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> ZOOM!Vol.14:Victoria座談会
新企画となる「Victoria座談会」。記念すべき第一弾は、最高峰リーグで凌ぎを削り合うジョルターヘッズ小関氏、PEGASUS山田氏、Naughty齋藤氏を迎え、Victoria須永がマスターを務めるBar球音にて行われた。
20代、30代、40代と異なる世代の彼らだが、代表として指揮する一方で自らもプレーでチームを鼓舞する姿や、過去に進出したファイナルでは共に準優勝と涙を呑んでいる点など、意外にも共通点が多い。さらに言うならば、チームカラーはクールなブルーという点も共通している。そんな彼らが今回、リーダーとしての率直な思いを赤裸々に語ってくれた。草野球のリアルがここにある。
決勝という舞台はチームにとってどんな意味合い?
小関
「俺らにとって準決勝が決勝という意識はあるかな。プロ球場に行くことがまず目標だから、準決勝はものすごく熱くなるよね。だからこそ、まだ優勝してないのに泣いたり抱き合ったりするのは、それだけ特別だっていう事。普通に考えたら可笑しな話なんだけどね」
齋藤
「僕、準決勝で胴上げされてますからね(笑)」
小関
「そうなんだ?そりゃーされるよね」
山田
「実は自分もされてます(笑)」
小関
「ははは。本当に?」
齋藤
「大宮健保で延長13回終わった後に。あれは激戦だったので嬉し泣きでした」
山田
「俺は薬業健保で(笑)。うちも劇的だったので皆で泣きましたね」
小関
「だからご褒美なのよ、決勝戦は。でも負けると本当にへこむわな。とっても」
胴上げされる齋藤氏(2015年11月1日)
須永
「でもチームによっても決勝戦の意味合いが違うかもしれませんね。何が何でも勝ちに拘るチーム、全員で楽しむチームとか」
小関
「それはあるよね。皆はどうしたの?」
齋藤
「うちは普通に戦いましたよ。全員出すとかそういう気はあんまりなくて、一年間見てきて頑張ってきた選手を使っていこうかなと。決勝戦だけ来た選手は流石に出せないですよ。でもその日ダメだなって思った選手はすぐ代えましたね」
小関
「それはもちろん勝ちに行くって意味で?」
齋藤
「もちろんそうですね。やっぱり結成2年目でVictoria1部の決勝進出というのは、なかなか味わえない事なので絶対優勝したいと思っていて。代えた事によってベンチ裏で泣いてた選手もいましたけどね。だから僕らは勝ちに行く意味で代えたって感じですね。一つも妥協はなかったし、全力でやりました」
小関
「惜しかったよね。笑」
齋藤
「まぁ今でも負けた感覚はないですけどね(笑)。最終回2アウト2ストライクまで2対0で勝ってて、そこから負ける事ってなかなかないと思うので・・・」
小関
「なかなかないよね。野球って本当に難しいね」
齋藤
「もう皆、優勝を確信してて、選手がベンチから飛び出す準備をしてましたからね。今思えばそれが敗因かもしれませんね」
須永
「山田さんはどうでした?」
山田
「うちは全員出しましたね。皆で1年間やってきたし、皆で掴んだ舞台なので。でも俺は出たいから、1番サードは譲らないぞみたいな(笑)」
須永
「結果はサドンデスでサヨナラ負けでしたよね?」
山田
「そうですね。だからうちも負けた感覚がないです。その試合はうちのヒット1本だけだったので・・・。BOOOOONのピッチャーもうちのピッチャーも頑張った試合でしたね」
ジョルターヘッズ 小関氏
小関
「決勝ってどの試合もピッチャー良いよね?やっぱり雰囲気でテンション上がるんだろうなー」
須永
「そうですね。毎年、ロースコアの勝負が多いですね」
齋藤
「ヒットは出ないですね。お互い出ても3本くらいじゃないですか」
小関
「ボコボコ出るなんて本当にないもんね」
山田
「僕、初球振ろうってずっと思っていたんですけど、手が出なかったですね(笑)」
小関
「やっぱり打席を楽しみたくなっちゃうのかな。無意識でね」
齋藤
「それは多少ありますよね(笑)」
小関
「俺は決勝に3回出て、3回とも負けてるからね。最初は2011年にVICTORYSとやったんだけど、うちはガチでやった結果、0対1で負け。次は翌年にスプリング・サマーの2大会で決勝進出したんだけど、その時は勝ちに行くけど全員使うプランでいったのさ。かなり難しいんだけど・・・(笑)。結果的に中途半端な感じになって、2試合とも負けたのよ。そりゃそうだよね、間違った事はしてないと思いたいんだけど、中途半端にやって勝てる世界じゃないからね。この2試合も0対1で負けて、ファイナルではまだ1点も取ってないんだよなー。あの時どうしてたら良かったのかって今でもたまに考えるよ」
