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> 「FOCUS Vol.1」
2012年シーズンも数々の熱戦が繰り広げられ幕を閉じたVictoria。
各大会の取材を通し、様々な表情を見せてもらった。
ヒットを放った後の笑顔、奪三振で拳を突き上げる姿、相手と対峙する瞬間の鋭い眼差しなど、その表情は多彩だ。
多くの選手が躍動する一方、その裏でチームに勇気を与え支える選手、仲間がいた。
そこで第1回のFOCUSは「ベンチにいる選手、仲間」にスポットを当てる。
全てのベンチ入り選手がゲームに出られる訳ではない。それがスポーツの世界。
それでもチームのために戦う選手達の存在感とは。
“陰の功労者”ベンチにいる選手が与えるパワー!!
スプリングカップ、サマーカップのファイナリスト、ジョルターヘッズの小関代表に聞いた。
「その存在はかなり大きいよ。勝ち上がるにつれて、どうしてもゲームに出られる選手は絞られてくる。 特にトーナメント戦は主力メンバーで戦う事が多くなる。負けたらそこで終わってしまうからね。 そんな時こそ、いつも変わらず声援をくれる人間がいる事は本当に心強い。 タイムリーを打った時、三振を奪った時、ピンチを凌いだ時に自分の事のように喜んでくれる仲間がベンチにいることは勝利の絶対条件。 だからこそ出ている選手は全力野球が出来て、結果が残せるんじゃないかな」
また、萩中サンダース相澤代表は語る。
「グランドにいる選手が実力を発揮出来るのはベンチにいる選手が勇気をくれるからです。
そして、グランドとベンチの気持ちが一体となった時、実力以上のパワーが生まれ最高の結果へと繋がると思うんです。だから僕らのモットーは全員野球なのです」
その言葉通り2012年に2部リーグを制覇し、チーム力がもたらす真の強さを証明した。
結果を残すのはグランドにいる選手。だが、その結果へと導く存在こそ“ベンチにいる選手達”であるという事。
その熱き応援こそが不可欠であり、勝利を掴む秘訣なのかもしれない。
2012年Victoria。チームにエールを送り続けた選手No.1!!
60を超える取材の中で最も輝きを放っていた選手こそ、レットリボン軍柳澤選手だ。
彼がチームを想う気持ち、姿勢はズバ抜けていた。
彼の声援を初めて目の当たりにしたのは7月14日、厳しい日差しが突き刺す真夏の試合だった。 その日のレットリボン軍は、3回に先制するも4回に逆転を許し、5回に直ぐさま追いつくといったシーソーゲームを戦っていた。
そんな中での柳澤選手、攻撃時はコーチャーボックス、守備の時はベンチの前に出て仲間を大きな声で鼓舞する。 その直向きな姿は我々スタッフもパワーをもらえる程で、一試合を通して声援を貰えるレットリボン軍の選手達が羨ましく思えた。
決して楽ではない声出しを自ら率先して行う彼の姿勢こそ、チーム愛の象徴であると共に欠かす事の出来ない力と言えるだろう。
選手だけではない!!マネージャーの熱き応援!!
予選リーグを突破し、目標の決勝トーナメントを迎えた高輪エンジェルズ。
そこで選手以上にチームを奮い立たせたのが女性陣の声援だった。
1回戦を戦うチームはこの日、主将の三野選手を欠いたゲームで5回を終わって3対0と苦戦を強いられていた。
そんな重たいムードの中、「諦めるなー!!まだまだ諦めるなー!!ここからここから!!」と彼女達の大きな声援が飛んだ。
すると、これまでの沈黙が嘘のように打線が息を吹き返し、6、7回に2点ずつを奪い逆転に成功、土壇場でミラクルを見せた。
最終回に逆転を喫し、紙一重の差で敗れてしまった高輪エンジェルス。
だがしかし、彼女達の熱き応援こそが奇跡的な同点劇を引き寄せ、チームにパワーを与えた事に間違いはないだろう。
最後の最後まで何が起こるか分からないのが草野球の魅力の一つ。
2012年シーズンも数多くのドラマが生まれた。
我々スタッフも、一つのプレーが勝敗を分けたシーンを数多く見てきた。
そしてそんな瞬間こそ改めて感じさせられるのだ。ベンチから送られる“気”の力の大切さを。