TOP > 今週のVictoria(2016年) > 「繰り広げられた準決勝6試合!神宮への切符を掴むのは果たして!?」
すっかり冬の様相となった11月6日。この日繰り広げられたVictoriaの大会は全てが準決勝のバトルであり、それ故、何れの戦いも互いのプライドが激しくぶつかり合った壮絶な争いとなった。

先ず、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドで行われたのが、遂にセミファイナルを迎えた真夏の頂上決戦、「Revival vs MKY88」の一戦。戦いの先攻は、昨年このサマーカップ準決勝でまさかの逆転負けを喫し、ファイナルへの切符を掴み損ねたRevival。そんな彼らだけに今年に懸ける思いはどのチームよりも強く、取材カードとなった3回戦のダディーズベースボール戦でも爆発を見せた攻撃陣は、ここまでの4試合で25得点と絶好調である。また、エース山田を擁する守備陣も僅か3失点とこちらも抜群の安定感を誇る。
対する後攻は、すでにスプリングカップでの決勝進出を決めているMKY88。昨年と同じく、春夏の2大会でファイナル進出を決める事が出来るかには注目が集まる。そんな絶好調の彼らだが、2回戦でGOLGO BASEBALL CLUB、3回戦での青木製作所Snugsとのバトルは1点差と、ここまでの道のりは決して楽なものではなかった。しかし、そんな接戦を勝ち切る勝負強さは新たな成長の一端であり、昨年2連敗を喫した神宮球場でのリベンジに向け、この一戦は絶対に落とせない。
そんな両雄が相見えた一戦は序盤、MKY88高橋、Revival山田の両エースがランナーを出しながらも踏ん張りを見せ、0行進となる。そんな中ゲームが動いたのは3回裏、MKY88打線がヒットと四球で2アウトながら2、3塁のチャンスを作り出すと、迎えた4番長岡がセンター前へと2点タイムリーを放ち先制に成功する。
一方、先手を取られてしまったRevivalはというと、再三スコリングポジションにランナーを進めるも、ピンチの場面になればなるほど力を発揮する高橋の前に最後まであと一本が出ず万事休す。チャンスの数だけを見れば圧倒的に上回っていただけに悔いの残る一戦となってしまい、又しても準決勝の壁に阻まれてしまった。その一方で、主砲の一打で手にした先取点をエースが苦しみながらも守り抜き、勝利を掴み獲ったMKY88。これで春先に宣言した通り、2年連続となる春夏2大会での決勝進出を決めた。

この日唯一、準決勝2試合が繰り広げられた1部リーグの戦いは、両バトル共にこれぞ最高峰リーグの戦いと言わしめるような白熱の好勝負が展開された。

先ずはサマーカップの一戦同様、埼玉県さいたま市の大宮健保グランドを舞台に午後2時のプレーボールで行われた「BUZZ vs 吉岡クラブ」のマッチアップ。奇しくも予選Bブロック同士の争いとなったバトルの先攻は、リーグ大会初参戦ながら、強豪犇めくこの最高峰リーグで準決勝まで勝ち進んできたBUZZ。予選リーグでは3位通過に甘んじるも、決勝トーナメントでは本領を発揮。エース林を中心とした鉄壁のディフェンス陣はもちろん、上位から下位までバランスの取れた強力打線は脅威だ。そんな彼らにとっては、スプリングカップ2011以来の準決勝となるが、予選同様に強豪吉岡クラブを打ち負かした時、自身初となるファイナル進出が6年越しに決まる。
対する後攻は、前回王者として連覇に挑んだスプリングカップでは準々決勝敗退に終わり、その悪い流れからかサマーカップではまさかの初戦敗退となってしまった吉岡クラブ。しかし、それでもこの最高峰リーグでは予選ブロックを2位で通過すると、エース菊池を中心に決勝トーナメント1回戦、2回戦と持ち前の危なげない試合運びを披露。昨年は準決勝で敗れたこのリーグ大会で、春夏の雪辱と共に今季こそのファイナル進出を目指す。
そんな両者が再び交わる事となった一戦は、戦前の予想通り菊池、林の両エースが先発マウンドに上がり、序盤は0対0で進む。
そんな中迎えたゲームは3回裏、吉岡クラブ打線が相手守備陣のミスに乗じ2アウトながら満塁のチャンスを演出すると、迎えた4番菊池の場面でBUZZバッテリーにワイルドピッチのミスが生じ、ラッキーな形で1点を先制する。
痛恨のミスで先取点を献上してしまったBUZZ陣営だったが、最大のピンチを最少失点で凌ぎ、後半の巻き返しへと気持ちを切り替える。しかし、そんな反撃ムードの前に立ちはだかったのが吉岡クラブ最年長エースの菊池だった。これまで数々の修羅場を潜り抜けてきたベテランが見せる巧みなピッチングに翻弄される形で、放ったヒットは僅か1本のみ。捉えた当たりも野手の正面を突くなど最後の最後まで打ち崩す事が出来ず、そのまま完封負け。初参戦を果たしたこのリーグ大会で大いに存在感を放ったものの、6年越しの悲願達成直前で夢が断たれてしまった。
一方、貴重な先制点をエースがきっちりと守り抜く形で勝利し、最高峰リーグでは初めてファイナルの舞台まで勝ち進んだ吉岡クラブ。だがそれはあくまで通過点に過ぎず、最大の目標は2年連続でのタイトル奪取にある。