山田
「そうなんですよね、決勝の勝ちパターンが全然分からないですよね(笑)」
小関
「まぁ誰も勝ってないから、知らないんだけどさ(笑)」
齋藤
「間違いないですね(笑)」
須永
「もし次にファイナル行った場合は、どんな戦い方をします?」
齋藤
「僕は変わりませんね。前回と同様、全力で勝ちに行きます」
小関
「難しいよねー。実際どうするんだろ(笑)」
PEGASUS 山田氏
山田
「どうするんですかね~。実際そこまで行くのが本当に大変ですけど(笑)。1部に上がって2年間、まだ1勝もしてないですからね。決勝は戦い方変えるんですかね?でもそうするとチームが変わってきちゃいますもんね」
齋藤
「そうなんですよね。それは微妙ですよね」
小関
「実際その日だけ来る選手っているじゃん(笑)?それが悪いって事ではないんだけど、どう扱うか皆悩むと思うんだよねー」
山田
「いや~悩みますね。ベンチ見たらたくさんいるし、どうすんだこれって(笑)」
齋藤
「うちは絶対出さないですね。やっぱり年間通して頑張ってきた選手を優先します。全員が同額の部費を払ってるんで少し心苦しいですけど、各自が自覚して来てると思うので、そこは大人なんだからって感じですね」
小関
「そうだよなー。そこで逆に不貞腐れるような選手だったら、ここまで続かなかっただろうしね」
齋藤
「そうですね。そういう風に見切っていかないと、チームとして同じ戦い方は出来ないですよね」
小関
「そうだね。Naughtyじゃなくなっちゃう気がするね」
齋藤
「出せるなら出してあげたいですけど、厳しいですよね」
小関
「俺は次行ったら絶対勝ちにいくけどなー。もう決めてるんだ。
でも勝ちに行ったから勝てるわけではないんだけどね」
山田・齋藤
「そうなんですよね(笑)」
小関
「胴上げとか見てると悔しいというより腹立つよな(笑)。
あそこで勝つか負けるかは本当に違うと思うよー」
山田
「本当に違いますね」
小関
「天と地の差だよ」
齋藤
「0か100ですよね」
小関
「そうそう。0を知ってるから100になりたいよね。この惨めさは負けた俺らしか知らない気持ち。MKYは2個負けたからこそ、2個勝てたのかもね。2個負けて、2個勝って、双子生まれてみたいな(笑)」
※MKY88越間選手、赤ちゃんのご誕生、おめでとうございます
山田
「双子ちゃんが先じゃないですか(笑)?ほんと味わいたいですね~」
小関
「そっか(笑)。優勝して美味しいお酒呑みたいね。その瞬間のために1年間やってるんだから。さっきも言ったけど、準決勝で勝って、一回ビールかけやってるようなもんだもん。プロ野球で例えると、準決勝を勝つことがリーグ優勝、日本シリーズが決勝みたいな感じかな」
山田・齋藤
「間違いないですね」
小関
「そこで負けちゃうと、気持ち的に全部おじゃんになっちゃった感はあるよね。敗者の気持ちはみんなそうだと思うよ」
山田
「ほんと満たされないですもんね」
小関
「準決勝であんだけ喜んだのに、どん底に突き落とされるよね」
齋藤
「今年こそ頑張りましょう」
山田
「まずは1勝頑張ります(笑)」
他チームとの交流について
小関
「新年会は良かったねー。もっと色んなチームと話したかったけど、あの人数じゃね(笑)。グランドで会う姿とは皆本当に違うよね」
齋藤
「違いますよね。グランドでは戦闘モードですからね(笑)。齋藤さんってこんな感じの人だったんですねって、皆に言われましたよ。どんなイメージだよって(笑)」
Naughty 齋藤氏
山田
「動画のイメージ強いからね(笑)」
小関
「新年会でも思ったけど、皆他チームと仲良くなりたいんだねー」
山田
「昔はこの文化はなかったですもんねー」
小関
「ここ5、6年かな。Victoriaが出来てからだよね、こんな風に飲むようになったのは」
齋藤
「今は繋がりが大事な時代になったんじゃないですかね?」
小関
「そうだよね、時代に順応したよ(笑)。二人はどう?」
齋藤
「僕は球音が出来てからなんで、ここで色んなチームの方と知り合って、本当に勉強になるし、必要だと思いますね」
山田
「僕も今は必要だと思いますね。昔は喧嘩だと思ってやってましたけど(笑)」
