TEAM	1	2	3	4	5	6	7	R
マリアッチ	0	0	0	0	0	0	0	0
VICTORYS	0	1	0	0	0	0	×	1

絶好の野球日和となった4月12日。この日も各地で熱戦が繰り広げられる中、埼玉県さいたま市の大宮健保グラウンドでは、1部リーグEブロックの戦い「マリアッチ VS VICTORYS」の一戦が行われた。 先攻は今季からリーグ初参戦を果たしたマリアッチ。そのチームを率いる澤柳監督はゲーム前、「今日は初戦という事に加え取材も来ているので、みんなテンション上がってます。相手は強豪ですが目標の決勝トーナメント進出には初戦を獲る事が大事になってくると思うので、ピッチャーを中心に守り抜く野球で勝ちたいと思います」と気合い、テンション共に十分。 また、勝利のカギを握るであろう先発を任された若き右腕深沢は、「強い相手と聞いているので、とにかく力まず投げたいと思います。あとはボール球を巧く使いながら抑えられたらなと思います」と監督の期待に応えるべくリーグ初陣のマウンドへと気合いを入れた。 対する後攻VICTORYSは、ここ数年の不甲斐ない結果を払拭すべく、シーズン開幕戦を新体制で挑む。試合前に話を伺った駒野主将は、「今年はメンバーが増えた事でチームの雰囲気も変わって、皆の意識が目覚めてきたので、新生VICTORYSじゃないですけど生まれ変わった野球を見せられたらなと思ってます。ポイントとしては、調子の良いピッチャー陣を如何に早く援護出来るかだと思うので、何としても先制点を奪って逃げ切りの形を作れればなと思います」と春先のオープン戦から好調をキープするチーム状態に自信を覗かせた。 また、攻、守それぞれのキーマンにも意気込みを伺うと、先発小山は「ここ2年ケガをしてて投げられなかった分、今年はかなり気合いが入っていますし調子も良いので、投げる試合は絶対に負けません」とコンディション、モチベーション共に最高潮。 一方、北住代表からの信頼も厚く、リードオフマンとして攻撃の起点を担う1番小林は「攻撃的な1番として1回でも多く塁に出て、チームの勝利に貢献出来るように頑張りたいと思います」と、こちらも勝点3奪取へと闘志を燃やした。 そんな両雄が相見えた戦いの火蓋は午前8時に切って落とされ、ゲームは1点を争う好勝負となった。1回表、エラーで出塁した1番清水がチャンスを広げるべく盗塁を試みるも、相手キャッチャー福山のストライク送球で封殺されるなど3人で攻撃を終えたマリアッチ打線に対し、その裏のVICTORYS打線。攻撃のキーマンである1番小林が四球出塁に盗塁と期待通りの仕事を果たすと、2番松村の送りバントで3塁に進み、理想的な形でクリンアップへと繋ぐ。しかし、迎えた3番北住、4番吉田がファーストフライ、ショートゴロに打ち取られ、いきなり訪れた先制のチャンスを逃してしまう。 すると、続く2回裏も悪い流れを引きずり、深沢の前に簡単に2アウトを取られてしまう。だがそんな雰囲気を振り払うかのように7番福室が左中間を破る2ベースヒットを放ちチャンスメイクを図ると、続く8番大川もライトオーバーのタイムリー2ベースヒットで期待に応え1点を先取。下位打線の連続長打で貴重な先制点奪取に成功し、傾きかけた流れを引き戻すと共に主導権を握った。 一方、いち早く追いつきたいマリアッチ打線だったが、打線の援護によって凄みを増す小山の前に苦戦。3回表、1アウトから8番岡部がセンター前ヒットで出塁するも、後続が繋がる事が出来ず無得点。続く4回は1番からという好打順にも関わらず三者凡退で攻撃を終えてしまうと、5回にはチャンス拡大を狙った盗塁が又しても福山の強肩に阻まれ3アウト。小山の快投に加え、VICTORYSの堅守にことごとく反撃の芽を摘まれてしまう。 だがそれでも迎えた6回表、1アウトから死球で出塁した8番岡部が、9番小野寺の進塁打で2塁へと進み、この試合初めてスコアリングポジションにランナーを置く。ようやく迎えた一打同点のチャンスにこのゲーム最大の盛り上がりを見せるマリアッチナインだったが、この場面でVICTORYS陣営が小山から2番手高山へとスイッチ。この継投策が見事決まり、1番清水がショートフライに抑えられ無得点。 最終7回の攻撃も高山からチャンスこそ作れど、肝心の決定打が生まれず万事休す。抜群の安定感を誇るVICTORYS投手陣を最後の最後まで打ち崩す事が出来ず、悔しい一敗を喫してしまった。 ゲーム後、話を伺った澤柳監督は「今日は機動力が封じられてしまったので、やりたい事が出来ませんでした。 結果だけ見れば接戦でしたが、良いゲームをするだけではダメですね。でもここからが大事だと思うので、また取材に来てもらえるように頑張ります」と悔しさを滲ませつつも、しっかりと前を見据え気持ちを新たにした。 一方、思惑通り先制、逃げ切りに成功し、見事初戦を白星で飾ったVICTORYS。駒野主将はゲーム後、「1回のチャンスで点が取れず、悪い方向にいくかなと心配したんですが、2回に珍しく長打で先制点が取れたので良かったですね。日頃から如何に下位打線で点が取れるかを課題にしているので、2人とも良く打ってくれました。ただ全体としては、もう少し点を取ってあげたかったですね。今日は本当にピッチャー様々です」と苦しみながらも掴んだ貴重な一勝に笑みを浮かべ、「今年は『もう一度ドームで優勝』を合い言葉に戦っているので、新しいメンバーでまたあの感動を味わいたいです」と大いなる目標への言葉で締めくくった。