続くもう1試合は、東京都品川区の天王洲公園野球場を舞台にナイターゲームで繰り広げられた「RED SOX vs WILL B.C」の一戦。
バトルの先攻は、今年のトーナメント大会で春夏共にまさかの初戦敗退を喫するなど、決してチーム状態が良いとは言い難い昨年の王者RED SOX。しかし、最後はきっちりとここまで勝ち進んでくる辺りは流石である。昨年の決勝戦で見せた大逆転勝利から1年、未だ彼らしか成し遂げていないサマーカップでの連覇に続き、前人未踏の最高峰リーグ連覇への挑戦権を掴む事が出来るか。
対する後攻は、昨年のサマーカップ王者として新たなタイトル獲得を目指すWILL B.C。だが今季の戦いを振り返ると、スプリングカップ8強止まりに続き、連覇を狙ったサマーカップでは16強に止まり、奥歯を噛み締める苦しいシーズンとなっている。それでもリーグ大会では、Dブロック2位通過を果たすと、迎えた決勝トーナメント1回戦でMKY88に春のリベンジ。更に2回戦の東京ドナルド戦では昨年のサマーカップ準決勝を思い起こさせるような大逆転勝利を飾り、この準決勝へとコマを進めてきた。そんな勢いに乗る彼らだが、相手はディフェンディングチャンピオンとあって、まさに今季最大の山場を迎えた。
何れにしても、大会こそ違えど昨シーズン共に頂点を極めた者同士の対決とあって、壮絶な試合が予想された。
すると、ゲームは文字通り終始手に汗握る展開となり、互いに幾度となく得点圏にランナーを進めるもRED SOX荒田、WILL B.C樋口の両先発投手が決して決定打を許さず、0対0のまま7回を終了。勝負の行方はサドンデス戦へと委ねられた。
迎えた延長8回、ファースト後方へのフライで思い切ったタッチアップをするも、間一髪ホームタッチアウトとなり無得点に終わったRED SOXに対し、その裏のWILL B.Cは、2アウトとなって迎えた3番木田がライトへとタイムリーを放ちサヨナラ。強者同士の対決は最後の最後で明暗が分かれ、WILL B.Cが昨年のサマーカップと同様にドラマチックな幕切れで終止符を打ち、見事決勝進出を決めた。

この日、唯一繰り広げられた2部リーグのバトルは、千葉県柏市の東実健保グランドを舞台とした、「Rossowave vs 湾岸ベースボーイズ」の対決。戦いの先攻は、昨年の2部リーグでは僅か1勝に止まり、予選敗退を喫したRossowave。しかし、その雪辱に燃え今季急成長を遂げた若武者は、トーナメント大会で春夏共に8強入りを果たすなど一気にその名を轟かせると、リベンジを目論む今大会では予選Eブロックを2位で通過すれば、決勝トーナメントに入っても他を寄せ付けない快進撃を続けている。まさにシンデレラストーリーを描きつつある彼らが、ストーリー完結への更なる一歩として勝負の一戦に挑む。
対する後攻は、今季初出場ながらここまで圧倒的な強さを見せつけている湾岸ベースボーイズ。予選Dブロックを無傷の5連勝で突破すると、決勝トーナメント1回戦でも相模ランバーズをコールドで下せば、2回戦ではJAあつぎとの緊迫の投手戦を制すなど、その試合運び、勝負強さは見事である。そんな初出場での初優勝を目指す彼らが、この重要な一戦でも本来の実力を発揮し、湾岸旋風を巻き起こす事が出来るか。
注目の両雄が激突した一戦は、Rossowave沖、湾岸ベースボーイズ松岡の両エースが先発マウンドに上がり、1点が勝負を分ける白熱の投手戦が予想された。だが、そんな予想とは裏腹に、ゲームは取った取られたを繰り返す一進一退の攻防が展開された。
先ずは1回裏、湾岸ベースボーイズが6番松岡の2点タイムリーで先取点を奪えば、対するRossowaveも2回、5回と1点ずつを返し同点に追いつく。また、そのRossowaveは直後の5回裏に再び2点をリードされるも迎えた6回表、2アウト満塁から9番小沼に走者一掃となるタイムリー3ベースヒットが飛び出し、遂にこの試合初めてのリードを奪う。
しかし、そんなお祭りムードも束の間、その裏湾岸ベースボーイズの1番増田にタイムリーを許し、ゲームは再度振り出しとなる。すると、そんなシーソーゲームは5対5のまま7回を終了しゲームセット。両チームの希望により準決勝特別ルールが適用され、神宮を懸けたバトルは再試合で決着を付ける事となった。

