TOP > 今週のVictoria(2016年) > 「サマー、2部で4強決定!TABOO、ブルサンがセミファイナルへ!!」
早朝の肌寒さからも一層秋の深まりを感じる陽気となった10月23日。そんな秋期の到来と共に最終局面を迎えているVictoriaはこの日、サマーカップと2部リーグの準々決勝2試合が繰り広げられ、何れも埼玉県さいたま市の大宮健保グランドを舞台に火花を散らした。

そんな中、正午ジャストのプレーボールでスタートした一戦は、「ギャンブラーズクラブ vs TABOO」のサマーカップ準々決勝。
戦いの先攻は、今季初参戦ながら8強入りと大旋風を巻き起こしているギャンブラーズクラブ。決して楽な道のりではないはずの真夏決戦で、1部リーグ所属の相模KOT'S、はちみつハニーを下すと、3回戦ではディフェンディングチャンピオンのWILL BASEBALL CLUBをも撃破し、注目の新星が新たな優勝候補としてその名を知らしめると共に一気に頂点奪取を見据える。
対する後攻は、すでにスプリングカップでファイナル進出を決めているTABOO。昨年は不遇のシーズンを送るも、今季は結果が示す通り完全復活を果たし、このサマーカップでも今季2大会目となる決勝進出に向けて邁進する。

そんな両者が相見えたゲームは1回裏、TABOO打線が1番穂坂のエラー出塁をきっかけにチャンスを作ると、迎えた3番高野の放ったタイムリーで1点を先制し、幸先の良いスタートを切る。だがゲームは直後の2回表、この回先頭の5番矢部が放ったソロHRによってすかさず同点としたギャンブラーズクラブ打線が、更に7番加塩、8番中山の連打でも1点を奪い、忽ちゲームをひっくり返す。
しかしゲームは又しても直後だった。逆転を許した事で闘志に火のついたTABOO打線が2回裏、ヒット、四球で満塁の場面を演出すると、このチャンスに1番穂坂がライト線を破る満塁HRで応え、5対2と再逆転。更に勢いづいた打線は、4回裏にも相手守備陣の乱れから一挙4点を奪い勝負を決定づけると、投げては先発の永富が巧みな投球術でギャンブラーズクラブの反撃を1点のみに抑え完投。
決してチャンスを逃さず、作り出した2度のビッグイニングで試合を優位に運んだTABOOがギャンブラーズクラブの追撃を躱し、9対3のスコアで快勝。見事ベスト4進出を果たし、春夏での決勝進出に王手をかけた。
一方、先制されながらも逆転したまでは良かったが、直後に浴びた満塁弾とミスによる大量失点で敗れたギャンブラーズクラブ。初出場でのファイナル進出を視界に捉えていただけに悔しいベスト8敗退となったが、これまでに披露した彼らの戦いぶりは大いに大会を盛り上げ、来季の更なる躍進をも期待させるものであった。

この日行われたもう1試合は、リーグ大会では唯一の争いとなった2部リーグの一戦。その戦いは「ブルーサンダーズ vs 漁火」のベスト4入りを懸けた準々決勝のバトルであり、午前11時30分のプレーボールで凌ぎを削った。

そんな注目マッチの先攻は、20歳の選手を中心とした新体制を築き、予選Bブロック首位として2年ぶりの決勝トーナメント進出を果たしたブルーサンダーズ。1回戦では武蔵との激闘を制するなどこの決勝トーナメントに入っても予選リーグからの好調ぶりは健在であり、準決勝敗退となった2014年大会以来の4強入りに向け死角はないと言っていい。
対する後攻は、リーグ初参戦を果たした2014シーズン以来3年連続での決勝トーナメント進出となった漁火。1回戦ではFブロック1位のごうしょうに快勝し好スタートを切るなど、ここへきて調子は上向きだ。その彼らも2014年大会ではブルーサンダーズ同様、準決勝で敗れているだけに今季は3度目の正直といきたいところ。ワイルドカード1位からの下剋上完結と同時に初の決勝進出に向け歩みを進める。

そんな両雄が対峙したゲームは1回裏、漁火打線がブルーサンダース先発天野の立ち上がりを攻め、2ランHRで先制点を奪うと、3、4回にも得点を積み重ね6対1とリードを広げる。
一方、3回表に9番曽根のソロHRで奪った1点以外、漁火先発松永の前に沈黙していたブルーサンダース打線だったが迎えた終盤5回表、突如制球が定まらなくなった松永から2つの四球を選びチャンスを作ると、ここで代わった2番手橋本からも連続四球を貰い1点を返す。更に尚も続くチャンスの場面で迎えた4番山谷に満塁HRが飛び出し、一気にゲームを振り出しへと戻した。
するとゲームはその後、7回を終了しても決着がつかず、サドンデス戦へと突入。その延長8回表、相手エラーなどで3点を奪ったブルーサンダースに対し、その裏の漁火は1点のみに止まりゲームセット。
終始劣勢を強いられながらも主砲の一振りで流れを引き寄せ、延長戦での逆転劇へと繋げたブルーサンダース。幾つか課題の残る戦いではあったが、激闘を制しての勝利は本当に価値ある1勝になったと言え、まさに次戦に控える初の決勝進出を懸けた一戦に向けて大きな弾みとなったに違いない。
一方、中盤まで完全にゲームをコントロールしていただけに5回の大量失点が悔やまれる結果となってしまった漁火。今季こそはと悲願達成を掲げていた彼らだが、又してもその夢は道半ばで潰えてしまった。

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