須永
「時代は変わりましたね。若い選手もどんどん入ってきますもんね」
小関
「そうそう、まとめるのも大変だよね」
齋藤
「うちのチームは平均21.6歳くらいなので、お二人とはまとめ方も違うかもしれないですね。例えば、小関さんが白い物を黒と言えばそれは黒。うちはそういう感じなんですけど、僕より下の子が多いので、扱いは難しいですけどね」
小関
「うちも18歳とかいるけど、それくらいいになると完全に息子だよね。だから俺は逆に優しくしちゃうかな。親みたいになっちゃうね(笑)。中間層が取り持ったりはしないの?」
齋藤
「しますします。でもそれで上と下で派閥が出来るのも嫌だし、実際去年はそういう雰囲気になって勝てなかった部分があるので。良い経験だと思って、今年は皆でまとまってやっていこうって話はしてます。だからこそ、今年に懸ける思いは強いですね」
代表者の苦悩、難しさ
齋藤
「代表者の苦悩なんて選手には分からないですよね」
小関
「長い事やってるけど、分からせようとしたらストレスにしかならないよ。100頑張っても2くらいしか返ってこないでしょ(笑)?でもそれくらいじゃないとやっていけないよ」
山田
「そうなんですよね。ずっと葛藤ですよね」
齋藤
「このテーマはこれに尽きますよね。書いてもらって選手に見てもらいたいわけじゃないけど、この話題しかないですよね(笑)」
山田
「そうだよね」
小関
「一番はそこだよね。ただ、皆にありがとうありがとう!って言われたいわけじゃないんだよね」
齋藤
「1から100までやっていることを分かってほしい。それを理解した上でプレーして欲しいってだけです」
小関
「そうそう」
山田
「本当それだけなんですよね」
小関
「必死に頑張ってグランド確保して、人数もギリギリの中、当日行けませんって事もあるじゃん?人間として社会人としてどうなのかなって。俺に感謝っていうより、チームがある事に感謝っていうか、もっとチームをリスペクトしてほしい気持ちはあるかな」
齋藤
「そうですね。毎週当たり前に野球が出来てる事だけには感謝してほしいですね」
山田
「グランド取る苦労はちょっと分かってほしいよね」
齋藤
「文句言う奴に限って、何も分かってないですからね」
須永
「僕も3年ほど代表経験がありますけど、寂しくなりますよね(笑)。一人でも分かってくれる人がいるとだいぶ違いますけどねー」
齋藤
「分かります、寂しくなりますよね」
小関
「俺は長年やってて、今は分かってくれる人がいっぱいいるけど、本当の意味での辛さを分かり合えるのは違うチームの代表者しかいないよね」
齋藤
「だからこそ、代表者さんと飲んでると愚痴が多くなっちゃいますよね(笑)。それが当たり前ですし、しょうがない事ですよね」
山田
「代表は黙ってベンチに座っとけって言われません?」
小関
「それは考えるけど、まだ言わせない(笑)」
山田
「僕もそれを言われたくないんで、全部自分でやってます(笑)」
齋藤
「今日の3人は全員選手兼ですもんね。僕は35までは絶対やりたいんですけど、若い子を育てたいって気持ちもあるので、そうすると自分は引っ込んだ方が良いのかなって思ったりもします。去年からそこはすごく考えてますね。もちろん自分は出たいんで、トレーニングしたりしてるんですけど、昨年くらいからチームが勝つことに重点を置くって考えも出てきましたね」
山田
「出ないとストレスになるんだったら出た方がいいよね」
小関
「まだ26でしょ?絶対ストレスになる(笑)」
須永
「代表者を誰かに任せられますか?」
小関
「代表が変わるって難しいよね。このチームにって人もいるけど、それより代表にって気持ちの人が多いもんね。人間だし、男だからさ、この人のためにって思えたら、すべてがうまく行くよね」
山田
「本当にそうですね」
齋藤
「飲み屋と一緒ですよね。球音には須永さんがいるから来るけど、いなかったら来ないよって話と同じですよね。そういう人は多いと思いますね」
小関
「そうだね。代表者の引継ぎはなかなか出来ないよね」
山田
「無理ですね、チームが変わっちゃいますから。確実に辞めてく人間が必ず出ますよね」
小関
「これからも大変な事だらけだと思うけど、自分たちがやってくしかないんだろうな」
今後も定期的に座談会や対談などを企画していきますので、「出たい」という方はご一報ください。
小関様、山田様、齋藤様、ご協力いただきありがとうございました!!