先立って行われた文化の日の一戦と合わせて、最高峰リーグと同様に計2試合が繰り広げられた3部リーグ。いよいよ大詰めを迎えた最激戦区の戦いは4強全てが初参戦の新星とあって、両バトル共に注目のルーキー対決となった。

先ずは、11月3日の文化の日に行われた「CRN vs Brightness」の一戦。
戦いの先攻は、予選Eブロックを破竹の6戦全勝で突破したCRN。迎えた決勝トーナメント1回戦では韋駄天との激闘を1点差で制すと、2回戦でも優勝候補の一角ガンジーズに快勝するなど、その実力は折り紙付きだ。ここまで負け知らずの新星が、この準決勝でも高きポテンシャルを発揮し、無傷の9連勝で初のファイナル進出を目論む。
対する後攻は、取材カードとなった1回戦のCHUYANS+戦で、サドンデスにまで縺れた緊迫の投手戦をサヨナラで制すと、2回戦では富士見SPとの死闘を奇跡の逆転勝利で飾り、2戦連続となるサヨナラ勝利でこの準決勝へと勝ち進んできたBrightness。まさにこれ以上ない形で勝ち上がってきたニューカマーが勢いそのまま決勝進出を目指す。
そんな両者が激突したゲームが動いたのは2回表、CRNが佐藤のタイムリーで1点を先制すれば、直後の2回裏、Brightnessもすぐさま1番片桐(六)のソロHRで同点とし、序盤は譲らぬ展開となる。だがゲームは1対1で迎えた4回表、CRNがヒット、死球などで無死満塁のビッグチャンスを作り出すと、8番及川に値千金の満塁HRが飛び出し一挙4得点。更に、攻撃の手を緩めない打線は再びチャンスを演出すると、3番上戸の放ったタイムリー2ベースヒットでも2点を加え、この回大量6得点を奪い一気に突き放す。
まさに圧巻の攻撃を披露したCRNは、続く5回表にも8番及川の放った内野ゴロの間に1点を追加し止めを刺すと、投げてはエース上田がBrightnessの反撃を1点のみに止め2失点の完投勝利。攻守で隙の無い野球を披露したCRNが8対2のスコアで制し、見事負け無しでのファイナル進出を決めた。
一方、三度の奇跡とはならず、悔しい準決勝敗退となってしまったBrightness。それでも、今季の彼らが見せた勝負を諦めない姿勢というのは賞賛に値する見事なものであり、来季の活躍も大いに期待させるものであったと言える。

残るもう1試合は、東京都足立区の舎人公園野球場を舞台に行われた「King☆Johnny vs マイルドスターズ」の対決。
バトルの先攻は、予選Eブロックを2位通過で勝ち上がってきたKing☆Johnny。決勝トーナメント1回戦では、最終回に3点差をひっくり返す逆転勝利を挙げ、2回戦ではKawaguchi Clubとの激闘をサヨナラで制すなど、チーム状態は最高潮だ。投打の軸となる藤尾の活躍はもちろん、どんな逆境にも屈しないチーム力でこの重要な一戦へと挑む。
対する後攻は、予選Cブロックを同じく2位で通過してきたマイルドスターズ。決勝トーナメントではCHUYANS、砂町ドンフェイスといった予選ブロック首位通過チームを下し、準決勝までコマを進めた。若さ溢れるエンジョイ野球で初出場同士となる若武者対決を制し、現役大学生チームでは初となる夢舞台出場を狙う。
そんなルーキー同士がぶつかり合ったゲームはスタート直後の1回表、King☆Johnny打線が6番山田の押し出し死球で幸先良く1点を先制し、試合を動かす。一方、逸早く反撃に転じたいマイルドスターズだったが、king☆johnny先発エース藤尾の前に3回まで1安打5奪三振と完全に封じ込められる。それでも迎えた4回裏、2つの死球を貰い、この試合初めて得点圏にランナーを置きチャンスを迎える。しかし、ようやく巡ってきた好機でも、藤尾を打ち崩すまでとはいかず、この回も無得点に終わる。
すると反対に、ピンチの後にチャンスありとばかりにKing☆Johnny打線が直後の5回表に1アウト3塁の場面を作り出すと、4番石川の放ったショートゴロがホームへの送球エラーを誘い1点を追加。更に勢いづいた打線は6番山田の放った2ベースヒットでも1点を加え3対0とリードを広げれば、続く6回表にもワイルドピッチなどで再び2点を追加しダメ押し。
また、投げても先発のエース藤尾が被安打2の7奪三振という圧巻のピッチングでマイルドスターズに一切の反撃を許さずシャットアウト。まさに投打の噛み合ったKing☆Johnnyが5対0で完封勝利を飾り、見事初出場でのファイナル進出を勝ち取った。
一方、予選を通して平均5得点以上を奪っていた打線が最後まで奮わず、ここへ来て初の完封負けを喫したマイルドスターズ。ファイナルを懸けた大一番で力を発揮出来なかった事は悔やまれるが、強者達を次々と薙ぎ倒してのベスト4進出は見事の一言であり、この悔しさを糧に来季こそはファイナリストの座を射止めてもらいたい。

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