TOP > 今週のVictoria(2016年) > 「最後の切符はRossowave!Victoriaファイナル進出の全10チーム出揃う!!」
日付が変わるまで降り続いていた冷たい雨も上がり、清々しい冬晴れとなった11月20日。この日東京都品川区の大井ふ頭海浜公園野球場では、先々週のリターンマッチにして今季最後の大一番、「Rossowave vs 湾岸ベースボーイズ」の2部リーグ準決勝戦が行われた。

そんな仕切り直しとなったバトルの先攻は、今季のトーナメントマッチで一躍その名を轟かし、この2部リーグでも他を寄せ付けない快進撃で勝ち上がるなど、優勝候補の筆頭に名前の挙がる千葉の若武者Rossowave。
そんな成長著しいチームの指揮官である土井(佑)代表はゲーム前、「お互い非常に良い試合をして、今回再戦という形になったんですけど、今回もチーム一丸となって勝利を目指します。ポイントはピッチャーもそうですが、ウチがどれだけ塁に出て走れるかが鍵になってくると思います。今日こそは必ず白黒つけます」と、気合いを漲らせる。また、この日も絶対的エースとしてのプライドを胸に先発マウンドへと上がる沖は、「本当強打のチームなので、真っ直ぐで押していくだけではなく、今回はもっと変化球を使って巧く躱していくピッチングが出来ればなと思っています」と語り、大一番へと静かに集中力を研ぎ澄ます。
対する後攻は、ここまで圧倒的な強さを見せつけ勝ち上がってきた湾岸ベースボーイズ。先々週の同対決では、今季初めて劣勢の展開を強いられるも、そのプレッシャーを撥ね除け土壇場で追いつく執念を見せつけるなど、参戦1年目での悲願達成に並々ならぬ思いを滾らせる。
そんなチームを率いる宮島主将はゲーム前、「今日は再試合ですが神宮が掛かっていますので、全員が全力を出し切り勝ちを掴みにいきます。ポイントとしては、やはり両ピッチャーの出来によるかなと思います。ウチが勝つならおそらく1点勝負になると思うので、細かい所を注意しながらやりたいと思います」と話し、ロースコアでの決着を目論む。また、沖同様、チームの大黒柱としてこの日も先発マウンドを任されたエース松岡は、「前回はコントロールが定まらずフォアボールが多かったので、今日はとにかくランナーを出さないようにする事を意識して、最少失点で抑えたいと思います」とコメントし、こちらも大一番に向け集中力を高める。

何れにしても、今日で雌雄を決する事となる両者の戦いは、この日も文字通り僅差の好ゲームとなった。
ゲームは1回表、Rossowave打線が死球、エラー、送りバントで1アウト2、3塁のチャンスを作り出すと、4番今野がセカンドフライに倒れ2アウトとなるも、迎えた5番土井(佑)が初球を左中間へと弾き返し2点を先制。更に続く6番岡本(直)にもタイムリー内野安打が飛び出し、幸先良く3点の先取に成功する。
一方、ゲーム前に宮島主将が語っていた思惑とは裏腹に、細かいミスからピンチを招き失点を許してしまった湾岸ベースボーイズ。すると、ディフェンスで招いた悪い流れは攻撃面にも影響し、直後の1回裏に先頭の1番増田があと数センチでHRかというフェンス直撃の一打を放つも、Rossowaveのセンター今野のレイザービーム送球に阻まれ2塁タッチアウト。また、その後2アウトながらランナー3塁にまでチャンスを広げるも、4番宮島の放った強烈な当たりがセンター正面となり無得点に終わると、続く2、3回にもランナーを得点圏に進めチャンスを演出するが、あと1本が生まれず反撃の狼煙を上げられない。
それでも、エース松岡が尻上がりに調子を上げ、2回以降は粘りの投球で無失点ピッチングを続け徐々に流れを引き寄せると、迎えた5回裏だった。四球、内野安打、ワイルドピッチで1アウト2、3塁の場面を作り出すと、2番牧の放ったショートゴロがエラーを誘う一打となり1点を返す。更に3番胡麻が四球で歩き満塁となった場面で迎えた4番宮島がレフトへと犠飛を放ち、3対2と1点差に詰め寄る。
すると最終回となった6回表、エラーによる出塁からスコアリングポジションに進塁を許すも、エースが気迫の三者連続三振でピンチを脱した湾岸ベースボーイズはその裏、2アウトながら3塁と一打同点の場面を迎える。しかし、松岡同様に最後の最後まで闘志漲るピッチングを見せつける沖の前に、最後は代打松本が三振に倒れゲームセット。先日の一戦を彷彿とさせるような死闘は、開始直後に奪った先制点をエース沖を中心に守り切ったRossowaveが1点差で逃げ切り、今季最後のファイナリストとして神宮の大舞台へと歩みを進めた。

ゲーム後、土井代表は「今日も1点差の厳しい試合の中、ピッチャーを中心に皆で守れたと思います。(自身の先制タイムリーについては)緊張していたので、本当良い所に飛んでくれて良かったです。ミスをする事もあるんですけど、常にチームを勢いづけるプレーを心掛けているので、今日はすごく良い形で貢献できたかなと思います。とにかくVictoria参戦2年目でファイナルの舞台に立てる事が大変嬉しいですし、せっかく素晴らしい球場で試合が出来るので、皆で楽しく出来れば良いと思います」と勝利の喜びを語った。
一方、チャンスの数だけを見れば上回っていただけに、本当に悔しい敗戦となってしまった湾岸ベースボーイズ。ゲーム後、話しを伺った宮島主将は「良い所はたくさんあっただけに、やっぱり攻守でのミスが悔やまれますね。チャンスも多かったんですけど、取れる所で取れなかった事が敗戦の要因ですね。悔しいですけど、相手も流石だったので、これが自分達の今の力だと思います。この敗北を糧にしてまた来年頑張ります」と話し、奥歯を噛み締めながら来季こその決勝進出を誓った。

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