果たすと、2番川村が1球で送りバントを成功させチャンスを作り出す。すると、迎えた3番山口（大）が1ボール2ストライクからの4球目をこれまた巧くレフト前へと弾き返し、まさに理想的な形で1点を先制する。更に勢いに乗った打線は、続く2回裏にも振り逃げ、内野安打、送りバントで1アウト2、3塁のチャンスを演出すると、9番村上の放ったセカンドゴロの間に3塁ランナー千葉がホームに還り追加点。ゲーム前に漏らしていた山口（翔）監督の懸念とは裏腹に序盤から2点を先行し、試合のペースを握る。 だがゲームは中盤へと入った3回表、1、2回と3人ずつで攻撃を終えてしまい、思うような形を作れずにいたNaughty打線がようやく有川（竜）を捉える。 この回先頭の7番齋藤（憲）がチーム初ヒットとなる強烈な一打を放ち打線を鼓舞すると、続く8番宇内も同様のレフト前ヒットで繋ぎノーアウト1、2塁。更に、連打で動揺したのか9番青木の送りバントがSnugs守備陣のミスを誘う形となり、満塁にまでチャンスを拡大させると、1アウトとなって迎えた2番小野寺が甘くは入ってきた有川（竜）の決め球ツーシームをレフトへと弾き返し2人が生還。尚も、パスボールで2、3塁となった場面で3番丸山が同じく甘めのツーシームを逃さずセンター前へと運び2点を追加。好機と見るや一丸で攻勢をかけたNaughtyが4対2と一気にゲームをひっくり返し、主導権を握り返した。 一方、あっと言う間に逆転を許してしまうも、このまま引き下がる訳にはいかないと反撃を試みるSnugs。だが、直後の3回裏に1アウト2塁のチャンスを作るも走塁ミスでダブルプレーとなり無得点に終わると、打線の強力援護で本来の粘り強さを取り戻した柳田（健）の前に4回のチャンスも活かし切れず、一度失った流れを引き戻せない。 すると5回表、この回からマウンドに上がった2番手山本が、1番中沢に与えた四球をきっかけに2アウトながらも3塁にランナーを背負うと、ここまで抑え込んでいた4番齋藤（竣）に止めとなるレフト前タイムリーを浴び万事休す。5回裏の三者凡退に続き、最終回となった6回の攻撃もリリーフ後藤の前に2アウトから代打久保田が意地の内野安打を放つが、最後は6番千葉が空振り三振に打ち取られゲームセット。序盤に見せた隙のない攻撃とは一転、チャンスを作るも得点へと繋げられず、又しても決勝トーナメントという厚き壁を打破出来ずに悔し涙を呑む結果に終わった。 ゲーム後、話を伺った山口（翔）監督は「守備から失った流れを引き戻す事が出来ませんでしたね。これで今季の戦いは終わってしまいましたが、チームとしては若い選手達が力をつけたシーズンになったと思うので、長い目で見ながら変革していきたいなと思っています」と語り、悔しさを滲ませつつも今日の敗戦を新たな出発点と位置づけた。 一方、序盤の劣勢を見事に撥ね除け、勝利を掴み獲ったNaughty。戦いを振り返った斎藤（竣）監督は「序盤は不安な展開になりましたが、その後は柳田（健）が粘り強く投げたし、3回のビッグイニングなんかはウチらしい野球が出来たんじゃないかなと思います。とにかく今年は、サマーと共に2つプロスタでやりたいと思っているので、これからの戦いも雑にならず丁寧にやっていければそれも見えて来るんじゃないかなと思います」とコメントし、快心の勝利に甘んじる事なく初の頂へと気持ちを引き締めた。